中国ビジネスニュース - 公益財団法人かがわ産業支援財団

2015 年 10 月(第 40 号)
中国ビジネスニュース
編集:香川県上海ビジネスサポーター
川田真理子
今月の注目トピックス
■ 広告法改正 日本企業が特に注意したいポイント
約 20 年ぶりに「広告法」が改正され、2015 月9月1日から新広告法が施行されています。EC販売の普及、輸入
品販売の増加、サービス消費の増加など、販売市場の規模も内容も拡大・複雑化したことで、広告法整備を見直
す時期に来たようです。そこで今回は、香川県内企業にも関連する新広告法の主な改正ポイントについてご紹介
します。
まず、特定の業界あるいは製品に関する細則が制定されました。例えば、医療薬品・健康食品・医療機器・教育
トレーニング・投資誘致・不動産・農作物種子などですが、特に注目したいのは、健康食品の広告に関する規定で
す。健康食品は、日本からの輸入商品において人気商品の一つです。先月、本誌第 39 号のこのコーナーで「越境
ECサイトで中国向け販売拡大を」と題して書きましたが、越境ECにおいても健康食品は、化粧品やベビー用品と
並んで売上の高い商品です。
中国において健康食品は医療品や薬品ではなく、食品に分類されています。そこで、従来の広告法では「食品
に関する広告では医療品や薬品と誤認混同されやすい表現を使用してはならない」とのみ規定されていました。し
かし、健康食品の広告や販売におけるトラブルが多いということで、新広告法では、健康食品の広告規制が盛り
込まれたのです。新広告法第 18 条第1項によると、健康食品の広告には以下の内容を含んではならないと規定さ
れています。(a)効用・安全性を現す断言または保証、(b)疾病予防・治療効果に関する内容、(c)広告の商品が
健康を保証するために必要と称し、又はそれを暗示する内容、(d)薬品・その他の健康食品と比較する内容、(e)
イメージキャラクターを起用して推薦または証明する内容、(f)法律・行政法規で禁止するその他の内容。さらに、
同条第2項では、その健康食品が「薬品に代替するものではない」旨を明記しなければならないと記載されていま
す。越境ECサイトなどで、中国に販売する際は、以上の点に留意しましょう。
次に注目したいのは、「イメージキャラクター」に関する規定です。新広告法では、薬品・医療器械・医療サービ
ス・健康食品の広告におけるイメージキャラクターの採用を禁止しています。また、10 歳以下の児童をイメージキャ
ラクターとすることは、全ての商品において禁止である上、イメージキャラクターを務める人物の法的責任も明確に
され、自身が実際に使用したことないものについてイメージキャラクターを務めることはできない、と規定されました。
そこで、例えば、日本で見られるような男性アイドルによる女性用商品の宣伝は、中国においては違法となってし
まいます。
インターネット広告に関する規定も新たに盛り込まれました。ポップアップ広告は、ウィンドウを閉じるマークをは
っきりと示すこと、またクリック 1 回で閉じられるようにすることが求められています。
そして、インターネット広告に関する規定の中で、最も注意が必要なのは、SNSツール・微信(WeChat)などでの
個人による広告転送に関するものです。新広告法では「広告発布者」の範囲が従来の「法人又はその他経済組
織」から「自然人」にまで拡大されました。その結果、企業が発信した広告が、個人から個人へと転送されて、結果
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的に最終消費者に誤解や混同を招くようなことがあった場合、万一、企業の過失が認定されてしまうと、その企業
は責任を免れないことになります。最近は、携帯電話とSNSツールの普及で、個人でも簡単に写真や動画を発信
でき、あっという間に情報が拡散する時代です。今後は印刷物やインターネット上での公表情報だけでなく、営業
社員への指導や普段の顧客対応においても留意しておく必要があります。
越境ECなどで、中国に法人や拠点がなくとも中国市場に販売するチャンスが広がっていますが、中国市場で中
国人消費者を相手にビジネスをする上では、中国の法規制の動向を把握しておくことが重要です。万一、トラブル
が発生すれば、たとえ企業の過失がなくとも、SNSツールなどでバッシングの対象となりうる時代です。私も今回
