Bulletin 9月号PDFファイル

Bulletin
平成 3 年 4 月 16 日第三種郵便物認可 平成 23 年 9 月 15 日発行(隔月 15 日発行)第 27 巻 第 2 号 通巻 238 号
2012
Vol. 238
The Japan Institute of Architects Kanto-Koshinetsu Chapter
9
特集:アーキテクツ・ガーデン 2012 建築祭
・アーキテクツ・ガーデン 2012
柳学アーキテクツ 柳 学
2
3
・講演会 • シンポジウム
・国際委員会 ・住宅再生部会 ・住宅部会 ・デザイン部会 ・杉並地域会 ・長野県クラブ COLONNADE
・メンテナンス部会 ・群馬地域会 ・世田谷地域会 ・都市デザイン部会 ・建築家写真倶楽部 ・山梨地域会 ・港地域会 ・千葉地域会 ・建築相談委員会
・街歩き • 見学会
8
・城北地域会 ・千葉地域会 ・世田谷地域会 ・住宅部会 ・保存問題委員会 ・千代田地域会 ・中野地域会 ・長野県クラブ ・茨城地域会 ・情報開発部会 ・渋谷地域会 ・城南地域会+アーバントリップ実行委員会 ・城東地域会
・展示 • ワークショップ
14
・ミケランジェロ会 ・学生デザイン実行委員会 ・新潟地域会 ・神奈川地域会 ・文京建築会 ・目黒地域会
2012 年度 関東甲信越支部総会報告 二つの災害(震災と戦災)を越えて形成された都市「横浜」
FORUM
Never give up
建築のフォルムが持つ力を信じる
日本建築家協会に込めた抱負
建築相談を振り返って
都市デザイン部会ツアーレポート
賛助会員名簿の使い方
西勝建築設計 西勝郁郎
16
A.A プランニング 青木恵美子
17
新居千秋都市建築設計 新居千秋
18
梓設計 有吉 匡
19
アーキプラス一級建築士事務所 中村 晃
19
小沢建築設計室 小沢聖子
20
sai 総合企画 川崎正雄
21
一級建築士事務所 OM-1 大川宗治
22
22
支部ダイジェスト
B A C K YA R D
映画紹介「テルマエ・ロマエ」(ローマの風呂)
編集後記●「この夏の過ごし方」
社団法人日本建築家協会
〒
関東甲信越支部
150-0001 東京都渋谷区神宮前 2-3-18 JIA 館
Tel: 03-3408-8291 Fax: 03-3408-8294 http://www.jia-kanto.org/members
ヒガノ 立石博巳
23
23
特 集 : アーキテクツガーデン 2012 建築祭
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
特集 : アーキテクツガーデン 2012 建築祭
講 演 会 ・ シンポジウム
委員長
外に出よう!建築家
JIA 国際委員 杉山 久哉
柳 学
■今年は新生アーキテクツガーデンとして、JIA の公益法人化を視
7 月 5 日にはメインセミナーとし
■この数年間の不況や自然災害、そして有効な経済政策ビジョンを
という言葉が躍っていた。21 世紀が 10 年経過し、環境技術も競
野に入れ、従来型の展示会ではなく、情報集約、発信型のイベント
てコシノジュンコさんに講演をお
持たない無策政治により日本の経済の停滞は危機的になっている。
うように新しいものが市場に出ているが、「国際化」だけはこれと
として広く一般市民に参加してもらうイベントとして行いました。
願い致しました。講演の演題であ
建築家という業態が成立しない状況に近づいてきているのかもしれ
いった進歩が無かった。我々のクライアントである不動産や金融業
りました「対局の美」のお話が始
ない。業界の外では、製造業はもちろん、内需産業と言われる流通
界の「国際化」が急進展したにもかかわらず、である。
会期は 6 月 15 日建築家の日をまたぐ、6 月の 1 ヶ月間を設定しま
まる前にミャンマーやベトナムで
やサービス産業も海外展開が必至となり、土地に貼りついていると
そして、日本、欧州、北米の経済システムに亀裂が入り、建設・建
した。厳密には 5 月 26 日に始まりましたミケランジェロ会による
の活動のお話、NHK テレビドラマ
思われた鉄道事業者でさえ、新幹線の車両や技術、運営ノウハウを
築が民も官も急停止したこの数年、中国、インド、東南アジア、南
「建築家による美術展」を皮切りに、7 月 6 日まで開催された目黒
「カーネーション」のお話等で予定
売ることでプロフィットセンターを海外に求めている。
米などの新興国は正に建設ブームとなり、かろうじて建築業界が生
COLONNADE
地域会による「めぐろの建築 3 団体による気仙沼市震災復興提案展」
の 1 時間の多くを使われて、結局
振り返って建築業界は、長年の夢であり国際化のシンボルともいえ
き延びるための希望の光となっている。ところが、アメリカやヨー
までの 1 ヶ月余りとなりました。
1 時間半の講演となり、多くの貴重なお話を聞くことが出来ました。
た UIA を昨年成功させた。しかし UIA が終わってみると、これま
ロッパの建築家が大挙してアジアに押し寄せている中、アジアの端
その会期中に各地域会、部会、委員会の例年の催しやワークショッ
その後引き続いて開催されましたメインパーティーでは、今回のプ
での国際化は単に同業者の交流に重きを置いたものであったのでは
に位置する日本の建築家たちは、準備不足で、進出のきっかけがつ
プをこの「アーキテクツガーデン月間」に集約して頂き、大きな一
ログラムの報告を各地域会等にしてもらいました。その中で、各々
ないかという反省も出てきている。建築業界は一部の人々をのぞい
かめず、進出しても契約や業務体制、品質に対する認識の違いによっ
つの括りとしてのイベントとしました。
のプログラムが盛況であったこと等、充実したイベントになったこ
て、海外をビジネスの場とはとらえてこなかったのではないか。建
て痛い目に遭っている事務所も多いと聞く。
各々の単独イベントでは、集客や外部への情報発信が不十分であ
とが報告されました。
築業界の職能団体は、歴史的経緯にこだわって国内での縄張り争い
JIA としては、会員の振興のため、海外進出を支援することが使命
ることを、連携した一括りのイベントとすることでそれらを補い、
今年のアーキテクツガーデンは全部で 45 プログラムあり、一つ一
に終始し、その会員達のビジネスを支援するという大事な役目をな
の一つであるととらえ、6 月 26 日に JIA 会館において、シンポジ
JIA の多彩な活動を一般市民に知らしめるという今回のアーキテク
つのプログラムでは目立たなかったものが、アーキテクツガーデン
いがしろにしてきたのではないか。今 JIA が会員のために行うべき
ウム:「外に出よう!建築家」の第一回を開催した。このシンポは
ツガーデンの目的を充分に達成出来たのではないかと思います。
として大きくまとまったことで、それぞれが輝いて見えたことが収
は何なのか。
9 月と 11 月にその続編を開催して、日本の建築家が積極的に外の
穫であったと思います。
一部の有名建築家は早くから海外実績を重ね、大手組織事務所は
可能性をつかむ事を側面支援しようとするものである。UIA という
ODA 等によって海外受注の実績もある。しかし、ほとんどの設計
お祭りの後に待っていた、業界のサバイバルという厳しい現実に素
事務所では、英語なり中国語なりで資料や契約書を読める人材は少
早く対応して、会員を奮い立たせるべきではないか。経済の停滞に
か一般誌のハードルが高く、掲載されたのはわずかとなりましたが、
なく、ましてや、異なるビジネス環境で丁々発止クライアントや現
負けない建築の可能性を夢見るべきではないか。そのような気概を
HP やフェイスブックも活用し、より多くの方に知ってもらおうと
地工務店とやりあえる幹部や経営者レベルの人材はほとんどいない
持って、会員の皆様の海外進出のヒントを提供することを目的とし
いう努力は、実際のプログラムに多くの参加があったこと、一般市
であろう。海外プロジェクトに限らず、海外資本による国内物件も
ている。昨今、環境のサステナビリティの重要性が啓蒙されている
民の参加があったこと、地方のプログラムにも遠方からの参加者が
多々ある時代に、学校教育においても特に異文化ビジネスマネジメ
が、今は、まさに我々の業界そのもののサステナビリティ ( 持続可
あったことから実を結んだと感じています。
ントを教えているようには見えない。
能性 ) が危機に瀕していることを心にとめて、積極的なビジネス展
建築業界では、20 世紀の終わり頃から国際化が謳われ、開発企画
開を願うものである。
具体的には、アーキテクツガーデン実行委員会は建築専門誌を含む
一般雑誌 50 誌以上に情報掲載のお願いをしました。結果はなかな
来年以降の課題としては、広報活動をより充実させていくことだと
思います。
〈柳学アーキテクツ〉
書には決まって、「21 世紀の」、「地球にやさしい」、「国際的な」…
2
Bulletin 2012 年 9 月号
〈クインシースタジオ〉
Bulletin 2012 年 9 月号
3
COLONNADE
アーキテクツ・ガーデン 2012
特 集 : アーキテクツガーデン 2012 建築祭
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
特集 : アーキテクツガーデン 2012 建築祭
講 演 会 ・ シンポジウム
講 演 会 ・ シンポジウム
「木造住宅の耐震診断、改修設計
〜耐震改修まで〜戸建て住宅の
耐震化とその難しさ〜」
デザイン部会 ■「混構造の耐震補強(鉄骨造+木造)
」と
「リノベーションのついでに耐震補強」
混構造の建物で助成を受けて行った耐震補強は、1階の鉄骨造を自
宇佐美 潔
荒井 美羽
3.11 とグローカルデザイン
出版記念トーク ・ パーティ
費で補強後、2階の木造で助成を受け補強する複雑な工事の流れと
部会長 連 健夫
なった。1階の鉄骨補強で接合部材の再溶接、腐食した基礎のアン
■デザイン部会では、昨年の UIA2011 東京大会で実施したシンポジ
カーボルトの補強、2階木造と1階鉄骨造との緊結は重要な補強ポ
■「工事スケジュールに関わる助成金申請の時期」
イントである。また昭和 56 年以後の建物も、リノベージョン工事の
東京都の各市区は、喫緊の課題である昭和56年以前の建物の、耐
中で耐震補強を行えば、工期・工事費共に経済的で安全性を高めら
震補強を勧めている。木造住宅の耐震診断・補強には、最高 300 万
れる。 〈荒井 美羽 / 建築設計所IAM〉
円まで、助成金を支給する区もある。助成金支出の確定までには、
ウムの内容を基に、日本建築家協会・デザイン部会編著「3.11 とグ
ローカルデザイン」を鹿島出版会から出版しました。今回アーキテ
クツガーデンの企画として、この出版を記念したトークとパーティ
を6月8日、建築家クラブにて 40 名を超える参加者の中、実施し
COLONNADE
『リフォーム再考』
~長く住み続ける事が本当のエコ~
ルがある」として「計画すること」のポジティブなトークをされま
した。林昭男氏はグローカルをテーマにしたシンポジウムの成果に
ついて話されました。コメンテーターの内山節氏(哲学者)からは、
被災地を例にあげ「祈りの場」の必要性について話がありました。ディ
スカッションでは専門家の役割や創
る事の意味などについて突っ込んだ
議論がなされました。この企画は
の活動、いわき市豊間地区のサポートセンターづ
UIA で得られた成果を展開する場とし
くりをご紹介頂きました。長島孝一氏は 1999 年
1. 外壁側の梁が漏水
で腐って空洞化し、
折れている
2. 腐った梁を切って
取替え、金物で補強し
柱を追加
3. 鉄骨補強部材
の取付け
(※ 火災に注意 )
「3.11 とグローカルデザイン」
日本建築家協会・デザイン部会編著、鹿島出版会
まっています。現在住んでいる住宅をリフォームして長く使うのと
同時に、中古市場の活性化と政策面のフォローが大切かと思います。
次に、中古マンションと戸建て住宅を購入しリフォームする場合の、
ての位置づけで、それが担えたこと
UIA 北京大会において氏が提唱した「グローカル
4. 鉄骨の補強
年の 5 年間の住宅取得方法で、中古住宅の取得はたった 2.7% に留
LIXIL・SUMAI セミナー 6 月
インについて話されました。松原弘典氏は「この本にはサブタイト
い街住まい倶楽部の佐藤俊一代表から被災地支援
