教 科 地理歴史 履修学年 2年 科 目 単位数 「新詳地理B」(帝国書院) 教 科 書 「新詳高等地図」(帝国書院) 地理B 4単位(文理文系) 3単位(上記以外) 「新地理B要点ノート」 副 教 材 (啓隆社) 「新編地理資料 2016」 (東京法令出版) 「統計要覧 2016 年版」 (二宮書店) 1.教科・科目の目標 世界各地に生起している地球的課題に関する諸事象を自然環境や産業,都市など項目別に追求理解し, 各地の地域性を学ぶ。また,大小様々な地域を多面的・多角的に追求し,複眼的な視野を養い,環境と人 間に関した考察である地理的な考え方・見方を身につけていきます。 授業では,地形図の読図や,統計資料の読み取りなど作業的・体験的な学習を通して,地理的な技能を 身に付けていきます。 2.学習内容 第Ⅰ部 さまざまな地図と地理的技法 様々な時代や種類の地図の読図を通じて,各時代の世界観を捉え,地図の有用性に気付くとともに,球 体を地図に表現した場合の特性や時差の求め方を通して,地理的事象を捉える地理的技能を身につけてい きます。また,地域調査を通じ,地形図を活用して多面的・多角的に地域的特色を捉える技能も身につけ ていきます。 第Ⅱ部 現代世界の系統地理的考察 私たちの生活は,地形や気候の影響の制約を受けています。そのために,地域毎の特色が生まれ,そこ で生産される農作物や産出される鉱産資源,さらには農産物・鉱産資源を原料とした工業などに違いが生 じてくるのです。ここでは,そうした自然環境と私たちの暮らしとの関わりを世界的視野から大観し,私 たちの暮らしに及ぼす制約や恩恵を整理し,現代社会の抱える問題について地理的に考察する方法を学習 していきます。 Ⅰ部の最後では,私たちの生活に関わり深い,衣食住や都市・村落の機能,また余暇や消費活動につい て学習します,一見すると,自然環境と関わりが少ないように思われるますが,地理的な視点を持ってみ ると,繋がりが見えてくるのです。 以上のように,2 年生の段階では,地理学習の基本となる地形・自然・産業に重点を置き,地理的な視 点・地理的な考察力を身につけることを重点に置き学習していきます。 3.学習方法 ①授業 地理Bでは教科書・提示資料等を使用しながら,学習内容を説明していきます。板書,要点ノート を利用するほか,単元ごとに確認テストを行い,基礎・基本的な地理知識を定着させていきます。 また,地図帳や提示する資料で調べまとめたり,地形図の読図を行い,地理的空間認識を身をもっ て体得します。 ②家庭学習 教科書で学習した内容が実際の社会生活の中で検証できるようにしてください(具体的には,新聞 やニュースなどでの出来事を地図帳にて位置確認をする)。また,日々の事象・出来事に対し,自分 なりのキャパシティーを増やすとともに,事象に対しての疑問符をもてるように心がけてください。 ③課外授業 状況に応じて随時行うことがあります。 ④その他 学習内容に応じた書籍・新聞記事等を活用して,さらに理解を深めることが望まれます。 世界の様々な地域の特色を理解するために,普段からテレビ・インターネットあるいは,図書館な どを利用して,机上における活字だけでなく,写真・動画から諸地域の空気を感じとり,世界の情報 に興味・関心を深めていきましょう。 4.評価の方法 定期考査の成績,単元毎の小テスト,ノート,課題プリントの提出状況や授業に取り組む姿勢など,総 合的に評価します。 5.その他 授業はあくまでも必要最低限にすぎません。新聞・テレビ等からの地理的情報に関心をもち積極的に単 語力(地名も含む)を吸収し身につけておく必要があります。 2年生では,基本事項の徹底理解はもとより,地学・歴史・経済等との関連性に気づき理解を深めるこ とが大切です。定期考査,学力テストなどを有効に利用し,学力の定着を図ってください。 