おばあちゃんの生き方

夕暮れの音楽室
白山ふるさと文学賞
第五回 白山市ジュニア文芸賞 受賞作品
【島清部門】
小学生高学年作文の部 最優秀賞
おばあちゃんの生き方
ほそかわ
たく ま
湊小学校五年 細川 拓真
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に、
おじいちゃんとおばあちゃんが死んでしまったからです。
おじいちゃ
あちゃんの生き方について書きたいと思いました。それは、去年の八月
いたいと思いました。ビールが好きなおじいちゃんとは大きくなって、
と、泣きながらだきしめて言っていました。ぼくも、もっといっしょに
「拓真と結衣ちゃんが大人になるまで見ていたかった。
」
あちゃんは死ぬと分かって、ぼくに、
んは、春に心ぞうの手じゅつをして元気になりました。
おばあちゃんは、
いっしょにビールを飲みたかったし、旅行が好きな二人とは、もっとい
友情や生き方というテーマだったので、ぼくは、おじいちゃんとおば
六月にすいぞうがんが見つかりました。がんが見つかっても、病気だと
ろんなところに行ってみたかったです。
七月に入って、おばあちゃんはねていることが多くなり、七月は、暑
わからないぐらい元気でした。でも、おばあちゃんは、長く生きられな
いとわかったので、仕事があるお父さんは石川に残って、お母さんとぼ
いのでおばあちゃんは、自分から病院に行くと言い、七月二十日に入院
にくらすことができませんでした。だけど、病院に、ほぼ毎日、おみま
くと妹の三人は夏休みから岐阜のおじいちゃんとおばあちゃんの家でく
ぼくは、おじいちゃん、おばあちゃんといっしょに住むことは、うれ
いに行っていました。入院しているのに、ぼくと妹の背中を、かいてく
しました。ぼく達が引越しをする前に入院してしまったので、いっしょ
しかったけど、転校するのがいやだったし、おばあちゃんが死んでしま
れました。そのお礼に、おばあちゃんがいたいと言っていたおなかをな
らし、おばあちゃんのかん病をすることに決めました。
うと思ったら、とても悲しくなりました。おばあちゃんが死んでしまっ
でてあげました。つめたい足もなでてあたためてあげました。
八月に入っ
て一日だけ、おばあちゃんが家にもどってくることが出来ました。おば
たら、おじいちゃんが一人ぼっちになってしまうのも心配でした。
おばあちゃんは、早起きして田畑に行き、野菜やお米を育てていまし
いっしょに植えました。ぼくは、少し曲がってしまったけど、おばあちゃ
ていなかったので、
とっても元気で、
機械で植えつけられないところを、
去年の五月の田植えは、おじいちゃんもおばあちゃんも病気に気づい
少なくなり、ほとんど車イスでした。その車イスをぼくが押して、病院
足は、細くなっていました。病院にもどってからは、自分で歩くことは
おばあちゃんは、いつものように、背中をかいてくれました。でも手や
を食べることは、できなかったけど、その夜は、いっしょにねました。
あちゃんは、ごはんが食べられなくなっていたので、いっしょにごはん
んは、まっすぐきれいに植えていました。田んぼの中は、歩きにくいの
の外に出て、お盆の花火大会をいっしょに見ました。ぼくが生まれてか
た。ぼくも、田植えや稲かりを手伝っていました。
にじょうずに植えていて、すごいなあと思いました。
ら、毎年この花火大会をおじいちゃん、おばあちゃんと見てきました。
花火大会が終わってから、だんだんとしゃべるのが少なくなり、ねる
田植えが終わって六月の初めに、がんが分かって、おじいちゃんの時
「こうがんざい」という治りょうで治るがんもあるけど、おばあちゃ
ことがさらに多くなっていきました。そして八月二十九日に、死んでし
こ れ がい っ し ょ に見られ る のが 最後 だとぼ くが 思っ た よう に 、お ばあ
んの「すいぞうがん」は、病気が進んでいたので治すことができません
まいました。おばあちゃんが願っていたように、いたいと言うことなく
みたいに、手じゅつもできないし、治らないと知って、田植えの時、あ
でした。おばあちゃんは、
苦しむことなく、ねむるように死んでいきました。ぼくは人が死んでい
ちゃんも最後だと思って見ていたと思います。
「治らないのに、つらいこうがんざい治りょうはしない。
」
くのを初めて見ました。ねているようで、気づきませんでした。おじい
んなに元気だったのが信じられなくて、なみだが止まりませんでした。
と言って、できるだけいたみを少なくする治りょうを選びました。おば
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ちゃんは、その一週間前にたおれて、とつぜん死んでしまいました。
もうすぐ一年たつけど、おじいちゃんのおいしそうにビールを飲むす
がたや、おばあちゃんのふざけて泣くすがたを思い出します。ぼくは、
大人になっても、おじいちゃんとおばあちゃんのことをわすれません。
最後にすごした夏のこともわすれません。
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おばあちゃんの生き方