場合もある。年度内予算完了の原則を守る計画を立て、現場では柔
住宅部会 ルと由利本庄市カダーレの設計プロセスと参加のデザインについ
て、大野二郎氏からはドイツの事例を通し地球環境時代の環境デザ
土台、柱、梁の腐食や欠陥が発見される場合も多く、工期が延びる
〈宇佐美 潔 / 宇佐美潔建築計画工房〉
ルマインドについて話されました。新居千秋氏は大船渡リアスホー
ました。筆者から趣旨説明をすると共に、印税の寄付先、NPO 美し
耐震診断から 2 ~ 3 ヶ月かかることが多い。また補強工事中には、
軟な対応が求められる。
アプローチ」について、渡邉研司氏からは歴史的視点からグローカ
杉並地域会
と共に、新たな視点が得られた場と
右から、渡邉氏、長島氏、新居氏、
大野氏、松原氏、林氏、内山氏、筆者
なりました。
〈連健夫建築研究室〉
多くの人々に、
「地域における、自分の居場所」について考えてもら
JIA 杉並地域会 土曜学校
「家族の家から地域のイエへ」
シェアする暮らしから見えるもの
うことにいたしました。当初、杉並に残る貴重な一軒家をシェハウ
スとして使う道を探りたい、と考えていましたが、それを検討する
には、個人情報など様々な問題があり、実現不可能で、ごく身近に
市民住宅講座 WG 大川 直治
注意事項と事例紹介しました。マンションでは、耐震性能レベル、
代表 篠田 弘子
ある「使えそうなスペース」について、議論することになり、少し
■6月6日(水)18 時より LIXIL:GINZA にて、2004 年より毎月
設備の老朽化や更新の状況を事前に調査し、実施に於いては管理規
■土曜学校は、地域に根ざす問題を市民参加で考える場として
散漫なWSになったことは否めません。しかし、シェアハウスその
開催している LIXIL SUMAI セミナー『リフォーム再考』~長く住み
約の確認も大切です。戸建て住宅の事例では、建築家が設計した住
2008 年度からはじめました。
(2008 2009 2010 の3年分は 「
続ける事が本当のエコ~を、講師:青井俊季・三澤護、コーディネー
宅が売りに出され新たな住み手の基で再度同じ建築家がリフォーム
共に学び、こころざす 」 という冊子にまとめられています)2012
ター:大川直治で、一般 27 名の参加にて開催しました。
した事例を紹介しました。
年度今回の第一回で計 22 回目となります。今東京の所帯の半数が、
セミナー風景
平成 20 年の住宅の空き家率
最後に、
「設計図」
「確認申請の副本や検査済証」
「改修した時期と
一人暮らしであるという事態に注視し、暮らし
は 13.1%(東京 11.1%、神奈
内容」と言った住宅の履歴情報の保存が大切であり、活発な質疑の
のなかから「住居」を考えよう、と数人が集まっ
川 10.5%)であり、これだけ
後、予定時間をオーバーして終了しました。
て住む若者に人気の「空き家利用のシェアハウ
の資産をどのように上手く使
本年度も住宅部会では一般の方に家づくりの正しい知識を伝え、建
ス」に焦点を当てることにいたしました。講師
うかが、建物の長寿命化や経
築家の職能を理解してもらう為に、家づくりセミナーを開催してゆ
も30代の若いシェアハウス運営者山口健太郎
済的にも重要な意味を持っ
きます。
氏と大橋撤平氏による実態の報告と、参加者と
〈大川建築都市設計研究所〉
ています。しかし H16 〜 20
住宅部会 JIA 建築家と考える住まいづくり
『住まいの“安心”と“安全”
』セミナー報告
の違い、地盤調査についての注意点について触れ、さらに昨年の東
日本大震災での被害も多かった、地滑りや液状化についてお話しし
ました。そして建物の耐震性については、まず建築基準法や品確法
長野県クラブ エコハウスセミナー
地域会長 川上 恵一
日程:2012 年 6 月 9 日(土)11:00 ~ 12:30
れた住宅の事例を林氏より説明して頂きました。
場所:リビングデザインセンターOZONE 8F セミナールーム
最後の質疑応答では●地盤調査の種類にはどのようなものがあるの
■今回のアーキテクツ・ガーデンは関東甲信越支部主催とはいえ、
■「住まいの “安心” と “安全”」というテーマは、
住宅部会のセミナー
か?●地盤改良にはどのような種類があるのか?等といった質問が
でも大変重要なテーマの一つです。今回は、これまで同様、建物の
活発に出されました。住まい
耐震性という視点を入れながらも、建物の周囲の話、地震の事や地
の “安心” “安全” は建物だけの
盤の事も整理しましょう、というテーマでお話をしました。
話ではなく、自分の住んでいる
まずセミナーの趣旨説明に合わせて、国や都が出しているハザード
地域の防災上の特徴や、その地
マップや被害想定、地域危険度等を知ることも、自分の身の回りの
盤の特徴も大変重要であること
被害を小さくする減災の一歩であることを、宮島よりお話ししまし
が、参加者の方の記憶に残った
た。その後、講師の林氏、飯沼氏より、まず地震について、大きな
のでしたら、私たち講師側の考
視点から地震の種類やその発生の原因、震度の事などについてお話
えたセミナーとなったのでは
しました。次に地盤について、地盤の種類や地盤による揺れ、被害
ないかと思います。
4
Bulletin 2012 年 9 月号
それぞれの地域会の主体性に重点を置いて期間を絞って一斉に行わ
れたことはありがたかった。長野地域会では「エコハウスセミナー」
と「まち並みウォッチングin上田」という2つのプログラムを用
意した。
6 月 11 日には「エコハウスセミナー」を行った。県南部の環境モ
デル都市「飯田」にて 3 軒のエコハウスを巡り、会員の作品である
自然エネルギーや地域材の利活用のそれぞれの実践例と共に建築家
の果たす役割を考える機会とした。好天に恵まれ全県から25名ほ
セミナー風景
〈V建築設計室〉
今回の講師2人も、もう少し違う形で、人同士のつながりをつくる
方策を模索することを目指しているという、時代の流れの速さとす
れ違いに、戸惑われた方もあったと想像します。
〈篠田弘子設計室・鞘〉
のワークショップ(以後WS)で、できるだけ
における耐震性や耐震等級について飯沼氏より、実際に耐震改修さ
市民住宅講座 WG 宮島 亨
ものの存在すら知らない「大人」に対して、
すでに供給過多になって、
どの仲間が集まった。
まず当会員の新井優氏が 2011 年 JIA 環境建築賞優秀賞を受賞した
「リンゴ並木のエコハウス」の手法のレクチュアを受けながら作品
見学した。システムの裏付けはもとより、県産木材を多用した新し
いすまいのデザインは新鮮であった。2 軒目は地元の工務店による
デザインビルドの県産材使用の OM ソーラーハウスである。これも
コストとモダンさが良く出ていて、われわれ設計を生業にしている
者も負けてはいられないという思いにさせられた。最後に 3 軒目の
市民の手作りによるエコハウスを当事者の苦労話と思い入れを聞き
ながら見学した。昨今の贅沢に慣れてしまった生活の問題提起の分
析から、自分たちが出来ることを実践してきたことの話は 1 時間以
上に及んだ。
このような機会は自分たちを
含め、もっと多勢の人たちに公
開して実践してもらうべく、拡
大セミナーを計画しようとい
う話にまでなった。
勉強と実践は常に必要だと改
めて思う貴重な機会であった。
風の学舎
〈かわかみ建築設計室〉
Bulletin 2012 年 9 月号
5
COLONNADE
住宅再生部会 特 集 : アーキテクツガーデン 2012 建築祭
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
特集 : アーキテクツガーデン 2012 建築祭
講 演 会 ・ シンポジウム
都市デザイン部会 当しています。このなかには原子力
津波と街と建築
災害対策本部から公益目的の許可を
部会長
宮城 秋治
「街をつくる建築」をつくろう〜支援制度を活かすも殺すも建築家し
美しいまちへ 建築家が担うこと・市民が担うこと
いただき、福島第一原子力発電所の
だい〜 について講じて戴き、それを受けての会場に参集された方
との意見交換をする構成で、閉会は 18 時 30 分。
事故による 20km 警戒区域内の調査
副代表 鈴木 和貴
■メンテナンス部会では、東日本大震災を受けて、JASO 耐震総合
も含まれています。報告会の後に再
■ 6 月 23 日(土)15 時〜 建築家クラブにて開催。
度の中で我々の抱える葛藤について、的確なるご指摘とエールを戴
安全機構とともに調査団をこれまでに第8次にわたり派遣し、津波
度、第8次調査として警戒区域内に
当日は JIA 会員の他、建築家や都市計画家、行政庁職員などの専門
いた。
による建築や街の被災状況をまとめてきました。アーキテクツガー
入りました。もちろん、復旧作業は進
家を中心に景観やまちづくりに関心のある方、約 40 名が参集。
それに引き続き進められた意見交換において、第一部で報告された
デンにおいては、第5次調査までの記録をまとめた「津波と街と建
んでいません。水田は牧草地にかわっ
基調となる講演は都市計画家でC−まち計画室代表の柳沢厚氏。
地域会の活動と合わせ、法制度における定量的な基準と定性的な基
築」
(テツアドー出版)をテキストにして 6 月 13 日に建築家会館に
ていて、飼い主から解き放たれた牛
新宿・城北・千代田・杉並・世田谷・渋谷の各地域会からの報告の後、
準について議論した。数値化できる定量的基準に比して、裁量性を
おいて報告会を催すことができました。被災地での津波被害調査か
の群れがのびのびと行進しています。
ら見えてきた、津波と街と建築との関係、リアス式海岸線と平野部
満潮になると海水で浸かってしまうと
での街ごとに違う被災状況、建物ごとに違う被災状況、避難の方法、
ころは雑草ひとつ生えません。おおき
津波に強い建物や津波避難ビルに求められる性能など、多岐にわた
な潮溜まりとなって小魚が飛び跳ね、白鷺が羽を休めています。君
て「美しいまち」へ貢献していくためには、我々の意識改革も必要
る提言をおこないました。リアス式海岸線のテーマを日欧設計事務
たちさえいなければ自然は大丈夫だよと言われた気がしました。
であり、社会への我々の存在意義を発信し社会を変えていく努力も
多く含んだ定性的な基準に建築家はどのように向き合えるのかが氏
3.11 平成津波被害記録と提言
「津波と街と建築」
(テツアドー出版)
〈宮城設計一級建築士事務所〉
所の岸崎孝弘氏、平野部のテーマをハル建築設計の今井章晴氏が担
氏からは「日常業務」で直面する建築基準法や都市計画法等の法制
COLONNADE
群馬地域会 より問われる。
日常の業務から離れ地域などで活動する建築家が、日常の業務とし
柳沢厚 氏の基調講演
必要であるとの認識を確認した。
セミナー全景
建築家写真倶楽部 連続企画「二人の外国人建築家/
タウト&レーモンド in 群馬・高崎」
写真談義「時代をリードした建築」
第 1 回~ブルーノ・タウトの映像を中心に~
部会長 :兼松 紘一郎
代表幹事 水上 勝之
AG 担当及び本欄執筆:野中 茂
私たちは、写真を通して建築が身近にあるのだと伝えたいと願って
います。
参加者の中からいただいた意見には、'noble' なものを 'noble' な
ままにすることの大切さについてメッセージがありました。私は、
感想に気品を感じたのは初めての経験でした。
井上邸見学会
■ 6 月 27 日、JIA 館建築家クラブにて、会員達が自分で撮影した
れています。
りながら、
「日本のかたち」を考え発信していくことをテーマに第 1
モダニズム建築の写真を展示し、解説を加えながら意見交換を行い
日本の気候風土に培われてきた健全で簡素な美と文化に大きな衝撃
回~ブルーノ・タウトの映像を中心に~と題してシンポジウムを 6
ました。
を受け、何かを感じ、その後日本の建築界に大きな影響を与え、日
月 23 日に開催しました。最初に DVD 映像・ブルーノ・タウト生誕
全部で 17 作品。モダニズム建築を撮り収め、その建築について何
本から世界に発信した二人の外国人建
120 年記念ブルーノ・タウトの会制作の「知の DNA 夢ひかる刻」
がそのフレームでシャッターを押させたのか、それぞれの想いを語
築家ブルーノ・タウト&アントニン・レー
の制作経過と鑑賞の後 JIA 地元メンバー 4 人のシンポジウムを開催
りました。
モンドが日本の中に何を見たのか?
