マダニからの SFTS ウイルス検出マニュアル 衛生研究所配布用

マダニからの SFTS ウイルス検出マニュアル
衛生研究所配布用
(感染研獣医科学部 SOP ver3.1 互換)
20140316 作成
1 検査器具の確認
商品名
メーカー
型番
特記事項
試薬
□
DEPC treated Water
(このプロトコールでは H2O または水と略す)
開封時に約 2ml および約 10ml に小分け
RNA 抽出・リアルタイム PCR の各段階で別個の
小分けを使用し、使い捨てる
NipponGene
318-90203
100ml×6
□
TE
開封時に約 10ml に小分け
RNA 抽出・リアルタイム PCR の各段階で別個の
小分けを使用し、使い捨てる
NipponGene
310-90023
100ml×6
□
Isogen II
NipponGene
311-07361
100ml
□
p-ブロモアニソール
Wako
027-16801
1ml
□
2-プロパノール
Wako
166-04836
500ml
□
エタノール
Wako
057-00456
500ml
□
エタ沈メイト
開封時に 1ml の TE を添加して希釈する
NipponGene
312-01791
0.2 ml
□
RNA-directTM Realtime PCR Master Mix
TOYOBO
QRT-101
(0.5ml×5)
250 回分(換算)
□
EcoRV
NipponGene
317-00462
2,000 units
□
Agarose 21
NipponGene
313-03242
25g
□
50×TAE
NipponGene
313-90035
500ml
□
Loading Buffer
NipponGene
313-90111
10ml
100bp DNA ラダーマーカー
バイオメディカルサ
イエンス
BC-BRG10001
50 回分
□
Primer&Probe (陽性コントロールプラスミド増幅断片 201bp、ウイルス増幅断片 164bp)
□
Primer SFTSV-S2-237s
50 pmol/ul :GCAACAAGATCGTCAAGGCATCAGG
□
Primer SFTSV-S2-400a
50 pmol/ul :TGCTGCAGCACATGTCCAAGTGG
□
FAM/MGB-Probe SFTSV-S2-317MGB
10 pmol/ul :CTGGTTGAGAGGGCA
□
陽性コントロールプラスミド
1μ g/μ l (約 2μ l に小分けし使い捨て)
□
1/4" Ceramic Sphere
MP Biomedicals
#6540-412
500 個
□
Garnet Matrix A Bluk
MP Biomedicals
#6540-427
500g
□
1.5 ml チューブ
ザルスタット
72.692BS
500 本(20 本×25 袋)
消耗品類
□
□
2.0 ml チューブ
ザルスタット
72.693YS
500 本(20 本×25 袋)
バイオマッシャーⅡ 未滅菌
Wako
303-95431
100 本
LightCycler 480 Multiwell Plates 96, white
Roche
04 729 692 001
50 plate
推奨機器
□
BIOSPEC MINI BEAD-BEATER
家田貿易
約 5000rpm で使用できるもので代用可能
□
ライトサイクラー480 インスツルメント II
Roche
上記試薬は各種 ABI 機でも動作確認済
□
真空乾燥機
メーカー不問
プラスミド精製との共用は可能な限り避ける
1
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2 ダニからのサンプル RNA の調整 (実験前後に器具類は UV 照射する事)
2-1 ビーズビーター使用時
2-1-1 □ ダニ破砕チューブを作製する
チューブあたり 1/4" Ceramic Sphere1個、Garnet Matrix A Bluk 小さじ 1 杯
分量は右図を参照のこと
2-1-2 □ ダニ破砕チューブに IsogenII を 1 ml 添加する
2-1-3 □ ダニをチューブに入れる
チューブあたりダニ数は、成ダニ 1 匹、若ダニ 5 匹、幼ダニ 5 匹を目安とする
大きな成ダニや吸血後の固く潰し難いダニは等はチューブに入れた後、
注射針等の鋭利な物で予め穴を数か所開けておくとすり潰しやすい
2-1-4 □ BEATER で 5000 rpm 30 秒(ダニによっては数回)破砕後、5 分間静置
以降の操作は 2-3 へ
2-2 バイオマッシャーII 使用時
2-2-1 □ ダニの大きさに合わせて 200-500μ l 程度の IsogenII を
バイオマッシャーII に添加する
2-2-2 □ ダニをチューブに入れ、すり潰す(上記に記載したダニ数)
2-2-3 □ IsogenII の総液量を 1 ml になるように添加し、混和する
2-2-4 □ 5 分間静置する