学 学期 習 計 画 〔科目名 学 習 項 目 第Ⅰ部 様々な地図と地理的技能 ・1 章 地理情報と地図 ・現代世界の地図 ・地図の種類とその利用 ・地理情報の地図化 ・2 章 地図の活用と地域調査 第Ⅱ部 現代世界の系統地理的考察 ・1 章 自然環境 ・世界の地形 ・世界の気候 ・日本の自然の特徴と人々の生活 ・環境問題 1 学期 ・2章 2 学期 資源と産業 ・産業の発達と変化 ・世界の農林水産業 ・食糧問題 ・世界のエネルギー,鉱産資源 ・資源・エネルギー問題 ・世界の工業 ・第三次産業 ・世界を結ぶ交通・通信 ・現代世界の貿易と経済圏 ・3 章 人口,村落・都市 ・世界の人口 ・人口問題 ・村落と都市 ・都市・居住問題 3 学期 地 理 B 〕 学 習 内 容・方 法 ・ 地図の種類や歴史的変化から,地図の目的と各時代の世界観を理 解するとともに,地形図を通じ身近な地域を多面的・多角的に捉 える技能を身につける。。 ・地図史(TO マップ,日本沿海輿地全図など) ・正積図法,正角図法,正方位図法など ・時差 ・地形図(等高線,地図記号など) ・ 世界全体から大規模な地形を見ると,そこに類似性や規則性が見 えてくることを理解させる。 ・世界の大地形(プレートテクトニクス理論) ・大陸移動説(A・ウェゲナー) ・世界の小地形(堆積平野・海岸の地形・砂漠の地形など) ・気候を学ぶためには気候要素の観点が必要で,気候の多様性を知 るうえで気候因子も大事な視点であることを認識させ,ケッペン の気候区分を基礎に,世界の気候を系統的に学ぶ。 ・気候要素と気候因子 ・ケッペンの気候区分 ・各気候帯の特徴 ・4つのプレートがぶつかり合う日本は,世界的にも希な地域であ り,火山活動や地殻運動の激しい地域である。それ故に,大事地 震や津波といった災害の危険性がある一方で,温泉や発電といっ た恩恵も受けていることを学ぶ。 ・フォッサマグナ,中央構造線 ・モンスーンと気団の影響 ・世界の農業の地域的差異を自然条件だけではなく,文化や経済・ 社会面など,多角的・多面的にとらえることも必要であることを 認識させる。 ・ホイットルセーの類型と区分 (ホイットルセーの農業地域区分) ・現代の農作物の生産は,原産地だけでなく,世界中で様々なもの が生産されている。その背景には,生産技術の向上だけでなく, 物流とった流通システムの発展があることを認識させる。 ・穀物メジャー ・フィードロット ・原料資源には地域的な多様性と偏在性があることを学ぶ。 ・工業の盛んな地域は集中していて,その分布には類似性がある。 また,工業生産の内容と立地がどのように変化してきたか考察す る。 ・さまざまな工業立地条件 (A・ウェーバー「工業立地論」) ・第一次,第二次産業で生産されて農工産物が,世界でどのように 取引されているかといった貿易を中心に,その手段となりうる交 通さらには通信網がどのように展開されているかを捉える。 ・駄獣,船,鉄道,自動車,航空機 ・インターネット等 ・地球規模では人口は増加の一途をたどっている一方で,日本をは じめとする先進国では人口停滞や人口減少とう状態に苦慮してい る。先進国と途上国とではなぜこのような違いが生じるのかにつ いて理解するとともに,その問題点を探る。 ・人口動態,人口ピラミッド ・合計特殊出生率,一人っ子政策など ・都市と村落のそれぞれの機能と形態の違いによる特色を学び,歴 史的な過程が影響していることを学習する。 ・都市・村落の立地(形成)条件 ・都市の形態と機能・村落の機能と形態 ・現代の都市域では,人口過密による地価の上昇,またドーナツ化 による都市内部の荒廃によるインナーシティ問題など,地域によ って様々な問題点を抱えている。この地域間による差異はなぜ発 生するのか,都市が抱える問題につちて考察する。 ・ドーナツ化現象,スプロール現象 ・インナーシティ問題 ・ジェントリフィケーションなど
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