しました。その後、高崎市立美術館に併設されている旧井上房一郎
樹木が大きくなるなどの移り変わりは、時の流れを感じさせるもので
この二人に縁のある群馬で、
「タウト
邸の見学とメンバーによる解説を実施しました。参加者は 53 名(一
すが、その中には、今では解体されてしまった名建築や、近くに別の
&レーモンド in 群馬・高崎」を中心
般 38 名)でした。地元の新聞記事等にも大きく取り上げられ、第
建築が出来たために優れた景観が損なわれたものもありました。
■昨年の東日本大震災以降、建築家は何を考えてきたのか?と問わ
ブルーノタウト夢ひかる刻
軸に「日本のものづくりの原点」を探
世田谷地域会 状況・体験・思い
~改めて東日本大震災から何を学ぶか・
地域の建築家からの報告
旧井上房一郎邸
2 回への期待が寄せられています。
〈水上勝之建築研究室〉
台市で建築相談を行った青野氏(世田谷地域会)からは、支援体制の立
上りにやや手間取ったことが反省点として示されました。茨城で震度 6
強の被災を体験した上遠野氏(茨城地域会)からは、外部とのコミュニ
ケーションの断絶の状況や、文化財の被災状況把握が遅れがちであった
山梨地域会 甲府駅南口周辺地域修景計画を考えよう 長田 孝三
ことが述べられ、応急危険度判定で「危険」と判定され、その後、公費
■このシンポジウムは、世田谷地域会の金山氏のコーディネートによ
解体に移行した例がいくつかみられたことから、保存の視点からの対策
■甲府駅近くでは県庁防災新館や市庁舎の鉄骨が建ち上がり始めま
り、世田谷区の後援を得て 6/23 に開催されました。 が、今後の課題としてあるのではないかとの指摘がなされました。
第二部では、笹本氏が『
「死なない」
「怪我をしない」
「火を出さない」
したが、これらと駅との間、とりわけ県都の顔ともなる甲府駅南口
第一部では、原昭夫氏(都市計画家・地域プランナー)の特別報告「大
地震に備えて~防災コミュニティとまちづくり」
、続いて JIA 会員から
~最も重要な災害対策とは』と題して問題提起され、各戸の耐震化を
被災地での支援活動や現地での被災体験の報告が行われ、第二部では、
前提とした上で、揺れそのものは死因の 1 ~ 2 割で、大半はその後の
区の災害対策課長の笹本修氏から問題提起をいただき、私たち建築家
事象(火災、倒壊、津波など)によるものとの調査結果を示され、い
が今後の防災にどのように寄与できるかを考えてみました。
わゆる二次災害への対処が災害対策の要点と指摘されました。
まず原氏からは、陸前高田市での復興支援の経験を踏まえて、コミュ
今後の防災に向けてのディスカッションを通して、平時から活動し、
語らう場を設けました。期間中、
多くの方々と熱心に語らう中で様々
ニティを維持しつつ復興することの重要性が説かれ、平時においての
それを日常的なこととして継続してゆくことが、非常に有効な防災対
な感想や提言をいただきました。これらを県都景観や今後の整備計
防災活動は、コミュニティづくりの有効な手段でもあると示されまし
策に繋がってゆくのではないか、私たち建築家は、そうした日常的活
画に反映させよりよい県都整備の一助となる活動に結び付けたいと
た。 郡山氏(世田谷地域会)からは、亘理町での応急危険度判定、
動の中にも自ら役割を見出してゆくべきではないか、という共通認識
考えています。
名取町での罹災証明のための調査活動の様子が伝えられました。 仙
が得られたように思います。
Bulletin 2012 年 9 月号
〈久米設計〉
建築は写真という媒体によって、その存在を認識されてきました。
柿崎 豊治
6
〈PAX 建築計画事務所〉
の修景計画がまとまっていません。昨秋県は南口修景計画の試案を
示しパブリックコメントを求めました。
私達山梨地域会(JIA 山梨クラブ)はこの案を県民とともに検証し、
多くの方々の意見を今後の修景計画にどう生かしていくか、県民と
〈イズ〉
〈アルコ建築設計事務所〉
Bulletin 2012 年 9 月号
7
COLONNADE
メンテナンス部会 講 演 会 ・ シンポジウム
特 集 : アーキテクツガーデン 2012 建築祭
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
特集 : アーキテクツガーデン 2012 建築祭
講 演 会 ・ シンポジウム
街歩き・見学会
港地域会
本人は仮物に居住」
(今井)
。以下、会場の意見も含め列挙。
MAS セミナー No.7
城北地域会
「日本の街並はなぜ美しくないのか」(年間テーマ)
起/(欠点)
:経済効率優先、解体したフェイク文化、所有の意識が
まち歩き/サンシティと板橋の崖線
「建築家は街にどのように関われるか」(今回テーマ)
強すぎ。コミュニティの抹殺。
信原 利行
1980 年に完工、世帯数は約 1870 世帯
の集合住宅ですが、高低差のある敷地中
央部には居住者ボランティアにより整備
代表 大倉 冨美雄
承/(利点)
:あいまいさ。協力して何かをする力。感性はいい。
■時代と地域を包含し政治から経済まで展開。今井、大倉、鈴木、
転/(創る技術)
:自然素材を活かし時間をかけたものは良い。合否
■城北地域会は豊島・練馬・板橋・北の 4 区で構成されており、エ
た緑が地域のコミュニティを育み、築
連が語り、小倉が会場の意見も聞き、起承転結で進行。
の自己判断なく、決められたことに従い過ぎ、
(本当の)建築家でな
リアが比較的広範囲なために、まち歩きは毎回バリエーションに富
後 32 年目を迎えてなお 、高い資産価値
い者が地域開発や街区を設計。建築家は消費者へのアピール不足。
んだ内容となっています。今回のまち歩きは、アーキテクツ・ガー
とリピート居住者が絶えないとお聞き
セスに「参加すること」が大事(連)
、
成田から都内に入る時の「がっ
結/(関わり方)
:、ホンモノ志向で街づくりを。ホンモノを見極め
デン 2012 参加プログラムとして計画し、2012 年 5 月 19 日(土)
しました。続いて訪ねた若木 2 丁目は、
かり感」はどこから来るのか(鈴木)
、外部模倣と為政圧力による受
る教育と社会の仕組みを。地域住民と良く語り合い(プロセスを重
に開催され、対象は板橋区内にある集合住宅・サンシティと斜面地
西側に 2006 年に開通した新しい環状 8
身の心性が造った街並(大倉)
、高級マンションに一人で鍵を開けて
視)
、行政に働きかける。
「建築基本法」の視点も。
に住宅が密集する板橋区若木
号線があり、そちらに向かって高低差約
入る子供、インフラが出来ても血が通わなければ無意味。
「都市の日
U チューブでも配信。後で参加者の懇談が遅くまで続いた。
(右写真
2 丁目地区を訪ねました。付
20 mで下っていく、木造住宅の密集している場所です。階段状の街
は運営担当者たち、6 月 30 日:JIA クラブにて。移籍する大沢悟郎
近は武蔵野台地の周縁で、板
路はすれ違うのがやっとですが、歩いてみると、所々に公園化され
氏の歓送会も、再活性化を願う建築家会館内のバーで:左写真。前
橋区北西部から北区にかけて
た小さな空地があり、また景色が急に広がったり、とても不思議な
川國男が「処士横議(処士=民間にあって仕官しない人:
「意ある者
高低差 20 mから 30 mの崖
魅力を持っています。防災の観点からは問題視されますが、この落
が身分を問われず、自由に議論」という故事から)の場」としてこ
線が特徴ある景観を構成して
ち着いた街並みと防災性が共存が出来ないものかを考えさせられる
いる地域です。サンシティは
まち歩きでした。
のバーを作ることを主張したという) 〈大倉冨美雄デザイン事務所〉
COLONNADE
千葉地域会
「大多喜町役場庁舎の今井兼次作品から
千葉学作品への継続と変遷」
千葉県建築展 講演会 ( 大多喜町役場 既存棟議会室 )
講師: 建築家 千葉 学(東京大学大学院准教授、JIA 会員)
サンシティ・滝のひろば
千葉地域会
よる講演会が始まった。増築棟を考え
「保存・再生・復興 建築から見た ちば」
る上で、既存棟キャノピーからの軸線
千葉県建築展 作品展示会 ( 千葉市美術館 さや堂ホール )
は今井兼次からの遺言ととらえた事。
若木 2 丁目地区
〈株式会社旬建築総合計画〉
COLONNADE
「市民の視点や価値観を加味した街づくりが必要」
、市民が設計プロ
された緑地が広がっており、この成熟し
大きく 6 ゾーンに分けて、
住宅から公共建築、新築
から保存活用・復興提案
オフィスタイプでの冗長性 ( リダンダ
安達 文宏
安達 文宏
ンシー=余裕 ) と象徴性 ( 大多喜町の
■千葉県建築設計6団体による「第2回千葉県建築展」作品展示会
行った。また、中ほどに
■「第2回千葉県建築展」の大多喜町役場における講演会は、6 月
自然=光と風 ) を基本において設計を進めた事。象徴性に関しては、
が、千葉市美術館1階さや堂ホールで、6 月 29 日(土)から 7 月
映像ゾーンを設け、地震、
30 日(土)午後 1 時から開催されたが、それに先立ち当日午前 10
当初外壁や屋根に大多喜町の紋章 (5 角形 ) を採り入れようとしたが、
1 日 ( 日 ) までの 3 日間にわたって開催された。東日本大震災が起
津波、液状化、竜巻等の
時 30 分から見学会が開かれた。設計者の千葉学氏による説明で、
構造的合理性との折り合いが難しい事から、既存棟の門形フレーム
きた昨年 3 月 11 日は、
「第1回千葉県建築展」の初日であった事や
被害に関わる記録をエン
天井が高く明るい増築棟 ( 本庁舎 ) の執務スペースからスタートし、
を踏襲し、民家の梁架構を加味したデザインへと変わって行った事。
千葉県も被災県の一つであった事、また、2005 年の保存問題千葉
ドレスで流したが、特に旭市を襲った津波の映像は衝撃的だった。
既存棟 ( 中庁舎 ) の旧執務スペース、地下議会室、屋上のガウディ
また、既存棟に関しては、今井兼次と向き合い、対話をしながら、
大会で大多喜町役場庁舎の保存・
今回は、川岸梅和会員が「津波被災地復興案」を、栗生明会員が「せ
色濃い陶片壁画などを観てまわった。
彼が考えたであろう事と考え及ばなかったであろう事を考慮しつつ
活用をテーマに取り上げた事が
んぐう館」を、千葉学会員が「大多喜町役場庁舎」を出展、また、
講演会では、JIA 千葉の櫻井修代表の
設計を進めたとのお話を伺う事が出来た。会場からは、既存サッシ
契機となり、本年 3 月に庁舎の
会員が活動に関わった「検見川送信所を知る会」からの参加もあり、
挨拶に続き、JIA 保存問題千葉大会か
の色、ガラスや壁紙の保存、部屋の確保、立面や庇等に関する質問
増築・改修工事が完成に至った
多岐にわたる内容の濃い展示会となった。出展者は 34 名 ( 内 JIA 会
ら公募プロポーザルを経て完成にまで
などが相次ぎ、予定時間を大幅に超えての終了となった。参加者は、
事などを考慮し、
「保存・再生・
員 19 名 ) で、来場者数は 3 日間で約 430 名であった。関係各位に
至った経緯について、夏目勝也会員か
見学会、講演会共に 75 名であった。関係各位に感謝!
復興 建築から見た ちば」との
感謝!特に会場レイアウトに苦労された柳田富士男会員に深謝!
