資料 ⑥−1

資 料 ⑥− 1
合 同研 修 会記 録 1
〈 合同 研修会 モデ ル実践 記録 〉
◎ 子ど もの実 態を 共通し た見 方でと らえ 、自分 の指導 を振 り返り 、実 際の指 導に 結びつ け
る こと により 、幼 小のな めら かな接 続を 目指し て実践 した 。
参加 者:幼 稚園 担任2 名、 小学校 担任 2名
進行 役:幼 児教 育セン ター 長期研 修員
①資料 を配り 、合 同研修 会の 目的を 説明 する。 簡単 に自己 紹介 をして もら う。( 5分)
②話を 聞く場 面の 幼児の 写真 1と児 童の 写真2 を見 せて、 子ど もたち が話 を聞い ている
と思う か、○ 、× 、△の いず れかの 札を 上げて もら う。
( 10分)
司 会「 1が全 員○ だった が、 どうし てそ う思っ たので しょ う。」
小 「ち がって いる 子もい たが 、全体 とし てしゃ べって いる 人の方 を向 いてい る。 」
幼 「全 体が落 ち着 いてい る。 」
幼 「う しろの 女の 子の表 情が やわら かい 。」
小 「乗 り出し ての ぞきこ んで いる女 の子 がいる が、先 生が 何か物 を使 って説 明し ている の
で は。顔 の向 きが話 して いる人 の方 を見て いる。 」
司 会「 2はど うで しょう 。」
小 「顔 がバラ バラ 、ちが う方 向を向 いて いる。 」
小 「全 体的に 見る と、ど ちら とも言 えな い。後 ろの方 の子 が聞い てい ない。 」
幼 「後 ろを見 たり してい るが 、必要 のな い話な のかな あ、 必要が ある ことな のか なあ。 こ
れ だけで は、 聞けて いる かどう か分 からな い。」
③保育 ビデオ 『こ こだか らね
せん せい 』の一 場面 を視聴 して 、学級 全体 に話を する時
の教員 の指導 につ いて話 し合 っても らう 。
( 18分)
司 会「 先生の 意図 は伝わ って いたで しょ うか。 」
幼 「こ の前の 段階 がわか らな い。班 を作 る必要 感が伝 わっ ていな い。 先生の 思い が自分 た
ち のこと とし て受け 止め られて いな い。」
小 「幼 稚園の 様子 がわか らな いが、 2つ の条件 (男2 女3 、男3 女2 )があ るの は大変 。
『 けんち ゃん いい? 』と いう言 葉は 、注意 をうな がす 、分か って いるか いと いう意
味 。」
小 「同 じこと を1 年生で やる とした ら、 男女別 に2つ に分 けてか らや る。あ の黒 板の絵 に
よ って、 理解 できて 意図 は伝わ って いるが 、よく グル ープが つく れたと 思っ た。先 生
が 話をし てい るとき に前 の席の 子は 、聞い てそう で聞 いてい ない 、先生 の視 界に入 っ
て いない 。自 分も経 験が あるの だが 、前の 席の子 で話 がとん でし まって 、聞 こえて い
な いこと があ る。」
幼 「今 、年中 の担 任であ るが 、年長 にな っても グルー プを 作らせ るの はむず かし い。何 で、
グ ループ にな るのか とい う意図 が受 け入れ てもら って いない 。先 生の視 線が 高い所 に
あ るから 、子 どもた ちの 表情を 見て も伝わ ってい ない と思う 。私 も経験 があ るのだ が、
手 前にい る子 が聞い てそ うで聞 いて いない ことが ある 。」
司 会「 『けん ちゃ んいい ?』 という 言葉 につい てどう 思い ますか 。」
幼 「よ く言っ てし まう。 けん ちゃん だけ でなく 、みん なを 自分の 方へ 引きつ けた いとい う
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資 料 ⑥− 1
合 同研 修 会記 録 1
思 いがあ った のでは 。」
