HOPSTEP 北海道大学公共政策大学院院生協議会広報 Vol.5No.9 目次 ・ 6 期生社会人学生の自己紹介 ・自我介紹 ・男子会レポート ・Book Review vol.1 本気で本を勧める! 6 期生 高波 千代子 特別聴講生 芮 婉涓 5 期生 落合 総一郎 5 期生 濱田 治寿 6 期生社会人学生の自己紹介 6 期生 高波千代子 皆さん、こんにちは。6 期の高波です。 黄金色の銀杏に彩られた季節は雪交じりの雨と共に過ぎ去り、あっという間に北国の世 界に突入しましたね。新緑のまぶしいキャンパスに嬉々として通い始めた頃が今では既に なつかしい。北大卒業後はしばらく足が遠のいていた懐かしい門を、この春、約 10 年ぶり にくぐりました。 大木の緑の合間から見える青空の美しかったこと! 学生の頃には気付かなかったこの 素晴らしい環境を 2 年間で満喫しようと誓ったものです。 さて、HOPS の一大イベントのシンポジウムも無事終了し、6 期生の皆さんは就職活動や 公務員試験の準備で忙しい毎日を過ごしていらっしゃいますね。そんな皆さんへのメッセ ージとして、この場をお借りしたいと思います。そのために、まずは自分の経歴の一部を ご紹介しなくてはなりません。 大学を卒業した後、私は、市内のとある中小企業の法務部に就職しました。医療機器材 料の卸や医療法人の経営コンサルタントを主とする医療福祉系の企業です。入社した当時、 会社は時代の波に乗って勢いを増していた時期にあり、大がかりのプロジェクトが複数、 同時並行で進んでいました。例えば医療機関の複数合併や、食品加工会社との合弁企業の 設立。医療用食品の開発。はたまた医療機関の不動産証券化の取組み。中小企業には、や る気がありさえすれば、入社したての身であっても多くのチャンスが用意されていました。 億単位の金額が一瞬にして右から左へ動く様を金融機関の「奥の間」で最初に目の当たり にした時には、なんだか「お金」に対する価値観もすっかり変わってしまって、東京・札 幌間を行き来しながら合同プロジェクトを進めていた頃には、しっかり仕事人間になれた ような気がしたものです。今考えれば冷や汗モノの会社の勢いに、私も好奇心を全開にし て、走りながら考え、悩みながら走る、密度の濃い時間を勢いに任せて過ごしていました。 皆さんにとっては今が、社会に出るための大変な時期。もちろん就職は、その後の生活 を左右する一大事。でも、残りの人生全てが、それによって決まってしまうものではあり ません。小さな企業にも挑み甲斐のあるチャンスが待っているかもしれません。一方でそ の裏側には表には出てこない一面も隠されているでしょう。人間同様、組織の大小にかか わらずこの社会では多面性が伴います。希望に胸ふくらませて踏み出した新しいその場所 で、今度は自分が見極めていく。どのように生きていくかは結局、自分次第です。私も紆 余曲折を経て、この公共政策大学院に行きつきました。そして素晴らしい出会いに恵まれ ながら今もまだ模索中であるというわけです。 今思うのは、職場でも日常の生活でも、基本はその人の人柄に導かれるということ。私 が出会ってきた輝かしく活躍されている人たちは、所属や役職に関係なく、その働きぶり が記憶に残っています。皆さんにもぜひ、仕事を共にした人達から愛される人間になって ほしい。 「○○会社・役所の△さん」よりも、目指すべきは「あなた自身」の人間力を上げ ること。そのための材料は、視野を広げればこの HOPS にはたくさん転がっています! 皆 さんの学生生活が、どうか有意義なものとなりますように。 他己紹介 天から「美」と「知」の二物を与えられた HOPS のお姉さん。その美貌もさることながら、英語が堪能 であり、自主ゼミを立ち上げるなど勉強熱心なお方。優しく面倒見もよく、大人の女性としての包容力も あるため、男女問わず親しまれています。(6期 田中) 自我介紹 特別聴講生 芮婉涓 皆さん、こんにちは。台湾から来た特別聴講生のゼイ・エンケンと申します。台湾の国 立政治大学アジア太平洋研究科の修士二年生です。政治大学の地域(社區)学習研究セン ターで台湾のまちづくり(中国語は「社區總體營造」という)に関してのレポートを書い たので、そこから日本のまちづくりが強いと分かりました。私も元々日本が大好きです。 特に日本での旅行が大好きです。それで、日本に来たらきっといろいろと勉強ができると 思って、日本に留学することにしました。 ところで、日本に来るのは今回で三度目ですが、北海道は初めてでした。九月二十一日 に飛行機で台湾から先に東京に行って、三泊してから北海道まで船で来ました。しかし、 台湾のテレビでは、いつも北海道の白い雪の景色しか見ていなかったので、小樽港に着い たとき、わたしは帽子をかぶって、手袋もはめて、マフラーもまいていました。結局、そ の時はまだ暑い時だったので、 「やはり北海道も暑い時期があるんだ」と分かりました。 (笑) 北大を選んだ理由: 北大は、アイヌ文化と先住民文化の研究が盛んです。