ら説明があった。その後、千葉学氏に
〈安達文宏建築設計事務所〉
世田谷地域会 シンポジュウム「建築家が取組む建築相談」
トラブルを未然に防ぐために
下北沢まちあるき 柿崎 豊治
ATGWG主査
山田 潤二
によって変化し始めたスカイラインを背中に、代沢の住宅地へ移動。
登録文化財の富士見丘教会、森厳寺、北澤八幡神社、緑道、せせら
ぎ公園など、下北沢の繁華街に連なる住宅地を巡り、時代を超えて
つながる風景にふれて歩きました。 まちあるき後の懇談会では、
開催日程:2012 年6月 30 日(土)午後2時から午後 5 時 00 分
開催会場:AGC studio 会議室(旭硝子株式会社 ガラスカンパニー)
(東京都中央区京橋2- 5- 18京橋創生館)
参加者 :5 4名(内訳 一般市民 23 名・JIA 会員 18 名・
会員外建築関係者4名・消費生活総合センター相談員4名・
弁護士4名・その他 1 名)
■「下北沢まちあるき」は 6/9(土)に実施されました。 当日は
下北沢が抱えている今日的課題について、映像を用いて解説を行い、
あいにくの雨模様となり、一時本降りとなるなど、まちあるきには
まちづくりへの立体的な理解を図ることが出来たかと思います。 護士の 4 人が講演を行なった。欠陥住宅の被害者の方に赤裸々な被
厳しい天気でしたが、主催者判断に依り予定通り催行されました。
参加の皆さんからは、解説の内容や添付資料などに関連して、通常
害体験と、その過程を振り返って被害を回避するための、消費者に
まず駅周辺の商業エリア、計画道路の予定地、住商混在する路地、
のまちあるきと違い、まちづくりへの関心を喚起された、近くに在
事前に必要な認識について語っていただいたところ、一般参加者か
周辺では残り少なくなってきた昭和初期の近代住宅、小田急地下化
りながら初めて知ることが多かった、などの感想も寄せられ、企画
ら多くの積極的な発言があった。参加者の多くが欠陥住宅被害の経
によって出現する地上の空地スペースなどを探訪。地区計画の施行
の目的がある程度達成できたかと思っています。
験があり、圧倒的な専門知識のある施工者に対して、工事監理者は
■東京都消費生活総合センター(以下
施工者とは別人であるべきとの意見が寄せられた。また、JIA の存
センターとする。
)の後援を得て、セ
在はあまり知られていないため今後の広報活動を活発に行って欲し
ンターの相談員、欠陥住宅の被害者、
いとの要望があった。印象としては市民参加型のセミナーが、多少
被害者を技術的にサポートした JIA 会
なりとも実施出来たのではないかと思えた。
員、被害者の損害賠償請求を行った弁
Bulletin 2012 年 9 月号
サブタイトルを掲げた。会場を
〈安達文宏建築設計事務所〉
建築相談委員会
8
までの幅広い作品展示を
〈アルコ建築設計事務所〉
〈アーキ・ウエーブ株式会社〉
Bulletin 2012 年 9 月号
9
特 集 : アーキテクツガーデン 2012 建築祭
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
特集 : アーキテクツガーデン 2012 建築祭
街歩き・見学会
街歩き・見学会
住宅部会 スケール感を守りつつ、そこに住まう人々をはじめ、街を訪れる人々
街歩き・街並編
『代官山とヒルサイドテラス』
をも優しく包み込む独特の雰囲気は、同潤会アパートから続いてい
る代官山特有の都市型住環境の魅力と歴史の継承をしているのかも
市民住宅講座WG 佐藤 文人
しれません。
〈スタジオクチン〉
■ 1969 年から約 30 年かけてつくられてきたヒルサイドテラスの
千代田地域会
学生、市民と歩く (千代田景観まちあるき)
丸ノ内・お茶の水
景観と建築資産を未来につなぐ
副代表 篠田 義男
中庭に若い学生の声が響きわたり、主
催者の声が通りにくい状況までになっ
ていて、心配は杞憂となりました。
まち歩きのテーマは、
「江戸時代に形
成された千代田の景観と街の骨格が、
明治生命館での集合写真
集合住居群を中心とした代官山周辺の街並みを歩きました。三田用
■千代田地域会では、地域に密着した活動を如何に行うかを心掛けな
明治の文明開化、関東大震災の壊滅
水路が併走する武蔵野台地の自然豊かな尾根道だった旧山手通り
がら、日頃から議論し続けていたような気がします。今年は、初めて
的な被害と復興整備、戦災による破壊と復興、戦後の高度成長期、バ
も、ヒルサイドテラスができることにより、そのモダンなファサー
の試みとして、区内にある東京家政学院大学の兼任講師を、地域会か
ブル崩壊後の大開発による歴史的建造物の喪失と保存の大きな変容の
ド群が街並みに統一感を醸し出し、その波及効果は次々と開発され
ら会員を推薦した事から発展し、アーキテクツガーデンの行事として
中で複雑に集積され続けているまちの姿を、未来につなぐ視点でまち
る建物へも一定の影響を与え続け、その後の代官山の街並みを形成
大学の協賛を得た授業と、一般市民と共に歩く「まち歩き」をジョイ
歩きの中で共に考える」と云うやや難解なものでした。
ントした企画を立案しました。
建築物を使い続けながら次の世代に継承することの困難さを、建築家
していきました。建物敷地
「雨が降ったら学生は来ないぞ!」という
の側から悩みながら伝えた事は若い世代の参加者には大きなインパク
ペースを設ける手法は代官
声もあり、強い雨の中、果たして学生が
トがあった様です。懇親会に参加された市民の方から、
「若い世代が、
山蔦屋書店にも引き継が
集まるのか心配だったのですが、前夜の
この様な難解な企画に参加して、悩みながら設計している建築家の声
れ、適度な建物高さと低容
芝浦工業大学の 10 名の飛び入り参加も含
に耳を傾けたのは何よりだった。
」の言葉は、私達千代田地域会会員
積による空間のヒューマン
めて、13 時の集合時間には三菱 1 号館の
一人一人への何よりの贈り物でした。
内に多くのパブリックス
HILLSIDE TERRACE
まちあるき集合写真
雨の東京駅丸ノ内
〈篠田義男建築研究所〉
COLONNADE
住宅部会 街歩き・住宅編
『日本的な住まいと暮らし』
中野地域会
よって夏場の日射や温湿度をコン
実感できます。
市民住宅講座WG 青井 俊季
もう一つ印象に残った住まいは、
■住宅部会が市民向けセミナーとして年間数回実施している JIA 市
前川國男の自邸です。第二次大戦
民住宅講座の「街歩き住宅編」です。表題のテーマで毎年「江戸東
中の 1942 年に品川区上大崎に建
京たてもの園」を訪れ、一般参加の方々とともに、江戸期から近代
てられ、前川さんが新婚時代から
の住宅を見学し、日本的な住まいと暮らしについて考え、建物に親
実生の大きな欅があるお
歴史的建造物見学会
トロールしていることを、改めて
宅です。家の中は平屋の
良さが感じられ庭との連
代表 近藤 弘文
続感が気持ちのよい住宅
旧 T 家住宅前で
小西先生からレクチャー
バウハウス出身の山脇巌設計
三岸画伯アトリエ :
明るく天井の高い空間
■中野地域会は中野たてもの応援団長でもある小西先生のご案内で鷺
でした。
宮周辺のまち歩きをしました。全体で 11 名、会員以外の参加者は5
3カ所目はバウハウス出
名でしたが、千葉大の学生たちが住宅を同時に見学したりとにぎやか
身の山脇巌設計、三岸画伯のアトリエです。ここは今でも水彩画教室
暮らした住まいです。銀座にあった事務所が
な催しとなりました。午後1時半に鷺宮駅に集合して徒歩で出発。は
などで使っているとの事でした。建築当初の写真を見せて頂きました
しむことにしています。今回はAGのプログラムとして、一般参加
空襲で焼失し、一時は事務所兼用で使われて
じめの住宅(H 邸)に行く途中でも、小西先生の博学とこまめな調査
が、床から立上がり屋根まで開けた大きな窓が明るい空間を作ってい
者、JIA 参加者ともに6名ずつの合計 12 名での催しとなりました。
いたそうです。写真は玄関から居間へ入る大
で、お寺や某有名建築家の古い都営住宅をご説明頂きました。H 邸は
たようで、周囲の畑とインターナショナルスタイルのモダンな外観と
きな扉です。設計図では右側吊元の開き扉で
かなり痛んでいましたが、中野で唯一の茅葺屋根の現存住宅という事
の対比はとても珍しいものだったのではないかと感じました。今は
「江戸東京たてもの園」は、1993 年に「江戸東京博物館」の分館
綱島家の小屋組
トップライト部分はなくなっていますが木造にも関わらず天井の高い
として開園した野外建築博物館で、現在約 30 棟の復元された建物
すが、実際には左寄りの軸吊扉になっていま
で、広い森の中にあり周辺のマン
が建ち並んでいます。中でも住宅としては、江戸中期から後期の茅
す。熟考の跡や考え抜かれたディテールが見
ション街からは想像ができない異
白い大きな空間は充分魅力的なもので、参加者の皆さんも一番長くい
葺き屋根の民家が目を引きます。写真は江戸時代中期に現在の世田
られ、非常に勉強になりました。
空間となっています。
たところでした。
谷に建てられた農家の内観(小屋組)です。現代住宅で言えば2階
五月雨に美しく緑が映える武蔵野の空気を満
次に向かったのは、かの宮崎駿も
最後に、一般のみなさんとお茶け?して帰りました。ご準備頂いた齊藤
建て+ロフト位の高さと空間ヴォリュームがあって、この大屋根に
保存問題委員会
喫できた一日でした。
前川國男邸
〈青井俊季建築設計事務所〉
を分散配置した先駆的な設計で、生徒の「個の確立」と「相互の
記憶に残る学び舎
~三田・広尾界隈を歩く~ 慶應義塾幼稚舎:共学の私立小学校で、主
副委員長 安達治雄
校舎('37)は谷口吉郎がわずか 28 歳の時
■標語「建築家はともだち」に呼応して、歴史的背景や熟成され
に設計を始めた出世作。セットバックの工
た佇まいを持ち、空間や形姿から建築家の役割を一般の方々が直
夫や緻密なプロポーション、当時最先端の
感できるような学び舎3校を、一日で周るエクスカーション。秋
環境・設備設計。校長先生自ら校舎案内、「75 年経った今でも大
の JIA 大会のシンポジウム「学び舎を考える」にも連動。
変使いやすく、建て替えるとしても全く同じものを建てたい」。講
学校は誰もが成長期を過ごす集団生活の場。見学者各々の思い出
堂('64)も谷口吉郎、新体育館と新館('02)を谷口吉生が設計。
深い空間体験との比較の中で、「学び舎」特有の時間軸を貫く建築
広尾小学校: '30 年、東京府営繕課の設計、
的な意味、そこから巣立つ人々の記憶やアイデンティティの託さ
一連の復興小学校から少し遅れて旧市外に
れた空間の継承、設計者の想いや時代精神の遺産を保存する意義、
建築された RC 校舎。改築か保存か 10 年
それらのテーマを、淡くとも実感して頂けることを目標とした。
以上も地元が検討し、'87 年に改修保存決
普連土学園: キリスト教フレンド派(クエー
定。校舎の L 字角部にある高さ 12 mの消防署用望楼は地域のラン
カー)の中高一貫の私立女子校。現中学校
