まとめ(考察)

Ⅷ
研究実践例
第1学年の実践例
身に付けさせたい力 ア 文を意識して、事柄の順序を考えながら読む力
イ 文章の中の大事な言葉や文を書き抜く力
ウ 問いから答えの部分を見つける力
1 単元名 書かれている内容を正しく読み取る
(東京書籍 1年)
教材名 どうやってみをまもるのかな
2 本時の指導
⑴ 目標 「あるまじろ」の身の守り方を正しく読み取ることができる。
⑵ 本時の指導にあたって
<仮説との関わり・・・本時で身に付けさせたい力>
イ
大事な言葉や文を書き抜く。
ウ
問いの答えを見つける。
⑶ 展開
学習活動(○主発問 ・学習内容)
つ 1学習課題を確認する。
か
あるまじろは、どのようにしてみを
む
まもるのでしょう。
3
分
見 2学習場面を音読する。
(⑦~⑪)
通 3問題解決の見通しをもつ。
す
○身の守り方を説明している文はど
5
れでしょう。
分
4視点に沿って読み取る。
(一人学び)
○大事な言葉や文を書き抜きましょう。
・
「なまえ」
「からだのようす」は全員
で書く。
深
・
「みのまもりかた」
「てきがきたら」
は自力で取り組ませる。
指導上の留意点・ 評価◇
・「やまあらし」の身の守り方を想起させ、本時の
課題につなげる。
・身の守り方を説明している文を探しながら音読さ
せる。
・問いの答えの文(身の守り方)を確かめる。前後
の文についても内容を項目的に確かめる。
手立て―イ
5つの項目に分けたワークシートを用意し、
大事な言葉や文を抽出・整理しやすくする。
・つまずいている児童には、表の項目と同じ言葉を
文中から見つけさせ、その前後を注意して読ませ
るようにする。
め
5読み取ったことを交流し、深める。
手立て―ウ
(学び合い)
自分がまとめた内容を相手に伝える活動を
○「あるまじろ博士」になって、身の
通して、問いの答えを順序良く説明するように
守り方を説明しましょう。
させたい。
る
・表をもとに、友達に説明をする。
・ペアで互いに説明し合わせた後、全体でも発表さ
せる。
・動作化を通して、
「からだをまるめる」 ・動作化や挿絵を通して、「あるまじろ」の体がぴ
「じっとしている」の理解を深める。
ったり球状になることやその利点に気付かせる。
○あるまじろになって、身を守ってい ・これまでの読みを生かして、吹き出しに「あるま
る時の言葉を考えましょう。
じろ」の言葉を書かせる。
◇ 問いと答えの文に気を付けながら、「あるまじ
27
ろ」の体の特徴や身の守り方を読み取ることがで
分
きたか。
(発言・ワークシート)
ま
と
め
る
10
分
6つかんだことをまとめる。
○書かれている順序を確かめましょ
う。
7まとめの音読をする。
8学習について振り返る。
9次時の学習内容を確認する。
・ワークシートで二つの段落を比較する。
◇「やまあらし」と同じ文章構成になっていること
に気付くことができたか。
(発言)
・「すかんく」ではどんな順序かと投げかけ、次時
へとつなげる。
3 考察
⑴ 授業記録とその分析
――― 前時想起と課題確認 ―――
T 「やまあらし」はどのようにして身を守りますか。
C とげを立てて身を守ります。
T 「動物博士」に詳しく聞いてみましょう。
「動物博士のアルマジーロです。*「ながくて」
「うしろむき」
について補足説明をする。―― 中略 ――
T 今日の課題は「あるまじろは、どのようにしてみをまもるので
しょう」です。
――――― 音 読 (7~11段落) ―――――
T 問いかけと身の守り方を説明している文は何番ですか。
C 問いかけは9番です。 C 身の守り方は 10 番です。
―――― 一人学び ――――
T 一緒に大事な言葉を見つけて教科書に線を引きます。それから、
プリントに書きます。はじめに、「からだのようす」を読むよ。
*サイドライン、書き抜きを一斉指導する。
T どんな感じですか。(挿絵)
C 石みたい。 C 固いものをしょってる感じ。 C 下まである。
T これが敵に攻撃されると、こうなります。(挿絵)
T どのようにして身を守るのか、線を引いてから、プリントに書
きます。今度は、自分でやってみましょう。―― 中 略
―
――― 学び合い ――――
T 「アルマジーロ博士」になって、身の守り方を説明してもらい