の広告法改正を通じて、中国ビジネスにおけるリスクマネジメントの必要性を再認識しています。
政策・経済トピックス
【新政策動向】
■企業の固定資産加速度償却政策 調整
財政部と国税総局は「企業所得税の固定資産加速度償却政策の更なる整備に関する通知」を発表した。軽工
業、紡績、機械、自動車等の4領域重点業界の企業が 2015 年1月1日以降に購入した固定資産に対し、減価
償却年の短縮または加速度償却を選択することができる。(P8の【中国ビジネスワンポイントアドバイス】参照)
■国有企業 統合へ
国務院傘下の国有資産監督管理委員会は「国有企業改革を深化するための指導意見」を発表した。国有企業
改革の方向性と基本ルールを明記した。国有企業の「官製再編」を本格化する。現在 110 社ある中央直轄の国
有企業を 2020 年までに 40 社程度に統合集約する。
■住宅購入 頭金比率下げ
住宅都市建設部、財政部、中国人民銀行は「公的住宅積立金個人住宅ローンの頭金比率調整に関する通知」
を公布した。公的住宅積立金に加入する会社員が2軒目の住宅を購入する際、最低限の頭金比率を従来の
30%から 20%に引き下げた。9月1日から施行。
■人民元売り規制
中国人民銀行は「外貨予約マクロプルーデンス管理の強化に関する通達」を公布した。人民元売り予約をする
金融機関に対し、外貨リスク準備金預け入れを求める。10 月 15 日より施行。顧客が元売り・外貨買いの為替予
約をする際、銀行は残高の 20%を「危険準備金」として人民銀に預けなければならない。
■リース業 発展促進
国務院は「リース業行発展加速に関する指導意見」を公布した。リース会社設立の際、登録資本金の最低ライ
ンを設けない。リース会社に、主力業務に関係するファクタリング業務を行うことも許可する。各種民間資本のリ
ース業への参入を促し、規範化する。
■インフラ 参入規制緩和
中国国家発展改革委員会は、港湾や鉄道、道路などのインフラ事業への参入規制を緩和する。参加企業の最
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低資本金を引き下げ、参入を容易にする。
【経済・産業】
■8月の製造業指数 3年ぶりの低水準
中国国家統計局と中国物流購入連合会によると、8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は 49.7 で、前月比
0.3 ポイントの低下、景気判断の節目となる 50 を6ヵ月ぶりに下回った。2012 年8月(49.2)以来3年ぶりの低水
準となった。
■8月の消費者物価指数 2%上昇
中国国家統計局によると、8月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比 2.0%上昇となった。上昇幅は7月の
同 1.6%を上回ったものの、食品を除いた上昇率は 1.1%だった。8月の卸売物価指数(PPI)は同 5.9%低下、42
ヵ月連続の前年割れで、7月の同 5.4%より下落した。
■8月の卸売物価 5.9%の下落
国家統計局によると、8月の卸売物価指数は前年同月比 5.9%下落した。下落幅は前月比 0.5 ポイント拡大で、
リーマン・ショックで景気が低迷した 2009 年9月以来の拡大となった。
■8月の輸出 5.5%減
中国税関総署によると、8月の輸出額(米ドルベース)は前年同月比 5.5%減で、1~8月累計輸出額は前年同
期比 1.4%減だった。輸出の失速が鮮明となっている。
■8月の外貨準備 減少最大
中国人民銀行(中央銀行)によると、8月末の外貨準備高が3兆 5573 億ドル(約 423 兆円)で、前月末比 939 億
ドルの減少となり、減少幅は過去最大となった。8月半ばの人民元切り下げにより、外貨準備を取り崩して大規
模な元買い・ドル売り介入を実施したことが、外貨準備高減少に影響している。
■国美電器 日本製品専門通販サイト開設
中国家電量販大手「国美電器」は、インターネット通販サイト「日本館」を開設する。日本の製品や商品を専門に
取り扱う。すでに日本で調達会社を立ち上げており、今後、中国の消費者向けに、日本からの輸入家電製品を
販売していく。
■新車販売 5ヵ月連続マイナス