ドマーク、昭和初期特有の装飾が散見される校舎全体とともに国
舎('68)・講堂('63)・体育館('74)を大
の有形登録文化財。
江宏が設計。現中学校舎は8m角の教室群
10
Bulletin 2012 年 9 月号
連帯感(コミュニティ)の育成」という教育理念を空間に反映。
H 家住宅の庭 :
異次元空間への
散策路
茅葺きの H 家住宅
訪れた造園学の大家の住宅(T 邸)で、
長野県クラブ まち並みウォッチング in 上田
地域会長
川上 恵一
さんほか、ご説明の小西先生をはじめ参加の皆様方に感謝申し上げます。
〈イデア建築研究所〉
大学繊維学部講堂などの他に、中心市街地にはハイカラな木造の病
院や教会などの洋館建築も数多く点在している。どれもこれも優劣
をつけがたいが、共通していることはそれらすべての建物が持ち主
は勿論、地元の人々の熱意で数多く保存活用されていることである。
確かに役目が終わって新しい施設
■ 6 月 23 日は「まち並みウォッチング in 上田」と題した4時間の
に変わっていくことはいいと思う
まち歩きである。 が、それと平行して保存されてい
長野地域会では「まちづくり委員会」を 15 年ほど前から立ち上げ、
るのである。依田氏が以前、支部
毎年県内 2 カ所を回り、まちづくりの様子を視察してより良きまち
保存問題委員会で熱弁をふるった
の提案をしようという研修を行っている。すでに県内 30 カ所を回っ
ことはそうした裏付けがあるから
たことになる。そこには必ず我々の設計仲間が少なからず関わって
だろう。
おり実に頼もしい。この日もかつて支部保存問題委員で活躍した地
爽やかな信州にあって、この自然
元の依田氏の案内である。
〈ASCO.partners〉
や文化を守り育てるべく「温故知
好天に恵まれ、JIA の仲間の他に地元の専門学校の生徒や先生など
新」で頑張らなくてはと改めて感
25 名が集まった。真田幸村で有名な「上田」は、明治以降の近代
じる機会であった。
化遺産の建築が数多く残っている。その多くは日本のあけぼのを支
えた生糸産業としての「生き証人」である。繭蔵、蚕種会社、信州
信州大学繊維学部講堂
〈かわかみ建築設計室〉
Bulletin 2012 年 9 月号
11
COLONNADE
PHOTO /Kirihara
特 集 : アーキテクツガーデン 2012 建築祭
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
特集 : アーキテクツガーデン 2012 建築祭
街歩き・見学会
街歩き・見学会
茨城地域会
それにしても「光と建築」とは!野球で言えばど真ん中ストレート
「光と建築」に参加して
に豪速球が決まって見逃し三振くらったような、攻めどころの難
廃月とアヤシイ太陽
しいお題です。こんな相手にはすこしひねくれた攻め方をしないと
加藤 誠洋
なかなか手が出せないと、歩きながらヒントを見つけるため横目で
渋谷地域会 渋谷探索トレッキング
「渋谷駅の記憶 昨日・今日・明日」
の残る街並みが消えていく。
古い写真には、様々な渋谷駅
の記憶が残されている。渋谷
副代表
吉田 真澄
駅のまさに真下に渋谷川が流
れていることを、駅を利用し
■ JIA 茨城地域会の「光と建築」は「水戸の夕暮れ時を散策」する
キョロキョロ。そんなことで、すこしひねくれた僕が放つのは「夜
ことでした。県都水戸は那珂川と千波湖に挟まれた馬の背状の台地
の歓楽街の光と建築」
です。散策もゴールまであと少しの地点で通っ
■「渋谷駅の記憶」は、明治 18 年山手線の瓦葺き平屋の駅舎建設
渋谷を歩くどれほどの人が
上に位置します。馬の “背” には旧国道 50 号線が走っており、数キ
たのは夜の歓楽街。アヤシイ雰囲気漂う一角です。
「なにもそんなと
に始まった。そして明治 40 年代に玉川電車と東京市の市電が乗り
知っているだろうか。私達は
ロにわたって市街地が形成されています。比較的古いまちなみを残
ころ通らなくていいんじゃない」と思われるかもしれません。その
入れてからの渋谷駅は、ターミナル駅として発展してきた。
古い写真や資料を片手に、実際に駅施設や周辺を歩いて、暗渠となっ
通り、なんで通ったんだろ(笑)
。でもそのおかげで今回のネタが
その歴史は現在、副都心線の
今回はスタートの水戸駅南
発見できたことは大きな収穫でした。築数十年経つであろう廃ビル
完成とともに、東横線の地下
地上の渋谷川は、地下化による東横線跡地を利用して親水公園が計
口より千波湖や偕楽園を通
(写真1)
。何度かの改修の跡が見られますが、
「少し古いビルの魅力」
化と超高層駅ビル建設による
画されている。現在のビルの間を流れる川を眺めながら、人々が憩
り抜け、線路を超えて駅の
を振りまくに十分な気配を感じます。さて、日もどっぷり暮れた夜、
立体都市の出現に向けて動い
う公園となる日を、初対面の一般参加者 22 人と一緒に想像し語り
北口方面に向かうおよそ1
なぜ電気もついていない廃ビルに注目できたのでしょう。答えは向
ている。駅周辺地区の桜丘の
合った。
時間半のコースを、テーマ
かいのファッションホテル(写真2)
。普段はアヤシイ光を放つ「建
一部も、18 号線都市計画道
“トレッキングにまた参加したい!” という参加者の感想は、次の企
について考えながら歩き
築」でありますが、煌々と光るファサードに照らされて、廃ビルが
路整備に伴う再開発で超高層
画への励みとなり、心に刻まれた「渋谷駅の記憶」となった。
ました。
ライトアップされた次第でありました。
写真2
COLONNADE
情報開発部会
省エネビル見学 -内田洋行 新川第二オフィスビル LED 照明とセンサー連動の制御
システム、省エネ効果と快適性を両立―省エネ効果と
快適性を両立させたオフィスビルの見学
部会長 天神 良久
見学日時:6 月 29 日(金曜)16 時 30 分~ 18 時 30 分
講師:株式会社内田洋行 知的生産性研究所所長 平山信彦執行役員
情報エンジニアリング事業本部 野間操係長
見学会参加者:10 名
〈加藤建築事務所〉
■築 40 年経過したビルのリノベーションを機に、大規模な LED
照明導入を行った。アルミフレームによる空間構成システムに
LED モジュールをビルトインすることで、インテリアデザインと
一体となった照明環境を作り出している。働きやすい環境づくり
を目標とした結果が、省エネにもつながっている事例である。空
-東京工業大学大学 環境エネルギーイノベーション棟見学-
部会長 天神 良久
見学日時:6 月 30 日(土曜)16 時 00 分~ 17 時 30 分
見学会参加者:20 名
講師:東京工業大学 建築学専攻:塚本由晴准教授、
日本設計:平山浩樹
12
Bulletin 2012 年 9 月号
行政 8 名、一般 7 名、
アーバントリップ X
(2012 年アーキテクツガーデン参加プログラム)
東京工業大学大岡山キャンパス見学会
「緑豊かなキャンパスと地域性を探る」
JIA21 名の総勢 57 名
の多くの参加があり、
東工大安田研究室の案
内で3時間に渡り見学
しました。キャンパス
コンで行える)できる。
■アーバントリップ実行委員会では、年3回会員向けの見学会を開
内の、近年完成の話題
催していますが、今回初めてアーキテクツガーデン参加プログラム
の建物(蔵前会館・新
新図書館前にて
緑が丘 1 号館にて
として、6 月 30 日(土)午後、
図書館・環境エネル
一般向けの見学会を城南地域
ギー棟他)を内部まで見学すると同時に、キャンパス内を散策し、
会と共同で企画しました。見
最後にキャンパス内から周辺にまで広がるグリーンネットワーク構
学場所は、城南地域の避難場
想まで含め説明を受けました。普段はなかなか見ることが出来ない
所でもあり広域防災計画の有
建築とキャンパスの両方を見学する事により、地域と建築家の仕事
る東工大大岡山キャンパスで
を理解していただくと共に、JIA の活動をお知らせする良い機会に
す。当日は、地域住民 21 名、
なりました。
〈大川建築都市設計研究所〉
〈( 株 ) ケー・デー・シー〉
城東地域会
■地上7階地下2階のビルに、太陽電池パネル 4,500 枚を取り付け。
総発電容量は 650 キロワット。省エネルギーのため、吸排気ダクト
の性能を上げるなどし、設備の使用電力を半分程度に抑え、100 キ
ロワットの燃料電池と併せて建物の電力をほぼ自給できる。二酸化
炭素の排出量は 60%削減できるという。建物内には環境関連の研究
室が入居している。4,500 枚の太陽電池パネルは多種メーカ・多品
ある教育に絡んで、
東京海洋大学
学び舎見学と座談会
明治 36 年竣工の第
1、第 2 観測所は佇
左 知子
まいに当時の海洋
■江東区越中島の東京海洋大学には、4 棟の登録文化財が存在し、
国日本を重ねるこ
早くからここの見学会を今年のAGイベントとすることに決めてい
とができる。おり
た。当地域会はメン
しも、蔵出しお宝
バーが少ないことも
展示として、当時
あって、建物ガイド
の写真や伊藤忠太
については、保存問
のスケッチが展示され
題委員会の協力を得
ており、参加者にとっては大きなプレゼントとなった。後半の座談
て、JIA 会員を含む
会では、この越中島に住まわれたことがあり、また、自身も就職後
33 名の参加となっ
40 年近く通われた海洋大学のエピソードを庄司邦明名誉教授から伺
た。昭和初期竣工の
い、一般の方からも質問や意見が交わされた。生憎の雨模様であっ
1,2 号館はもとよ
たが、ドタキャンもなく、明治から昭和の建築空間を楽しんだ。
質の品物で、今後研究として測定結果を分析する。
環境エネルギーイノベーション棟外観
東京工業大学 見学会集合写真
アーバントリップ実行委員会
〈吉田デザインコーナー〉
委員長 大川 直治
情報開発部会
ニュースでも話題の省エネ最先端:
3 方向太陽光パネル 研究施設
ビルに変わり、伝統木造住宅
調機・照明機器は全てネットワークにより制御(オンオフがパソ
LED 照明のセミナールーム
見学会ムーバブルチェア体験写真
ガイド役は桜丘在住の塩田幹事 ている渋谷川を探索した。
COLONNADE
すのもこの界隈です。
写真1
再開発される地区で記念写真
玄関キャノピー出の集合風景
り、この大学の特色
三橋四郎設計と言われる第1観測所
〈左知子建築設計室〉
〈( 株 ) ケー・デー・シー〉
Bulletin 2012 年 9 月号
13
特 集 : アーキテクツガーデン 2012 建築祭
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
特集 : アーキテクツガーデン 2012 建築祭
展 示 ・ ワークショップ
展 示 ・ ワークショップ
神奈川地域会 AG に掲げた「建築家
子ども空間ワークショップ
ミケランジェロ会
新宿プロムナード展
「建築家による美術展」 はともだち」のタイトル
角材とジャンボ輪ゴムで家をつくろう!