以降の操作は 2-3 へ
2-3 □ 0.4 ml の DEPC 水を添加
2-4 □ 15 秒間 勢いよく上下に振る
2-5 □ 15 分間静置する
(-20℃で数日保管可能)
2-6 □ 遠心(12,000xg 15 分 4℃)
2-7 □ 上清を新しい 1.5ml アシストチューブに移す(~1000μ l)
2-8 □ 5μ l の p-Bromoanisole を添加
2-9 □ 15 秒間 勢いよく上下に振る
2-10 □ 5 分間静置する
2-11 □ 遠心(12,000 xg 15 分 4℃)
2-12 □ 上清を新しい 1.5ml アシストチューブに移す(800 μ l)
2-13 □ 800 μ l の 2-プロパノールおよび 5μ l 希釈済エタ沈メイトを添加し混和する
(-80℃で長期保管可能)
2-14 □ 室温で 10 分間静置
2-15 □ 遠心(12,000 xg 10 分 4℃)
2-16 □ 上清を除く
2-17 □ 1 ml 75%エタノールを添加
2-18 □ 遠心(12,000 xg 1 分 4℃)
2-19 □ 上清を除く
2-20 □ 1 ml 75%エタノールを添加 (2 回目)
2-21 □ 遠心(12,000 xg 1 分 4℃)
2-22 □ 上清を完全除き、乾燥させる
2-23 □ 20 μ l の DEPC 水を添加し、5 分程度静置後ボルテックスで沈殿を溶解する
2-24 □ 検体はラベルシールを貼って、-80℃の検体保管ボックスに入れる
2-25 □ ゴミを捨て、実験台および実験器具を 5 分以上 UV 照射する (6 ページ参照)
2
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3 リアルタイム RT-PCR (実験前後に器具類は UV 照射する事)
LightCycler 480 の使用を前提としたプロトコールを記しますが、ABI 各種リアルタイム PCR 機でも
使用できる事を確認しています
3-1 □ 陽性コントロールプラスミドの段階希釈を作製する
2ml チューブで①から⑨を作製の際は、やさしく、しっかり混和し、軽く遠心する
10 回転倒攪拌がよい(激しい混和は 10 コピー検出能が低下;Voltex 厳禁)
コピー数
プラスミド終濃度
1 ng/μ l
作り方
1 μ g/μ l プラスミド 1μ l
->
TE
ラベル
999μ l
①
1E+7/2ul
50 pg/2μ l
①溶液 25μ l ->
975μ l
②
1E+6/2ul
5 pg/2μ l
②溶液 100μ l ->
900μ l
③
1E+5/2ul
500 fg/2μ l
③溶液 100μ l ->
900μ l
④
1E+4/2ul
50 fg/2μ l
④溶液 100μ l ->
900μ l
⑤
1E+3/2ul
5 fg/2μ l
⑤溶液 100μ l ->
900μ l
⑥
1E+2/2ul
500 ag/2μ l
⑥溶液 100μ l ->
900μ l
⑦
1E+1/2ul
50 ag/2μ l
⑦溶液 100μ l ->
900μ l
⑧
H2O
-
検体溶解用の H2O 100 μ l
⑨
3-2 □ 作製した希釈段階は、氷上で保管する
段階希釈済の②~⑨は、作製日内の使いまわしは可能
作製翌日以降の使いまわしは不可
3-3 □ ゴミを捨て、実験台および実験器具を 5 分以上 UV 照射する (6 ページ参照)
陽性コントロールプラスミドのコンタミネーションを抑制する
3-4 □ 氷上に置いた 2ml チューブに以下の試薬を混合しマスターMix を作製する
目安: [検体数 + 2 連の陽性・陰性スタンダード(16 サンプル)] の 1 割増し
RNA-directTM Realtime PCR Master Mix (TOYOBO 社)
試薬名
x1
x
□ H2O
5.56 μ l
□ RNA-directTM Realtime PCR Master Mix
10 μ l
□ 50mM Mn(OAc)2
1 μ l
□ Primer SFTSV-S2-237s (50 pmol/μ l)
0.32 μ l
□ Primer SFTSV-S2-400a (50 pmol/μ l)
0.32 μ l
□ probe SFTSV-S2-317MGB (10 pmol/μ l)
0.8 μ l
□ サンプル または コントロールプラスミド
2 μ l
3-5 □ 18μ l のマスターMix を LightCycler 480 Multiwell Plates 96, white に分注する
3-6 □ 2 μ l の検体 RNA を Well に添加する
3-7 □ 2 μ l の陽性(②~⑧)と陰性コントロール(⑨)を Well に添加する
陽性・陰性コントロールは Duplicate で 16well を使用
3-8 □ プレートにシールをはり、上からヘラでこすりつける
3-9 □ 1 秒間ボルテックスし、プレート遠心機で 10 秒間遠心する
3-10 □ ゴミを捨て、実験台および実験器具を 5 分以上 UV 照射する (6 ページ参照)