中国汽車工業協会によると、8月の新車販売台数が前年同月比3%減の 166 万 4500 台(中国国内生産分、工
場出荷ベース、商用車・輸出を含む)だった。5ヵ月連続のマイナス。減少幅は7月の 7.1%減に比べると縮小し
た。
■中国国際投資貿易商談会 開幕
中国国際投資貿易商談会が8日に福建省アモイで開幕した。中国の企業や地方政府と海外企業との商談の場
で、今年で 19 回目となった。約 100 カ国・地域から 4000 社が参加した。
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■9月の製造業景況感 6年半ぶりの低水準
中国メディアの財新と英マークイットによると、中国の9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は 47.0
だった。8月確報値の 47.3 を 0.3 ポイント下回り、2009 年3月以来6年半ぶりの低水準となった。
■新築住宅 半数の都市で価格上昇
中国国家統計局によると、8月の主要 70 都市の新築住宅価格動向は、北京や上海など大都市を中心に 35 都
市で前月より上昇した。7月比で4都市増えた。特に広東省深圳の値上がり 5.2%と大きかった。
■アジア開銀 中国の成長率 6.8%に下方修正
アジア開発銀行(ADB)は、2015 年の中国の国内総生産(GDP)成長率予想を 6.8%に下方修正した。3月時点
予想から 0.4 ポイント下げた。
■緑地集団 日本で不動産投資
中国不動産最大手「緑地集団」は、日本進出に向けてみずほフィナンシャルグループ(FG)と業務提携した。日
本で住宅やオフィスビルなど既存物件への投資するほか、都市開発プロジェクトへの参加を検討している。
■天津爆発事故 保険金支払い 200 億円
天津で8月に起きた爆発事故による中国国内の4つの損害保険が支払う保険金が少なくとも 200 億円になる見
通し。保険金の多くを占めるのが自動車の損壊による貨物保険。工場の操業停止、店舗が営業を見合わせた
間の損失を補う利益保険の支払いも発生する。
■中国鉄路総公司 米で合弁
中国の鉄道建設の大型国有企業「中国鉄路総公司」は、米鉄道会社と高速鉄道を建設するため合弁企業を設
立する。ロサンゼルスとラスベガスを結ぶ約 370 キロメートルの路線で、2016 年9月に着工する見通し。
【日系・外資企業動向】
■みずほ銀行 遼寧省で産業協力
みずほ銀行は遼寧省の鞍山市、大連市の特区と業務協力覚書を結んだ。産業誘致のアドバイス、投資説明会
開催などを行う。地元政府と連携し、日系企業の進出を後押しする。
■日通 4拠点を新設
日本通運の現地法人日通国際物流(中国)は3月から7月の間に4拠点を開設した。3月に江蘇省塩城市の塩
城事務所、6月に江蘇省連雲港市の連雲港事務所、7月に広東省汕頭金砂路の汕頭事務所、7月に浙江省温
州市の温州事務所を開設した。沿岸部の中小都市への進出を図り、物流サービスの更なる拡大を目指す。
■横河電機 浙江巨化に情報システム納入
横河電機の完全子会社の横河電機(中国)有限公司は、上海証取に上場する化学原料メーカー「浙江巨化」
(浙江省衢州市)と、情報システムの導入などで合意した。浙江巨化の子会社「浙江衢州フッ素化学」が横河電
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機側からクロロメタン生産装置向けの情報管理システムと制御システムを導入する。
■8月新車販売 日系メーカー好調
ホンダは中国での8月の新車販売台数(小売台数)が、前年同月比 50.7%増の7万 8277 台だった。6ヵ月連続
で前年を上回った。マツダも同 1.2%増の1万 5983 台と7ヵ月連続で前年を上回った。トヨタ自動車は、同 20%
増の9万 4200 台だった。前年を上回るのは5ヵ月連続。
■日本ATM ATM監視業務
ATMの保守を手掛ける日本ATMは中国民生銀行と共同企業体(JV)を設立し、中国でATMの監視業務を始
める。資本金は7億5千万円で、民生銀グループが6割、日本ATMが4割を出資する。16 年から民生銀の約1
万 2500 台のATMの監視業務を請け負う。中国ではATM故障時の復旧作業に1週間程度かかるが、2017 年を
めどに即日でも対応できるようにする。
■一休 訪日中国人向けのレストラン予約サービス