どおり、地域の建築家と
の共同作業を通して、建
子ども空間ワークショップ担当 桜本 将樹 部会事務局 阿部 一尋
築家という職業をより身
■新宿駅南口から都庁に向かう地下道(新宿プロムナード)に展示
■ 6 月 2 日(土)に横浜市の象の鼻パークにて、テレビ神奈川主催
近に感じて頂けたのでは
スペース(ワシントンホテルの下)があり、抽選で一ヶ月間有料で
の「秋じゃないけど収穫祭」の中で「子ども空間ワークショップ」
ないでしょうか。今回は、
借用できます。5月26日に搬入し飾り付け、展示作業の後、各人
を開催し、恵まれた天候の中、19 組の親子によって、9 棟の創造力
親子ワークショップの形
デッキから見る完成された町並み
あふれる家と町並みが完成いたしました。公園の中央で少しずつ出
がとれたことで、より市民との交流という点で良かったと思います。
家協会のアーキテクツガーデンのチラシと我々の作品を見ていただ
来上がっていく子どもたちの家は、多くの来場者の興味を集めま
参加者の皆様、ファシリテーター、協力いただいた皆様、本当に
き、家協会のPRができたのではないかと思います。
した。
どうもありがとうございました。今後も神奈川地域会(住育研究会)
参加した子どもたちは建築家という職業を知り、スケッチや共同
では、子どもを中心とした幾つかのプログラムを準備し、地域に根
作業を通して、造形の喜び、完成した内部空間の楽しさに触れ、町
ざした建築家として、学校では教えてもらえない建築の楽しさを伝
並みを意識することができました。何よりも笑顔で作業し、少し誇
え、その保護者に対しても、我々の職業を知っていただけるように
らしげに帰っていく子どもたちの姿が、今回のプログラムの成果を
活動していく所存でございますので、今後ともご協力をお願いいた
物語っていると実感できました。
します。
が作品の説明を行いました。多くの市民の方が、通りすがりに建築
5月9日横浜でスケッチ会
〈AB住計画〉
5月26日展示後の作品説明
COLONNADE
学生デザイン実行委員会
文京建築会
文京地域会事務局 河野 有悟
委員長
三塩 達也
■文京区に多く存在する「美しい
■本コンクールは、
都内 27 大学 31 学科から 50 作品が集まり、
6 月 2、
自然景観」や「優れた都市景観」
、
3 日に工学院大学新宿キャンパスのアトリウムにて開催されました。
「楽しい出来事」など、魅力的な文
今年の審査委員長には野沢正光氏、同副委員長に佐藤尚巳氏を迎え、
京区を紹介する「手作り絵はがき」
吉村靖孝氏、
成瀬友梨氏、
山梨知彦氏の 5 名による審査となりました。
を公募し、優れた作品を選び表彰
公開審査当日は、審査員と出品者の白熱した議論を見ようと多くの
しました。初回以上の成果が得ら
聴衆を集めました。学生にとって、プロが作品を評価する貴重な機
れ行政や地域の人とのつながりも
会となるように、20 名を超える実行委員のメンバーも積極的に学生
展覧会風景
増し、また、若い人々(文京建築会ユース)を仲間に募り新たな広
公開審査の様子
と対話をするよう心掛けています。コンクール概要ならびに審査結
果と各審査員の審査講評は、後日発刊する作品集に掲載します。
〈( 株 ) 日本設計〉
新潟地域会
第 14 回新潟県内大学生
卒業設計コンクール 2012 報告 ●表彰式・トークセッション
6/16 日 13:00 ~~ 16:30 於)文京シビックセンタースカイホール
来場者数:約 100 名
トークセッションでは著述家林丈二氏、写真家熊切大輔氏を招き、そ
れぞれの視点で文京の魅力を語って頂きました。
●展覧会 6/15 ~ 17 10:00 ~ 18:00 於)文京シビック
センター1階展示室
来場者数:776名
文京建築会ユースによる、文京地図を模した台に全応募作品を描かれ
た場所に配した展示計画が行われました。
第2回 文京・見どころ絵はがき大賞
第 21 回東京都学生卒業設計コンクール
〈桜本建築設計事務所 Atelier-SAS〉
がりを活動に加えております。
●応募総数 432 点(公募期間 3/15 ~4/15)
●審査会 5/12 於)文京区立駕町小学校図工室
審査会風景
表彰式記念写真
〈河野有悟建築計画室〉
目黒地域会
特別審査員に昨年度「ヨコハマアパートメント」で JIA 新人賞を受賞
された、オンデザインの西田司氏、中川エリカ氏をお迎えし、審査会
の間に受賞作品の解説を雑えた講演会も行っていただきました。新潟
卒業設計コンクール担当 金子 晴俊
県内には建築系の学科を持つ大学が4校(新潟大学、長岡造形大学、
■本年の新潟県内大学生卒業設計コンクールは 14 回目にして初めて、
新潟工科大学、職業能力開発短期大学)ありますが、本年は 3 校より
上越市で開催しました。上越市高田地区の町家を再利用した施設であ
12 作品のエントリーがありました。そのうち 10 作品のプレゼンテー
る「町家交流館高田小町」が会場となりました。小屋梁などの構造を
ションが行われ、一次審査で 7 作品に絞り込み、二次審査で金賞、銀
表した吹き抜けを持つ町家はたいへん趣がありますが、出品作品展示
賞、銅賞、そして特別審査員賞である西田賞、中川賞が選定されました。
に必要な備品がほとんど無く、ラワン合板の展示パネル、レンタルの
審査会は 7 人の審査員による熱い討議の結果、金賞に長岡造形大学の
折り畳みテーブルなど、まさに手作りの展示会場となりました。
川村千絵さんの「鉱場巡景」が選ばれました。この作品は、実在する
長岡市内にある天然ガス採取プラントが枯渇したあと、50 年をかけ
プラント施設の構造物が緑に埋もれ消滅していく過程をプランニング
したものです。作り出す建築ではなく、消していく過程をプランニン
グしていく事も、広い意味でとらえれば建築デザインだと評価されま
「めぐろの建築3団体による
気仙沼市震災復興提案」展
代表 棚橋 廣夫
■目黒地域会は、東京建築士会、東京建築士事務所協会の目黒支部
と連携して、目黒区の友好都市である気仙沼市の震災・津波災害か
らの復興支援を昨年9月より行ってきた。3会が共同して提案する
人工地盤を用いた復興まちづくり案は、これまで気仙沼市及び同市
商工会で市民の方々に説明を行ってきたが、目黒区に於いても広く
区民の皆さんに被災の状況と復興提案を知って頂こうと、表記の展
示会が目黒区並びに目黒区住宅街づくりセンターとの共催で開かれ
た。区庁舎1階ロビーの会場には、区長、区議会議員、職員をはじ
め多くの来庁者が模型の展示を囲み、熱心に説明を聞いていた。
説明を聞く青木目黒区長(中央)
した。審査会終了後の交流会では、審査員を囲んで学生たちの真剣な
質問、議論が交わされました。
14
Bulletin 2012 年 9 月号
〈一級建築士事務所 新建設計〉
Bulletin 2012 年 9 月号
15
COLONNADE
ミケランジェロ会
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
2012 年度 関東甲信越支部総会報告
副支部長
JIA 建築家大会 2012 横浜
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
二つの災害(震災と戦災)を越えて
形成された都市「横浜」
神奈川地域会
総務委員長
代表
西勝 郁郎
青木 恵美子
第3号議案 2012(平成 24)年度活動方針案承認の件
■国際港湾都市横浜の誕生
震災後横浜の息吹を吹き返し、輸
13:30 から 15:20 まで建築家会館 1 階ホールで開催された。総会
同議案に関して、上浪寛支部長から方針説明が行われ、議長が意見
横浜は他の都市に比べると極めて歴史の浅い都市である。東海
出入が盛んになり、そのために横
審議に先立ち、進行の菊池良一事務局長より支部規定第 12 条によ
を求めたところ、会員から質疑として、公益法人移行に際して地域
道神奈川宿の横にあった浜、横浜は 300 年の鎖国から世界に向かっ
浜税関(1934 年)が建設された。
会の公益活動の割合と維持について、また、本部と支部活動の役割
て開かれていく開港場として選定され、150 年前の開港により関
これは「クィーンの塔」と言われ、
る総会成立の確認が行われ、支部会員総数 2,204 名、当日出席 64
内(関所の内側という意味)とよばれる外国人居留地を擁し、多
開港の歴史の証であるジャック、
名と委任状出席 564 名を合わせた 628 名の出席が有り、総会成立
分担と支部活動の明確化、更に、ポスト UIA 東京大会後の「J-CABE」
くの貿易を担う商人たちが移住した。これにより横浜が文明開化
震災の復興の証であるキング、貿
要件の 221 名(会員総数の 1/10)を上回り、本総会が有効に成立
について定款との関連で内容説明を求めた。これらに対して上浪
の中心地として、人・物・情報が集まり発信される国際港湾都市
易の証であるクィーンと「横浜 3
する事を確認した。
支部長から、地域会活動の公益管理についてコンサルタントとガイ
として誕生した。
塔」として市民に親しまれている。
横浜の発展とその都市形成は多くの災害と困難な時期を乗り越
2 つ目の災害は第二次世界大戦
議事に先立ち、上浪支部長から開催の挨拶が行われ、続いて議事に
ドラインの策定中とし、支部活動は国際交流分野の活動展開など定
え、克服することで成されてきた。慶応 2 年(1866 年)豚屋火
の昭和 20 年(1945 年)の横浜
入るにあたり、進行から本総会の正副議長の選出を会場に諮った所、
款第 4 条(事業)を目に見える形で支部と地域会が連携すること、
事とよばれる大火は関内一体を焼き尽くし、英一番館などの中心
大 空 襲 で あ る。 こ の 空 襲 に よ り
議長に藤沼傑会員(幹事長)、副議長に青木恵美子会員(副幹事長)
J-CABE は専門家の役割を行政に示しながら推進したいとした。そ
的な建築を消失した。この大火を教訓に火事に強い街づくりが進
市街のほとんどが焼け野原となる
を選出した。
の後、議長が採決を行い賛成多数で承認された。
められ、日本初の西洋式公園である横浜公園、防火遮断帯として
が、その後の連合軍の接収が復興
■ 2012 年度 JIA 関東甲信越支部通常総会が、平成 24 年 5 月 9 日(水)
日本大通りが造られ、商館の多くがレンガ造の耐火建築となり、
を妨げることとなる。アントニン・
藤沼議長が就任し、議事録署名人 2 名の指名宣言が有り会場から
幕藩体制最後の都市から西洋式都市計画の要素を取り入れた近代
レーモンド設計の不二家ビルは将
曾田彰会員(群馬)、高階澄人会員(渋谷)が指名された。その後、
第4号議案 2012(平成 24)年度収支予算案承認の件
都市へと飛躍を遂げた。数々の近代建築が建設されるが、その中
校クラブに、ホテルニューグラン
以下の通り第 1 号から第 5 号までの議案が審議承認された。
同議案に関して、菊池良一支部事務局長から議案説明が行われ、議
でも今大会でシンポジウム会場である横浜市開港記念会館(1917
ドは専用宿泊施設として接収され
年)は開港 50 周年を記念して建設され、「ジャックの塔」として、
る。だがそれは横浜にアメリカ文
長が意見を求めたところ、会員から質疑として、今年度支部運営費
横浜市開港記念会館「ジャックの塔」
今も市民の公会堂として親しまれている。
化の影響を強く根付かせる契機と
予算額が昨年度と同額である件の説明を求めた。これについて会費
■災害を乗り越えて発展を遂げる
なった。また都市デザインとして
同議案に関して、大澤秀雄副幹事長から報告説明が行われ、議長が
の収入状況と会員の減少数など、現実の統計から昨年と同額とした
順調な発展を遂げる横浜だが、その後 2 つの大きな災害との遭
は木造都市の延焼を食い止める目
意見を求めた後採決を行い賛成多数で異議なく承認された。
説明が有り、その後議長が採決を行い賛成多数で承認された。
遇、それを乗り越えることにより、いわゆる「横浜らしい」街が
的で総延長 10km にも及ぶ防火建
形成されることになる。
築帯が建設され、防災都市の先端を築いた。デザイン的な意図よ
1 つ目の大正 12 年(1923 年)関東大震災では、市街の 93%が
りもビルの共同化・街区形成・耐火建築にすることに重点を置き
第5号議案 2011(平成 23)年度監査選任の件
羅災する。神奈川県庁本庁舎(1928 年)の塔は「キングの塔」と
建設された防火建築帯だが、期せずして市街のスカイラインの統
同議案に関して、菊池良一支部事務局長から議案説明が行われ、記
同議案に関して、菊池良一支部事務局長から新任の監査候補に松原
言われ、焼失した旧庁舎の再建で、公募で当選した案を基に建設
一を図ることとなり、都市景観の形成にもつながっている。この
載漏れおよび誤記の説明が有り一部議案の訂正を行った。支出項
忠作会員が役員会推薦された旨の説明が有り、議長が意見を求めた
された。今大会のレセプション会場であるホテルニューグランド
防火建築帯は吉田町や福富町に数多く残り、商業施設、住宅とし
目では「災害支援関連費@ 1,000,000 円」の記載漏れが、「貸借対
後採決を行い賛成多数で異議なく承認された。
第 1 号議案 2011(平成 23)年度事業報告承認の件
第2号議案 2011(平成 23)年度収支決算承認の件
FORUM
(1927 年)は、震災復興のメモリアル建物として建設され、目の
横浜税関「クィーンの塔」
て今も活用されている。
前の山下公園は、震災の瓦礫を埋め立てたものである。この造成、
■横浜から建築文化の情報発信を
照表では予金額@ 15,105,261 円」に修正し当期収支差額の訂正を
再建、新設された建築は現在の横浜の都市景観を形成する重要な
横浜は日本の町の歴史としては決して古くはないが、海外に開
行った。この報告を受けて、三浦清史監査より内容が適正である旨
ものが多い。震災が起きたのは大正 12 年 9 月 1 日。山下公園を
いた開港の町として、また災害や困難な時期を乗り越えることで
瓦礫で建設することが決定されたのは 3 ヵ月後の 11 月というの
新たな価値を見出し、新たな未来のイメージを実現してきた。国
であるから、今回の東日本大震災でも学ぶべきものがある。また、
際港湾都市横浜は日本の他の町にない歴史、海外に向けた活発な
の監査報告があった。
藤沼議長より、本日の議案が全て終了した旨発言が有り、15 時 20
分に支部通常総会が終了した。
続いて、総務委員長から会費納入状況の実態報告が有り今後供継続
経済活動のフィールドが「横浜」をつくったのである。新しいモ
した会費滞納への対策提案と対応への協力を願った。その後、議長
ノを生み出し受け入れる文化芸術の情報の発信こそが「横浜らし
が意見を求めたところ、会員から支部運営費決算額の@ 150 万円
さ」なのである。
その「横浜」で開催される今秋の全国大会では、創立 25 周年の
増額の件と、UIA 大会に関する国際交流基金の一部取崩しに関する
新生 JIA として「共に超える」をテーマに、市民と共に考え、市
質疑が有った。支部運営費の増額は新会員の増加による入会金と会
民と共に楽しむ “建築文化の情報発信” の大会となるよう今準備を
費収入および滞納キャンペーンによるもの、また、基金返済は本年
進めています。11 月に全国の皆さまにお目にかかれることを楽し
5/31 本部総会で収支決算報告を予定するが、当初の返済計画を履
みにしています。(横浜の歴史的発展の詳細は、2012 年全国大会
神奈川県庁本庁舎「キングの塔」
行している旨の説明が有った。その後、議長が採決を行い賛成多数
で承認された。
16
Bulletin 2012 年 9 月号
〈一級建築士事務所 西勝建築設計〉
での展示をお楽しみください !)
