ご参考資料 Vol. 134 (対象期間:2016年7月25日~2016年8月5日) インドネシアの金融市場では、ジョコ大統領の内閣改造、経済成長率の加速、物価上昇率の鈍化などが好感されて株高、債券 インドネシアの金融市場では ジョコ大統領の内閣改造 経済成長率の加速 物価上昇率の鈍化などが好感されて株高 債券 高が続きました。代表的株価指数のジャカルタ総合指数は年初来高値を更新し、インドネシア10年国債利回りは7%を割り込 んで2013年6月以来の水準まで低下(価格は上昇)しました。為替市場では、円高が進む中で対円ではインドネシアルピア安と なりましたが、対米ドルではルピア高でした。内閣改造については2ページ目の基礎講座、経済成長率と物価動向については ニュース欄をご参照ください。 [株式市場]ジャカルタ総合指数の推移 [株式市場] (ポイント) 6,000 5,000 日付 終値 月 7月22日 7月29日 8月5日 5,197.25 , 5,215.99 5,420.25 ジャカルタ総合指数の8月5日の終値は年初来高値を更新し、昨年 4月7日に付けた終値ベースの史上最高値5,523.29ポイントまで、あ と103ポイントの水準となりました。株高の背景にある海外投資家に ポイ 水準 なりま 。株高 背景 ある海外投資家 よるインドネシア株式の売買状況を見ると、7月は11.9兆ルピア(約 900億円)と2014年7月以来の高水準の買越しとなりましたが、8月も 5日までで7.6兆ルピアの買越しとなっています。 週間騰落率 (前週末比) 0.4% 3.9% 4,000 [債券市場] 3,000 インドネシア10年国債利回りは、7月22日の7.06%から8月5日には 6.86%へ低下しました。海外投資家によるインドネシア国債の保有 残高は増加基調が続いており、7月は15兆ルピア(約1,200億円)の 増加、8月も4日までで5.2兆ルピアの増加となりました。 2,000 1,000 2006年12月 2015年12月 [為替市場] 為替市場では、日本銀行の追加金融緩和の内容が小規模に留 まったことなどから円高が進む中で、対象期間中に対円では4.8% のインドネシアルピア安、対米ドルでは0.1%のルピア高となりまし [債券市場]インドネシア自国通貨建て10年国債利回りの推移 た。 変化幅 25% 日付 利回り [ニュース] 2009年12月 2012年12月 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 上記のグラフは2006年12月28日からの推移を示しています。 7月22日 7月29日 8月5日 20% 15% 7.06% 6.94% 6.86% (前週末比) -0.12% -0.08% 4-6月期のGDP、予想以上の成長加速 10% 5% 0% 2006年12月 経済 2009年12月 2012年12月 2015年12月 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベトメンツ作成。 上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 [為替市場]インドネシアルピアの対円レートの推移 (円) インドネシアルピア高円安 1.5 1.3 日付 為替レ ト 為替レート 7月22日 7月29日 8月5日 0.810 0.788 0.771 週間騰落率 (前週末比) -2.7% -2.2% 7月の物価上昇率、予想以上の鈍化 1.1 0.9 物価 インドネシア ルピア安 円高 0.7 2006年12月 2009年12月 2012年12月 8月5日に発表された4-6月期の実質国内総生産(GDP) 成長率は前年同期比+5.18%で、1-3月期の同+4.91%か 加速し 市場予想を上回りました 政府支出が1 3月期 加速し、市場予想を上回りました。政府支出が1-3月期 の前年同期比+2.93%から4-6月期の同+6.28%に加速し たことなどが、経済成長率を押し上げました。インドネシ アの実質GDP成長率は、2010年から2012年までは前年 比6%台の高い水準でしたが、2013年と2014年は同5% 台、2015年は同+4.79%に減速しました。政府は昨年9月 から一連の経済対策を打ち出し、今年7月には租税恩赦 を始めるなど、成長率を押し上げる政策を推進していま す。また、物価が安定する中で金融緩和傾向が続いてい ることも成長を後押ししており インドネシアの経済成長 ることも成長を後押ししており、インドネシアの経済成長 率は今後も上向く可能性が高いと予想されます。 2015年12月 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 (100インドネシアルピア対 円レート) 8月1日に発表された7月の消費者物価指数(CPI)上昇率 は、前年同月比+3.21%と6月の同+3.45%から鈍化し、 2009年12月以来の低水準となりました。インドネシアの CPI上昇率は、ガソリンなど燃料価格が引き上げられた 2014年11月の翌12月には前年同月比+8.36%まで加速し ましたが、2015年11月以降は9ヵ月連続で政府目標の+3 ~5%に収まっています。7月は物価上昇圧力が強まるラ 5%に収ま ています 7月は物価上昇圧力が強まるラ マダン(イスラム教の断食月)明けの大祭にあたりました が、政府とインドネシア中央銀行(BI)の連携で変動の大 きい食料品価格などの上昇が抑えられたことが物価安定 につながりました。BIは、今後も政府との連携により物価 の安定を持続させることに注力するとしています。 英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開 しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。 1/2 ご参考資料 Vol.134(対象期間:2016年7月25日~2016年8月5日) [インドネシア基礎講座] 内閣改造: 改革派のスリ・ムルヤニ財務相の任命など、体制強化で7%の成長率達成を狙う インドネシアのジョコ大統領は7月27日、閣僚級13人を交代させる大規模な内閣改造を行いました。