1.土地利用と市街地整備の方針

第2節 都市づくりの部門別方針
1. 土地利用と市街地整備の方針
(1) 土地利用の方針
① 土地利用の基本方針
〔広域拠点エリアの設定〕
富士吉田市の都市計画において、既に市街地を形成している地域の内、富士急行線の
3つの駅(富士山駅、月江寺駅、下吉田駅)、既存の商業地域、都市計画道路「赤坂線、
赤坂小明見線、富士通り線」の沿線地域で囲まれたエリアを富士北麓地域の中枢業務機
能、高次の医療、多様なニーズに対応した教育、文化、商業等の都市機能を担う、広域
拠点エリアと定めます。
広域拠点エリアにおいては、国際化、情報化の進展、ニーズの多様化といった近年の
社会情勢の変化にも積極的に対応しながら、世界文化遺産登録を目指す富士山とそれに
関連した資産との調和に配慮し、富士・東部広域圏域を牽引する広域拠点にふさわしい
都市的空間の質的向上を図ります。
さらに山梨県全体の自立的発展を図るための拠点として、積極的な既存ストックの更
新や新たな都市基盤整備、さらなる都市機能の集約、広域的な交通アクセスの維持・強
化を図ります。
〔広域的都市機能誘導エリアの設定〕
広域拠点エリア内において、既存の商業地域及び周辺の近隣商業地域並びに広域的な
幹線道路である都市計画道路富士見通り線と県道山中湖忍野富士吉田線が交差する場所
を中心とした富士見バイパス沿線を広域的都市機能誘導エリアと定め、富士北麓地域の
都市機能のさらなる集積を図ります。
広域的都市機能誘導エリア内においては、必要に応じて大規模集客施設の立地を可能
とする用途地域の指定を検討していきます。
なお、広域的都市機能誘導エリアの設定に伴い、エリア外に点在する大規模集客施設
が立地可能なエリアについては、それぞれの土地利用の方針に沿った利用形態となるよ
う大規模集客施設の立地を制限することを含め検討していきます。
〔自然的土地利用と都市的土地利用の調和〕
自然公園法により富士箱根伊豆国立公園の特別地域・普通地域に指定された富士山麓
の枢要な自然環境と、これに隣接する北富士演習場、富士のすそ野に展開する都市的土
地利用の相互の調和を図るために、新たな市街地の拡大は極力避け、既成市街地の整備
や土地の有効利用を優先するような用途地域の指定、特定用途制限地域などの白地地域
への建築規制の指定などを検討します。また、市域の一定比率を占める国公有地につい
ては、地域住民との協働に基づき、関係機関との協議を図りつつ、適正な利用形態を検
70
討し、多目的利用、有効利用を促進します。
併せて、市街地(用途地域指定区域)内に残された農地山林や空閑地などの低未利用
地は、地区の特性を踏まえ、緑地の保全を図るとともに、空き地・空き家などは緑地へ
の転換も視野に入れ、宅地としての良好な環境を創出します。
〔産業の活性化に向けた産業系土地利用の展開〕
産業の活性化を図るため、次項で述べる「土地利用区分別の配置誘導方針」に従って
地区の特性にあった機能集積を誘導し、系統的な整備を促進していきます。鉄道駅周辺
や幹線道路沿道などの広域的な拠点機能を形成すべき地区については、高次都市機能の
立地を誘導し、土地の高度利用を促進します。
〔幹線道路整備と一体となった沿道土地利用の促進、整序〕
富士見バイパス等の幹線道路交通を活かした沿道への商工業等の土地利用の立地動向
等に鑑み、幹線道路沿道の計画的な土地利用の促進及び整序を重点的に進めます。
〔地域の特性に即した地元の協力による細やかな土地利用誘導〕
地域の特性に即した適正で合理的な土地利用を図るためには、地元地権者の協力が不
可欠であり、用途地域などの普遍的な土地利用規制に加えて、地元主体の独自の土地利
用・開発・建築のルール等の策定、運用を奨励・支援し、必要に応じて地区計画などの
法定計画を決定して、きめ細かな土地利用誘導を行います。
実施したアンケート調査結果から
自然的土地利用と都市的土地利用の調和
住宅地を確保する方法として、「市街地の空地などを活用する」が最も多く4割