幼 「信 頼関係 がで きてい ない 時期に 『○ ○ちゃ んいい ?』 という 言い 方をし てし まう。 」
小 「『 けんち ゃん いい? 』と 言った こと をフォ ローす る必 要があ る。 よいと ころ を見つ け
て ほめた り、 よさを みん なに紹 介し たりす る。」
司 会「 それで は、 話を聞 いて いない 子に 対して はどう した らいい んで しょう 。」
幼 「何 かはじ まる のかな と気 付かせ たり 、先生 の方を 向か せるよ う手 遊びを した り、先 生
と 子ども で一 緒に動 いた り、体 験し たり、 話を聞 く姿 勢、楽 しい 雰囲気 をつ くって か
ら 『大事 なこ とを言 うよ 』と話 をす る。」
幼 「自 分の気 持ち を言う こと を心が けて いる。 根本で は、 先生と 子ど もたち との 信頼関 係
を 大切に して いる。 」
小 「聞 かせる こと では、 よく 聞いて いる 子をほ めてあ げる 。先生 が真 剣な表 情を する、 大
げ さに演 じる 、自分 の気 持ちが 子ど もたち の心に 伝わ るよう に話 す。」
④小1 の事例 『じ っとし てい られな いT 男』の 資料 を読ん で、 話を聴 く力 を伸ば す指導
につい て話し 合っ てもら う。
( 18分)
司 会「 『校長 先生 の話が わか ったよ 』と 言った T男に 、こ の後ど んな 言葉か けを します
か。」
幼 「『 え、本 当。 よく分 かっ たんだ 、先 生うれ しいな 。』 と言う 。」
小 「『 あ∼そ うな の』と 一応 受け入 れる けど、 『今度 は動 かない でち ゃんと 座っ ている と
い いかも ね。 』と言 って しまう 。」
幼 「ひ とまず は『 よく聞 けて よかっ たね 。』と 言う。 『今 度は動 かな いで聞 こう ね。』 と
そ の後に 言う 。」
小 「『 じゃあ どん なお話 だっ たんだ ろう 、話を してみ てご らん。 』と 聞くけ ど、 この子 は
わ かって いる と思う 。『 えらい ね。 』と伝 えて、 『話 をして いる 人の前 で動 いたり す
る と、話 をし ている 人に 失礼だ よ。 』と、 教えた いと 思う。 」
司 会「 T男が 『よ くわか って いる。 』と 言って いるか ら聞 いてい たと 考えた ので すか。 」
小 「態 度につ いて はよく ない ので、 今度 はきち んと座 って いるよ うに 話す。 」
幼 「小 学校と はち ょっと ちが うが、 聞き 方を知 らない ので は。じ っと して聞 くと いう経 験
が ない、 頭で わかっ てい ても身 をも ってや ったこ とが ない。 ほめ てあげ なが ら教え て
い くこと も大 切。」
司 会「 小学校 もち がいは ない のでは 。」
幼 「本 を読み 聞か せをし てい ると、 ちゃ んとし た態度 でな くて、 聞い ていな いと 思って も
聞 いてい るこ とがあ る。 形や表 面的 なとこ ろでは なく 、内面 のと ころを 見る のが大 切。
話 を聞く 態度 につい ても きちん と教 えてい かなく ては いけな い。 」
○ 資料 5を配 る。
司 会「 この担 任の 先生も 、T 男君を よく 見たり 、話を 聞い たりし てT 男君と の関 係がで き
てきた ら、 T男君 は落 ち着い た態 度が見 られる よう になっ たそ うです 。」
⑤保育 所保育 指針 ・幼稚 園教 育要領 ・小 学校学 習指 導要領 から 「話を 聞く 」に関 係する
ことを まとめ た資 料を見 て、 幼児教 育と 小学校 教育 の教育 内容 はつな がっ ている ことを
確認し てもら う。 何か気 がつ いたこ と、 意見が あっ たら出 して もらう 。
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( 19分)
資 料 ⑥− 1
