自然科学のとびら 新収集資料紹介 モロッコとロシアの三葉虫 1 9 9 9年 8月 1 5日発行 第 5巻第 3号 田 口 公 則 (学芸員) 特別展に 向けて、おもし ろい形 の コ モロ ッコのエルフド ( E r h o u d )を中心 手なものとなってい ます。体中に臓を 葉虫の 化 石を 収集しました 。コ 葉 虫 とする 化石産地か らは、さらに奇妙な もつのですが、なんと眼の上部と頭部 は、 I~I~Iミ代 (5.7 億年前 -2 .4 5 億年前) =葉虫がたくさん見つか っています。 の中央から 3 本の角のような臓がのび の海に繁栄した節足動物の 仲 間 で アサファス?の一種 ( A s a phus ?sp. ) ています 。=葉 虫は、最初に 複眼を す。l 万5千種もの種類が見つかるほど は、モロ ッコでも大変珍 しい =葉虫 で もった生物の一つですが、眼から角を 多維な 三葉 虫が 生 きていました 多有1 す。とても大きな =葉虫で全長が およ のばすとは不思議な気がし ます。 が、古生代末にお こった海洋生物の大 0c I 1 1あり、おまけに頭の端にはひげ そ3 このように腕をたくさん持つ =葉虫 量絶滅の│ 探に =葉虫は絶滅しました。 のように のびた腕を もっています。何 は、よほど熟練した人でないと化石の 近年、ロ シアと モロ ッコで =葉 虫 の のための腕だったので、 しよう?前述の クリーニ ング作業が大変です。この標 発J 聞が進み、たくさんの変 わった =葉 ロシアの =葉虫とおなじオルドピス紀 本 も、角の部分にまだ母岩が詰まって 虫が見つかってい ます。その中からい の 二葉虫ですが、おなじアサファスの p ます。最近、ロ シアと モロ ッコか ら腕 くつかの コ葉虫を紹介しましょう。 仲 間 か どうかもよくわかっていま せ を持つような立体的な =葉 虫 が続々 ん。新種の可能性のあるもの です。 と見つか っているのは、それだけ三葉 ロシア から見つかる代表 的な =葉 虫 の一 つがア サフ ァス ・ コ ワレフスキ シコピゲ・エレガンス (Psychopyge 虫のクリーニング作業に熟練した人が ( A s aphu skowal ews k i ) です(最近は、 e l e g ans )は、腕のある優美な コ葉虫で 育 って きている証でしょう 。たった今 ネオアサファスと分類さ れることもあり す。頭の先が 闘 ! のように長くのびるの でも、どこかで熟練者が、ク リーニ ング ます)。飛び出した眼がとてもかわいら が特徴です。まるで長さを競いあ って 作 業を進めながらび、っくりするような しp 三葉虫です。化石産地 であるロシ p るがのごとく、その長さが体 長の約 三葉虫を取り 出していること でしよう。 アのボルコフ J lI ( WolchowR iv er ) から 半分を占める個体も見 つかっていま 乙れからどんな姿の三葉虫が出て く る は、このコワレフスキをはじめとする愛 I 開'は、泥に 潜 るときに便利 す。この ‘ のか楽 しみ です。 脆た っぷりのアサファス類が多く見つ だったので はと考えている人もいま この秋に 今 回紹介したような =葉 か って います 。特徴的な飛び出した す。モロ ッコのデボン紀の地層から 見 虫をはじめとする古生代の生き物たち H 艮は、体を泥に沈め眼だけを泥の中 つかったもので、 す。 についての特別展を予定していま から出すという、まるで潜望鏡のような 役目を持 っていたのでしょう。 同じデボ ン紀の フィロニクスの一種 ( P h i l o n yxs p . )は、さらに腕の装飾が派 億年前の海をのぞきに来て す。ぜひ 5 0/1-111 2 8 ) ください。 (特展期間 1999/1 .フィロニクスの一種 自然科学のとぴら 第 5巻第 3号 ( 通巻第 1 8号) 1 9 9 9年 8月 1 5日発行 発 行 神奈川県立生命の星地味博物館 干2 5 0. 0031神奈川県小凹原市入生 田 499 51 5 F出 。 0465. 2 3・8846 Te : l0 4 6 5 . 211 苧 副 a . ka nagawa j . p l h t t p: / /www. ci t y. o d a w mus eu. nIg .h t m l .ne .j p e. mai l :pl a n @ p a t .net 発行人 ? 質問隆士 編集団口公則 印刷所 フルサワ 印刷株式会社 自然環境保護のため再生紙を使用しています 2 4
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