3-11 □ Roche Light CyclerII および PC の電源 ON
3
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ログインユーザ名: LC480
3-12 □ デスクトップにある「LightCycler 480SW」を起動する
User name:
admin
PassWord:
Master1
テンプレートがある場合 「New Experiment from Template」を押し、SFTS SOP v3 を選択
テンプレートがない場合 「New Experiment」をクリックし、以下の反応条件を入力
Reaction Volume : 20μ l
Detection Format : Simple probe
Program :
Denature1
90℃
30 秒
RT
61℃
20 分
Denature2
95℃
30 秒
PCR
95℃
5秒
64℃
60 秒 検出
50 サイクル
3-13 □ 右下の「Start Run」を押す
3-14 □ PCR が開始されたら画面左側の「Sample Editor」をクリックしサンプル名等を入力
3-15 □ 左上の「Abs Quant:Concentration」を選択
Sample Name
サンプル番号
Quantification Sample Type
ダニサンプル
Unknown
陽性コントロール Standard
陰性コントロール Negative Control
陽性コントロールのみコピー数を入力
3-16 □ PCR 終了後、「Create New Analysis」から「Abs Quant/Fit Points」を選択する
3-17 □ 「NoseBand」の Threshold を陰性の少し上に設定し、「Calculate」をクリックする
検査結果
 増幅が認められたサンプルは陽性とする。
 107 コピー陽性コントールにおける増幅曲線が 18 サイクル程度から立ち上がり 22 サイ
クル前後で Ct を取れれば正常。値が外れる場合にはプラスミドの品質が低下している
可能性がある。Ct が 1 サイクル遅れるにつき 1/2 が壊れている勘定になる
4
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4 リアルタイム RT-PCR 産物の電気泳動によるコンタミ確認
リアルタイム PCR 陽性検体および 107 コピーの陽性コントロール PCR 産物 3μ l に Loading Buffer
2μ l を各々添加・混合し、電気泳動サンプルとする。電気泳動サンプル全量および 100bp DNA ラ
ダーマーカー 5μ l を 3%アガロースゲル(操作:5-3)を用いて電気泳動する
(電気泳動時間の目安: 100V 30-40 分)
判定方法 (下図参照のこと)
ウイルス由来の増幅産物
164 bp
プラスミド由来の増幅産物
201 bp
5 リアルタイム RT-PCR 産物の制限酵素/電気泳動によるコンタミ確認
(オプション1: コンタミネーションが疑われた時のみ使用)
5-1 □ 氷上に置いた 2ml チューブに以下の試薬を混合しマスターMix を作製する
目安: (リアルタイム陽性検体数+107 コピーの陽性コントロール)の 1 割増し
EcoRV (NipponGene)
試薬名
x1
x
10×H Buffer
2 μ l
EcoRV
1 μ l
H2O
14 μ l
リアルタイム RT-PCR 産物
3 μ l
Total
20 μ l
5-2 □ 37℃で 1 時間から一晩インキュベート
5-3 □ 3%アガロースゲルを作製
50×TAE
2ml
ミリ Q 水
98ml
Agarose 21
3g
室温で Agarose 21 を混和した後、電子レンジで完全に溶解させゲル作製装置
に注ぎ込み完全に固まるまで室温に静置する
5-4 □ 20μ l の制限酵素処理済反応液に 3μ l の Loading Buffer を添加し混合する
5-5 □ サンプル溶液全量および 100bp DNA ラダーマーカー 5μ l を電気泳動する
5-6 □ 判定方法
□
□
□
□
ウイルス由来の増幅産物
プラスミド由来の増幅産物(未消化)
プラスミド由来の増幅産物/EcoRV 処理
164 bp
201 bp
126 bp & 75bp
107 コピーの陽性コントロール PCR 産物および 100bp
DNA ラダーマーカーを、検体と一緒に電気泳動するとウ
イルス陽性および陰性の識別が容易に行える
164bp の増幅が認められサンプルはウイルス陽性サンプ
ルだが、EcoRV 制限酵素によって 126bp と 75bp に消化さ
れるサンプルはプラスミドのコンタミによる偽陽性
5
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このプロトコールに寄せられた質問集
Q1. このプロトコールは、ABI のリアルタイム PCR 機で使用できますか?