〈A.A プランニング〉
PHOTO by GEN INOUE
Bulletin 2012 年 9 月号
17
FORUM
支部総会報告
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
温故知新
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
先達に学ぶ
抱負を語る
Never give up
建築のフォルムが持つ力を
信じる
新居 千秋
日本建築家協会に込めた抱負
中村 晃
有吉 匡
FORUM
Louis.I.Kahn に最初に出会ったのが 1971 年の秋だった。ペ
校も東京都市大学(武蔵工業大学)、東京理科大学、昨年から少
■設計に携わってかれこれ 20 数年になります。学生の時は、
■早稲田大学建築学科卒業後、ゼネコン設計部を経て 2007
ンシルバニア大学の3年半のコースに日本の建築事務所の出向
しだけ東京工業大学で教えている。この頃は学生達にオットー・
ポストモダン論議がほぼ出尽くした時期で、建築が相対化さ
年に独立し建築事務所を立ち上げました。独立後変わったこ
で入学して、大学を歩いている彼とすれ違い、又、秋から始
ワーグナーが、ゼンパーは 60 歳位になって初めて世に出た、だ
れ「なんでもあり」の風潮の中、建築デザインが社会の中で
と、といえば規模が 1/100 程度になったこと、自発的に営業
まった彼のコースを見に行ったりしていた。1972 年の終わり
から君達も 60 歳位までに芽が出なかったら建築をあきらめろ、
意味を持つのか考えあぐねていました。
をしなければ仕事がないこと、これは予測できたことですが
頃、マリオ・ロマニャックという教授が、この生徒をどう思う
と、若い頃と全然違う話をしている。2002 年に赤レンガ倉庫を
バ ブ ル 真 っ 只 中、
それ以外で「先生」と呼ばれるようになったことでしょうか。
かと、通りかかった Louis.I.Kahn に聞いたところ、「He might
終えたあたりで、Louis.I.Kahn の「何か世に問う建築」、何かみ
設計事務所に入っ
深くは考えませんでしたが教育者でもないのでなんとなく違
be genius.」この一言で、ペンシルバニア大学の3年半のコース
んなに「問い」をかける建築が出来たか、という事を思ったり、
た後は悩む暇もあ
和感はありました。医者、弁護士(ちなみに政治家も)が先
を1年で終了でき、Louis.I.Kahn のコースに飛び級して入れるこ
学会賞はもらったが、師を越えられないまでも、近づけるかと
り ま せ ん で し た。
生と言われていますが、専門知識のある職業であるがゆえそ
とになり、1973 年の春にはシャンク賞という賞を東洋人で初め
考えると、なかなか難しいと思い、また、自分の生まれた場所
私が担当した物件
のように呼ばれていると漠然と思いました。しかし建築家と
て貰った。当時の日本の月給が 4 ~ 5 万円の時代に 216 万円、
のコンペで内藤廣に負け、建築をやめようとも思った。ゲーリー
は 空 港、 駅、 病 院
は専門知識を持ち合わせることに加え、幅広い良識を持って
おおよそ 50 カ月分位を貰い、また、新建築の住宅設計のコンペ
の事務所を訪ねたり、チェンジ・トーソン(スノヘッタのリー
等機能性重視のも
いることが重要であると考えています。建築家とは「先生」
で優秀賞に選ばれ、私の 20 代前半は絶頂期であった。その後、
ダー)等と会い、自分に素直に建築を造れ、と言われて立ち直り、
のから、不整形な
ではなく建築におけるアドバイザーであり事業パートナーで
Kahn に誘われて、会社に説明して、Louis.I.Kahn の Office で働
2004 年に岩手県の大船渡で、これでもう終わりかという時にコ
敷地、複雑な改修、
あると考えています。建築が環境や人、社会に与える影響が
くことになった。その間の2~3年間は1日があっという間に
ンペで勝ち、それを迷いながら設計する中で、少しずつ自分の
近隣問題を抱えた物件等、複雑に絡むプログラムの解決を要
大きいといえます。耐震偽装問題以降、建築家の地位が低下
すぎる様な日々であった。千夜一夜の様な内容なので、ここで
建築が見えてきた様に思っている。2005 年にコンペに受かって、
するものが多くありました。しかし、それらに真正面から向
したと痛感しています。確認審査機関の状況=前例のないも
書くことは出来ないので、私と Louis.I.Kahn をいつか書こうと
昨年(2011 年)の終わりに完成した由利本荘市文化交流館の建
き合う中、理知的に解決策を探ろうとする一方、直感的な建築
思っている。いつも鼻っ柱の強かった私は、「先生は 50 代の前
物とこれから建つ予定の建物の中に、自分のやりたい事が少し
フォルムの提案により解決の糸口がつかめることが多くあるこ
半までどうして世に出なかったのか」とか、「僕はコンペが得意
見えてきたところで 63 歳になった。ゼンパーより3年遅いと考
とを実感しました。建築は内外問わず、適切なフォルムの選択
だから、先生よりもずっと早く世に出て 500 位建物を作る」とか、
えているが、left over と自他共に認めている自分としては、こ
により様々な関係の折り合いをつけていくことができるのでは
挑戦的な事をいつも彼に言っていた。先生から「50 歳になるま
れから少しずつ良い建築を作れるのではと思っている。最近の
と考えるようになりました。多数のスケッチを描く中、
そのフォ
でも、今も、いつも一生懸命やっているが、なかなか上手くい
若い人は、僕の若かった時よりももっと早く世に出れないとそ
ルム自体に意味を見出すのではなく、感覚を研ぎ澄まし、様々
かない。」とか色々言われて、馬鹿言ってるんじゃないやと思い
れで終わりだと考える人も多いが、僕の生徒の石上純也が学会
な要請を解決してくれる「かたち」を見つけていくことが重要
上がっていた。その後、ロンドン市の役人をやって、日本に帰
賞を取った 35 歳ごろは僕は建て売りを作っていた。今の日本で
ではないかと。今は、
その「かたち」探しに真摯に取り組み、
様々
国し、私を外国へ留学させた会社で5年働いて、そこが潰れた
は経験を積んだ人の価値を軽くみるところがあるが、自分が年
ので独立して、32 年の歳月が経っている。その間、朝から晩ま
を取ると、そうではないと思うこのごろである。これから頑張っ
で建築を考えて、ひとつの建物に 5 ~ 6 年かけて(最長 10 年
て自分なりの建築を作ろうと思っている。
かけたものもある)、今、54 位の建築がやっと建てられた。学
〈(株)新居千秋都市建築設計〉
沖縄県警察運転免許センター 撮影:セントラル空撮
環境と機能の関係づくりにこだわった
な問題に全力で応えること自体が、社会に対し意味を持つので
のは許可できない、つまり責任を取りたくないといった風潮
などなど。このままでは建築家の地位低下とともに、創造的
な建築設計も困難となると
いう危機感を感じます。入会
後、地域会(世田谷)に参画
し、地域とのふれあい(子供
空間ワークショップ、まちあ
るき)を体感し身近な存在と
して、また地域交流を通して
JIA まちあるき
社会に貢献できる建築家像を
はないかと考えています。
描くようになりました。同時
昨今は、
「環境問題」にも向き合わなければいけません。また、
に先輩の豊富な経験と知識を
少子高齢化など社会が抱える問題もあります。今後も引き続
吸収し日本建築家協会の会員
き、建築のフォルムが持つ力を信じ、スケッチに埋もれなが
ら悪戦苦闘していきたいと思っております。
の一員として建築家の地位向
〈梓設計〉
上に努めていきたいと考えて
います。
JIA 子供空間ワークショップ
由利本荘市文化交流館(図書館)
18
Bulletin 2012 年 9 月号
由利本荘市文化交流館(スケッチ)
羽田空港国際線旅客ターミナル 撮影:エスエス東京
空間と動線の関係に苦心した。
JIA 一般向けサイト今月の建物掲載作品
〈アーキプラス一級建築士事務所〉
Bulletin 2012 年 9 月号
19
FORUM
温故知新
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
部会活動報告
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
建築相談委員会
都市デザイン部会
建築相談を振り返って
都 市 デザイン部 会 ツアーレポート
JIA 埼玉
都市デザイン部会
小沢 聖子 川崎 正雄
FORUM
■ JIA 埼玉建築相談室に参加して、速いもので 10 年以
頃、相談者が 13 年間使用していたガス湯沸機が、故障
■ 2012 年 JIA 都市デザイン部会 埼玉(秩父・川越)ツアーは、
尽きず、みんな時がたつのも忘れ露天風呂を堪能しました。
上になる。担当する前は、相談とは新築工事に向けての
したというのだ。故障したのは、先日まで近くで行って
好天候の中、5 月 26/27 日の日程で、電車か車の乗り合で各
2 日目はまず三波石峡に向かい、三波石と称される緑色の石
方向性とか、間取りの悩み等についてなのかと漠然と思っ
いた工事が原因に違いないと思い、建築主に申し出たと
自狭山市駅の改札に集合し、2日間のツアーがスタートしまし
の美しい渓谷を散策、続いて、奥山の斜面に十数件の民家が寄
た。
り添う石間集落(いさま)を谷合越しに見学しました。
ていた。ところが担当してみると、トラブルとか不信感
ころ「施工業者に言ってくれ。」と言われた。そこで施工
まずは狭山市駅再開発のコーディネイター南條氏の説明に
最終目的地の川越へ移動し昼食の後、小江戸川越の蔵造りの
とかが、ほとんどである。
業者に申し出ると「もう時効だ。」と言って取り合ってく
より駅前見学の後、事務所で事業計画の推移や、
「狭山らしさ」
町並みを見学。小江戸横丁と呼ばれる路地をゆくと菓子屋横丁
れない。しかし相談者は、あきらめられずどうしても修
など、今回の景観形成手法についての説明を頂きました。
という、新たな観光スポットが出来ていました。メイン通りは
契約した工期内に、工事が終わらない。1 ヶ月以上も延
理代を支払ってもらいたいと言うのだ。建築主でも施工
午後は秩父へ移動。次の見学地 DOCOMOMO JAPAN に認定
代表的な蔵の住宅のほとんどが、土産屋や資料館として活用さ
びているのに、まだ完成するには程遠い状態である。これ
業者でも、どちらでもよいので修理代を支払わせる何か
されている太平洋セメント秩父工場を見学。
れとても賑わっています。20 年ほど前、私は蔵の町が何時か
谷口氏が設計した、かまぼこ状屋根の連なりが秩父の山並みを
消えてゆくと思い、川越や栃木の蔵を写真に取りました。でも、
では、いつ終わるのか分からない。どうしたらよいか?
良い方法は、ないだろうか?という相談であった。
連想させ、その建築群とプラントや煙突が織りなす、統一感と
そんなことがうそのような今の賑わいです。そして伝統的建造
工事は完成したが、不具合や、気に入らない個所があ
こういう案件も相談に含まれるのかと、唖然とした。
壮大さに思わずシャッターを押し、その音が工場にこだまして
物以外の建物も、蔵の町並みと共存し、デザインを含め、伝統
り、施工業者に手直しをお願いしたところ、承諾はしたが、
丁重にお引き取り願ったが、相談者は「では、次は新聞
いました。度重なる増築にもこのモチーフが継承され、今でも
的建造物群保存地区の一翼を担っているようです。
そのうちに行くと繰り返すばかりで一向に対応してくれ
社に行ってみよう。建築工事によって被害を被ったとい
その統一されたデザインとなっています。
狭山・秩父・川越と例年のごとく盛り沢山のツアーでした。
ない。どうしたらよいか?
