HOPSTEP 北海道大学公共政策大学院院生協議会広報 Vol.1 No.5

HOPSTEP
北海道大学公共政策大学院院生協議会広報 Vol.1 No.5
目次
・シンポジウム、開催間近です!
・講義雑感1-「国際政治経済政策事例研究(グロ研)」
・日ハム優勝を記念して
・講義雑感2-「法政策ペーパー技能演習Ⅰ」(特別寄稿)
・私の仕事・インテリアコーディネーター
シンポジウム委員会
大松絢子
井上 丹
阿部拓也
藤井祐子
============================================================================
シンポジウム、開催間近です!
シンポジウム委員会より
来る12月2日(土)
、クラーク会館にて、院生協議会主催のシンポジウムを開催いたします。
シンポジウムの概略に関しては、皆様ご存じのことと思います。そこで、今回の HOPSTEP では、
シンポの魅力や運営に関して、お知らせいたします。
「北海道(フロンティアスピリット)の再生―自律ある地域のための道州制」
日時・場所等:12月2日(土)13:00∼16:30 クラーク会館大講堂にて
今回のシンポジウムの魅力は、①テーマがタイムリー ②院生発表という企画の珍しさ ③充
実したゲスト の3点です。(もちろん、他にもたくさんありますが・・・)
①のテーマについては、今国会で道州制特区法案が可決見通しで、まさに今が旬の話題かと思
います。②については、先日行われた院協主催の研究会で、皆さんから色々な意見が挙げられて
いましたね。
(例;Sさんの「院生という立場からしか出来ない発表は魅力的」)③についても、
当日は西尾先生を始めとして、道外の著名な方々から、お話をたくさん伺えることと思います。
皆様には、シンポジウムの円滑な運営のため、ご出席・ご協力をお願いいたします。また、大
勢の方に来場していただけるよう、身近な方への広報活動をよろしくお願いいたします。
P.S.週末のお天気が少々心配ですので、天候の回復祈願もお願いいたします(笑)!
============================================================================
講義雑感1―国際政治経済政策事例研究(グロ研)
HOPS1年
大松絢子
国際政治経済事例研究、別名グローバリゼーション研究会についてお話します。
この事例研究は、毎回多彩なゲストをお呼びし、その方々のお話をチャタム・ハウス・ルール
=オフレコで伺うという形式で進みます。ゲストの方がいらっしゃるのは5限目で、4限目はそ
のための予習ゼミを行っています。講義名に「国際」とついてはいるのですが、取り扱うテーマ
は米軍再編や平和構築から、情報技術政策、エネルギー関係まで多岐に渡ります。初めて触れる
テーマも多く、4限目のゼミで少しでも知識を入れておくことが5限目を有意義にすることにつ
ながります。また、11 月 28 日現在、6人のゲストにお会いしましたが、どの方も第一線でご活
躍されており、話の濃度は毎回とても密なものとなっています。ともすると置いていかれそうに
なるのを、必死についていかなければなりません。この講義が開講されている金曜日の夕方は、
1
常に精神的疲労との戦いです。
毎回 19 時過ぎに及ぶ講義時間の長さ、予習文献の厚み、最終レポートの量など、どれをとって
も事例研究の中で1、2を争うため、グローバリゼーション研究会の略称である「グロ研」は「グ
ロい研究会」の意味も含んでいると、院生のあいだではもっぱらの評判です。実際、3日間で英
語 52 ページ、日本語 416 ページという、どう考えても物理的に読破は不可能な課題が出たことも
ありました。ただ、このような課題が出されたら、課題を出した人の意図も酌んで目の通し方を
工夫しなさいというのが宮本先生の弁です。ちなみに、上記の3日間で 468 ページの課題は、文
部科学省、経済産業省、米の The House Committee on Science それぞれの文書の形態から、各省が
どのような目的を持ってこれらの文書を作成しているのか、ひいてはそこから省体制の内実を読
み取ってきなさいという意図があったそうです。
自分の思い通りにいくことは極端に少ない。それを、社会に出る前にひしと実感させてくれる
事例研究です。実際の講義以外でも学ぶことが多く、単位以上に得られるものがあると思います。
4、5限とも外部の方でもウェルカムなので、これを読んで興味をもたれた方は、ぜひ一度のぞ
きにきてはいかがですか?
