57 愛知工業 大学研究報告 第2 9号 平成6年 家族法に おける 自己決定権 一- The Same-sex Marriage を 素 材 と し て 一一 An Aproach to the Right of Privacy of Family Law 日ヨヰコ事事弓子Z】 ノj"墨書与二二良�1), Atsuko Tanaka Jiro Kojima. We have focusd on the legal problems of same-sex marriage as introduced the ploble聞s in the U. S.A. A. . m The contents as follows 一一 1 Introduction. Conc1usion. 1) 愛知工業大学教養部講師 2) 愛知 学院大 学博士課程後 期 2 年 - 8 - 11 Theories and law-cases in the U. S. はじめにiー問 題の所在ーー ア メリカに お ける 現況 と その 対 応 同性愛 カッ プ ルと一般 的 規制 同性愛 カッ プ ルと私法上 の利益 近時 の諸問 題 むす び に か え て ( 序説〕 ‘、‘ ‘冒 ‘‘ l / 畑仔 フ十J 附田 山中 山 現実 社 会の 婚 姻 観・ 離婚 観が 大 き く変 わりつ つ あ る か らだ 。 折 しも 、本 の 形成 に お くこ と に な った 、と いう こ と が できる。「夫 婦も 基本的 には 、 策 定 、 九 一 年 五 月 改 定 )に お い て 一 二 世 紀 の 目 標を 「 男 女 共 同 参 画 社 会 」 員 会 か ら 婚 姻 及 び 離 婚 制 度 の 見 直 し 審 議 に 関 す る 中 間報告 が 出 さ れ た 。 と こ ろ で 、 近 碍 (一 九 九 三 年 〉 、 法 制 審 議 会 民 法 部 会 身 分 法 小 委 族 像 を 基 準 に し た 生 活 形 態 を 強 制す る も の で は な く 、 家 族 に お け る 個 人 と い う 視点 を 提 供 す る こ と に な った 。 した が って 、家 族法 は 、特 定 の 家 こ とに他 な らな い。このことは、私生活 に お ける自己 実 現を 保 障す る、 家 族も 個々 別々 の 人 格 で あ り、個々 別々 の 生 き 甲 斐 を 尊重 す る 」 と い う その 内 容 か ら、 若年層 に 確 実 に 定 着 しつ つ あ る 新 しい 婚 婚 観・ 離婚 観を の 自律 を 高 め 、私 生活 に お ける 自己 実 現を 保 障す る仕 組 みであ るべ きこ ればならない。 年は 「国際家 族年」、その真 の意 味も 、これとの関係 から理解 されな け 本 政 府 も 、 「 西 暦 ニ O O O 年 に 向 け て の 新 圏 内 行 動 計 画 」 (八 七 年 五 月 会の 見 直 しを す る こ と に あ った こ と は 多 言を 要 しな い 。 した が って 、 す な わ ち 、 個人 の 尊重 を 前 提 と した 家 庭生 活 、 固定 的 な 性 別役 割分 業社 まえ た 国際的 課 題に応え よう と した も の であ るこ とは いう までも な い。 〈 自 由 権 )規 約 、 国 連 「 国 際 婦 人 の 十 年 」 、 国 連 女 性 差 別 撤 廃 条 約 を ふ Ñ� 一U FO ∞釦昌OlmOM ヨ釦吋片山問。を 素 材 と し て 家 族 法 に お け る自 己 決 定 権 はじめに 島 ふ ま え よ う と す る 姿 勢 が 読 み 取 れ る 。 家 族 法 見 直 し作 業 は 、 国 際 人 権 1 A B C 家 族法 お よび 家 族法 学 は 、 い ま大 き な 変 革を 余 儀 無 くさ れ て い る 。 日 淳子 田中 二郎 小島 64 と を 表現 し て い る 。 そ も そ も の 延 長 線 上 で 問 題 と な ろ う 。 