ましょう。
C(全)
「あるまじろは、どのようにしてみをまもるのでしょう。
」
C からだを丸めて、身を守ります。
C(全)
「あるまじろは、どのようにしてみをまもるのでしょう。
」
C 敵が来たら、じっと体を丸めています。
T やってみてください。
C (体をまるめてしゃがむ)
T どうして、丸めてじっとしているの。
C 丸まったら全然動かない。顔としっぽを離さないでまるっとな
る。離れると食べられてしまうから。
T みんなも「あるまじろ」になってみましょう。歩いていると、
「ガオ!」敵が現れました。
(トラのペープサート)
C(全)*動作化
――― まとめ ――――
T 「あるまじろ」の身の守り方をノートにまとめます。
C(全)*「からだをまるめて、みをまもります。
」
T 「あるまじろ」になって、身を守っているときの言葉をノート
に書きましょう。
C こうらは固いよ。C 簡単には食べられないよ。動かないよ。
C 石より強いんだ。C 頭から背中まで鋼鉄のようだよ。
T 「あるまじろ」の説明の順番を確かめましょう。*板書で確認
T 「やまあらし」と同じでしたね。次の動物でも考えましょう。
分析
本時では、ワークシートを使って大事な言葉を書き抜く活動を設定した。前時の学習経験を
もとに、一斉指導型の一人学びから個々で取り組む一人学びへと難易度を上げていく展開とし
た。動作化で読みを深めたことで、本時のねらいに近づくことができた。
⑵ 考察
○大事な言葉を書き抜く力をつけるために、単元を通して一貫した指導ができた。
○文章を「せつめいぶんのいえ」に表し、ワークシートを工夫することで、「問い」と「答え」
を見つけながら、全体の段落構成に気付かせることができた。
○第3次の「他の動物の身の守り方」につながるように、「○○はかせ」を登場させ、説明場面
を設けた。博士になりきって自分の言葉で読み取ったことを再構築することで、意欲を持続さ
せながら読みを深めることができた。
●指導内容が多かった。書き抜く場所を最小限にすると、余裕をもって学び合いができた。
●動作化や吹き出しに書く場面で、よい考えの広め方が足りなかった。評価の観点を具体的に
もち、活動の中で個々を評価する力と評価に合わせた授業展開力を身につけていきたい。
第 3 学年の実践例
つけたい読解力 ア だいじな言葉や文を見つけながら読み取る力。
イ 書かれている内容を短くまとめながら読み取る力。
ウ 身に付けた力をいかして本や資料で調べる力。
1 単元名
はたらく犬について調べよう
(東京書籍 3 年下)
教材名
「もうどう犬の訓練」
2 本時の指導
(1) 目標 だいじな文や言葉を見つけ、内容を短くまとめて書くことができる。
(2) 本時の指導にあたって
〈仮説とのかかわり〉
・・・本時で身につけさせたい力〉
ア だいじな言葉や文を読み取る力
イ 書かれている内容を短くまとめる力
(3)展開
学習活動(○主発問 ・学習内容)
つ 1 学習課題を確認する。
か
だいじな文や言葉を見つけ、短くまとめよう。
む
3
分
見 2 音読をする。
【④~⑮】
通 3 課題解決の見通しをもつ。
す ○ 要約の仕方を確認しましょう。
7
分
4 視点に沿って要約する。
○ 「人を安全に導く訓練とは何か」要約していき
ましょう。
・ 答えになる段落を見つける。
・ 一番伝えなければならないことは何か(だいじ
な言葉や文)線を引く。
深
・ 隣の人と確認する。
め
る
指導上の留意点・評価
・ 前時を想起させながら課題を提示す
る。(観察)
・ 要約するうえで大事なことを確認す
る。
手立て-ア
要約する上で大事なことを振り返る
ことができるように、前時の要約の仕
方を掲示しておく。
・ 早くできた児童は、言葉を言い換え
たり補ったりできないか考えさせ
る。
○ なぜそこがだいじな文なのでしょう。
・ 写真との対応 ・
「たとえば」の説明
○ 要約しましょう。
27
手だて-イ
線を引いたところを落とさずに、言葉
を補いながら 2 文で書く。
分
ま
と
め
る
8
分
5 隣同士で読み合う。
6 振り返り(自己評価)
7 次時の予告
◇大事な言葉を使ってまとめることが
できる。(ワークシート・ノート)
・要約の文を読んで、課題がわかるかど
うか。
・大事な文が入っているかの確認。