自己紹介:北大法学部卒。平成 18 年 10 月に家庭裁判所調査官補に採用が内定し、2年間の研修を経た後、平成
21 年度より家庭裁判所調査官として勤務予定。家事事件に携わることを希望。
※先日、札幌市内にて、日ハム優勝パレードがありましたね。見に行かれた方も多いのではない
でしょうか?今回は、HOPS2期生の中でも、生粋の野球好き・井上さんに、日ハム優勝記念のご
寄稿をいただきました。
北海道日本ハムファイターズ優勝を記念して
HOPS1年
井上
丹
2006 年、北海道日本ハムファイターズは、パ・リーグ 1 位通過、プレーオフ優勝、日本シリー
ズ優勝、アジアシリーズ優勝の 4 冠を達成した。特に日本シリーズ優勝は 44 年ぶりとなる快挙で
あった。
私が日ハムファンになったのは 2004 年、日ハムが北海道に移転してきたときである。もともと
特にどこのファンでもなかったし、せっかく札幌ドームに野球を観に行くのなら、心から応援し
たほうが楽しいと思ったからである。最初は有名な選手しか知らなかったが、毎年 4、5 回はドー
ムに観戦に行き、選手の名前も積極的に覚えていくようになった。2004 年はプレーオフ出場を果
たすも 3 位、2005 年は不調で 5 位という成績だったせいか、それほど北海道で日ハムが盛り上が
ったという記憶は無い。
そして 3 年目の 2006 年、開幕戦で札幌ドームが約 4 万 3 千人の満員になった。これは日ハムが
様々な企画を考え、新庄を中心とした選手たちのパフォーマンスなどファンサービスの向上が効
果的だった。また今年は打撃、投手とも好調を維持したため、前半戦で何度か首位になり、後半
戦は常にトップクラスに居続けた。この強さの特徴は、球団フロントとヒルマン監督率いる選手
たちの両輪がかみ合い、若い力とベテランがうまく融合し、シーズンを通してほぼスタメン選手
が定着していたことや、個性光るプレーなどたくさんある。日ハムの応援はとてもユニークで、
小笠原のイルカや、セギノールのバナナ、稲葉のジャンプなど、応援に参加する楽しさもある。
それほどファンではなかった人でも、札幌ドームに行くことで、野球観戦の楽しさと選手の名前
を覚えていく。この強さとファンサービスで、自分みたいな野球好きだけでなく、子供も女子高
生もおばさんも高齢者も札幌ドームでは多く見かけた。さらに地元の商店街や、スポンサーであ
る北海道の企業にも日ハムフィーバーは広まり、いまや至る所で日ハムのポスターを見かける。
巨人戦しかやっていなかったテレビ中継も、プレーオフ、日本シリーズはすべて中継した。日本
2
一決定戦では瞬間視聴率が 73%強に達し、北海道がひとつとなったといえる。
野球ファンとして、この年に北海道にいたことは自慢になった。また、日ハムの活躍が北海道
の経済回復の活力源となることを願いたい。
自己紹介:1983 年青森県生まれ。北大工学部土木工学科卒業。主な活動として夏場は野球と飲み会、冬場はスキ
ーと飲み会。最近は大学院で宴会部長的な仕事を行っている。
============================================================================
講義雑感2―法政策ペーパー技能演習Ⅰ
(特別寄稿)阿部拓也
前号の HOPSTEP で、実施しました「就活アンケート」を覚えていらっしゃいますか?その中
から、今回は、2年生の方にとても好評だった「法政策ペーパー技能演習」をご紹介いたします。
同講義を受講されている阿部拓也さんによると、講義は、
「①課題を提出→②荒田先生による添
削&提出されたものを、受講者で読み合う→③添削をふまえて推敲→④再提出」という流れで行
われているそうです。阿部さんから、講義の課題として制作・発表されたレポートを、特別にご
寄稿いただきました。
法政策レポート(日本ハム・改訂版)
∼優しい北海道・そして強く生きるんだ北海道∼
HOPS1年 阿部拓哉
男は強くなければ生きていけない。しかし、優しくなければ生きていく資格がない。 こ
れは、レイモンド・チャンドラー氏の本の中の言葉である。これは地域においても当てはまる
と思う。つまり、 地域は強くなければ生きていけない。しかし、優しくなければ生きていく
資格がない。 のである。北海道はこの 優しさ が満ち溢れている。それは道外から来た僕自
身が感じたことでもあり、他に賛同者もいるからだ。つまり北海道は 生きていく資格がある
地域であり、日本にとっても必要なんだ!
