会社を変えるIT活用術中小企業のための今知りたい役立つIT −第１回− ブログ活用で企業の情報発信を活性化ＩＴコーディネータ葛貫壮四郎１はじめに私たちは経営者の立場に立ち、真に経営にしかし、多くの中小企業で、ホームページ役立つIT投資を推進・支援する集団「ITコーを開設していても、表２のような課題を抱えディネータ茨城」です。今月から会員が分担ています。し、４回に渡り「中小企業のための今知りた表２ホームページの課題い役立つIT」と題し、経営に役立つITを紹介します。 NO 第１回は、ブログ（日記風簡易型ホームペー１情報が更新されないジ）を活用して、企業の情報発信を活性化す 2 ホームページのアクセスが少ない 3 簡単に情報に辿り着けない 4 魅力的なコンテンツやデザインでない 5 問い合わせに対してレスポンスが遅いるための構築方法及び事例を説明します。２ホームページ開設の目的と課題ブロードバンド技術の進展により、少ない課題費用で、だれでもホームページを開設できる環境が揃っています。ある機関のインターネット利用実態調査にでは、企業にとって、ホームページの開設よれば、ホームページの更新頻度は、ほとんの目的には、どんなものがあるのでしょうど更新なしが28％、数ヶ月に１回が35％で、か。表１のようなことが考えられます。併せて60％以上が“情報が更新されない” となっています。ITのわかる人材がいないなどの理由もあります。更に、“ホームページ表１ホームページ開設の目的 NO のアクセスが少ない”、“簡単に情報に辿り着目的けない”などの課題があり、有効にホームペー１商品やサービス PR したい 2 情報を発信したい 3 企業イメージを向上したいらNO. ３の課題を解決することが出来ます。 4 優秀な人材を獲得したい優れた技術やよい製品（サービス）を持っ 5 顧客サポートをするため 6 電子商取引のため 7 コミュニティを確立したいジが活用されていないのが現状です。しかし、ブログを活用することにより、NO. １かているが、情報発信が少ないばかりに売上アップに結びつかない中小企業の経営者の皆様、是非、ブログをビジネスに活用してみませんか。 WING 21 いばらき 2006.4 10 会社を変えるIT活用術３ビジネスへのブログ活用ど特定の目的を持ったホームページを構成す総務省の調査によれば、ブログを開設してる場合に適しています。いる人は、2005年３月時点で335万人、2007 一方、NO. ２の方法は、新規にホームペー年３月時点で782万人と２倍以上になると予ジを立ち上げる場合や既設のホームページを想されております。なぜ、このように利用さブログに置き換えても問題ない場合に適してれ始めたのでしょうか。います。表３に、ブログと通常のホームページとの表４ブログの開設形態違いを示します。表３ブログと通常のホームページの違い項目ブログ通常のホームページ作成方法ブラウザ（無料）ホームページ作成ソフト（有料）デザイン制限有り自由度大更新担当者情報保有者（即時更新）情報処理部門（数時間から１日）検索エンジン対策原則的に不要（費用小）必要（費用大） NO 開設形態１ホームページとは別に､ブログサイトを開設 2 ブログのみでホームページを開設４ブログのサーバ構築形態ブログのサーバ構築形態には、表５のような方法があります。表５ブログのサーバ構築形態分類ブログは特に、情報を持っている情報保有者が、ブラウザを用いて、即時に情報更新ができる特徴があります。これは、ブログ自身にホームページを生成する機能があるためです。更に、ホームページのアクセス数を増やす内容特徴ポータルポータルサイトに設け・原則無料られたブログを利用・利用制限有りレンタルブログ環境のあるレン・有料タルサーバを利用・利用制限なし自社自社サーバを利用・サーバ知識要・利用制限なしための検索エンジン（GoogleやGooなど検索サイト）対策は、ブログの持つ特性（自動ポータルは、検索エンジンサイトやプロバリンク機能や単純なページ構造など）のためイダーなどが開設しているサーバを利用するに、原則的に不要で、費用も少なくてすみま場合で、原則無料です。しかし、ビジネス利す。用に制限がある場合があります。ブログの欠点として、デザインに若干の制レンタルサーバは有料ですが、利用制限は限がありますが、表２のホームページ課題のありません。また、自社サーバを利用する場 No. １からNo. ３を解決できるためであれば、合、企業内にサーバ構築の知識のあるIT担長所の方が大きいと感じます。当者が必要となります。ブログの開設形態として、２つの方法が考レンタルサーバや自社サーバを利用する場えられます。合、使い勝手のよいブログ環境（ブログを生 No. １の方法は、既設のホームページには成するツール）を採用することがポイントで手を加えずに、社長ブログやブランド商品なす。表６にブログ環境の例を示します。 WING 21 いばらき 2006.4 11 会社を変えるIT活用術するに当たって、顧客が簡単に商品を購入で表６ブログ環境例環境価格、URL Movable Type 26,250円∼ 高い拡張性とカ http://www.sixapart.jp スタマイズ機能 XOOPS Cube 無料 http://jp.xoops.org 強力なコミュニティサイト機能シェアウェア:1,490円∼ http://homebrew.jp 簡単インタフェース、ライブ映像配信 Home Brew きる買い物かご方式の採用並びに社内で情報特徴を簡単に更新できるサイト開設を目指しました。その結果、ブログと電子商取引ソフトの組み合わせでサイトを構築しているのが特徴です。今後、社長日記や、従業員日記を構築する予定で、益々の情報発信が期待されます。５ブログ活用の事例紹介表８ひたちなか市のＫ商店ブログを活用して情報発信している２社の項目事例を紹介します。内容ほしいも、きな粉などの食品製造販売業（平磯町）表７は、水戸市のH建設の事例です。自社業種でブログを構築し、社長及び社員が自分のブログ開設形態既サイトをブログで置き換え思っていることを自由に情報発信しています。サーバ構築形態レンタルサーバ利用また、建設現場の現場責任者が工事状況をブログ環境 MovableType 時々刻々と情報発信しているのが特徴です。サイトデザインベンダー依頼 H建設では、公共工事の社会的価値を地域情報発信例にアピールし、地域の皆様と一緒に歩みたいとの経営者（女性）の方針の下、IT ５ヵ年計・電子商取引用商品の内容入替え（買い物かごの商品）・ほしいも成長日記など画を立てて推進しています。全員が、「書く６終わりに行為」をしながら、新しいことにチャレンジ以上、ブログ活用して、企業の情報発信をする精神を培っている企業です。５カ年計画活性化する方法と事例を紹介しました。の最終目標は、全員のサイト開設と全建設現ブログの個人的日記利用からビジネスへの場のサイト開設という目標を持っています。利用が活発になっています。ブログは、誰にも真似できない商品、技術、サービスを持っ表７水戸市のＨ建設項目ている中小企業のためのツールでもありま内容業種土木・舗装業（谷田町）ブログ開設形態ブログで新規サイト開設サーバ構築形態レンタルサーバ利用す。経営者の皆さん、今、まさにブログを活用して、情報を発信しませんか。筆者プロフィールブログ環境 XOOPSCube 葛貫壮四郎氏（くずぬきそうしろう）サイトデザイン自社デザイン・ITコーディネータ、ISMS審査員補情報発信例・社長、従業員の思いの言葉・作業現場の状況発信など・（財）茨城県中小企業振興公社専門家登録・アイティードクターコーポレーション代表表８は、ひたちなか市のK商店の事例です。 http://www.it-doctor.jp/ K商店は、従来のホームページを新しく構築・ITC茨城ｻｲﾄ: http://www.itc-ibaraki.com/ WING 21 いばらき 2006.4 12