を占めます。一方、
「農地や森林などで宅地造成を行い、新たな住宅地を造成する」
は少なくなっています。
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5.1
15.6
80%
0.9 4.7
100%
住宅地を確保する方法
71
② 土地利用区分別の配置誘導方針
〔中心商業市街地〕
鉄道駅を結び、公共交通網の基軸となる、都市計画道路吉田本通り線沿道(金鳥居周
辺~下吉田駅)
、国道 137 号沿道(富士山駅周辺)
、月江寺駅前、都市計画道路月江寺大
明見線沿道(月江寺駅~市役所前交差点)の商業地域及び近隣商業地域を、本市の都市
生活の中心となる中心商業市街地と位置付けます。
併せて、歴史的な蓄積を踏まえ、景観に配慮しつつ、高齢社会の進展に対応した拠点
地区として、商業機能と生活機能が融合し、生活しやすく、また市民が集い、広域から
も人が訪れる地区として、各種ソフト事業の展開、都市機能の誘導を促進し活性化を図
ります。
〔広域都市機能市街地〕
都市計画道路富士見通り線と県道山中湖忍野富士吉田線の交差部分を中心として、富
士見バイパス沿線に、富士北麓地域を対象とした都市機能の集積を図り、広域からも人
が訪れる拠点として、国際化、情報化の進展に対応した中枢業務機能、多様なニーズに
対応した教育、文化、国際交流、商業等の都市機能の集積を図ります。
〔近隣商業市街地〕
中心商業市街地に囲まれた、都市計画道路月江寺大明見線、中央通り線、赤坂線及び
昭和通り線沿線と吉田本通り線沿道(金鳥居上~上宿交差点)を近隣商業市街地に位置
付け、小売商業やサービス施設などの生活支援施設の集積を図ります。
なお、都市計画道路吉田本通り線沿道の金鳥居から北口本宮冨士浅間神社の間は、御
師の歴史を活かしたまちづくりとして、歴史的な資源を保全するとともに、魅力ある観
光商業施設の集積を誘導します。
〔沿道サービス・業務市街地〕
中心商業市街地、近隣商業市街地とともに、広域都市軸を形成する国道 139 号及び 138
号(旧鎌倉往還)等の幹線道路の沿道及び拠点エリア内の幹線道路沿線を、自動車交通
の利便性をいかした沿道型産業・土地利用の集積する沿道サービス・業務市街地に位置
付け、計画的な土地利用の誘導、整序を図ります。
〔中密度複合住宅市街地〕
拠点エリア内における中心商業市街地及び近隣商業市街地で囲まれた市街地を中心と
した地区は、一定密度の住宅と商業施設などが複合した中層住宅への更新整備を許容す
る中密度複合住宅市街地に位置付け、防災性・基盤整備水準の向上、土地の高度利用を
伴う建築の更新整備を誘導します。
72
〔一般住宅市街地〕
家内工業や流通施設の混在する、新倉・大明見・小明見・富士見町・東町・下の水の
既成市街地及びその周辺の地区を、地区内外の工業生産・流通機能の複合した一般住宅
市街地と位置付け、相互の環境の融和を図るとともに住環境の改善を図ります。
〔低密度専用住宅市街地〕
国道 137 号以南の一定の空閑地を残す住宅市街地及びその周辺の地区を低密度専用住
宅市街地として良好な環境の整備、保全を図ります。
〔工業・流通・業務市街地〕
既存の工業・物流施設用地や工業・物流系の土地利用が想定されている空閑地を多く
残す地区について、市街地南側の東富士五湖道路までを工業・流通・業務市街地に位置
付け、新規ICの開設、広域的な自動車交通の利便性を活かした工業施設や物流施設な
どの立地誘導・整備を図ります。
〔大規模公園緑地〕
広域公園である富士北麓公園、北口本宮冨士浅間神社・吉田口登山道・諏訪の森自然
公園(富士パインズパーク)一帯、明見湖公園周辺、市街地内の一団の緑地を大規模公
園緑地に位置付け、市民の憩いの場、自然環境や富士山の景観を活かした環境学習、レ
クリエーション、観光の場として保全・整備を図ります。
また、防災上の位置づけを再検討して避難場所の整備や物資備蓄等の対応を図ります。
