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平成 27 年度 特別研究奨励費 研究成果報告書
1 .研 究 課 題:ポ ー ル・ヴ ァ レ リ ー・モ ン ペ リ エ 大 学 (UPVM)と の 新 た な 大 学 間 交
流協定の締結と、その実務交渉
区分
所属
補職
氏名
分担者
国際交流の推進
人間文化研究科
教授
寺田 元一
佐野 直子
2 . 要 旨 : 昨 年 12 月 に 提 携 校 と な っ た フ ラ ン ス 南 部 の ポ ー ル ・ ヴ ァ レ リ ー ・ モ
ン ペ リ エ 大 学( UPVM)を 2 月 に 訪 問 し 、交 換 留 学 制 度 の 枠 組 み そ の も の を 拡 大 す
る 方 向 で 非 常 に 有 意 義 な 協 議 を 進 め る こ と が で き 、ま た 、交 換 留 学 生 が 直 面 す る
学 生 生 活 の 主 要 な 問 題 に つ い て 、現 場 で 貴 重 な 情 報 を 当 事 者 か ら 伺 う こ と が で き
た 。 そ の 意 味 で 、 交 換 留 学 具 体 化 へ の 礎 を 置 く こ と が で き た 。 4 月 26 日 現 在 、
モ ン ペ リ エ 大 学 の 側 で 交 換 留 学 協 定 に つ い て の 新 た な 文 言 を 検 討 中 で あ り 、そ れ
を受けて、再度協議し、夏休み前に協定締結へと進む予定で、準備中である。
キ ー ワ ー ド : ポール・ヴァレリー・モンペリエ大 学 、交 換 留 学 、協 定 、寮 、フ ラ ン ス
学 習 セ ン タ ー 、留 学 生 へのケア
3.概要
① 研 究 目 的:今 年 度 中 に UPVM との大 学 間 協 定 を正 式 に締 結 させ、実 際 の学 生 派 遣
や受 け入 れのための実 務 協 議 を行 うために本 教 員 をモンペリエに派 遣 し、来 年 度 からの
本 格 的 な交 流 に向 けての準 備 を行 うこと。
② 研 究 方 法:大 学 間 協 定 が 正 式 に 締 結 さ れ た 後 の 2 月 頃 に 、本 学 教 員( 寺 田 ・
佐 野 ) が UPVM に 赴 き 、 来 年 度 か ら 正 式 に 毎 年 1-4 名 ( 学 部 生 2 名 、 大 学 院 生 2
名 ) の 学 生 を 派 遣 し 、 同 数 の 学 生 を 受 け 入 れ る こ と を 念 頭 に 、 UPVM の 状 況 を 視
察 す る と と も に 、 派 遣 の た め の 必 要 な 方 策 を 協 議 す る 。 他 方 で 、 UPVM か ら の 留
学 生 の 受 け 入 れ に 当 た っ て 、UPVM の 要 望 を 聞 き な が ら 、本 学 の 方 策 を 検 討 す る 。
それを、交換留学協定に反映させ、協定をなるべく早く締結する。
③ 研 究 成 果 及 び 考 察 と ま と め:ま だ 具 体 的 に 交 換 留 学 協 定 の 文 言 は 詰 め ら れ て
い な い が 、交 換 留 学 の 具 体 的 あ り 方 に つ い て 、訪 問 以 前 に 互 い に 前 提 し て い た 枠
組 み を 大 き く 拡 げ る 方 向 で 、UPVMの 副 学 長 を 交 え て 協 議 し 再 検 討 す る こ と が で き
た 点 が 、最 大 の 成 果 で あ る 。1 .UPVMに は 付 属 の 語 学 学 校 IEFE( 外 国 人 の た め の
フ ラ ン ス 学 習 セ ン タ ー 、フ ラ ン ス 語 だ け で な く フ ラ ン ス 文 化 を 幅 広 く 学 ぶ 授 業 が
開 講 さ れ て い る )が あ り 、語 学 学 校 で フ ラ ン ス 語 を 学 び つ つ 専 門 科 目 を 聴 講( 単
位 に は な ら な い )、半 期 の 語 学 留 学 +半 期 の 専 門 履 修 、1年 間 の 専 門 履 修 と い っ た