高級宿泊サイトなどを運営する一休は、中国の大手旅行会社「携程旅行網(シートリップ)」と提携し、訪日中国
人向けのレストラン予約サービスを始める。訪日中国人がシートリップの予約サイトで、一休が独自に手配する
日本のレストランを利用できる。価格はランチが5千円程度、ディナーは1万円程度。
■ダイドードリンコ 取扱店 1100 店に
ダイドードリンコは、中国での取扱店を 2016 年1月期末までに、現在より約1割増の 1100 店にする。中国ではコ
ンビニエンスストアなど小売店を通じて販路を開拓する。
■安田倉庫 子会社が営業開始
安田倉庫は中国国内での物流事業の強化を目的に「安田物流(上海)」を設立し、営業を開始した。資本金は
7500 万元、安田倉庫の 100%出資。
■日阪製作所 中国拠点再構築
日阪製作所は中国子会社の「日阪(中国)機械科技」の営業拠点を再構築した。広州分公司、上海分公司南京
営業所(南京市)を新設し、北京分公司は閉鎖した。熱交換器、染色仕上げ機器などの販売状況に応じ、成長
の見込める華東、華南地区の営業、サービス体制を強化する。
■東レ 上海国際マラソンのスポンサーに復帰
東レは上海国際マラソンのスポンサーに復帰する。2012 年の尖閣諸島問題による日中関係の悪化でスポンサ
ーを外れた。東レは 1997 年の第2回大会からメーンスポンサーだった。
■マツキヨ アリババサイトに出店
マツモトキヨシホールディングス(HD)は、中国電子商取引(EC)最大手のアリババ集団のサイト「天猫国際(T
モール・グローバル)」に出店し、日系メーカーの化粧品や日用品などを中国で買えるようにする。日本のマツキ
ヨHD店舗での「銀聯カード」購買履歴から、売れ筋商品を独自に分析、人気の高い日系メーカーの商品を取り
そろえる。
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■日産の合弁 独禁法違反
広東省発展改革委員会は、日産自動車の中国合弁「東風日産乗用車」(広東省)に対し、独占禁止法違反で1
億 2300 万元(約 23 億円)の罰金を科す処分を決定した。販売店に対し、乗用車の販売価格がメーカー側の想
定以上に安くならないよう圧力をかけたとされる。広東省広州市内の販売店 17 社に対しても罰金を科した。
■味千中国 百度と組み宅配強化
中国で和風ラーメン店を展開する味千中国は、インターネット検索大手「百度(バイドゥ)」などと組み、ネット注
文に対応し、宅配事業を強化する。売上高の宅配事業が占める割合を現行の 7.7%から 10~15%に高める。
■ヤンマー 農業機械を増産
ヤンマーは、江蘇省の「洋馬農機」(中国)で、コメや麦を収穫する乗用型コンバインなどの農業機械を増産す
る。普通型を中心にコンバインの年産能力 6500 台を約 2.8 倍の同1万 8000 台に高める。中国では農業の機械
化が急激に進んでおり、シェアの拡大を図る。
■安川電機 ミデアに双腕ロボットなどを導入
安川電機は、中国家電大手「ミデア・グループ(美的集団)」と、ロボットと人が協調する製造ライン構築に乗り出
す。合弁会社「広東安川美的工業機器人」で、実証実験などを行う。ロボットを人が補助しながら、完全自動化
が困難な家電の製造工程でロボットが活躍できるようにする。
■郵船ロジスティクス 常州市と常熟市に営業所開設
郵船ロジスティクスの中国法人「Yusen Logistics(China)」が、江蘇省常州市と常熟市にそれぞれ営業所をオー
プンした。きめ細やかな物流サービスを提供する。
■新日鉄住金と宝鋼集団の合弁 めっき鋼板ライン稼働
新日鉄住金と中国鉄鋼大手「宝鋼集団」が合弁で運営する自動車用鋼板工場が新しいめっき鋼板ラインを稼
働した。2016 年後半のフル稼働を目指す。
■住友林業と三井物産 内装工事会社に出資
住友林業と三井物産は中国の内装工事会社「北京金隅装飾工程」が実施した第三者割当増資を引き受けた。
出資比率は住友林業が 29%、三井物産が 20%。
■楽天証券 FXCMアジアの株式取得
楽天証券は、中国・香港で外国為替証拠金取引(FX)事業を行う「FXCMアジア」の発行済み株式 100%を取得
した。香港で顧客基盤を有するFXCMアジアの株式を取得することで楽天証券のFX事業を強化する。
■富士通研 手書きの中国語を人工知能で認識