合 同研 修 会記 録 1
幼 「今 、年長 をも ってい るが 、小学 校に 入学す る際の 段差 を少な くし てあげ たい 。幼稚 園
で も小学 校で も、一 人一 人の子 ども たちを 大切に し、 信頼関 係が 成立し てい ること が
大 切だと 思っ た。」
小 「保 育所・ 幼稚 園、小 学校 も話し 手と 聞き手 が一対 一と なる活 動を 中心に 置く ことが 重
視 されて いる 。」
幼 「小 学校1 、2 年生で も一 対一で 話を するこ とが大 切と いうの が書 いてあ るの で、幼 稚
園 におけ る指 導の大 切さ を感じ る。 」
小 「自 分の話 を聞 いても らう ことに より 、人の 話も聞 ける ように なる 。話を 聴く ときに は、
尋 ねたり 共感 したり する など、 双方 向的な やりと りの 中で聴 くこ とが大 切で あると い
う ことが 確認 できた 。」
司 会「 小学校 では 話をす ると きに集 団を 相手に してい るイ メージ があ るが、 一対 一とい う
ことが ちゃ んと小 学校 学習指 導要 領解説 国語編 に書 かれて いま す。私 も、 この資 料
を作成 する ことで 、幼 小の学 習指 導要領 のつな がり につい て初 めて考 えま した。 読
んでみ ると 、小学 校も 幼稚園 も指 導内容 にはあ まり 違いが ない と感じ まし た。」
⑥日常 の指導 を振 り返り 、幼 小のな めら かな接 続を 目指し 、今 後自分 たち の指導 をどう
つなげ ていっ たら よいか 考え 、話し 合っ てもら う。
( 10分)
小 「聞 いても らえ る喜び を、 休み時 間等 の一対 一の時 間が もてる 時に 、子ど も達 に感じ て
も らえる 様に してい きた い。聞 く態 度とし て、『 静か に』と か、 『姿勢 よく 』と言 う
だ けでな く、 うなず いた り、相 づち を打っ たりな どの リアク ショ ンを教 師が 少しオ ー
バ ーにと って いくこ とで 、聞い ても らえた という 実感 や、聞 こう という 気持 ちを、 一
斉 指導や 発表 する場 面の 中で育 てて いけれ ばいい と思 う。」
幼 「話 を聞く こと につい て発 達に応 じた 指導を しっか りし ていき 、小 学校生 活の 中での 話
を 聞くこ との 基盤を 作り たい。 この ことは 、どの 年齢 におい ても いえる こと で、学 習
指 導要領 の中 でも確 認で きた。 自分 の話を 聞いて もら うため に、 相手の 話を 聞くこ と
の 重要性 を今 後も伝 えた い。」
小 「教 師は、 子ど も同士 が話 をして いる 場面で も良い 聴き 手にな るこ とが大 切で ある。 ま
た 、教師 が話 をする とき には、 簡潔 で明確 な内容 を心 がけた い。 興味を 引く ように 、
必 要感を 感じ させる よう に話を した い。」
幼 「ま ずは、 子ど もの話 を受 け入れ る。 話しや すい雰 囲気 や教師 が一 生懸命 に聞 く姿勢 が
で きてい るか どうか 、自 分自身 の保 育を見 直して いき たい。 小学 校への つな がりを 考
え 、幼稚 園の 中での 子ど もの育 ち、 4歳児 での話 の「 聞き方 」5 歳児で の「 聞く力 」
の 育て方 とい った、 年齢 やその 幼児 の発達 にあっ た指 導を幼 稚園 での中 で見 通して い
く ことが 必要 だと感 じた 。」
小 「授 業を公 開し 合い、 それ ぞれの 指導 の仕方 の実際 を学 び合い たい 。参観 する ことに よ
っ て、幼 稚園 での生 活の 様子を 少し でも分 かった 上で 1年生 を指 導する のと 、そう で
な いのと では 違いが ある と思う 。」
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