学習メモ

科学と人間生活
科学と人間生活
テレビ学習メモ
第1回
監修・講師 竹内和 広
光を求めている植物
今回学ぶこと
今回の講座では植物にとっての光の役割を学ぶ。
太陽の光(白色光)は虹色の光の集まりであり、植物はその光を効率良く
吸収し生育に役立てている。その働きを「光合成」という。「光合成」では光エネルギーを
利用し、二酸化炭素と水から有機物と酸素を作っている。光合成に有効な光は何色なのか?
LED菜園など日常生活に応用されている現場を通して、植物と光との関係を考えてみよう!
調べておこう・覚えておこう
⃝発芽に必要なのは適度な温度、水、酸素。
⃝光を吸収しているのは葉緑体だ。
⃝光合成はクロロフィルやカロテンなどの光合成色素によって効率的に光を吸収している。
⃝生育に必要な光の量は植物によって違う。陰生植物、陽生植物とは?
植物にとっての光の役割、光合成とは……
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今回のもやしのように、種子の発芽には光は関係ない場合もあるが、植物が成長するさいには
光合成は必要かつ重要な働きである。植物の光合成では、光のエネルギーを用いて空気中の二酸
化炭素(CO2)と根から吸い上げた水(H2O)を利用して、デンプンなどの有機物を作り出す。
その際に、副産物として酸素(O2)が放出される。作り出されたデンプンなどの有機物は自ら
の呼吸に利用したり、細胞を支える細胞壁など、利用されたりしている。
私たち動物も植物の作り出した有機物を取り込み利用して生命活動をしている。
葉緑体と光合成色素
光合成を行う部分は緑に見える「葉緑体」である。葉緑体にはクロロフィル a やクロロフィル b、
カロテンなど複数の光合成色素が含まれていて、赤、橙 ( だいだい )、緑、青、紫などといった
多数の色の集まりである白色光(太陽光など)を効率的に受け止める働きをしている。
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光を求めている植物
緑の葉ではクロロフィル a、クロロフィル b の割合が多く、それらが赤色と青色を多く吸収す
るので葉っぱは緑色に見える。しかし、秋になりクロロフィルの割合が減り、光合成色素の割合
が変化すると葉っぱが黄色や赤色になるといった紅葉現象が見られる。
光と植物の成長
光の色と植物の成長の関係も、効率的な光合成が行える赤色や青色の光を当てたものが成長は
良く、LED 菜園などでは光の色を調整することで香りや肉厚な食感に変化すると言われており
研究が進んでいる。このような技術は、農業の可能性を広げるという点からも注目されている。
また、お茶の煎茶と玉露の違いも、玉露では光を当てない時期を設けることで茶の渋み成分が
増えるのを妨げ、旨味成分を残すことによってうまれると考えられている。このように光と植物
は密接に関係していると考えられている。
column
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今回の番組では、陸上の「緑色」の植物を中心に取り上げたが、地球上の長い歴史の中
では数十億年前には光合成を行う生物が誕生したといわれ、その光合成のおかげで、現在
の地球の酸素や、オゾン層ができたと考えられている。オゾン層ができることによって紫
外線が吸収され、生物の陸上への進出につながったと言われている。さらに海の中の藻類
には紅藻類や褐藻類といった水の中にまで届く光を受けて光合成を行う生物も存在し、そ
れらは陸上の植物とは違った割合で光合成色素を持っている。
植物は「動かない」けれど環境に適応して「生きている」んですね!
さらに 学びたい人のために!
『光合成とはなにか』 園池公毅 著 講談社ブルーバックス
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