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劇団四季創立 60 周年記念公演
ミュージカル
構成・演出=浅利慶太
原作=ハンス・クリスチャン・アンデルセン
台本=寺山修司
大人も子どもも楽しめる
劇団四季のファミリーミュージカル
子供たちも、そして両親も、ご家族そろって楽しんでいただけるミュージカルを…
劇団四季はミュージカルの醍醐味を世代を超えてたくさんの方に知っていただくた
めに、ファミリーミュージカルの充実に取り組んでまいりました。
劇団四季は『ライオンキング』『キャッツ』『オペラ座の怪人』といった海外ミュ
ージカルのロングランを成功させてきた一方で、子どもたちのためのミュージカルを
創作・制作し続けてきました。
作品の選択はもちろんのこと、演出・音楽・舞台装置・衣裳などすべての要素にハ
イクオリティなパフォーマンスを維持し一般公演に優るとも劣らない水準で、勇気・
愛・友情・平和など人生に必要なテーマをもとに多彩な作品を作り上げてきました。
その劇団四季ミュージカルの中で、最初に作られた作品が『はだかの王様』です。
劇団創立 60 周年を記念して、2013 年は『はだかの王様』を全国にお届けします。
アンデルセンと劇団四季
ハンス・クリスチャン・アンデルセンは 1805 年、デンマークのオーデンセとい
う町に生まれました。父親はまずしい靴職人でしたが、お芝居が大好きだった彼は俳
優をめざし、14 歳で大都会コペンハーゲンに出かけて行きました。
彼は誰からも好かれる性格だったため、一人旅の中で出会った人々との経験をも
とに童話を書くことを思いつきます。やがて童話作家として有名になり、1875 年、
70 歳で亡くなった後も彼の童話は世界中の子どもたちに愛され続けているのです。
劇団四季では、この偉大な童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの原作
をもとにしたお芝居を、これまでに三作上演しています。
『はだかの王様』が初めて上演されたのは 1964 年で、10 万人以上の子どもたち
に夢と感動を与えました。次いで 1969 年には『白鳥の王子』、10 年後の 1975
年には『人魚姫』が上演されています。また 1983 年にはアンデルセン本人を主人
公にしたミュージカルも作られました。
この『はだかの王様』は、何度も繰り返し上演され子どもたちに最も親しまれて
いるミュージカルのひとつです。この有名なお話をもとに台本を書いた寺山修司は、
登場人物たちにとても楽しい名前をつけました。衣裳が大好きな王様にふさわしく、
どれも衣裳に関係する名前ばかりです。
すてきな名前をつけてもらった登場人物たちが、舞台の上からみなさんに夢をお
とどけします。ごゆっくりお楽しみください。
ものがたり
チンカラトン ハタリンコン … とお城には、
はたを織る音がひびきわたります。はたを織っている
のはお針子立ち、彼女に指示をしているのはペテン師の
スリップとスリッパ。
しかし、織っているはずの衣裳はまわりの大臣たちには
いつまでたっても見えません。お針子たちにも見えません。
誰にもその衣裳は見えません。
だってもともと衣裳なんて織ってないんですもの?
でもみんな「見えない」ということができません。
なんとこの衣裳は「バカには見えない」衣裳なのです。
王様はスリップとスリッパにだまされ、サテン王女の婚約式に着る衣装の仕立てを
ペテン師の二人に依頼してしまったのです。
ある日、王様が仕事場に見学に来ました。
衣裳は順調に仕上がっていますとウソをつくスリップ
とスリッパ。自分がバカで役立たずだと思われたくな
い大臣のステテコとモモヒキは「見える、見える、
素晴らし。」と褒めちぎります。
王様は自分が見えないというわけにはいきません。
みんなに合わせて「見事だ、実に素晴らし、これを
着る日が待ち遠しい-。」とウソをつきます。
とうとうサテンと運動大臣アロハの婚約式の日がやって来ました。
スリップ・スリッパの仕立てたバカには見えない衣裳を
身につけた王様。誰の目にも王様ははだかにしか見えません。
けれども、王妃も大臣も家来たちも王様の衣裳をほめたたえます。
さあ、世にも珍しいはだかの王様の舞踏会の始まりです-
と、その時、一人の若者が王様の前に飛び出します。
サテンの恋人デニムです。
彼は大声で「王様、舞踏会をおやめ下さい。
王様ははだかじゃありませんか!」とさけびます。
デニムの言葉に勇気づけられた、まわりの人達は歌い始めます。
“王様ははだかだ、なんにも着ていない”
引っ込みのつかなくなった王様は、それでも衣裳を身につけているふりをしますが、
だんだんみんなの歌声におされ、ついにはたまりかねて「助けてくれ!」と逃げていって
しまいました。
ユニークな登場人物
おしゃれな
王様
とてもおしゃれで、世界一の衣裳持ち。あまり多すぎて、毎日衣裳を選ぶのに大騒ぎ。
それでも満足しない王様は、いつも新しい衣裳を作ることばかり考えています。
とうとうペテン師にだまされて、バカには見えない衣裳をつくらされてしまいますが…。
王女の恋人
デニム
牧場で働く貧しくとも正直な若者。
恋人の王女サテンが運動大臣アロハと、結婚の約束をされそうになり心配しますが、
もちまえの勇気と正直さで、だまされた王様に向かって「王様ははだかだ」と叫びます。
王女
サテン
正直な若者デニムが大好きな王女様。
父親の王様に無理やり運動大臣アロハと結婚させられそうになり大弱り。
外務大臣
モモヒキ・内務大臣
ステテコ
二人ともこの国のえらい大臣ですが、幼い頃から友達で、何をするにも一緒です。
王様に「バカで役立たずはクビだ」と言われ、衣裳が見えるとウソをついてしまいます。
運動大臣
アロハ
王様が、王女様と結婚させたがっているお調子者の悪い大臣。
王様がペテン師にだまされているのを知りながらも、王女様と結婚したくて、王様と
一緒にはだかで踊りはじめますが、みんなが騒ぎはじめるとさっさと逃げてしまいます。
ペテン師
スリップ
相棒のスリッパと組んで王様をだますペテン師。
デザイナーに化けて、ありもしない衣裳をデザインして、お金儲けをたくらみます。
そして、舞踏会が始まる前に、スリッパといっしょにドロンと消えてしまいます。
ペテン師
スリッパ
隣りの国で詐欺をはたらき、この国に逃げてきた二人組みのペテン師の一人。
仕立屋に化け、バカには見えない衣裳をつくるといってウソをつき王様をだまします。
男の子
ホック
進行役のアップリケといっしょに、この芝居について考える男の子です。
自分の目で見たことを信じ、思ったことを正直にハッキリいえる勇気をもっています。
お芝居の最後に、デニムといっしょに「王様ははだかだ!」と叫んで歌います。
進行役
アップリケ
この芝居の進行役です。
みなさんといっしょに歌を歌ったり、お芝居の内容を考えます。
でも、王様の家来と同じく、ペテン師がつくった衣裳が見えるといって、
ホックのいうことに反抗します。