伺性 愛 と い う 愛 の 形 を 受 け 入 れ た み た o 若 年 層 に 確 実 に 定 着 し つ つ あ る 新 し い 婚 姻 観 ・離 婚 観 を ふ ま え よ 保 障す る 視点 か ら 「 中 間 報告 」 作 業の 背 景に 見 え 隠 れ す る 特 色 を 挙 げ て 最近出版 Sれた 家 族法の 教 科書 の 中で 、向 性同士 の婚姻 に つ い て 、 そ (2 ) れ を 事 実 婚 と し て 法的 保 護を 与 え る必 要 が あ る、 と い う 記述 が み られ る 由 だか らであ る。 者を ど の よ う に 考え る べ き か 。 こ の よう な 愛 の 形 を 選ぶ こ と も 個人 の 自 う と す る姿勢 が 読 み取 れるか らであ る。 家 族法 見 直 し 作 業は 、 国際人 権 よ う に な っ た 。 こ の こ と で も 理 解 で き る よ う に 、 こ の よ う な ラ イ フ ・ス さて、結論を先 取 りする形での婚姻法にお ける「 自己決定権」を (自 由 権 〉 規 約 、 国 連 「 国 際 婦 人 の 十 年 」 、 国 連 女 性 差 別 撤 廃 条 約 を ふ 年の 家 」利用 拒否 を 理 由 に 同 性 愛 者 が 東京 都を 相 手 取 り損害 賠償 を 求 め 〈3 〉 て い る 。 こ の よ う に 、 わ が 国 に お い て も 、 向 性 愛 者 に ま つ わ る 種々 の 問 タ イルを 黙過 で き な い こ と を 示 し て い る 。 近時 の 裁判 に お い て は 、 見 直 し を す る こ と に あ った こ と は 多 言を 要 し な い 。し た が って 、 日 本政 題 が 、 現実 に 顕在 化 し て き で い る こ と は 否 定 でき な い 。 こ の こ と を 検 討 まえ た 国際的 に応え ようとしたものであ るこ とは いう までも な い。 すな 府 も 、 「 西 暦 二 O O O 年 に 向 け て の 新 圏 内 行 動 計 画 」 (八 七 年 五 月 策 定 、 わ ち 、 個 人 の 尊重 を 前 提 と し た 家 庭生 活 、 固定 的 な 性 別役 割分 業社 会 の 九 一 年 五 月 改 定 )に お い て 二 一 世 紀 の 目 標 を 「 男 女 共 同 参 画 社 会 」 の 形 成 に お くこ と に な った 、という ことができる。 こ のよう な 家 族にお ける お け る 自 己 実 現 を 保 障す る 、 と い う 視点 を 提 供 す る こ と に な った 。 し た 生 き 甲 斐 を 尊重 す る 」 と いう こ と に 他な らな い 。 こ の こ と は 、 私 生 活 に 、A、 「 夫 婦 も 基 本 的 に は 、 家 族 も 個 々 別 々 の 人 格 で あ り 、 個 々 別 々 の 園。 , 手 h よHN 実 現H保 障し て ゆ くと い う 見 解 を 裏付 け る 一つ の 手 掛か りと な ると 考え 憲 法 二 二条 「 幸 福 追 求 権 」 を 通 じ て 、 個 々 人 が 選 択 し た 多 様 な 生 き 方 を であ る。 まさ にそれ が 、本稿 が め ざ す 、憲 法上 保 障さ れ た 自 己 決定 権 H 性 婚 の 問 題 は 、 た え ず 、 憲 法 上 の 人 権 上 の 保 障規 定 と の 抵触 を 争う も の その 法 的 な 対 応 を 見 て み る こ と に す る 。 な ぜ な ら 、ア メリカ に お け る 同 ( 5) が っ て 、 家 族 法 は 、 特 定 の 家 族 像 を 基 準 に し た 生 活 形 態 を 強 制す る も の 第二に 、では 、現在 、 そし て 今後 わが 国で生ず るであ ろう 向 性婚の問 では な く、家 族に お ける個人の自律を高め 、私生活 にお ける自己 実 現を イ フ ・ス タ イ ル は 自 分 で 決 定 す る (自 己 決 定 〉 、 と い う こ と を 容 認 し 、 題に ど の 様な 法 的 対 応 を 試 み る こ と が 妥当で あ る か を 考え て み る こ と に たか らであ る。 