私も台湾で先住民文化研究という 尐数民族の研究をして、アイヌ文化にもとても興味を持っています。また、台湾で小樽の まちづくりはとても有名です。私も小樽の再造ストーリーに感動しました。これも、北海 道で勉強したい理由の一つです。初めて北海道に来た時、最初に着いた町が小樽でした。 その小樽のストーリーを知っていたので、実際に小樽を見た時、町を作ってきた人々の努 力が風景と重なり、とてもロマンチックに感じられました。これからもっと小樽に通いた いと思います。まちづくりに関しての資料も収集していきたいです。 北大での生活: 北海道に来てからもうすぐ二ヶ月になります。毎日八時四十五分から授業があることや、 いつも日本語を使わなければいけないこと、食堂や外の店は値段が高いので自分で料理を 作ることが必要なことなど、いろいろ大変です。しかし、ここの生活は東京よりもゆっく りしているし、周りの人達が皆さん優しいので、今は北海道の生活に大分慣れてきました。 実は、北海道に来る前は、毎日とても不安でした。一年も日本にいなければならないし、 日本人は簡単に友達になることができないと聞いていたし、特に北海道はとても寒いので、 日本での生活がどのようになるか、私は全然想像できませんでした。しかし、実際に日本 に来て、毎日、ここの人と親しくしてみると、本当はここの人達は全然冷たくなく、逆に 優しい人達ばかりでした。私によく日本人の慣例(HOPS の人達がよく「これは日本のト ラディショナル・カルチャー」と言っています。 )を説明してくれたり、飲み会や鍋をする 会に誘ってくれたりするので、私の心はいつも暖かくなります。私は日本語を普通の日本 人のように速くしゃべることができませんが、ここの人たちは皆さん私をサポートしてく れます。あるときは、熱心に私の日本語の宿題を手伝ってくれました。 ここに来てから、友達と登別温泉に行きました。日本の温泉は初めてでした。私は台湾 と一緒で個室の温泉があると思っていましたが、みんな一緒に入っていました。日本人に は「裸の付き合い」と言われましたが、私は最初びっくりしてしまいました。みんなは平 気で他人と話していました。最後には私もちょっとだけ慣れて知らない人と話しました。 これは新しい経験でした HOPS の皆さんはとてもビールが好きで、「Suntory 金麦」を“先生”だと尊敬していま す。お酒を飲むと、太ってしまいそうですが、この“トラディショナル・カルチャー”が 好きなので、これからもそうしたいと思います。 今までの感想: ここの人たちと親しくすることで、実際の日本人が、自分が台湾で想像していた日本人 とはちがうと分かりました。もともとは真面目なイメージだけでしたが、性格は真面目な だけではなく、とても楽しい人達です。このことに、私は感動しました。自分はいつも真 面目すぎるので、日本人がちゃんと状況によって切り替えているのは、いいと思います。 これからもきっといっぱい新しい経験をすると思いますが、“When in Rome, do as the Romans do”、これからは私もいつもこういう気持ちを持っていろいろなことに挑戦して行 こうと思います。 他己紹介 この秋、台湾からやって来たニューフェイス。積極的で好奇心旺盛な彼女は、ただいま日本文化に興味 津々。変な日本語を教えようとする先輩にもめげず、熱心に日本語を勉強する彼女は、今や HOPS に欠か せない存在です。(6期 平田まりあ) 男子会レポート 5 期生 落合総一郎 我輩は男子会の幹事である。名前はまだ無い。 どうして私が男子会の幹事をやっているのか。その端緒は 7 月に遡る。HOPS の女子が 巷で流行りの「おなご会」とやらを計画していると、小耳に挟んだ。このご時勢、漢だか らという理由で女子会に参加できないわけがない。そう思って女子に参加を申請した。彼 女らは首を横に振った。 悔しかった!一晩中、いや一日中枕を濡らし続けた。もう漢は必要とされない時代とな ったのか。そんな物思いに耽っていた時、天の声が聞こえてきた。「男子会をやればいいの だ!!」 第 1 回男子会は、7 月の女子会の日にぶつけてやった。男子会に相応しく、焼肉食べ飲み 放題の店を襲った。大変好評だったため 11 月に開催した第 2 回男子会は、鍋料理の店を獲 物に選んだ。2 回とも 20 名を越す漢が集結した。 我輩が乾杯の音頭で口にする男子会のルールはただ1つ、 「漢の秘密は守ること」である。 せっかく漢だけが集まり腹を割って楽しもうというのに、そこに居ない女子に気を使って いては元も子もない。乾杯!そしてこの瞬間から、実に上品で紳士な会話が繰り広げられ るのだ。愛とは何かを語り、愛する女子を想う気持ちを語り合う。それが男子会の本質で ある。 第 2 回男子会で、新たに採用したツールは、 「無茶ぶり」である。宴も盛り上がってきた 20 時頃、私はつと立ち上がり、衆目を集める仕草をする。その後、学年問わず 10 人程の漢 達に、抜き打ちで簡単なスピーチをさせた。こうした経験が、彼らを大きく成長させるこ とを信じて。