財務相に改革派として知られるスリ・ム ルヤニ インドラワティ氏を任命するなど経済政策重視の姿勢が表れており 経済担当調整相にはダルミン氏を留任させています(図表1) ルヤニ・インドラワティ氏を任命するなど経済政策重視の姿勢が表れており、経済担当調整相にはダルミン氏を留任させています(図表1)。 ムルヤニ新財務相は2005~10年にも財務相を務めており、直近は世界銀行の専務理事を務め、フォーブス誌の「世界で影響力のある女性 100人」にも選ばれています(図表2)。過去の財務相時代には、世界的な金融危機という困難な状況の中でインドネシア経済の運営にリー ダーシップを発揮するとともに、財務省の改革を進めました。ジョコ大統領は2014年10月の就任直後にガソリンに対する政府補助金の廃止 という財政改革を断行、昨年9月からは相次いで経済対策を打ち出し、今年7月には税収増などを狙って租税恩赦を始めています(図表3)。 今回の内閣改造で体制をさらに強化し、7%という高い経済成長率目標の達成を図る方針です。 (図表3)ジョコ政権下の主な国内政治動向 (図表1)インドネシアの主な経済関連閣僚 役職 財務相 経済担当 調整相 国家開発 企画庁長官 閣僚名 前歴 スリ・ムルヤニ・インドラワティ (新任) ダルミン・ナスティオン (留任) バンバン・ブロジョネゴロ (財務相からの異動) 財務相、 世銀専務理事 インドネシア 中央銀行総裁 学歴 職歴 受賞等 2014 月 1962年8月26日 1986年 インドネシア大卒(経済学専攻) 1992年 米イリノイ大 経済学博士 2002年 国際通貨基金(IMF) 理事 2005~2010年 インドネシア財務相 2010~2016年 世界銀行 専務理事 「ユーロマネー」ベスト財務相(2006年) 「フォーブス」世界で影響力のある女性100人 (複数年 2016年は37位) (複数年、2016年は37位) 2015 2016 主な出来事 10 ジョコ・ウィドド氏、インドネシア第7代大統領に就任。 11 政府による補助金で価格が低く抑えられているガソリンな どの燃料価格を引上げ。 1 ガソリンに対する政府補助金を廃止。 1 投資調整庁の「ワンストップサービス」を開始し、多くの省 庁に分散していた投資認可手続きの集約を図る。 8 内閣改造。経済担当調整相に前中央銀行総裁のダルミン 内閣改造 経済担当調整相に前中央銀行総裁のダルミン 氏を任命。 9 工業団地認可の迅速化などを含む経済対策第1弾と第2弾 を発表(以降、相次いで経済対策を打ち出す)。 5 最大野党であったゴルカル党、大統領支持を正式に表明。 7 租税恩赦を開始。 7 内閣改造。2005~2010年に財務相を務めた改革派のムル ヤニ氏を財務相に任命。 ヤ 氏を財務相に任命。 財務相 (図表2)ムルヤニ新財務相の横顔 生年月日 年 出所:上記の図表はいずれも、インドネシア財務省の公開情報と各種報道に基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について 165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産 運用サービスを提供しています。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界 各国で業務を展開しています。 ●最終親会社グル プはいち早くアジアの成長性に着目し アジアでは14の国や地域で生命保険および ●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および 資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年 12月末現在、約5,090億ポンド(約90兆円、1ポンド=178.78円)に上ります。 アジア株式・債券の運用拠点であるイーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて ■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドネシアを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した運用を行い ます。 ■株式運用においてはボトムアップ・アプローチによる銘柄選択で厳選したポートフォリオの構築とリスク管理を重視、債券運用においては金利、クレ ジ ト 為替に対して ジット、為替に対してファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカル等複数の視点で分析、ポートフォリオを構築し、トータル・リターンの最大化を目 ダメ タ ズ バリ シ テク カ 等複数の視点で分析 ポ ト リオを構築し ト タ リタ の最大化を目 指した運用を行います。 [当資料に関しご留意いただきたい事項] 当資料は、インドネシアの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が 株式会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融 商品取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なく これらを変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パ フォーマンス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するもの ではありません。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチ はありません 当資料は信頼 きると判断された材料を使 十分な注意を払 作成し ますが 当社および株式会社 ナ シ リサ チ は、必ずしもその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させてい ただいたものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 160809(05) 2/2
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