それ を 保 障す る こ と が 新 し い 家 族法 、 そし て 、 それ を 可能 に す る の が 家 ( 1) す る 。 こ こ で 得 た 対 応 は 、 単 に 向 性 婚 だ け で な く 、 法 律 婚 以 外 (婚 外 関 保 障す る 仕 組 み で あ る べ き こ と を 表現 し て い る 。 その こ と は 、 自 己 の ラ 男 女 の 平 等の 意 識 変 革と 性 別分 業社会の 是正 が 打 ち 出さ れ る こ と に な っ そ こ で 、 第一 に 、ア メリカ に お け る 向 性 婚 の 現 状 に つ い て 紹 介 し 、 す る こ と は 、婚 姻 外 生活 共 同 体 の 法 的 問 題を 考え るう え で大 き な 示 唆 を 〈4〉 あ たえることになろう。 本稿 で同性愛 の問 題を扱う 所以であ る。 青 係 、 例 え ば 婚 約 ・内 縁 ・事 実 婚 ) に 対 す る 法 的 保 護 の 理 論 を 構 築 す る こ とができると考えるか らであ る。 2 五 族法学 だということを示唆している、といえよう。 そ の よ う な 意 味 か ら い え ば 、 事 実 婚 ・重 婚 的 内 縁 と よ ば れ る 関 係 愛 婚 と よ ば れ る 性 的 結 合 生活 共 同 体 に 対 し て は ど の よ う に 対 応 す ば き か 、 わが 国の 判 例 法 理 は 、 こ れ を 肯定 す る に い た った 。 それ と 同 様に 、 向性 ぅ、 だけ で 法 的 保 障 を 否 定 し て は な ら な い 。 こ の 点 に つ い て は 、 す で に 、 につ いて は 、法 律 婚 で な いが ゆ えに、法律婚 と は 異 な った も の だ、とい 四 63 家族法 に お け る 自 己決定権 島 (1 ) (2 〉 二 宮 周 平 『 事 実 婚 の 現 代 的 課 題 』 二 五 八 頁 (日 本 評 論 社 九 九 O 年 )。 乾 昭 三 H 二 宮 周 平 ・新 民 法 講 義 5 家 族 法 (有 斐 閣 ブ ッ ク ス 、 一九九三年〉。 こ の 事 件 は 、 一 九 九 O 年 二月 、 府 中 市 の 「 青 年 の 家 」 で 合 宿 の た め 利 用 し た 際 、 自 分 た ち が 「 同 性 愛 者の 団 体 で あ る 」 と い う こ と を他の 利用 団体に紹介 し た 。 その後 、 他の 団体 か ら興 味 本意 で部 屋を 除かれたり嫌 がらせを受 けたため 、 ここの職員 に 「 自 己 決 定 権 の 意 義 と 範 囲 」 法 教 一 五 八 号 〈 一 九 九 三 年 )な ど 。 ア メリカに お ける 現況 と その 対 応 同性愛 カッ プ ルと一般 的 規制 現在 ア メリカに お い て 、 社 会 を 組 織 す る 基 本的 な 単 位 と し て 宮 富 山ζ を か け あ っ た が 解 決 せ ず 、 次回 か ら の 利 用 を 拒 否 さ れ る と い う 処 分 を 受 け た o こ れ に 対 し て 、同 性 愛 者 の 団 体 は 、 都 に 六 五 O 万 め ぐ っ て SE n-2 吋 時同盟ご 『2と い う 概 念 が 登 場 し て き た 。 そ の 先 駆 的 判 例 ( 7) 円の 損害 賠償 を 求 め た も の で あ る 。判 決 は 、 小稿 脱 稿 後 で あ る と し て zg Z 〈・ ロ ミ ロ時 四担問 H nZ 〈四日恒三 事 件 を 挙 げ る こ と が で き る 。 き方だけでは現代社 会のに対応できな くな っている、という ことがその の生 m 愛 者の 婚姻〔 その1〕 原因 で あ る 。 