3 考察
(1)授業記録とその分析
―― 前期想起と課題確認 ――――
要約の仕方を読んでみます。
(紙板書を読む)
今日は 2 つ目の訓練を勉強します。今日の課題です。
「だいじな文や言葉を見つけ短くまとめよう。」
―――― 音読(④~⑯) ―――――
T 「人を安全にみちびく訓練」とは何か書いてある段落はどこでし
たか。
C ⑨~⑫だと思います。
―――― 一人学び ――――――
T ⑨~⑫の所で大事な所や文を見つけてください。教科書に線を引
いてください。
*「もの知りカード」を書くときに本から大事な文を書き抜くことを
意識させる。
C 「あぶないものの前で止まったりよけて進んだりすることを繰り
返し教え込まれます」の所です。(中略)
C 「使っている人にとってきけんな…」の所です。
C 「自動車が走ってくる所でわざと『ゴー』と言われても…」の所
です。
T 全部書くと要約にならなかったね。要約に必要なところはどんな
所ですか。
C 説明文はいらないと思います。
C 「たとえば~」の所はいらないと思います。
―――― 一人学び ――――
T 大事なのはこの2つの文だね。これを使って二文で要約してみて
下さい。
T 隣同士で確認します。
―――― ペア学習 ――――
*①だいじな文が入っているか②言葉を補っているか③内容を短くま
とめているかの 3 つを確認させる。
C 「目の不自由な人」というのをつけたしていました。
C 「くりかえしくりかえし教えこまれます」を「訓練します」にし
ていました。
―――― 自己評価 ―――――
T 今回の勉強で身につける力ができたか確認します。
―――― 次時の予告 ――――
T 「もうどう犬のこころがまえとは何か」について勉強します。
T
C
T
分析
本時では、前時で行って 1 つ目の訓練の要約をもとに、次の訓練の内容を要約する活動を
設定した。
「だいじな文・言葉」のとらえがそれぞれになってしまい関連する所全てが「大事
な文」になってしまった。中心文を要約することになってしまい、要約の学習には難しい結果
となってしまった。
(2)考察
○「身につけたい力」を常に貼りだしていることで、単元を通して意識させることができた。
○学習した紙板書を残すことで、前時までの学習を振り返ることができた。
●2次の「訓練の内容を読み取る」と3次の「まとめ」では違いがなくなってしまった。
●P.38のてびきにある課題は、
「要約」するのではなく、大事な言葉や文を文章から探すも
のである。中心文を要約することは難しい。
●ペア学習の際、確認することを提示しているが、何をよしとするか、目に見える評価をするこ
とが大事だと思った。
第4学年の実践例
身に付けさせたい力 ア 段落相互の関係を読み取り、段落の要点をまとめる力
イ 文章全体を意味段落に分け、文章の構成を理解する力
ウ 読み取った内容を確かめながら、感想をまとめ発表する力
1 単元名
だん落のつながりをとらえながら読もう
(東京書籍4年上)
教材名
ヤドカリとイソギンチャク
2 本時の指導(6/14)
⑴ 目 標 ヤドカリがイソギンチャクを貝殻につける方法を読み取ることができる。
本時で身に付けさせたい力
ア 形式段落の要点をまとめる力
イ 内容を読み取り、形式段落相互の関係をおさえる力
⑵ 展 開
学習活動(○主発問 ・学習内容)
指導上の留意点・ 評価◇
つ 1学習課題を確認し、見通しをもつ。
・前時までの学習を想起させながら課題を提示
か
する。
(観察)
む
ヤドカリは、イソギンチャクを、どう
3
やって自分の貝がらにうつすのだろう。
分
見
通
す
7
分
深
め
る
2学習場面を音読する。
(⑦~⑨)
・読みの視点を与え、課題解決の見通しをもた
せる。
3問題解決の見通しをもつ。
○問いの段落は、何段落ですか。
○答えの段落は、何段落ですか。
・答えの段落はどの段落か考えながら音読させる。
4視点に沿って読み取る。
(一人学び)
・⑧段落から誰がどのような方法で調べたのか
(1)問いを調べる方法を読み取る。
書かれているところにサイドラインを引か
○誰がどのような方法で調べたのかを
せる。
(教科書・観察・発言)
見つけ、サイドラインを引きましょう。
・各段落の中で中心にとなる文を探し、大切な