A1. 使用可能です。Applied Biosystems 7500 リアルタイム PCR システムで動作確認済で
す。恐らく他機種でも問題なく動作すると思われます。
Q2. IsogenII ではなく、QIAGEN kit などで RNA 抽出で代用できるか?
A2. ダニが保持するウイルス RNA は極微量なので、Qiagen 等の膜を用いる精製キットでは
ロスが多く本リアルタイム RT-PCR で検出限界以下となってしまう可能性があります。
IsogenII 等のフェノール/クロロホルムとエタ沈を用いる系ではロスが少ない傾向にあり
ます。故に IsogenII の使用を推奨いたします。
Q3. 陽性コントロールのバラツキはないか。その都度作成しているか?
A3. 陽性コントロールはその都度作製していますが、102 コピー以上の陽性コントロール
ではバラツキは殆ど有りません。101 コピーの陽性コントロールは増幅が時折増幅が認めら
れない場合も有りますので、陽性コントロールの希釈段階は Duplicate で解析する事をお
勧めします。
作製した陽性コントロールの希釈系列を凍結保存すると低濃度の希釈でロスが生じる可能
性が考えられますので、希釈段階は解析ごとに作製してください。
Q4. 10 コピーの微妙なところでの陽性陰性の判断は,どうすればよろしいか?
A4. リアルタイム RT-PCR での増幅とその PCR 産物の電気泳動で 164bp のバンドが認めら
れた場合、陽性と判定してください。それでも偽陽性検体が疑われるサンプルに対しては、
制限酵素処理を行い 164bp のバンドを確認してください。詳しくはこのマニュアルの手順
5を参照してください。
Q5. 陰性コントロールでも増幅される事があるのか?
A5. 本プロトコールでは、これまでに陰性コントロールの非特異増幅は確認されていませ
ん。陰性コントロールで増幅が認められた場合、陽性コントロールプラスミドまたは陽性
検体のコンタミネーションが疑われます。下記に従って対処してください。
通常時の実験操作における注意点:
チップは必ずフィルター付きのチップを使用し、手袋が試薬やサンプル等で汚れた場合
その都度新しいものに交換してください。サンプルを含む試薬等で汚染された個所はその
都度清掃し、UV を 5 分以上照射してから次の操作をしてください。また、操作 2-24、3-2、
3-9 の各段階終了時に全てのゴミを捨て、UV を 5 分間以上照射してから次の操作を行って
ください。これらのゴミは必ず試薬調整する部屋とは別の部屋に捨ててください。
コンタミネーション発生時:
廃棄可能な物は全て廃棄し、実験器具や実験台は DNA コンタミネーション除去液(Takara
DNA-OFF)等を用いて清掃後、一時間以上 UV 照射してください。その後、コンタミネーシ
ョンが無くなったか否か確認するために、DEPC 水のみをサンプルとし 8 連でリアルタイム
RT-PCR を行い、非特異的増幅が検出されないことを確認してください。
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Q6. このプロトコールでは SFTS ウイルス中国株も検出できるのか?
A6. 本プロトコールで用いるプライマーおよび MGB プローブは既知の日本株および中国株
を検出できるように設計してあります。
Q7. ヒトのウイルス量は,これで検査可能か?
A7. 理論上は可能ですが、ヒト用ウイルス定量法は別途用意されていますので、そちらを
ご使用ください。
Q8. 以前は 4%アガロースを用いて電気泳動を行っていましたが、本プロトコールでは 3%
アガロースを用いて電気泳動を行っています。何故でしょうか?