い う な れ ば 、 伝 統的 家 族 の 概 念 で は い ま や 何 も な し 得て い 伝 統的 な 意 味 で の 家 族、 つ ま り 、 夫 婦 と 血 族 を 中 心と し た w 家 族 五 六 号 五 六 頁 (一 九 八 四 年 ) 、 上 村 貞 美 「 人 権 と し て の 性 的 自 ないということになろうか。 HZ Sと い う 概 念 に よ っ て 、 生 活 共 同 体 を 構 成 し て さ て 、 正 z -四月 Z 田 い る す べ て の 者を N として、例えば事実婚を夫婦として扱いH婚 ー一 九 九 三 年 ) 、 円 山 英 二「 ソ ド ミ | 禁 止 法 の 合 憲 性 と 合 衆 国 姻 と 同 様に保 護し よう、という 考え 方 であ る。 そう だとすれば家 族同 " 最 高 裁 」 判 タ 六 四 二 号 四 一 頁 (一 九 八 七 年 ) 、 篠 原光児 「 向 性 様 な 生 活 を す る 同 性 婚 者も そ の 保 護の 対 象 と な り 得る の で あ ろ う か 。 学 唱 同 盟問戸 r HZ -o zs z z s s ι答 申 に含 ませることによ っ 説か ら は 、「 そう で あ れ ば 、 向 性 婚 も "家 族 ' (8 〉 て 保 護を 与 え ても よ いの では な いか 」、と いう 提 言も な さ れ て いる。 さ て 、 つ ぎ に み る よう に 、 い わ ゆ る 公法 上 の 問 題 と し て 、 向 性 婚 を 通 〈9) 常 の 婚 姻 と す る 判 決 は 出 さ れ て い な い 。 そ こ で 、 向 性 婚 に 対 す る 公法 上 同 性 愛 者の 法 的 保 護に つ い て 「 自 己 決 定 権 」 を 根 拠 に し て い る 論 文 と し て 、 ニ 宮 ・前 出 注 (1 ) 、 乾 H 二宮 ・前 出 注 〈 4 ) ゲ イ 同 士 、 レズ ビ ア ン 同 士 が 婚 姻 す る 権 利 を 持 ち 得 る か 。 も し も 通 常 婚 姻 す る 権 利 (5 0 1 5 片付O 昌白口 『) の問 題を取 り上げてみよう 。 Z lH2 2 2 0〉を も と に ア メ リ カ の 現 状 を 紹 介 す る 。 H 2 ・ 3・ 小 稿 は 、 E Z 何回 目 E 愛 」 判 タ 六 七 二 号 二 三 頁 (一 九 八 八 年 ) な ど を 参 照 。 一 九八九年 O 巻 一 号 一 頁 、 一 一 巻 一 号 一 頁 、一 三 巻 一号 一 頁 ( 由 を め ぐ る 諸 問 題 (一 ) 1 (四 ) 」 香 川 法 学 九 巻 三 号 一 一貝、 一 〔 その 2〕 」法 セ 三 五五号 九 O 頁 、三 ア メ リ カ の 現 状 に つ い て は 、 石 川 稔 「 新 ・家 族 法 事 情 、 同 性 一 九 九 四 年 三 月 二 八 日 に 出 さ れ る (法 セ 四 七 二 号 三 二 頁 )。 A に と りあ げた 諸 論文 以外 に 、山 田卓 生 『 私 事 と 自 己 決 定 』五O 頁 (臼 本 評 論 社 、 一 九 八 七 年 ) 、 竹 中 勲 「 個 人 の 自 己 決 定 と そ の 限 界 」 ジ ュ リ 一 O 二 二 号 三 三 頁 (一 九 九 三 年 ) 、 戸波 江 ニ - 3 (3) (4 〉 (5 〉 6) ( 家 族 淳子 田中 二郎 62 の婚姻とみな されるとするな らば、様々 な 法効 果が与えられることにな る o こ の 点 に つ い て は 、 各州 の 上 級 裁 判 所 に お い て 、 向 性 婚 を あ ら ゆ る ③ 差別的 な 地 主の 実 態 、 お よ び ④ 「 家 族 」 の 意 味 の 狭 い 司 法 上 の 解 釈 な 々 の 要 素 が い り 交 じ っ て い る が 、 ① 排 他 的 な 地 域 法 、 ②制 限 的 な 制定 法 、 に は 、 明一 不お よ び 黙 一 不の 本 質 的 差 別 に 遭 遇 す る 。 