さらに一刻程経った後、我が人生の師である佐々木さんと小野寺さんにも「男 子会の講評を述べてくれ」と無茶ぶりをかました。やはり師らのスピーチは群を抜いて優 れており、HOPS のレベルの高さを改めて認識したのであった。 今回は 2 次会を計画し、 「空桶」とかいうのをやってみた。冷房が効かなかったので、各 自、着衣を適切に調節していたのが印象的であった。 HOPS に占める漢の割合が高いのだから、全体飲みとノリが極端に変わるわけではない。 男子会を 100 としたら、全体飲みが 70 といったところだろうか。つまり、普段漢どもは 30 ほどセーブしていることを記憶に留めておいてほしい。 実は第 2 回男子会は女子会よりも先に計画したものであった。これは我々の勝利である。 次の男子会・女子会はどちらが先に計画し、どちらが日程をぶつけるのか、観衆の注目は ますます高まるばかりである。 他己紹介 彼にとっての今年1年を漢字で表わせば「馬」。というか、毎年「馬」。飲み会では牛飲馬食。一見つ かみどころがなさそうに見えて、実は一癖も二癖もある。まさに、癖ある馬に能あり。快馬加鞭する姿を 見習いたいです。(群馬県出身の 5 期生 Book Review vol.1 針田) 本気で本を勧める! 5 期生 濱田治寿 今回から連載になることが決定した、HOPSTEP のブックレビューを担当します。 HOPS に在学中の人、もう卒業した人、これから学びたい人に情報発信していきます。 第一回目は、英語の本を紹介していきます。英語といってもリーディングです。英文を 読むことには自信がある方も多いと思います。しかし、雰囲気で読むことと正確に読める ことには天地ほどの開きがあります。 英文の正確な理解は、語と語の相互関係を考えることから始まります。語と語の相互関 係を考えるとは文法的に考えるということであり英文解釈です。そんな英文解釈の傑作が 「英語リーディング教本(薬袋善郎)」と「英文解釈教室(伊藤和夫)」の二冊です。この 二冊は目指す方向は同じですが、アプローチが異なるので、読んでいると最初は驚きます。 まず、 「英語リーディング教本」では、短い英文を徹底的に文法的に切り刻んで解釈します。 その切り刻み方には圧倒されます。薬袋氏の方法は「品詞分解」といわれているもので、 この劇薬の効果は「あとがき」で熱く語られています。対して「英文解釈教室」では、英 文法が有機的に生まれ変わっています。伊藤氏は、徹頭徹尾、前から読むことにこだわり、 独自の理論である「予測と確認」に結実しています。薬袋氏が返り読みに寛容だったこと に比べると、その個性が際立ちます。伊藤氏の独自性は高く評価されるべきです。なぜな らば、英文を読む際の無意識の流れが克明に記されているからです。あとがきでは、 「この 本の内容が無意識化されるときこそこの本が役割を終える時」という趣旨のことが書かれ ており、胸が熱くなります。 「英文解釈教室」は初版が 1977 年で、20 年後の 1997 年に驚 異の改訂を経ています。それは新しい命を書に吹き込むものです。 英文解釈の本は、行方昭夫が「英文快読術」 「実践英文快読術」(岩波現代文庫)「英文の 読み方」 (岩波新書) 「英語のセンスを磨く」 佐々木高政「英文解釈考」 朱牟田夏雄「英 文をいかに読むか」 古谷専三「英文の分析的読み方 18 講」と情熱的な本がありますが、 「英文解釈教室」の知識を前提にしています。最近は英文解釈は重視されていませんが、 しっかり学べば「なんとなく」の読みから脱却できます。 今回の本:「英語リーディング教本(薬袋善郎)」、 「英文解釈教室(伊藤和夫) 」 ====================================================================== ○編集後記 6 期生 勝田 博昭 2010 年も残すところ、あとわずか。今年はどんな1年でしたか? やり残したことはあ りませんか? 来年も皆さまにとって幸せな1年になりますように。それでは、良いお年 を!! ================================================================== HOPSTEP 北海道大学公共政策大学院院生協議会広報 Vol.5 No.9(2010 年 12 月 30 日 発行) 編集・発行:北海道大学公共政策大学院院生協議会 広報委員会 委員長 兼 編集担当 勝田博昭 〒060-0809 北海道札幌市北区北 9 条西 7 丁目 URL: http://www.hops.hokudai.ac.jp/~ppsgs/ ================================================================== Copyright 2005-2010 北海道大学 公共政策大学院 院生協議会 All Rights Reserved.
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