(2) 問い2の答えをまとめる。
言葉に線を引かせる。
(教科書・観察)
○ヤドカリが、イソギンチャクを自分
の貝がらに移す方法が書かれていると ・⑨段落の要点を考え、ワークシートにまとめる。
(ワークシート)
ころに線を引き、短くまとめましょう。
手立て―イ
・答えとなる箇所にサイドラインを引く。
挿絵と本文を関連づけて、
ヤドカリがイソギ
・挿絵をもとにヤドカリがイソギンチ
ンチャクを移す方法が書かれている箇所を文
ャクを移す方法をワークシートに書く。
中から探し、順序良く読み取る。
5それぞれの段落の大事なことについて読
25
分
ま
と
め
る
10
分
・問いの段落と答えの段落を全体で確認する。
・本時の学習場面が、問いの2つ目の部分であ
ることを確かめる。
み深める。
(学び合い)
・ヤドカリが、イソギンチャクを移す方
法を発表する。
6つかんだことをまとめる。
○問いと答えを確かめましょう。
・⑨の段落の要点をまとめ、答えの内容を
まとめる。
・挿絵や文中の大事な言葉に着目させながら、
発表させる。
(発言・観察)
○⑦が問い、⑧が観察、⑨が答えの段落である
ことを確認する。 (発言・観察)
・⑨の段落から答えを短くまとめている。
(ワークシート)
手立て―ア
要点のまとめ方
・中心となる文を短くする。 ・主語、述語、キーワードをつける。
・文末を常体にする。
7まとめの音読をする。
8学習について振り返る。
9次時の学習内容を確認する。
・問いと答えを音読し、段落相互の関係を押さ
える。
3 考察
⑴ 授業記録とその分析
C
T
T
C
T
C
T
C
T
T
C
T
T
T
C
C
C
C
T
C
C
C
T
C
T
T
C
―― 前時想起 (中略)――
今日学習するところは、7 段落と 9 段落です。
どこが問いか答えか気をつけながら読みましょう。
――――― 音 読 ―――――
問いが書かれている段落は何段落ですか。
「なぜ~でしょうか。
」と書かれているから 7 段落です。
「どうやって」という言葉は、どういう時に使いますか。
方法を聞くときに使います。
では、8 段落はどんなことを書いているのですか。
誰がどんなことをしたかが書かれています。
20字以内で、ワークシートに書きましょう。
―― 中略 ――
問いの答えは、何段落に書かれていますか。
9段落です。
ヤドカリがしたことにサイドラインを引きましょう。
―― 中略 ――
大事なところだけを抜き出して、ヤドカリがしたことを順序
よくワークシートに書きましょう。終わった人は、挿絵を見
て自分で説明できるようにしましょう。
―― 一人学び ――
では、ヤドカリがしたことを発表してください。
イソギンチャクの体をつつきます。
両方のはさみでひっぱります。
イソギンチャクをはがします。
かかえるようにして貝がらにおしつけます。
―― 学び合い ――
では、挿絵を使って見てみましょう。この挿絵では、どんな
ことをしていますか。
ヤドカリがイソギンチャクをつついています。
イソギンチャクを引っぱっている。 C かかえている。
自分の貝がらにおしつけている。
―― まとめ ――
ヤドカリがどうやって自分の貝がらにイソギンチャクを移
すのかまとめましょう。必ず入れたい言葉は、何ですか。
つつく。 C 引っぱる C はがす。 C おしつける。
―― 中 略 ――
要点のまとめ方は中心となる文を短くするんでしたね。
主語は、「ヤドカリは」です。大事な言葉の「はがす」「おし
つける」を入れてまとめましょう。
「ヤドカリは、イソギンチャクをはがして自分の貝がらにお
しつける」です。
分析
本時では、挿絵をもとにヤドカリがイソギンチャクを自分の殻に移す方法をまとめる活動を
設定した。読み取ったことと挿絵とを対応しながら説明させようとしたが、本文と挿絵がうま
く対応できていなかったので、学び合いが深まらなかった。最後に読み取ったことを要約する
場面では、要約のまとめ方を全員で確認しながら行ったので、児童はスムーズに要約すること
ができていた。
⑵ 考察
○問いが書かれている段落と答えが書かれている段落を押さえながら授業を行ったことで、段落
と段落のつながりを押さえることができた。
○ワークシートを工夫することで、子どもの思考を助けることができた。