〔研究業務・文化交流施設地〕
環境科学研究所や生物多様性センターを中心に、周辺の環境との調和を図りつつ、既
存の研究業務機能の維持・増進を図ります。また、富士山麓の枢要な自然環境及び景観
の保全を図るため、必要に応じて特定用途制限地域などの都市計画の指定を検討します。
〔観光交流施設地〕
リフレふじよしだ周辺は、本市の玄関口のひとつでもあり、人々の交流の場として整
備してきていることから、観光交流施設地として今後もその機能の充実を図ります。ま
た、県内唯一のテーマパークである特殊な大規模集客施設が存在する、河口湖インター
チェンジ及び富士急ハイランド駅周辺についても、観光交流施設地に位置づけ、当該施
設の用途に限定して既存不適格を解消し、その立地を許容する土地利用を図ります。
〔農村集落地〕
上暮地、明見、上吉田の一団の農地及びこれを背景とした集落地については、農業生
産環境の保全を図るとともに、集落の生活環境の改善整備を図ります。
73
〔保全山林〕
富士山の裾野に広がる樹林地、明見及び上暮地、新倉の山林などを保全山林に位置付
け、森林法、農振法、自然公園法など他法の土地利用規制により保全を図ります。
また、風致地区などの地域制緑地の指定運用を検討し、その山林土地利用、環境・景
観の保全・活用を図ります。
74
■土地利用方針図(素案)
N
至 西桂、都留
凡 例
中心商業市街地
広域都市機能市街地
近隣商業市街地
沿道サービス・業務市街地
中密度複合住宅市街地
(仮称)富士吉田北スマートIC
一般住宅市街地
低密度専用住宅市街地
工業・流通・業務市街地
大規模公園緑地
研究業務・文化交流施設地
観光交流施設地
農村集落地
保全山林
至 富士河口湖
至 忍野
河口湖IC
至 富士宮
富士吉田IC
至 山中湖
凡 例
自動車専用道路
国
道
県
道
市道(幹線道路)
鉄道・駅
市役所
土地利用方針図
75
実施したアンケート調査結果から
今後の商業のあり方
今後の商業のあり方は、
「食料品や日用品など、普段の買物に便利な、身近な商
店街を充実・活性化させる」が最も多く半数近くを占めます。
これに「ショッピングセンターやディスカウントストアなど、車での利用に便利
な幹線道路沿いへの商業施設の立地を誘導する」、
「駅の周辺などにデパートや文化
施設などを集めて拠点となる商業地をつくる」が続きます。
このように、駅前や郊外の商業施設も望まれているものの、身近な商店街の活性
化を望む意見が多くなっています。
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27.9
44.9
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40%
60%
1.9
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80%
100%
今後の商業のあり方
実施したアンケート調査結果から
土地利用や建物の建て方
土地利用や建物の建て方については、農地や山林と開発との調和や、住宅と工場
との調和を図り、健やかな生活環境の形成が求められています。
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15.4
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8.5
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土地利用や建物の建て方
76
無
回
答
そ
の
他
13.0
80%
8.4
1.1 4.7
100%
(2) 市街地整備の方針
① 広域的な拠点となる市街地の更新整備
広域拠点エリアには、中枢業務機能、高次の医療、多様なニーズに対応した教育、文
化、商業、福祉等の都市機能の集約を図り、既存都市機能の更新時には引き続き広域拠