さ ま ざ ま な 留 学 方 式 が 可 能 。2 .既 に 十 分 な 語 学 力 が あ り 、直 接 専 門 履 修 す る 学
生 に つ い て も 、事 前 に 3 週 間 IEFEで 授 業 を 受 け る こ と で 、ス ム ー ズ に 大 学 の 授 業
に 溶 け 込 め る 方 策 な ど も 十 分 検 討 の 価 値 が あ る 。3 .UPVMに は 日 本 語 ク ラ ス が 開
講 さ れ て お ら ず 、 UPVMか ら NCUへ の 留 学 が 困 難 だ が 、 こ の 点 に つ い て も 、 モ ン ペ
リ エ に あ る 国 際 リ セ( 高 校 )、ジ ュ ー ル・ゲ ー ド 校 で 日 本 語 教 育 が な さ れ て お り 、
そことの提携を模索するなど、改善方向が示されたこと。
住 居 に つ い て は 、留 学 し た 際 に 学 生 が 住 む こ と が 予 定 さ れ る 寮 に つ い て 、具 体
的 に 視 察 で き 、撮 影 も す る こ と が で き た の で 、そ の 情 報 を 活 か し て 、留 学 希 望 者
へ の 説 明 会 や 指 導 で 、フ ラ ン ス で の 住 居 に つ い て 的 確 な 紹 介 が で き 、安 心 し て 学
生を送りだすことができる。
フ ラ ン ス 語 力 が 多 少 劣 っ た り 、そ の ま ま 学 部 や 大 学 院 に 留 学 す る こ と に 不 安 を
抱 く 学 生 が 留 学 す る 場 合 で も 、IEFEが 存 在 す る の で 、正 式 登 録 以 前 に 、短 期 間 も
し く は 長 期 に 渡 っ て 、ど の 程 度 の 費 用 で 、ど の よ う な フ ラ ン ス 語 学 習 を す る こ と
が で き る か 、成 績 評 価 の 仕 方 は ど う か な ど を 、具 体 的 に 知 る こ と が で き た 。ま た 、
そ こ へ の 入 学 手 続 の し か た も 明 確 に な っ た 。ま た 、学 校 内 部 の 視 察 も 行 う こ と が
できたので、留学希望者への説明会や指導の際に活用できる。
留 学 生 へ の ケ ア 制 度 に つ い て も 、UPVMの 学 生 生 活 担 当 副 学 長 と 会 合 し た こ と で 、
NCUの よ う に 、 留 学 生 の た め に チ ュ ー タ ー 制 度 が あ り 、 勉 学 や 生 活 上 の 問 題 の 相
談 が で き る こ と や 、さ ら に は TA制 度 に よ っ て 、特 に 勉 学 の サ ポ ー ト を 受 け ら れ る
ことも明確になった。
大 学 院 生 と し て UPVMに 留 学 す る 学 生 の た め に は 、サ ン・シ ャ ル ル・キ ャ ン パ ス
の視察ができたことが重要である。大学院教育は主としてそこで行われており、
少 人 数 で セ ク シ ョ ン ご と に 密 度 の 濃 い 教 育 研 究 を 行 っ て い る こ と が わ か り 、大 学
院で交換留学を望む学生への指導に活かすことができる。
以 上 の よ う に 、交 換 留 学 制 度 の 枠 組 み そ の も の を 拡 大 す る 方 向 で 非 常 に 有 意
義 な 協 議 を 進 め る こ と が で き 、ま た 、交 換 留 学 生 が 直 面 す る 学 生 生 活 の 主 要 な 問
題 に つ い て 、現 場 で 貴 重 な 情 報 を 当 事 者 か ら 伺 う こ と が で き た 。そ の 意 味 で 、交
換 留 学 具 体 化 へ の 礎 を 置 く こ と が で き た 。 4 月 26 日 現 在 、 モ ン ペ リ エ 大 学 の 側
で 交 換 留 学 協 定 に つ い て の 新 た な 文 言 を 検 討 中 で あ り 、そ れ を 受 け て 、再 度 協 議
し、夏休み前に協定締結へと進む予定で、準備中である。