こ の 差 別 の 原 因 は 、 種 法 律 婚 を し て い な い 異 性 愛 カ ッ プ ル ・同 性 愛 カ ッ プ ル が 家 を 取 得 す る 意 味 の 偏 見 を 持 ち な が ら 、ア メ リ カ の 婚 姻 法 で は 向 性 婚 を 禁 止 し て い る ど が 影響 し て い る 。 以 下 に 、 そ れ ら を 略 説す る 。 ( 印) という 意味を含 んでいると解釈し、向 性婚を認 めない、 という考え方を ( 日) 未 婚 の 家 族 に 家 の 売 買 B賃 貸 を 制 限 し て い る 地 域 法 令 目的 としな い婚姻 も あ るという こ とと、 国家 の期待 する家 族の機能 を、 た く な に 守 っ て い る 。 こ れ に つ い て は 、 まず 異 性 者間 の 婚 姻 で も 生 殖 を 的 結合 体であ るからな お法律上認 められる婚姻ではな い という姿勢 をか 定 性 を 損 な う 使 用 、 お よ び 伝 統 的 な 家 族 生 活 を 連 想 さ せ る 価 値 を 侵食 す )は 、 地 域 法 令 が 「 (伝 統 的 な 家 族 ) 環 境 の 安 日ιZ 印 ・ S『 国 OE 事 件 (4ND ∞- の 異 性 愛 カ ァ。フ ル に 家 族 の 地 位 を 認 め な い 。 例 え ば 2 ミ え E E O 〈- と ひ と つ の 世帯 の 機 能 の あ る 、生物 学 的 に も し くは 法 的 に 関 連 し て い る (U ) 人 」と 定 義 し て い る 。 一般 に、 その よう な 法令を 是認 す る判 決は 、 未婚 (No=日 間 己ユ E 2 2 )が あ る 。 典 型 的 な 法 令 は 、 「 家 族 」 を 「 ひ と つ の 長 (ア ) 採用 し て い る 。 こ れ ら 、 事 実 婚 に 対 し て も 批 判 的 あ る 、 と い う 裁判 所 の 姿勢 のから向性婚に対する厳しい対応がうかがえる。 これに対しても学 (臼 ) 説は 厳 し く 批 判 す る 。 同性婚も同様の機能 をになっている場合 があ る、 ということに目を向 け る 使用 」 を 閉 め だ し う る の で 、 そ れ ら が 差 別的 差 別を 含 ま な い 限 り 、 そ し か し 、 な お 、 立法 な らび に 裁判 所は 、 向 性 婚 が 生殖を 目 的 と し た 性 て、 み ぎの よ う な 国家 あ る い は 裁判 所 に 対 し て 厳 し い 批 判 が 近 時 主張さ の よう な 法令は 連 邦 保 護法に反し な いと 判 決し て いる。同 性 愛 カッ プ ル 日) ( 「 賃 借 入 し の 承 継 の 権 利 を 制 限 し て い る 制定 法 に よ っ て 、 婚 に対する家 族の地 位を否定するためにも、 同様の理由 を挙 げて いる。 (イ ) 開削し て い な い 異 性 愛 ・同 性 愛 カ ッ プ ル を 制 限 し て い る 場 合 が あ る o 承 継 の権利の決定について、判 決は、 一般に関連した制定 法を狭く解釈 して 4 れているo 同性愛 カッ プ ルと私法上 の利益 現 代 社 会 は 、 事 実 婚 ・ゲ イ お よ び レズ ビ ア ン カ ッ プ ル を ひ と つ の ラ イ フ スタ イ ル と し て 認 容 す る よ う に な っ た 。 し か し 法 制度 は 、 こ れ ら 現 代 宅 施 設 の 占 有 者は 、 占 有 者 が 死亡 し た 賃 借 入 の 生 存 配 偶 者で あ る か も し い る o 例 え ば 、 一ュ ! ヨ ー ク 市 の 賃 貸 お よ び 立 退 に 関 す る 規 則 は 、 の 家 族 構 成 お よ び ラ イ フ スタ イ ル を な か な か 認 め よ う と は し な か っ た 。 