全道大会に出場して - 石狩ジュニアバスケットボール連盟

全道大会に出場して
千歳市立向陽台中学校
畑中 一角
全 道 ベスト8で札 幌 中 央 中 学 校 に完 敗 でした。向 陽 台 の良 さをもっと発 揮 させてやりたか
ったという気持ちが強く、指導者の責任を感じています。まだまだ勉強の足りない身ですが、
石狩ジュニアバスケットボール連盟からせっかくいただいた機会ですので、向陽台中のこれ
までの取り組みについて、報告させていただきたいと思います。
私は3年前に向陽台中へ転勤となりました。始めて練習を見たとき、チーム全員の運動能
力の高さ、ボールハンドリングの良さに驚かされました。そして何 よりも感心したのは、バスケ
ットボールを心 から楽 しんでプレーしている点 です。決 して真 剣 でない訳 ではありません。
1つ1つのオフェンスやディフェンスに対して「負けるものか!」という気持ちを出して練習して
います。バスケットボール大好き集団という言葉がぴったりかもしれません。
どんな試 合 の、どんな時 間 帯 (例 え、苦 しいときでも)でもバスケットを楽 しんで、自 分 たち
の良さを発揮できるように成長させることが、私の課題だと感じたことを覚えています。
上の課題を胸に刻み、昨年度からメインの指導者として試 行錯誤を始めました。チームの
基本的な考えとして、①オフェンスは4メンアウト1インの形でスタックを組むことを基点とする、
②オフェンスはポストにボールを入れること、あるいは、ムービングレシーブからぺネトレイトを
することにより1度 、相 手 ディフェンスを縮 めてから連 続 して攻 撃 する、③ディフェンスはマン
ツーマンディフェンスにより相手オフェンスにプレッシャーをかけてドリブルをさせる、④ドリブ
ルをさせた相手オフェンスをヘルプディフェンスのいる密集地に追い込み、苦しいシュートを
打たせてリバウンドを取る、あるいはルーズボールが生まれる状況を作る の4点を掲げ、練
習 してきました。新 人 戦 や練 習 試 合 を行 う中 でオフェンスのリズムが乱 れてゲームの流 れが
悪くなることが多かったため、5人の意思(意志)を合わせて攻められるように、秋冬はオフェ
ンスの練習に重点を置きました。特に、2対2から合わせて攻める練習を数パターンと、3対2
や4対 3などアウトナンバーからあえてぺネトレイトをしてノーマークの2人 へ合 わせる練 習 を
多く行いました。
南大会や服部杯では、練習してきたことが少しずつ発揮され始めたように思います。オフェ
ンスの大きな崩れのないことが、1対1のディフェンスの粘り強さにもつながり、オフェンス・ディ
フェンスのよい連 鎖 が生 まれました。常 に向 陽 台 の前 に立 ちふさがった恵 明 中 学 校 との対
戦でも、南大会では、負けたものの管内新人戦で破れたときより差を縮められたと感じました
し、服 部 杯 では相 手 のキャプテンの吉 田 君 がケガで出 場 できなかったこともあり4点 差 で勝
つことができ、チーム全員が自信を深められました。
服部杯後は、恵明中戦で70点取られたディフェンスを強化することを主な課題として練習
に励みました。2、3線のポジション、2線目をディナイディフェンスにしたときの手の使い方や
ポジション、1線目が遅れてもクローズアウトをしてしっかりとプレッシャーをかけること、ディレ
クションを正 しく行 うことなどです。また背 の高 いチームではないので、リバウンドを含めたル
ーズボールを1度弾き、弾いたボールを取る練習もしました。恵明中学校に勝って全道大会
に出るために、さまざまな対策を考え、準備をしてきたつもりです。その結果が管内中体連の
優勝につながったと思っています。
ただ、もっと身につけるべき「習慣」があるというジレンマを常に持っていました。オフェンス
やディフェンスにおいてボールに直 接 関 わっていない選 手 の動 きやポジションニング。プレ
ー以外の礼儀やものの考え方など。結局、それらの習慣のなさが、どんな試合の、どんな時
間帯でも約束事を「徹底」できるチームの実現を妨げてしまったと今、改めて感じています。
敗 因 が先 になってしまいましたが、全 道 大 会 の様 子 についても若 干 書 かせていただきま
す。1回戦、稚内南中学校に勝利できたものの、2回戦は最大の山場と考えていた、札幌中
央中学校戦でした。札幌市の中体連をスカウティングしましたが、速攻などディフェンスを突
破 するスピード、オフェンスリバウンドやその他 、接 触 時 におけるパワーに対 して、向 陽 台 の
得 意 とするマンツーマンディフェンス、または今 までのゾーンディフェンスだけで対 応 するの
は難しいと考え、マッチアップゾーンを準備して試合に臨みました。
1クォーターはマンツーマンでスタートしました。相手の4番にオフェンスリバウンドを取らせ
ないようにセンターの選手をマッチアップさせました。序盤、相手の5・6番のスピードに対応
できず失点やファールを重ね、ヘルプを意識するあまり4番にオフェンスリバウンドを取られる
という厳しい展開となりました。タイムアウトを取り、ディフェンスの変更を指示し、マッチアップ
ゾーンとしました。最初は相手もやりにくそうにしていましたが、うまく対応され始め、11-21 で
1クォーターを終了しました。2クォーターの開始時、ディフェンスをそのままマッチアップゾー
ンとしました。苦しいシュートを打たせてリバウンドを頑張ること、仮にシュートを決められても
簡単に諦めず我慢することを伝え、選手を送り出しました。しかし、ディフェンスの徹底ができ
ず、すぐに2度目のタイムアウトを取ることになってしまいました。タイムアウト後もリズムを変え
られず、結局 24-57 で2クォーターを終えました。どのクォーターも20点以上の失点があり、
63-95 の完敗となりました。
最 初 にも書 いたように、向 陽 台 の良 さをもっと発 揮 させてやりたかったという思 いを強 く持
っています。選 手 の頑 張 りはもちろん、保 護 者 や卒 業 生 の親 など地 域 の方 、外 部 コーチの
細 越 さんなどに支 えられて全道 大 会 に出 場 できました。せっかく出 場 できたのだから、選 手
を筆頭とした向陽台パワーをもっともっと全道に伝えたかったと残念な気持ちで一杯です。
最後になりますが、練習試合を快く引き受け、指導までして下さった旭川西高校、恵庭南
高 校 、駒 澤 苫 小 牧 高 校 、札 幌 平 岸 高 校 の皆 さん、本 当 にありがとうございました。ムービン
グレシーブやリバウンド、オフェンスの作り方について丁寧に教えていただき大変参考になり
ました。全 道 壮 行 試 合 を企 画 して下さった専 門 委 員 のみなさんや、2年 選 抜 ヘッドコート北
村先生、1年選抜ヘッドコーチ金山先生を始めとした先生方にも感謝の気持ちで一杯です。
選抜の大会を終えて帰ってきた後の選手たちの成長には目を見張るものがありました。また、
昨年度まで一緒に指導させていただいた高橋先生にはたくさんのことを勉強させていただき
ました。さまざまな人たちのお陰で、良い経験をさせてもらいました。
来年も、もう一度、石狩代表チームとして全道大会を戦えるように、向陽台の良さをどんな
試合の、どんな時間帯でも発揮できるように、工夫を重ね、頑張りたいと思います。