地震解説資料(とりまとめ版) 平成 27 年2月9日 15 時 30 分 大 阪 管 区 気 平成 27 年2月6日 10 時 25 分頃の徳島県南部の地震について 本資料は、地震の活動状況等について速報としてとりまとめたものです。 1.地震の概要 発生日時 : 2月6日 10 時 25 分 震央地名 : 徳島県南部 震源の深さ : 11km(暫定値) マグニチュード(M) : 5.1(暫定値) 最大震度 : 5 強(牟岐町中村※) 地震のタイプ : 地殻内で発生した地震 (東西方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型) ※ 独立行政法人防災科学技術研究所の震度観測点 2.震度分布 徳島県牟岐町で震度5強を観測したほか、四国・近畿・中国・東海地方にかけて震度5 弱~1を観測しました(別紙1)。なお、徳島県内で、震度5強以上を観測したのは、1946 年 12 月 21 日に発生した昭和南海地震(M8.0 最大震度5(旧震度))以来です。 3.余震について 2月9日 15 時現在、震度1以上を観測する余震は発生しておらず、その後の地震活動は 低調に推移しています(別紙2)。過去の地震(1955 年の地震(M6.4))の活動を見ると、 時間をおいてM1程度小さい地震が発生していることから(別紙3) 、今後の余震の見通し としては、しばらくの間は震度4程度の地震が発生する可能性は否定できません。 4.被害等の状況 この地震による人的な被害はありませんでした(総務省消防庁による)。また、震度5強 を観測した牟岐町中村観測点及びその周辺について現地調査を行った結果、観測環境につ いては、震度計台や周囲の地盤等に異常は認められず、震度観測点の周辺についても、地 震動による被害は見られませんでした。 【防災上の留意事項】 揺れの強かった地域では、落石や崖崩れなどの危険性がありますので、十分注意してく ださい。 M6クラス程度の地震は、日本のどの場所でも(活断層の有無に関係なく)起こる可能 性があり、その直上では震度6弱以上の強い揺れが発生する場合もあるので、常日頃から の防災対策が必要です。 この資料に関する問い合わせ先 大阪管区気象台地震火山課 TEL06-6949-6307 象 台 別紙1 震度分布図 ×:震央 各地域の震度分布 震央周辺の各震度観測点の震度分布 参考:推計震度分布 <推計震度分布図利用の留意事項> 地震の際に観測される震度は、地盤の違いなどにより、ごく近い場所でも1 階級程度異 なることがあります。また、震度を推計する際の誤差などにより、推計された震度と実 際の震度が1階級程度ずれることがあります。 推計震度分布図の利用にあたっては、個々のメッシュの位置や震度の値ではなく、大き な震度の面的な広がり具合とその形状に着目してご利用ください。 別紙2 余震について 2月9日 15 時現在、余震活動は低調に推移しており、体に感じない地震は、本震とほぼ 同じ場所で 21 回発生していますが、震度1以上を観測する余震は発生していません。現在 のところ、2月6日 11 時 04 分と同日 16 時 32 分に発生したM2.1 の余震が最大です。 震央分布図 (2015 年2月6日 10 時~2015 年2月9日 10 時 深さ0~20km、M≧0.5) 左図 a 領域内の地震活動経過図 a 地震活動経過図:震央分布図中の矩形領域内の地震について、縦軸にマグニ チュード(M)、横軸に日時をとり、それぞれの地震を表示した図。 別紙3 過去に周辺で発生した地震の状況 震央分布図 左図矩形領域内の地震活動経過図 (1923 年1月1日~2015 年2月6日 10 時 30 分、 深さ0~60km、M5.0 以上) 「平成7年(1995 年) 兵庫県南部地震」 地震活動経過図:震央分布図中の矩形 領域内の地震について、縦軸にマグニ 今回の地震 チュード(M)、横軸に日時をとり、 それぞれの地震を表示した図。 1955 年7月 27 日に発生した徳島県南部の地震について 震央分布図 左図領域内の地震活動経過図 (1955 年7月1日~1955 年9月 30 日、 深さ0~60km、M3.5 以上) 注)当時、震度1~2程度の揺れを観測していた場合でも M が求まらなかったものもあります。 過去の震央分布図を見ると、2015 年2月6日まで、周辺では 1955 年7月 27 日徳島 県南部の地震(M6.4 最大震度4※)が、地殻内で発生した地震の内、最大規模の地震で、 この地震により死者1名、負傷者8名、山崩れ、道路破損・亀裂、トンネルの崩壊など の小被害が発生しています(理科年表 H26 より)。 ※当時は、震度観測点数が少なかったため、規模の割には震度が大きく出ていなかったと考えられる。
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