では北海道は 強さ を兼ね備えているだろうか。確かに、日本ハムファイターズの優勝によ
り、強さがあるように感じる。しかし、北海道特例による国からの手厚い保護、財政力指数は 0.35
と全国の中でもほほ最下位、域外収支でも約 2 兆円の赤字、と地域的にいま一つ 強さ を感じ
られない。
では、北海道が生き残っていくための解決策はないのだろうか?いえいえ、ありますとも!そ
れは日本ハムが教えてくれたんだ!
それは、日本ハムが日本一になり、道民に やってみよう という意識が高まったことだ。た
かが意識と馬鹿にしてはいけない。起業する際にもっとも重要とされるのが、 やってみよう と
いう気持ちだからだ。具体例を出してみると、静岡県西部は やらまいか(やってみよう) の精
神が盛んである。そのために、ホンダ、ヤマハ、スズキといった世界的な大企業が生まれた。そ
して、静岡県西部だけで工業出荷額は約 2 兆円と、北海道全体の農業出荷額(1 兆 8 千億円)を
上回っている。気持ちは数値では測れない。しかし、確かに重要なのだ。ここで北海道も、どさ
ん子魂を見せ、北海道が得意とする分野で今以上の起業をするべきである。そのためには起業家
の気持ちだけでなく、大学などの支援が必要となってくる。例えば北海道の大学発ベンチャー数
はまだ全国 6 位である。そのために全国 1 位を目指し、北海道 TLO や大学の諸機関のさらなる強
化が必要となってくる。
日本ハムは、日本一など当初誰も想像できなかった中、今期優勝を果たした。このことは北海
道経済にもいえるのではないか?北海道は、将来的に誰もが予想しない経済発展を成しうるので
ある。
このようにして、日本ハムの優勝により北海道に足りない 強さ の解決策の糸口が見出され
3
た。そして、将来的に北海道は、 強さ と 優しさ の両方を兼ね備えた日本に必要な地域にな
っていくのだ。
※HOPS2年生・社会人学生の藤井祐子さんから、ご寄稿を頂きました。お仕事をされながら、大
学院で学んでいらっしゃる藤井さん。
「インテリア・コーディネーター」って、どんなお仕事なの
でしょうか??
私の仕事―インテリアコーディネーター
HOPS2 年
藤井祐子
戦前はデザインを「図案」といい、戦後は「意匠」になり、今はデザインと言う言葉が定着してい
ます。インテリアという言葉は、今では、市民権を得ているようですが、昭和40年代では、通
産省の雑貨課の所管で、テキスタイル、家具、壁材、敷物、照明器具など、縦割りで管理され、
全く地位の低い産業であったそうです。
そこで、昭和48年に通産省にインテリア産業振興会対策委員会ができ、その10年後、社団
法人インテリア産業協会による「トータルインテリアのコーディネーション」のコンサルティング
技術を持つ専門家の育成を目指し、インテリアコーディネーターの資格試験制度ができました。
カーサブルータスなどの雑誌で分かるように、インテリアの大きなポイントは家具ですが、かつ
て地方自治体の学校建設では、家具には予算がつかず、安物で済まされてきた歴史もあります。
安物に慣れると、いいものが分からなくなる怖さがあります。今から20年以上前は女性の仕事
に年齢制限の壁が大きかったので、コーディネーターの資格はすごい人気でした。
そんな中で、インテリアの設計や商品選びのお手伝いをしてきましたが、私の興味は、インテ
リアから、その外の景色、つまり景観に広がり、建物の歴史や交通、技術の進歩と、社会の変化、
都市形成過程など、収拾がつかない広がりになってしまいました。本業を忘れないように、時々
自分を戒めている次第です。
============================================================================
○ お知らせ&編集後記
今回は、シンポジウム前ということもあって、皆様お忙しい中で、ご寄稿をいただきました。
広報活動へのご理解・ご協力、本当にありがとうございます。
HOPSTEP第 5 号、広報活動へのご意見・ご感想をお待ちしております。また、今回の記事に関
しては(野球関連など)
、寄稿いただいた方と、個別にお話をしても、楽しいのではないでしょう
か?(広報アドレス:[email protected])
============================================================================
HOPSTEP 北海道大学公共政策大学院院生協議会広報 Vol.1 No.5(2006 年 11 月 30 日
発行)
編集・発行:北海道大学公共政策大学院院生協議会 広報委員会 委員長 阿部江利
〒060-0809 北海道札幌市北区北9条西7丁目 E-mail: [email protected]
URL: http://www.hops.hokudai.ac.jp/~ppsgs/
============================================================================
Copyright 2005-2006 北海道大学 公共政策大学院 院生協議会 All Rights Reserved.
4