点エリア内での立地を促します。
また、国際化、情報化の進展、ニーズの多様化といった近年の社会情勢の変化にも積
極的に対応しながら、世界文化遺産登録を目指す富士山とそれに関連した資産との調和
に配慮し、富士・東部広域圏域を牽引する広域拠点にふさわしい都市空間の質的向上を
図ります。
② 暮らしの利便性、安全性、防災性を向上する既成の市街地の更新整備
既成市街地については、建築物の建替え等に合わせて徐々に道路や排水路などの基盤
施設を拡充整備し、都市の暮らしの利便性、安全性、防災性を向上する環境改善を図り
ます。
富士山駅周辺地区、月江寺駅周辺地区や吉田本通り沿道地区などの中心商業市街地で
は、歴史的な蓄積を踏まえる中で、人口減少、核家族化、単身化、高齢社会の進展など
に対応して、商業機能と生活機能が融合し、生活しやすく、また市民が集い、広域から
も人が訪れる地区として、にぎわいのある商業拠点の再生を図り、駅前広場や歩行空間
の確保、耐震化の促進などの市街地基盤を整えます。
また、高齢化の進展などに対応するため、中心市街地への誘引や新たな観光交流への
活用も踏まえた公共交通のあり方について検討していきます。
これらの中心商業市街地に隣接する複合住宅市街地では、沿道の建築物の建替え、共
同化を進めながら未整備の幹線道路の整備を促進して市街地の骨格的な基盤としていき
ます。また、主要な生活道路と排水路の系統的、計画的な整備を推進します。
道路整備に合わせて、公園緑地、広場の用地を確保し、地域の市民が使いやすい公園・
広場を市民の協力を得て整備していきます。
また、市街地(用途地域指定区域)内に残された緑地の保全などにより、防火のため
の一定の空地を確保し、空き地などの緑地への転換も視野に入れ、防災性を踏まえた良
好な環境を創出します。
③ 幹線道路整備と連動し富士の環境と調和する市街地の開発整備
未だ、密度の低い市街地の基盤整備や新たな市街地の開発整備にあたっては、自動車
交通の利便性を確保する幹線道路の整備と連動する開発整備、富士の清らかで緑豊かな
環境への負荷の少ない計画的で低密度な開発整備を誘導し、都市的土地利用と自然的土
地利用が調和し、良好な景観に配慮した市街地の整備を図ります。
幹線道路整備にともない、産業の立地が進む地区では、適正な沿道街区の形成と中心
商業市街地と役割分担した計画的な土地利用の誘導を図ります。
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農地などの空間地を多く残す低密度な市街地では、幹線道路につながる取り付け道路
や公園緑地などが確保された面的な基盤整備を進めるとともに、農地などの自然的土地
利用の保全を図り、環境良好な住宅市街地を形成していきます。
実施したアンケート調査結果から
市街地整備の方針
「今のところにこのまま住み続けたい」と「富士吉田市を離れるかもしれないが、
最終的には戻ってきたい」と回答した方に、住み続けたい理由を聞いたところ、
「自
分または家族が所有する家があるから」、
「生まれ育った場所だから」が多くなって
います。
そのほか、職場、自然、子ども・親などとの同居、住環境が理由であるという回
答が比較的多く、都市づくりの面で、これらの都市の魅力について、さらに充実を
図ることが必要です。
一方、
「買い物」、
「医療施設」、「公共交通」等については、他の項目に比べて回
答が少なく、これらの魅力向上を図ることが必要です。
0%
20%
40%
60%
自分または家族が所有する家があるから
68.5
生まれ育った場所だから
54.3
職場が、富士吉田市内または市周辺にあるから
13.5
自然が多いから
8.9
子ども・親などと同居するため
8.0
周辺の住環境がよいから
7.3
買い物が便利だから
2.7
医療施設が整っているから
2.5
公共交通が便利だから
1.1
家賃が安いから
0.9
その他
無回答
2.3
0.9
住み続けたい理由
78
80%