う記事が載っていたので、その記事を載せた新聞社に、
1 日目の見学も終わり一路宿へ。人里離れた宿と聞かされ、
これで最多時 22 人のツアーも無事終了しました。幹事関係者
誰もが本日の宿に覚悟していました。あまりの秘境にカーナビ
をはじめ、見学地の手配、生バンドほか、ツアー候補地立案等
ハウスメーカーの営業担当者が、毎日のように訪れ、
この件も記事に載せてもらえる様、掛け合ってみる。」な
からも見放され、各車違うルートでどうにか宿に到着。そこは
ご協力を頂いたみなさま、どうもありがとうございました。ま
その熱意に負けて、この会社に任せたら安心だろうと契
どと言って帰っていった。その後、この件が新聞記事に、
神流湖を見下ろす高台にあり、意外にも小綺麗な宿でした。気
た来年が楽しみです。
約した。その途端、営業担当者は一度も姿を現さなくな
載ったか否かは不明である。
付くとみんな露天風呂に集結し、ツアー談義だけでなく話題は
〈株式会社sai総合企画 設計部長〉
り、騙されたと感じて不信感で一杯になった。そうなっ
てくると工事が何もかも気に入らない。建材や部品も新
色々、様々な世界の相談者と話す機会を与えてもらっ
品ではなくて、古材や中古品を使用しているに違いない。
た。困っている相談者に、何か少しでも手助けをする事
現地調査をしてもらえないだろうか?等々である。
が出来ればと思っていたが、逆に私自身が建築だけでな
く、他の様々な知識を得る事ができたと思っている。豊
今までの相談の中で、一番記憶に残っている一件があ
富な体験ができる機会を与えられて、感謝している。
る。相談者が、居住しているマンションのすぐ近くで大
きな工事があった。その工事が終わって 6 ヶ月程経った
〈小沢建築設計室〉
狭山市駅再開発
20
Bulletin 2012 年 9 月号
石間集落(いさま)
Bulletin 2012 年 9 月号
21
FORUM
委員会活動報告
編集部からのお知らせ
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
賛助会員名簿の使い方
「 テ ル マ エ ・ ロ マ エ 」( ロ ー マ の 風 呂 )
■ 賛助会員名簿の使い方の一例として、私の経験談をご紹介いた
くことにつながることはもちろんですが、賛助会員にとっても JIA
します。
に所属する価値が高まり、今後ますます建築家の力強い味方となっ
25 年前私が設計業界に入った頃は 、 建材メーカーに新技術や製品
てくれることでしょう。
情報などを問い合わせると、すぐに事務所に来て説明をしてくださ
WEB からも賛助会員名簿は閲覧できます。是非ご活用ください。
いました。設計者といえども、全ての技術に精通しているわけでは
支部の HP の右上にある、「交流委員会」をクリックすると、賛助
ないので、そのような情報はとても役に立ち、建築家としての知識
会員名簿が閲覧できます。
向上にも役立っていたと思います。ある部分では、メーカーに助け
られて専門知識を得ながらここまで来たという思いがあります。と
映画紹介
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
交流委員会サイト:http://www.jia-kanto.org/koryu/
ころが、独立して小さなアトリエ事務所代表という立場になってみ
ると、なかなか足を運んで来社してくれるところは少なく、最悪の
ケースでは、電話で問い合わせをしてもお客様窓口に回されてしま
う始末。そんな中 JIA の正会員になり、今までのような問い合わせ
窓口ではなく賛助会員名簿の担当者宛に直接電話をかけて、JIA 正
会員である事を名乗り、身分を明らかにして相談するようにしたと
ころ、それまでとは違い昔のように丁寧な対応で、必要な情報も全
て揃えることができるようになったのです。
■ 奇想天外な内容が主題の映画である。
えました。ローマ人役キャストと日本人役キャストと顔の濃さのギャッ
古代ローマの浴場設計技師ルシウス(阿部寛)
。生真面目すぎる性格
プと対比が大変面白い。
が時代の変化に合わず、失職してしまう。すっかり落ち込んで、友人に
監督は映画 & ドラマ「のだめカンタービレ」の武内英樹。映画化にあ
誘われて訪れたローマの公衆浴場で突然タイムスリップして日本の銭湯
たりこの布陣以外には考えられない最高のキャストとスタッフが集結し
に現れる。出会ったのが漫画家志望の直美さん(上戸彩)他、平たい顔
ました。原作はマンガ大賞 & 手塚治虫文化賞のダブル受賞を果たした。
族=日本人達!!
ヤマザキマリの大ベストセラーコミック。
日本の銭湯風呂文化に衝撃を受けたルシウスは、古代ローマに戻ってそ
突き抜けた笑いの先に感動がある。壮大でファンタジックなコメディ大
のアイデアを使い大きな話題を呼ぶ。日本の銭湯にある富士山の絵のア
作の誕生です!!
イデアをローマでベスビオス火山の絵にしたり、暖冷のカランを工夫し
どうぞ皆様一見に値しますよ!!映画は今上期の第 1 位 57 億円の収入
てこしらえたり、様々な工夫を加えタイムスリップを繰り返すルシウス
を上げました。
は、浴場技師として名声を博し皇帝にも大変寵愛される。主演は濃い顔
ちなみに私は週に最低 3 回、近所の銭湯に行き楽しんでおります。
代表の阿部寛、ヒロインは上戸彩、ローマ人役には市村正規、北村一輝、
リリカラさんの試写会にて 大ヒット上映中
宍戸開等の奇跡のラインアップ。一方、平たい顔族 = 日本人として笹野
テルマエ・ロマエちらしより
高史ら純和風の顔立ちのキャスト陣に加え竹内力ら個性派俳優が顔を揃
〈立石博巳/ ( 株)ヒガノ〉
お知らせ
お詫び・訂正
正会員のみなさん、この方法はお勧めです。小規模事務所、大規模
事務所にかかわらず、JIA 正会員としてのメリットを最大限に利用
〈一級建築士事務所 OM-1 大川 宗治〉
してください。情報交換によって、お互いの技術や知識を高めてい
Bulletin vol.237・7 月号の 4 頁の特集 : 保存問題栃木大会で、誤った氏名がで記載されておりましたこと、
お詫び申し上げますとともに訂正をさせていただきます。
誤→武井清志 正→武井貴志
支部ダイジェスト
● 第 12 回日本建築家協会(JIA)25 年賞募集
第 12 回日本建築家協会(JIA)25 年賞の募集受付が始まりました
ので、自薦、他薦、会員以外でも、身近にある本賞にふさわしい作
品をご推薦ください。
受付期間:7 月 2 日(月)から 8 月 25 日(土)/ 郵送の場合は、
締切日消印有効
詳細は下記 URL でご確認ください。
http://www.jia.or.jp/member/award/25years/2012/boshuu.pdf
● 2012 年度 日本建築家協会優秀建築選募集
2012 年度優秀建築選(日本建築大賞 2012、日本建築家協会賞
詳細は http://www2.lighting-daiko.co.jp/jia/index.html 主催:社団法人日本建築家協会 / 大光電機株式会社
● JIA トーク 2012・第 2 回「常識について」加藤久佳氏(翻訳家)
日時:9 月 5 日(水)18:30 ~ 20:30 ユーストリーム配信
(第 3 回:10 月 17 日(水)、第 4 回:12 月 12 日(水))
開催予定場所:建築家会館 1 階ホール
参加費:無料(要事前申込)
年 12 月末日 (3 ヶ年 ) までに竣工した建築作品
詳細は、下記の募集要項、応募申込書をご確認ください。
B A C K YA R D
応募締切:2012 年 8 月 20 日(月)必着
応募先:(社)日本建築家協会「日本建築大賞」事務局
TEL:(03)3408-7125 FAX:(03)3408-7129
●『建築家のあかりコンペ 2012』作品募集
テーマ:「歩行者に優しい “まちの照明”」
エントリー締切:8 月 31 日(金)
提出締切:9 月 18 日(火) 最優秀賞 30 万円他、入賞 6 点
■ 海なんて最後に行ったのが、数十年前の私ですが、今年は
く一日が始まります。皆で集まっての体操は7月のみで、いまは、近く
建築中の住宅の監理でひたすら海に行くことに。いつもと違う夏になり
の公園で親子でしています。
[ 市村 ]
そうです。
[ 杉本 ]
■ いよいよ夏本番ですね。みなさまいかがお過ごしでしょうか。例年の
■ 今年は 7 月頭に風邪をひいてしまいました。咳が止まらずにつらい思
ことだけれど、私は帰省・行楽で人が出払って少しスローになった都心
いをしました。これ以上風邪をひかないように、気をつけて過ごしたい
[ 植木 ]
と思います。これから秋にかけては季節の変わり目、皆様もお気を付け
の雰囲気が好きだったりします。
主催:社団法人日本建築家協会関東甲信越支部JIAトーク実行委
■ 毎年7月には、JIA 交流委員会 E グループ主催の施設見学会に参加し、
ください。
員会 / 協賛:日新工業株式会社・日本アスファルト防水工業協同組合
屋形船に乗って涼みながら、東京湾上からの建物を見学します。今年は、
■ 事務所には採光ブラインドを取り付けて、日中はまるで障子からの拡
申込・問合せ先:JIA 関東甲信越支部 TEL:03-3408-8291 隅田川上からのスカイツリーも見学しました。来年はみなさんもぜひご
散光ような光が入るようになったので、照明いらず。なるべく電気を使
FAX:03-3408-8294 E-mail:[email protected]
参加ください。
2012)の募集を開始致します。
応募対象:本会員により設計された、2009 年1月 1 日より 2011
■ 毎朝、小学生の子供とラジオ体操をしています。汗をかき、気持ち良
細は関東甲信越支部の
委員会・地域会・部会からのお知らせ: 詳
HP をご覧下さい
[ 大川 ]
[ 杉山 ]
わないで仕事してます。
[ 高安 ]
■ 25 度を超えたら、仕事はしない。正午から五時までは、ゆったりラン
■ 今回から広報委員会の活動に参加させていただきます。
チとお昼寝。そう、シエスタです!! 日本にもシエスタの習慣を!!
よろしくお願いします。
日本はもう北海道まで熱帯ですよ。
[ 倉島 ]
連日の猛暑、体調管理には気をつけましょう。
[ 八田 ]
● 会員部会 コンサート「カンツォーネの王様 ヒガシ直彦のコキコン」
日時:9 月 1 日(土)午後 6 時 45 分から
場所:サントリーホールブルーローズ
申込先:
(株)東綜合設計事務所
編集
:社団法人 日本建築家協会
関東甲信越支部 広報委員会
委員長
発行人
:菊地 良一
発行所
:社団法人日本建築家協会 関東甲信越支部
:河村 大助
〒 150-0001 東京都渋谷区神宮前 2-3-18 JIA 館
副委員長 :市村 宏文・高安 重一
委員
:植木 健一・大川 宗治・岡本 寛・加藤 誠洋・倉島 和弥
TEL:03-3384-9301 FAX:03-3384-9380 E-mail:higaships@
小島 広行・杉本 由美子・杉山 英知・高橋 隆博・田中 宣彰
siren.ocn.ne.jp
土居 志朗・中村 晃・中屋敷 公一・八田 雅章・山本 成一郎
河合 敏一・白橋 忠博・立石 博巳・中村 隆則・西尾 信二・本田 孝一郎
Tel: 03-3408-8291( 代 ) Fax: 03-3408-8294
印刷
:株式会社 協進印刷
■ JIA 関東甲信越支部関連サイト一覧
全席自由席:当日:3,500 円、前売:3,000 円、4 枚組:10,000 円、
編集長
今年古希の方:2,000 円、中高生:1,000 円、小学生:無料)
副編集長 :土居 志朗
・建築家 online ( 一般向け )
編集委員 :大川 宗治・河村 大助・倉島 和弥・杉山 英知
・JIA 関東甲信越支部 ( 会員向け ) http://www.jia-kanto.org/members/
:市村 宏文
田中 宣彰・八田 雅章・河合 敏一・立石 博巳・西尾 信二
B A C K YA R D
N E W S : 詳細は JIA 本部、関東甲信越支部及び、UIA 大会の HP をご覧下さ い
編集後記
「 この夏の過ごし方」
・( 社 ) 日本建築家協会 (JIA) http://www.jia.or.jp/
表紙 / 本文デザイン :( 株 ) スタジオネオ 伊波 サチヨ・守田 真紀子
http://www.jia-kanto.org/
© 社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 2012
■ 販売価格 300 円 ( 本体 286 円 + 消費税 14 円 ) /会員の購読料は会費に含まれています。
22
Bulletin 2012 年 9 月号
Bulletin 2012 年 9 月号
23
第三種郵便物認可 Bulletin 2012 年 9 月15 日発行
Bulletin 238| 2012 年 9 月号
24
Bulletin 2012 年 9 月号