土 地 所 有 者は 、 賃借 入 の 選定 に あ た っ て 彼 等 の 好 み や 偏 見 を す る 憲 法 上 の 制 限 は ほ と ん ど な い 。 ∞『己 Z 『 〈・ 雪 印司自日叶制 事 (∞立 己・ ∞ 合 も あ る 。 賃 借 入 を 排 除 す る 土 地 所 有 者ら が 賃 借 入 を 排 除 す る 権 限 に 対 主 張 す る た め 、 ゲ イ お よ び レズ ビ ア ン カ ッ プ ル が 住 居 を 賃 借 で き な い 場 (ウ ) ゲ イ お よ び レズ ピ ア ン カ ッ プ ル に は 拡 張 さ れ な い 」 と 判 決 し た 。 ( げ) そ の 結 果 、 事 実 婚 夫 婦 お よ び ゲ イ お よ び レズ ビ ア ン カ ッ プ ル は 、 法 律 上 住 宅供 給の 問 題 一 一設を 受 け て い る か 、 と い う こ と を ① 住 宅 供 給 の 問 題 、 ② 労 働 者 の 補 償 、 (MM) ③ 不法 行 為 の 問 題 に つ き 概 要 を 紹 介 す る 。 こ こ で は 、ア メリカに お い て 同 性 愛 カッ プ ルが 現在 ど の よう な 法 的 保 の夫婦が享有する法律上の権利を否定されてきた。 くは 死亡 し た 賃借 入 と 同 居し て いた 賃借 入 の 家 族であ ると き に は 、 (日 〉 追い 立 て ら れ な い 」 と 規 定 す る 。 けれ ど も 、 若干 の 判 決 は 、 こ の 規 定 は 住 B 61 家族 法 に お け る 自 己 決 定権 島 日 (= E )) に お い て 、 連 邦 最 高 裁 判 所 は 、 人 種 的 に 制 限 さ れ た 規 約 の 司 ( 日) が あ ることに注目すべきであ ろう 。 被告 の 過 失 が 精 神 的 損害 と な る 唯 一の 原因 で あ る 場 合 に 、 ほ と んど 大 不法 行 為 の 主 張 賃借 入 が 死亡 し た 場合 にその 賃借 権 を 誰 が 承 継 す るの か 、と 多 数 の 判 決 は 、 損害 の 回 復 を 否 定 す る 。 し か し な が ら 、 若干 の 判 決 は 、 私的 な 合 意を覆 さな い傾向 にあ る。 「家 族しの意味を問 題にすることがあ る。例 3 法 上 の 効 力 は 憲 法 修 正 一 四条 を 侵害 す る と 判 決 し た け れ ど も 、 下 級 審 は 、 エ の 占 有 者は 、 そ の 者が が 死亡 し た 賃 借 入 の 生 存 配 偶 者で あ る か も し く は は、「住 宅施 設 え ば 、Z 2 〈2 rE ミ 問 。 ロ片 山口ι回〈目立 日 ロロ回 目 間口円白片山C口出 あ る 種の 精 神 的 苦痛 に つ い て 、回 復 を 認 め る 。 死 亡 し た 賃 借 入 と 同 居 し て い た 賃 借 入 の 家 族 で あ る と き に は 、 :・ :・ 立ち ( 刊日 ) ルに対 して 個人的 差別にな る。 2二時 G EE-『 D H Z2-ロロヨ唱白=凹白HHOロ』戸田U日)叩白日回目 。白吋 且 ただ、 ∞∞mlE ご 取 る 権 利 が あ る と 判 示 し た 、 注目 すべ きロ ロロO〈白ロ 〈ロロロロミ D 吋「2 用 者の 家 族 の 「 正 式 な 一員 」 で あ り 、 そ れ ゆ え 労 働 者の 保 障利 益 を 受 け が 、 死 亡 し た g Eロミ の 被 用 者 の 二 七 歳 に な る 向 性 愛 パ ー ト ナ ー が そ の 被 (唱 の 』 国 ) い 。 上 述 し た よ う に 、 そ の よ う な 認 識 は 、 ゲ イ お よ び レズ ビ ア ン カ ッ プ 者の 法 律 上 の 夫 ま た は 妻で な い 限 り 、 労 働 保 障を 受 け 取 る こ と を 認 め な 近時の諸問 題 (8 ) ( 9) ( 7) ゲ イ 同 士 、 レズ ビ ア ン 同 土 の カ ッ プ ル の い わ ゆ る 共 同 体 に つ 前 出 注 (5 ) 九 七 頁 1 九 八 頁 。 