○要約のまとめ方を全員で確認しながら行ったので、児童はスムーズに要約することができてい
た。
●要約文を短くまとめようとしすぎると内容が分かりにくくなるので、
単元分析表に記した程度
にまとめるのが望ましい。
●具体の評価基準をもう少し評価しやすい内容にすることが大切である。
書く活動をさせたもの
等で評価すると分かりやすい。授業者が評価しやすい内容であるように工夫する必要がある。
●単元の終わりに言語活動を設定し、目的意識を持たせながら学習に取り組む単元構成を組む
ことが大切である。
第6学年の実践例
身に付けさせたい力
ア
イ
ウ
資料や具体例の示し方に注意しながら教材文を読み、意見を読み取る力
もっとくわしく知りたいことについて、調べ方や情報の活用の仕方を考えな
がら調べる力
調べて分かったことをリーフレットにまとめる力
1
単元名
「持続可能な社会」への取り組みについて調べよう (東京書籍6年下)
教材名
「未来に生かす自然のエネルギー」
2 本時の指導
⑴ 目標
資料や具体例の使い方やその効果に注意しながら、再生可能エネルギー源(風力)の利用
について読み取ることができる。
⑵ 本時の指導にあたって
<仮説との関わり・・・本時で身に付けさせたい力>
ア 表現の工夫をとらえる力
ア 筆者の考えをとらえる力
⑶ 展開
つ
か
む
3
分
見
通
す
10
分
深
め
る
22
分
学習活動(○主発問 ・学習内容)
1学習課題を確認する。
再生可能エネルギー源を利用した発電の課題と
解決策は何だろう。
2学習場面を音読する。
・⑫~㉓(学習場面の把握)
3課題解決の見通しを持つ。
○「再生可能エネルギー源」の利用がどのように進
められているのか、どのような課題と解決策が
あるのか気をつけて読みましょう。
4視点に沿って読み取る
⑴再生可能エネルギー源の現状を読み取る。
○再生可能エネルギー源を使った発電にはどの
ようなものがありますか。
⑵風エネルギー利用の具体的な取り組みを読み取る。
○風力発電の利用がどのように進められている
か分かるところにサイドラインを引きましょう。
○図④、図⑤の資料から分かることは何ですか。
・図④、図⑤の資料から題名と分かることを読
みとる。
(一人学び)→(全体学び)
指導上の留意点・評価◇
・前時を想起させながら課題を提示する。
(観察)
・現状・具体例・課題・解決策を考えなが
ら音読させる。
・読みの視点を与え、課題解決の見通しを
もたせる。
(文章構成・資料の使い方)
・⑭~⑰段落の中から3つ、一文にサイド
ラインを引かせる。
手立て-ア
グラフや地図を用いていることの
意図や効果を考えさせる。
◇図やグラフを用いていることの意図や
効果を理解し、説明の内容を読み取って
いる。(ワークシート・発言)
⑶風力発電の課題をおさえる。
・風力発電の課題が分かる部分にサイドラ
○風力発電の課題は何ですか。
インを引かせる。
・風力発電の課題4つにサイドラインを引く。
⑷解決策を読み取る。
○「発電の状態が安定しない」という課題に対し ・筆者の考えを具体的に説明させる。
て筆者はどのような解決策を考えていますか。
ま
と
め
る
10
分
5読み取ったことをまとめる
○課題と解決策をまとめましょう。
・課題「発電の状態が安定しない」
解決策「安定した電力を得るために、ほかの自
然エネルギーと組み合わせればよい」
をまとめる。
手立て-イ・ウ
6学習について振り返る。
・文章構成を確認する。
7次時の内容を確認する。
◇再生可能エネルギー源(風力)の課題と
解決策を読み取り、まとめることができ
る。
(ワークシート)
・筆者の考える課題と解決策をまとめ
る言語活動を行う。
・書き出しを統一する
「風力発電の課題の一つは」
・文字数を限定する(100字以内)
3
考察
⑴ 授業記録とその分析
――― 前時想起と課題確認 ―――
昨日は本論1の「エネルギー問題」について学習しました。
今日は本論2の学習をします。課題は「再生可能エネルギー
源を利用した発電の課題と解決策は何だろう。」です。
――― 音読(⑫~㉓段落) ―――
T 再生可能エネルギー源とはどのようなエネルギー源ですか。
C 資源がなくならないエネルギー源です。
――― 中略 ―――