富士通研究所は、富士通研究開発中心公司(北京)と共同で中国語の手書き文字を高い精度で正しく認識でき
る技術を開発した。人工知能(AI)で人間を上回る 96.7%の認識率を実現した。店頭で顧客が記入した申込用
紙や帳簿などの電子化などに役立つ。
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■ぐるなび 中国客向け飲食店サイト
ぐるなびは、10 月1日から始まる中国の大型連休で訪日観光客が増加することを見据え、中国語版のサイトで
国内飲食店の特集ページ「国慶節を祝おう!特集」を設ける。受け入れに積極的な店を集めて集客につなげ
る。
■セブンとローソン 全店銀聯OK
セブンイレブンとローソンは今秋、ファミリーマートは 2016 年1月をめどに、全店で中国の銀行・クレジットカード
「銀聯カード」の決済サービスを導入する。10 月1日に始まる中国の大型連休などを見据え訪日客の旺盛な消
費を取り込む。
■米配車アプリのリフト 中国同業最大手が出資
楽天が出資する米配車アプリ大手のリフトは、同業の中国最大手「滴滴快的」から1億ドル(約 120 億円)の出
資を受け入れる。利用者は米中でアプリ(応用ソフト)がそのまま使えるようになる。米中で展開する業界最大
手の米ウーバーテクノロジーズに対抗する。
■米郵政公社 アリババと提携
米国郵政公社(USPS)と、中国のネット通販最大手「アリババ集団」傘下の物流会社「菜鳥網絡」は、取扱商品
の物流で提携する。中国製品をネット経由で購入した米国の消費者への宅配などが主要業務。
■タイ携帯大手 中国語ニュース配信
タイ携帯電話大手の「トゥルー・コーポレーション」は、同業2社と共同でショートメッセージサービス(SMS)によ
る中国語のニュースサービスを開始する。タイで初の中国語によるSMSニュース配信となる。加入者は1日 1.6
バーツ(約5円)で毎日、政治情勢や経済ニュースなど様々なトピックに関する8つのテキストメッセージを携帯
電話で受け取れる。
■日産 「ムラーノ」を破格の価格設定に
日産自動車の現地合弁会社「東風日産」は、先月発売したSUV「ムラーノ」の全面改良モデルを 24 万~38 万
元(約 450 万~715 万円)と、旧モデルと比べ約 10 万元(約 200 万円)安くした。
■川崎重工 中車四方とシンガポールの地下鉄車両受注
川崎重工業は、中国の鉄道車両メーカー「中車青島四方機車車両」と共同で、シンガポールの地下鉄用車両
72 両を受注した。受注額は約 120 億円。
■イオン 天津で 40 日ぶりの再開
イオンは天津市の大規模爆発の影響で休業していた「イオンモール天津TEDA」の一部で営業を再開した。約
40 日ぶりのオープン。店舗1階にある食品や日用品を扱う売り場を再開した。11 月上旬には全面開業を目指
す。
■イオン 商業施設で映画館や遊戯施設を拡大
イオンモールは中国のショッピンセンター(SC)で、売り場面積に占める飲食店・物販以外の比率を現在の平均
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約3割から5割に引き上げる。子ども向け遊戯施設や映画館などを導入する。
■東芝ライフスタイル 子会社を清算
東芝の子会社「東芝ライフスタイル」は、白物家電で中国家電大手「創維集団(スカイワース)」に、冷蔵庫、洗
濯機、掃除機の中国での販売を委託する。現地の販売子会社2社を清算する。
■米アグコ 常州に新工場を開設
農業機器メーカーの米アグコは、常州に中国国内で5カ所目となる製造工場を開設した。年間でトラクター2万
台、エンジン3万個、リアアクスルとトランスミッション4万個の製造能力を目指し、世界的な主要拠点にする。
【人民元情報】
人民元市場レート(2015 年9月 30 日)
外貨名 100 日本円
中間値 5.3043 人民元
【中国ビジネスワンポイントアドバイス】
 小規模零細企業を対象とした「固定資産加速度償却政策」の改定、10 月1日から実施
9月 17 日、財政部及び国家税務総局から「固定資産の加速償却に関する企業所得税政策の通知(財税
[2015]106 号)」(以下、「106 号通知」と記載)が発表され、特定4業種の小規模零細企業に対する優遇税制が従来
よりも拡大しました。