に よ って 原告 に憲法上 の 保 護を 与 え た も の であ った 。 九日 ωH巴 ・ ∞・ 主再 (2 44) こ の 事 件 は 、 家 族 の 概 念 を 広 げ る こ と 子 縁組 につ いて は 、 成年養子 縁組 に否 定 的 な こ と と 相 まって 、同 性 愛 者 (刊日 ) が 他方 に 財産 を 残 す た め の 養子 縁組 は 、 否 定 的 に 解 さ れ て い る 。 の 有 効 性 に つ い て は 、 裁 判 所 は 比較 的 好 意 的 に 判 示 し て い る 。 な お 、 養 お) ( カッ プ ルの 聞 の 契 約 と 養子 縁組 の 有 効 性 の 問 題 で あ ろ う 。 当事 者の 契 約 同 性 婚 は 、制 定 法 に よ って 引 き 起 こ さ れ る さ ま ざ ま な 障害 を 回 避 す る が 提 起 り 、 種々 の 制 定 法 が 、扶 養家 族と し て 補 償 を を 受 け取 る 権 限 の あ る 人 を ナ た め に 、 その 有 効 的 な 手 段で あ った か は 別 と して 、 い く つ か の 法 的 手 段 ビ ア ン 定 め て いる。 ところが 判 例は、「扶 養家 族」解釈 につ いて 異な った 判 決 ス 退 か な く て も よ い 」 と 規 定 す る 。 と こ ろ が 、 例 え ば 回Z 回忌日 〈・ 日Z E 〉 2 2 N(ニ Z )) は 、 死 亡 し た 賃 借 入 の ゲ イ カ M・ 〈回目。2 ・ ・事 件 (2 HZ ・ (初 ) ッ 。フ ル の パ ー ト ナ ー に 、 そ の 家 族 の 一 員 と し て の 資 格 を 認 め な か っ た 。 労 働 者の 補 償 労 働 者 の 補 償 は 、 被 用 者の 「 扶 養 家 族 」 の た め に 設 け ら れ た 制 度 で あ め 被 な (害 い 27 者 。) の ゲ イ も し く は レ を 利 用 し て き た 。 と く に 議 論 さ れ て い る の は 、 ゲ イ お よ び レズ ビ ア ン の 幻) ( 、 き刃 仙心、 判 決 は を し て い る o 若干 の 判 決 は 、 家 族構 成 員 は 「 一 人 の 長 」 の も と に 同 一の (ロ ) 家 に 往 むあ ら ゆ る 人 を 指 す 、 と 判 一 不す る o 他 の 判 決 は 、 居 住 に 関 係 な く 、 (幻 ) 血 統 に よ る 親 族 を 含 むと す る 。 し か し 一 般 に は 、 判 決 は 、 配 偶 者が 被 用 C す る 損 害 の 回 復 を け れ ど も 、 過 失 の 直 接 の 被害 者と 「 十 分 に 密 接 」 な 関 係 に あ る 原告 は 、過 失 に よ (μ 〉 (お ) っ て 侵 害 さ れ た 精 神 的 損 害 ま た は E 目白 口 内 g ロ田D Z E ヨを 回 復 し 得 る 。 判 (お ) 決 は 、 未婚 の 異 性 愛 の 配 偶 者が そ の 訴 訟 を 提 起 す る こ と を 認 め て い る 。 いう問 題が生じ た場合に 、、J 0口一 口2 2 =2 2 Z 事 件 (Z E 白昨日 吉 田白日由主 ι∞z z no自唱団口問 5 ( 2 淳子 田中 二郎 60 σ、 tn . ....) ' 時野草長国耳{曜紙..6> 'J Q (><4rl11ゃニ ユいQ照宮長申軍最��l法-j# ....:qき;二 jii;ヨヨ制(回〉千引く個。 縦穿震後�,,@:-H' ふ'1'( :Uト入区判Q ド�*従事字�WヨヨJいニ止さニ。 .J...j� .jii;ヨヨ組 (司) g(-1(]m(。 ( ::: ) í'論UQ吋小11穿ljE.....)ド二時o -Jo 捜恩W拘�-!:1 -Jo-I'(l寝苦也11 í' olI1J' Grisowold v. Connecticut飾北 I寝耳菱-U�' -<対1Q�士活必 思柑-Jo-1'(l�<inf.'