新型インフルエンザの脅威に備える!

2009年9月号
新型インフルエンザの脅威に備える!
~待ったなし!対応遅れは命取りになる~
夏休みの終了とともに一挙に感染拡大した新型インフルエンザ。特に大都市で集団感染の発生件数が
増え続けていて、厚労省は「大都市での本格的な流行」を宣言した。今後、患者数はさらに増えるだろう。
5月下旬の「安全宣言」から4カ月。懸念されていた「大流行の脅威」が現実になろうとしている。
■従業員の家族が感染してしまったら…
何よりも大切なことは感染しないよう予防することだ。自社から感染者を出さないよう従業員に対して
手洗いやうがい、マスクの着用などによる感染防止を徹底する。朝礼などで健康状態を報告させ異常が
あればすぐに病院に行かせる。学校の休校や学級閉鎖も増え続けているので、本人だけでなく家族も含
めて健康状態を把握しておく必要がある。従業員本人が感染したら出社停止は当然だが、家族が感染
した場合にどうするか?直ちに出社停止として本人の感染の有無を検査させる。経営者としては休ませ
る場合の処遇が気になるところだが、厚労省のホームページに「新型インフルエンザに関連して労働者
を休業させる場合の労働基準法上の問題に関するQ&A」が掲載されている。参考にして欲しい。
■もしも感染者が出てしまったら…
万が一、自社から感染者が出てしまったら影響を最小限に食い止めるしかない。8月に沖縄で感染者
数が急増した時に大人気スポットの美ら海水族館のスタッフ3名の感染が判明した。経営判断で最繁忙
期にも関わらず翌日にはその事実を公表し一緒に勤務についていた80名近くを全員自宅待機にして感
染の有無を確認した。営業に大きな影響が出たが、5日後には安全宣言をして通常営業に戻したという。
従業員の感染に素早く対応して拡大を防いだ、社会的責任の果たし方として見習いたい事例である。
■危機管理意識と迅速な決断が求められる
従業員や家族が感染してしまった場合の緊急シフト体制や業務権限の委譲、出社停止を法的に規程
する為にBCP(事業継続計画)の策定や就業規則の見直しも必要だ。小売業にとって臨時休業を宣言
することは大変厳しい決断だが、食品を扱う企業の社会的責任として事実を公表し対策を確実に実行で
きれば結果的に企業イメージを高めることができるかもしれない。更に、自社から感染者が出なくても地
域的に感染が拡大すれば住民の生活に支障が出る可能性もある。このような緊急事態でも営業体制を
維持してライフラインの提供に貢献できれば消費者の信頼を得られることは間違いないだろう。
☆6月から雇用調整助成金がインフルエンザの影響で休業せざるを得なくなった場合にも適用できるようになった。
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/a-top.html(詳しくは最寄りの労働局またはハローワークへ)
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