A8. アガロースは取り扱っているメーカおよび各商品によって最適濃度と泳動距離が変
わります。本プロコールでは Agarose21 を使用するにあたり 3%に設定させていただきまし
た。また、NuSieve 3:1 Agarose を使用する場合には 4%でご使用ください。どちらを用い
ても解析結果に影響はありません。
Q9. SFTS 用に抽出したダニ RNA を他の病原体検出に再利用できるか?
A9. 理論上可能ですが、個々の病原体について検証が必要です。例えば、ダニ DNA とダニ
RNA を SuperScript® VILO™ cDNA Synthesis Kit( Life Technologies)を用いて cDNA に
置換したサンプルについて、Borrelia 検出比較を行った結果、検出特異性 100%、検出感度
100%でした。
Q10. ダニが保持していた SFTS ウイルスの PCR 産物(164bp)の一部の領域でもシークエ
ンス解析したいのですが、方法を教えてください。
A10. 次ページのプロトコール(オプション 2)に従って解析してください。 同領域を含
む 500bp のウイルスシークエンス解析も別途用意しておりますので、500bp のウイルスシー
クエンス解析をご希望される場合には個別にご相談ください。
陽性コントロールプラスミドの送付希望(随時)、又は本プロトコールについてのご質問が有りました
ら、国立感染症研究所獣医科学部 森川茂([email protected])または宇田晶彦([email protected])
までお問い合わせください。
このプロトコールは http://www0.nih.go.jp/~auda/tick-SFTS-manual.pdf から随時ダウンロー
ド可能です。
大きな問題が見つからない限り、マダニからの SFTS ウイルス検出マニュアルのアップデートは予
定していません。
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リアルタイム RT-PCR 産物のシークエンス解析によるコンタミ確認 (オプション 2)
1. □ 以下の試薬を調整する
illustra ExoProStar (GE ヘルスケア社) 20 倍希釈で使用
試薬名
□
□
□
□
2.
3.
4.
x1
x
illustra Alkaline Phosphatase
0.05 μ l
illustra Exonuclease I
0.05 μ l
H2O
1.9 μ l
リアルタイム RT-PCR 産物
5 μ l
Total
7 μ l
□ 37℃で 1 時間インキュベート
□ 80℃で 15 分インキュベート
□ 以下の試薬を調整しマスターMix を作製する
-
BigDye® Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit
試薬名
x1
(GE ヘルスケア社)
x
BigDye® Terminator v3.1
2 μ l
Sequencing Buffer(×5)
3 μ l
Primer SFTSV-S2-400a (3.2 pmol/ul)
1 μ l
H2O
12 μ l
処理済リアルタイム RT-PCR 産物
2 μ l
Total
20 μ l
5. □ シークエンス反応
Program :
Denature1
96℃
1分
Denature2
96℃
10 秒
Annealing
50℃
5秒
Elongation
60℃
4分
25 サイクル
6. 96 穴ゲル濾過プレートの作製 (シークエンス反応を開始直後)
□ MultiScreen 45μ l カラムローダーに Sephadex G-50 Superfine 粉末(GE ヘルスケア社)を
均一に入れ、Sephadex G-50 Superfine 粉末を MultiScreen-HV(ミリポア社)に移す(96 穴ゲル濾
過プレート)
□ 新品の 96 穴プレート(メーカー不問)に遠心用アダプターをセットし、その上に 96 穴ゲル濾
過プレートを載せる
□ 300μ l の水を添加し 2 時間静置し膨潤させる
□ 遠心 800xg 3 分
□ 余剰な水を受けた 96 穴プレートを捨て、新しい 96 穴 U 底プレートをセットする
7. □ シークエンス反応終了後、反応液に 2.2% SDS 溶液 2μ l 添加する
8. □ 混和した後 98℃ 5 分間加熱処理する
9. □ シークエンス反応サンプルを 96 穴ゲル濾過プレートに添加する
10. □ 遠心 800xg 3 分
11. □ 回収したシークエンス反応産物を乾燥させる
12. □ 20μ l の Hi-Di™ Formamide を添加する
13. □ シークエンス
□
□
□
□
□
8