�.I:、, I!!正困 (381 U. S. 479 (1965)) �' � � 今日, (劉但) f.' ��さ:ニ。 〈対111-W'b時提<inf.'�心, �4�:g'�言粗f.'� oミ〉 (�) (d). 時'Q�' Koppelman v. O'Keeffe. N.Y.L.J.. Sept. 28. 198 8. at 17 . col. 1 (N.Y. App.Ter田. July 8. 1987); Gelman Civ. Ct.); Zi田merman V. Burton 107 Misc. 2d 401. 403. v. Castaneda. N.Y. L.J.. Oct. 22.1986. at 13. col. 1 (N.Y. 434 N.Y. S. 2d 127. 128-29 (N.Y. Civ. Ct ! 980). 31- *,Q..>-6中絶黙似�' California Workmen. s Comp白nsation 3503; CONN. GEN. STAT. � P a ssini v. Abertha曹Constr. Co.. 115 A. 689 Bulloch v. United States. 4 87 F. Supp. 1078(D. N.J.1980) (1977); Whittlesey v. Miller. 572 S.W.2d 665 (1978). II玄吋�' Wood v. 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What Constitutes a "Family" Within 4年' 緩阻Q漏<in.J...j' ;t,t主嬰11ゃユド堂々�Q]$:駅11鰍�的。 (�) ( ;ヨ) (己) (ヨ) (口) ( :=: ) (�) にD 酬韓 川悦 定旧国的吋 念特υ 叔鎖ww -HH 吋申 〉 品 。 百 件 目。 ロ ロ 叫 』 ι 巴 戸件 〉 目 。 ロ 『 昌 ロ ロ ロ 白 ・ 九日帥 四 百 ・ 吋 ・ ∞ ・ N 品 明 N J『( 司制 昌 ・ 2 ・ E 白同)が あ る 〈 篠 原 光 児 「 同 性 愛 l l ア メ リ カ 家 族 法 の 一 断 面」 判 タ 六 七 二 号 ニ 六 頁 ) 。 むす び に か え て ク リ ン ト ン 政 権 誕 生 の 時 、 ホワ イ ト ハ ウ ス 前 に 三 O 万 人 の 同 性 愛 者の 保 護 を 訴 え る デ モ が く り 広 げ ら れ た 。 そ の ア メリカ に お け る 法 的 保 護 の 実 際 を 、 紙 数 の 関 係 か ら 簡 略 紹 介 し た 。 婚 姻 外 (性 的 ) 生 活 共 同 体 結 論 的 に は 、 国 家 は こ れ を 正 面か ら 認 知 で き な い 、 と い う 姿 勢 は 性愛 婚 を と りあ げた 。 に生ずる法的 問 題を考える手 が かりとして、その極端 な 事 例として の同 二 崩し て い な い 。 と は い え 、 裁判 例 の 理 由 づ けも 論 理 そ の も の と し て は 説 得力 を 欠 く 。 むし ろ 、 こ れ を 肯 定 的 に 受 け と め る べ き だ 、 と す る 学 説の 論調 は鋭い。 し か し な が ら、 具体的 な 司法上 の 救済につ いて は判 決例も M に な って い る か ら で あ る 。 そ れ を 包括 し た社 会的 問 題 ' に期待 さ れた 社 会的 機 能 が 、 今多 様な 人 と 人 と の 結 び つ きによ 前 向 き と い え る 。 そ れ は 、 な ぜ か が 間 わ れ な け れ ば な ら な い。 伝 統的 な H家 族 るn 生活 共 同 体 に 家 族 法 学 は 正 面か ら 取 組 ま な け れ ば な ら な い 。 7 淳子 田中 二郎 小島 58
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