No.220 河野 文昭(こうの ふみあき)

ラシック音楽の演奏で低音を受け
柔らかく温かく、包みこんでくれ
るようなチェロの音色。チェロはク
市立芸大に合格して、巌本真理弦楽
んだろうと夢中になりました。京都
でチェロを始め、なんておもしろい
た。高校に入ってふとしたきっかけ
奏者の育成と演奏会の運営のノウハ
をはじめ、長年にわたって培った演
になっています。サロンコンサート
財団︶の理事を務めていただくこと
この春から、河野さんにはACC
︵公 益 財 団 法 人 荒 川 区 芸 術 文 化 振 興
いたりできる時代ですが、やはり実
持 っ て メ ロ デ ィ を し っ か り と 支 え、
四重奏団のチェリストであった黒沼
ウを活かして、区内でもいろいろな
でるベートーベンの﹃運命﹄を学校
また、ソロ演奏でも活躍する弦楽器
俊夫先生に師事、先輩には現在京都
企画に参加していただけることで
際に足を運んで聞く生の音には感動
回アカデミー
市立芸大で教えている上村昇さんも
しょう。
で初めて生の演奏で聞いてゾクゾク
賞外国語映画賞をはじめ、国内外で
いました。お二人とも、僕と同じよ
と東日暮里を行ったり来たりする生
活動では純粋に自分を高めることが
河野さんは、学生たちに教えるこ
とで自分も学ぶことができる、演奏
のない方は、ぜひ本物の音に触れて
れるチェロの魅力。まだ触れたこと
に答えられました。これほどに愛さ
賞して、アメリカとオーストリアに
息づかいまでもが聞こえるような距
気取らない小さな会場で、演奏者の
[アトリエ・ワム コンサート]
■ 2012年5月19日
(土)
・20日(日) ■ 京都市北区「アトリエ・ワム」
■ 入場料3500円
(一般)
・2000円(学生)
広告のお申し込みは・荒川区芸術文化振興財団 ☎ 3802 7 1 1 1
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うサロンコンサートです。
留学。帰国後はアンサンブルofト
離で演奏を聞く体験をして欲しいと
※演奏曲・チケット取扱いなどは東京藝術大学ホームページでもご案内しています。
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音色と人柄にあふれる包容力で、
クラシックの魅力を伝授する。
チェロに出会って
高 い 評 価 を 得 た 映 画﹁お く り び と﹂
うに遅くからチェロを始めた方で
サロンコンサートでの話術も好評
な河野さんはユーモアたっぷりにい
があります﹂
のサウンドトラックの演奏に使用さ
す。ピアノやバイオリンは小さい頃
ろいろなお話をされ、あっという間
しました。でも当時は自分が演奏家
れ、チェロの美しい音色に魅了され
から習わないと絶対にプロにはなれ
に時間が経ちます。最後に、河野さ
音楽の道が開かれた
た方も多いのではないでしょうか。
ま せ ん が、僕 は チ ェ ロ と 出 会 っ て、
んにとってチェロとは何でしょうか
になるとは全く思っていませんでし
東京芸術大学の音楽学部と大学院
音 楽 研 究 科 で チ ェ ロ を 教 え な が ら、
先輩や仲間、恩師にも恵まれて現在
と 問 い か け て み ま し た。
﹁チ ェ ロ は
です。最近では、第
全国各地の演奏会などに関わる河野
があると思っています﹂
ことが人生の喜びです。チェロを弾
活です。日暮里に母親の実家があっ
できる、両方を行うことで自分なり
みていただきたいと思いました。
いますが、気取りのない人情味あふ
ウキョウや紀尾井シンフォニエッタ
思います。私も京都の家でサロンコ
ふだんは入れない構内のホールで、河野さんたちが指導する学生の
レベルの高い演奏が楽しめます。
■ 2012年6月30日
(土) ■ 東京藝術大学奏楽堂(大学構内)
■ 入場料1500円
(全自由席)
■ お問い合わせ:東京藝術大学センター ☎050-5525-2300
ふみあき
文昭さんは、東日暮里の在住です。
息づかいが聞こえる
くことで自分と作曲家が向かい合え
たり、叔母が足立区にいたりと、も
のバランスがとれていると言いま
る、それは私たち音楽家にとってか
と も と こ の 辺 り に 縁 が あ っ た の で、
す。その演奏活動について、大規模
演奏を大切にしたい
自分の人生の一部、チェロが弾ける
﹁生 ま れ は 北 海 道 の 小 樽 で、小 さ
い頃は父親の仕事の関係で東京、神
戸、名 古 屋、札 幌 な ど を 転 々 と し、
中学2年生から高校卒業までは神
東京芸大で教えることになって上京
な演奏会と同じように力を入れてい
れるところがとても気に入っていま
﹁ク ラ シ ッ ク の コ ン サ ー ト と い う
と日本ではなんだか堅苦しいイメー
東京などの創立に参画したり、大分
ンサートを開いていますが、フレン
[東京藝大チェンバーオーケストラ 第19回定期演奏会]
けがえのない幸せです﹂とにこやか
して迷わず荒川区に住むことを決め
るのが、個人の家など狭い場所で行
戸、大学時代から京都。現在は京都
年も住んで
す﹂
人々のように、クラシックをもっと
ました。そして、もう
河野さんは高校時代からチェロを
始めて、京都市立芸大に入学し、第
身近に親しんでほしい。
そのために、
県﹁ゆふいん音楽祭﹂の音楽監督を
ドリーな雰囲気で毎回とても好評で
ジを持たれがちです。ヨーロッパの
回日本音楽コンクール第1位を受
務めたり、幅広く活躍。それらの活
す。一度来たお客さまが少しずつ聞
き慣れていくと、何度も足を運んで
動の源には恵まれた出会いがあった
からと謙虚に語ります。
くれるようになります。今は、コン
サートをインターネットで見たり聞
河野さんのおすすめコンサート・インフォメーション
さん
【プロフィール】 京都芸術大学卒。1981年、第50回日本音楽コンクール第1位。1982年
よりアメリカ・ロスアンジェルスとオーストリア・ウィーンに留学。L・ベリオのチェロ曲「セ
クエンツァⅩⅣ」を日本初演するなどのソロ活動のほか、アンサンブル of トウキョウ、紀
尾井シンフォニエッタ東京などに参加。2004年京都府文化賞功労賞ほか受賞。2009年
から岡山潔弘弦楽四重奏団に参加。年2回の定期公演を行う。
チェリスト
東京藝術大学教授
こうの
河野 文昭
撮影:林喜代種
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﹁僕 が 最 初 に ク ラ シ ッ ク に 感 動 し
たのは中学時代。札幌交響楽団の奏
☎075-432-0117
河野さんの京都自宅でのサロンコンサートで、毎回人気で、すぐに満席となります。
■ お問い合わせ:コンサート・モーツアルト
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ACC 2012年4月号 No.280 I 02