106 号通知に先立って、2014 年 10 月 20 日に「固定資産の加速償却に関する企業所得税政策の通知(財税
[2014]75 号)」(以下、「75 号通知」と記載)が発表され、イオテクノロジーや電子・通信関連などの先端技術6業種
の小規模零細企業に対する優遇税制度が実施されています。
そこで、75 号通知と 106 号通知の内容を下表にまとめました。
対象業種/対象企業
固定資産の
使用目的
研究開発
専用
固定資産の
取得額
100 万元以下
100 万元超
研究開発/製造 100 万元以下
共用
上記以外の目的
少額固定資産
6業種(※1)
4業種(※2)
小規模企業
小規模企業
小規模企業
小規模企業
(※4)
以外
以外
当期原価費用に一括計上し損金算入
(以下、「一括償却」と略記)
減価償却年数の短縮、あるいは加速償却
(以下、「短縮/加速償却」と略記)
短縮/加速償却
一括償却
100 万元超
100 万元以下
100 万元超
短縮/加速償却
短縮/加速償却
5000 元以下
一括償却
短縮/加速償却
一括償却
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その他の
全業種
(※3)
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[出所] 以下の通知内容をもとに表作成。
・75 通知原文(http://szs.mof.gov.cn/zhengwuxinxi/zhengcefabu/201410/t20141024_1154297.html)
・106 通知原文(http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c1818604/content.html)
【改正のポイント】
・
上表中の4業種に対する優遇税制については、2015 年1月1日以降に新規購入した固定資産が対象。
・
減価償却年数の短縮及び加速償却については、 「企業所得税法実施条例」の第 60 条(※5)に定める減価
償却期間の 60%を下回らない範囲で実施することが可能。
【備考】
※ 1 :以下の6業種を指す。
① バイオテクノロジー・製薬関連
② 専用設備製造業
③ 鉄道関連、船舶関連、航空・宇宙関連及びその他運輸設備製造業
④ コンピュータ、通信及びその他電子設備製造業
⑤ 計器メーター製造業
⑥ 情報伝達、ソフトウェア及び情報技術サービス業
※ 2 :以下の4業種(製造業のみ)を指す。
⑦ 軽工業(日用化学品、医薬品、食品など)
⑧ アパレル関連(紡績、皮革など)
⑨ 機械(金属、電気など)
⑩ 自動車(完成車、自動車部品)
※ 3 : 上記 10 業種を除く、その他の業種を指す。
※ 4 :小規模企業とは「中小企業分類標準規定」により、業種ごとにそれぞれ従業員数(20~300 人)・売上高
(500 万~6000 万元)・総資産額(1000 万元~8000 万元以下、要件の定めのない業種もあり)の用件が定
められている。以下3つの条件を全て満たす企業を指す。
※ 5 :「企業所得税法実施条例」 第 60 条では以下のように規定されている。
国務院財政・税務主管部門に別途規定がある場合を除き、固定資産の減価償却最低期限は以下の通り。
(一) 家屋・建築物は 20 年
(二) 飛行機・列車・船舶・機器・機械及びその他の生産設備は 10 年
(三) 生産経営活動の関連機具・工具・家具は 5 年
(四) 飛行機・列車・船舶以外の輸送機器は4年
(五) 電子設備は3年
今回発表された 106 号通知は、昨年 10 月に発表された 75 号通知で示された優遇税制の適用範囲を更に拡大
させる内容となっています。そして、この2つの通知はいずれも、中国製造業の技術発展、設備の刷新、小規模製
造企業への支援強化を目的としています。
さて、昨年から中国は製造業のイノベーション化を目的として輸入拡大促進政策を打ち出しています。日
本から中国への設備・機械の販売にも追い風となって、対中輸出の伸びにつながることを期待します。
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2015 年 10 月(第 40 号)
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