平成25年度 事 業 報 告 書 自 平成25年 4 月 1 日 至 平成26年 3 月31日 一般社団法人 日本自動車機械工具協会 概 要 平成 25 年度の我が国経済は、 政府の日本経済再生に向けた緊急経済政策により、 歴史 的円高の是正、株価の上昇等が進み、 また、2020 年のオリンピック・パラリンピック東京 開催の決定に伴う経済効果への期待も高まり、 景気は基調的に緩やかな回復を続けており ます。 自動車業界においては、 メーカー各社が相次いで新型車を投入した効果に加え、 消費税 増税前の駆け込み需要等により新車販売台数は前年度比 9%増の 569 万台となり、リーマン・ ショック前を上回る水準となりました。 一方、 自動車整備業界においては、 平成 25 年度調査において総整備売上高が前年度に 対し増加したとはいえ、 東日本大震災前の平成 23 年度調査の総整備売上高を超えるまで は至っておらず、 当協会会員の平成 24 年度における自動車機械工具販売実績も前年度を 上回る結果となったものの、 自動車機械工具業界を取り巻く環境の先行きは必ずしも楽観 できない状況となっております。 このような状況のもと、当協会はオートサービスショーの開催、整備用リフトの事故防 止対策、検査用機器の自動車新技術への対応、校正業務の合理化等、事業計画に基づき諸 事業を実施し所期の目標を達成することができました。また、本年度は建て替え中の本部 ビルが完成し、 新たなスタートの年となりました。 本報告書に平成 25 年度の事業実績をまとめましたが、 特に重点的に取り組んだ事業に ついては次のとおりです。 1.第33回オートサービスショー2013の開催 平成 25 年 7 月 5 日 (金)から 7 日 (日)までの 3 日間に亘り、「第 33 回オートサービ スショー2013」を東京ビッグサイトにおいて開催しました。 今回のショーは、「進化するあなたのくるまと整備機器」をテーマに、91 社・団体から 前回を上回る 789 小間(屋内 779 小間、 屋外 10 小間) の出展を頂き、 自動車整備業界の ニーズや整備技術・設備の近代化に貢献する最新の整備関連機器・ システム等が一堂に展 示され実演が行われました。 来場者は、 ホームページ上から入場無料の事前登録制を導入 するなど集客に努めた結果、 33,167 人を数えました。 また、 会期中に開催した自動車整備セミナー6 講座についても聴講された多くの皆様に 満足して頂き、 第 33 回オートサービスショー2013 は盛況のうちに無事終了することがで きました。 なお、 本ショーの収益から、 公益財団法人交通遺児育英会及び公益財団法人交通遺児等 - 1 - 育成基金に各 100 万円、 東日本大震災被災者に係る義援金として岩手県、 宮城県及び福島 県に各 100 万円、 合計 500 万円を寄附しました。 2. リフト等の定期点検、適切使用等の推進 整備用機器の使用中の事故防止対策について、 使用者等に充分な関心をもっていただく ため、オートサービスショーの機工協ブースにおいて老朽化したリフト及びコードリール の展示とリフト事故等のビデオを放映し、点検資格者によりリフトの正しい使い方と定期 点検の必要性等に関する説明を行いました。また、コンプレッサーについても新たに作製 したエアー漏れ再現装置を使用し、 点検の必要性と節電に関する啓発を行いました。 さらに、 パンフレット「リフト事故撲滅を目指して」を新たに 95,000 部作成し、日整連 の協力を得て全国の整備事業者に配布したほか、 平成 24 年の整備機器事故調査結果をJ ASEAガイド及び業界紙等に掲載し、リフト等の定期点検、適切使用等のPRを行いま した。 加えて、 リフト点検台数の目標を 20,000 台に設定して定期点検の推進に取り組んだ結果、 会員会社のリフト点検資格者が平成 25 年度に実施した点検台数は 20,162 台(6,033 事業所) となり、前年度に比べて約 20% (3,418 台)増加しました。 3. 自動車検査整備用機器の精度、操作性、利便性等の向上に関する検討 自動車の前照灯に導入されているLED等新しい光源の測定をより適確に行うため、 使用 過程にある旧タイプ前照灯試験機の改造を速やかに実施できるよう、 特例として当協会の 書面審査によりこれらの適合性を判断することが認められ、 本年度は約 230 件の当該改造 について書面審査を行い、 証明書等を交付しました。 また、 パルス点灯式LED前照灯 の測定を適切に行えるよう、 検証用の照明器具を作製し前照灯試験機の精度等について検 討を進めることとしました。 大型車の車輪脱落事故の防止対策及び整備作業の効率化のために取り組んでいる動力式ト ルク制御レンチ(ナットランナ)については、型式性能試験に適合したナットランナの構造 変更試験を実施するとともに、オートサービスショーの機工協ブースにおいて、性能試験に 使用する基準器の展示、 性能試験方法等に関するビデオの放映、 ホイールボルト・ナット 点検器の実演を行い、車輪脱落事故防止に関するPRを行いました。 さらに、 自動車検査独立行政法人及び軽自動車検査協会が行う自動車の検査方法及び検査 機器の改善に関する勉強会に参画し、 検査方法に係る改善等の検討作業に協力するととも に、 軽自動車検査協会からの委託を受けて 「ブレーキフルードの水分量分析調査」 及び 「自動車ホイールボルト・ナット点検器に関する調査」を実施し、それぞれ報告書を提出し ました。 - 2 - 4. 校正業務の合理化等の推進 当協会の主要事業である検査用機器の校正業務をより適切に実施するため、 ブレーキ・ テスタ校正用器具を改良し精度を向上させるとともに、校正員の教育訓練に自動車の新技 術に関する科目を加え、一新した実習施設を活用して校正員の知識・技能の向上を図った ほか、校正員の再雇用期間経過による退職者の増加に備えて新規採用者を増やすなど体制 整備を行い、 校正サービスの充実を図りました。 また、東北運輸局の管轄となった秋田県と山形県の校正を平成 25 年 4 月 1 日から新潟 支所より仙台支所に移管し、関係機関との連絡協調体制や顧客サービスの向上を図りまし た。 さらに、引き続き、校正業務の効率化及び経費節減に取り組み、新潟県、三重県、佐賀 県等で勤務時間をシフトさせて校正を実施するとともに、宮城県、千葉県、大阪府等では 校正実施時期や巡回順路の見直しを行うなど校正業務の合理化を推進し、校正実施日数を 平成 24 年度より 22 日削減しました。 5. 協会本部建物の竣工と業務関係施設の改善 老朽化・耐震化に対応した協会本部ビルの建て替えについては、平成 25 年 1 月から新 築工事に着工し、3 月に基礎工事が終了、6 月に建築物確認検査機関の中間検査を受け、 計画通り 12 月 20 日に竣工引渡しが行われました。同月 25 日に竣工式及び竣工披露パー ティーを執り行い、平成 26 年 1 月 20 日から新ビルにて業務を開始しました。 新しいビルでは、校正、試験等に係る研修施設、暗室、無響室等の改善、事務室のワン フロア化、 会議室の充実など利便性の向上を図りました。 6. その他 海外の関係では、 国際委員会の活動を再開するとともに、 アセアン諸国の自動車検査・ 整備制度等に関する情報を収集するためインドネシアの視察を行ったほか、 自動車基準認 証国際化研究センターの欧州車検調査(イギリス、オランダ)及び東南アジア車検調査(タ イ、マレーシア、ベトナム)等に職員を派遣しました。 - 3 -
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