T 風力発電はどのように勧められていますか。サイドラインを
引きましょう。
*3か所見付けさせ、一文にサイドラインを引かせる。子ども
から3か所の答えが出なかったので、教師側から出した。
T 風力発電の利用がどのように進められてきているか分かりや
すくするために、筆者はどのような工夫をしていますか。
C 図④、図⑤を使っています。
T 図④、図⑤について書かれている段落と、図から分かること
を書きましょう。
(ワークシート)
――― 一人学び ⇒ 全体学び ―――
C 図④からは、1990年以降、増加のペースが急激に速くな
っていることが分かります。
C 図⑤からは、北海道や東北地方の沿岸に風車が多く建てられ
ていることが分かります。
T この後は風力発電の具体例として、山形県立川町の例が挙げ
られていますね。
T 風力発電の課題が書いてある段落はどこですか。
C ⑳から㉒段落です。
T その中から4つ課題を見つけてサイドラインを引きましょう。
*4か所にサイドラインを引かせる。
T どのような課題がありますか。
C 広い面積が必要で、それだけ費用もかかります。
C 大きくて重い羽根が弱い風でもよく回るようにくふうする必
要があります。
C 騒音や振動の問題があります。
C 発電の状態が安定しないです。
T 筆者は課題に対してどんな解決策を考えていますか。
C ほかの自然エネルギーと組み合わせることです。
T 4つの課題のうち、どの課題に対する解決策ですか。
C 発電の状態が安定しないことへの解決策です。
T 具体的にはどんなことをしますか。
C 風力発電と太陽光発電を組み合わせた発電装置を設置することです。
C 風力と太陽光に加え、バイオマス発電を組み合わせることです。
――― まとめ ―――
T 筆者の考える課題と解決策をまとめましょう。(ワークシート)
C 風力発電の課題の一つは、発電の状態が安定しないことであ
る。しかし解決策がないわけではなく、安定した電力を得る
ために、ほかの自然エネルギーと組み合わせればよいと筆者
は考えている。
T
T
分析
本時では前時の学習経験をもとに、グラフや図を用いていることの意図や効果を考えさせたり、
筆者の考える風力発電の課題と解決策を考えさせたりする活動を設定した。ワークシートを用いた
ことで内容の読み取りはできたが、読み取りに終始し第3次につなげる読みとしては不十分だった。
⑵ 考察
○現状-課題-解決策という文章構成を意識させて読み進めることができた。
○資料が文章のどの部分を詳しくしているのか、学び合うことができた。
○全国学調で児童が苦手だった「書き出しなどの条件のある文章」にワークシートの中で取り組み、
理解を深めることができた。
●文章の読み取りから離れられなかった。図と対応する段落を照らし合わせ、図と文との関わりを洗
い出していく読みが必要である。
●児童と図の役割(具体例・裏付け・解説など)を確認していくと、第3次に繋げていくことができる。
Ⅸ
成果と課題
1 成果
○単元計画や教材文の掲示など教室環境に工夫が見られ、子供たちに学習の見通しや言語を意識
させる力となった。
○「身につけさせたい力」を明確にした授業を積み重ねることにより、文章構成やキーワードを
意識し、構造的に読み取る力がついてきた。
○教材分析表を作成することで教材の理解が深まった。また、
「身につけさせたい力」をどこで
どのように指導するのか、単元計画や本時の展開に明記することで、単元構成についても吟味
することができた。
○座席表の活用により、前時までの理解度を意識しながら授業を行うことができた。
2 課題
●「身につけさせたい力」を整理し、より授業に生かしやすいように改善を図る。
●確かに読み取る力をさらに向上させるために、教材文を細かく区切らず、大きなまとまりで読
み取っていく授業改善を図る。
●意見交流のさせ方は、日常的にペアやグループ学習、動作化なども取り入れながら工夫してき
た。ねらいを深めたり、授業を活性化させたり、主体的な学習者を育てたりするためにも、継
続して授業に取り入れていく。
●第3次の言語活動を意識した単元構成と第2次の授業展開の在り方について、今後研究を深め
ていく必要がある。
●評価の場面で、目指す子供の姿が的確に捉えられるように、評価規準の在り方を吟味していく。