3 公金オンライン支払の実現(マルチペイメントネットワークの活用)

電子都庁推進計画
3
第2部
第2章
第1
3
公 金オ ンラ イン 支払 の実 現( マル チペ イメ ント ネッ トワ ーク の活 用)
[概要及び目的]
日本マルチペイメントネットワーク運営機構(仮称)及び日本マルチペイメントネッ
*
トワーク推進協議会(金融機関、官公庁、公益事業者、システムベンダー等が参加)が
構築するマルチペイメントネットワークを活用して、公金の支払に関するオンライン化
を実現します。
具体的には、税金や住宅使用料といった公金を、金融機関やコンビニエンスストアな
どにある ATM(現金自動預入払出機)を使って払い込めるようにします。また、金融
機関の提供するインターネットバンキングなどを利用することにより、都民がパソコン
や電話、携帯端末を利用して24時間いつでも払込みができるように目指します。
さらに、納付する人に書面で発行している納入通知書等を電子化し、発行に係る膨大
な事務処理の削減と効率化、ペーパーレス化に取り組みます。
[現状]
現在、税金や都営住宅使用料といった公金を支払うには、一部の口座振替を除いて、
都民が自ら、都の発行した納入通知書等を持参して金融機関や都の窓口等に出向く必要
があります。(納入通知書の年間発行件数:約1,200万件)
納入通知書は、財務会計や税務事務のシステムなど、それぞれの収納システムが個別
に発行しています。公金収納後、納入済通知書は、収納された金融機関から都の指定金
融機関に回収された後、都に送付され、都で納入請求情報と送付された納入済通知書
とを照合して、収納の確認を行います。
こうした作業は、都及び金融機関の事務処理の負担が大きく、また、納付されたかど
うかを確認するのに時間がかかる原因となっています。
都では、平成12年6月から庁内にマルチペイメントネットワーク検討会を設置し、
現行の収納業務について、業務分析やシステムに必要な機能の洗い出し、システムの構
成などマルチペイメントネットワークの活用に向けて調査を進めています。
[方向性]
平成15年度からのマルチペイメントネットワークの活用に向けて、財務会計システ
ムの整備を行い、手数料・使用料等の支払のオンライン化を図っていきます。
また、都営住宅使用料など財務会計システム以外の各業務システムでの収納について
も、マルチペイメントネットワークの進展を見極めながら、平成15年度以降順次シス
テムの改修を実施し、オンライン化の範囲を拡大していきます。
さらに、都税についても、国及び国税のオンライン収納の状況等を踏まえながら、現
行システムの見直しを行い、その実現に向けて検討します。
- 38 -
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第2部
第2章
第1
なお、これとあわせて、書面による納入通知書の発行・収納照合事務の軽減を通じて、
内部事務の効率化を実現していきます。
[イメージ図]
金融機関
東京都
インターネット
バンキング
都税
都民/企業
自宅から
パソコンで
24 時間可能
手数料
テレフォン
電話で
バンキング
屋外から
モバイル端末で
モバイル
オンライン
支払
使用料
バンキング
マ
ル
チ
ペイメント
ネットワーク
コンビニ/金融機関から
ATMで
窓口でも可能
[構築スケジュール]
事
項
平成13年度
平成14年度
平成15年度
マルチペイメント
ネットワークの活用
調査
対応準備
- 39 -
順次活用開始
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電子都庁推進計画
4
第2部
第2章
第1
4(1)
各 分 野 へ のI T 化 の 拡 大
( 1)
東 京デ ジタ ルミ ュー ジア ム構 想の推 進
[概要及び目的]
都の図書館、美術館、博物館、動物・植物園が所蔵している図書や資料等を、画像や
テキスト等の電子データとして蓄積・保存し、東京の貴重な文化資源・情報を後世に受
け継いでいきます。さらに、著作権などに配慮しつつ、各施設を相互に連携させて蓄積
された文化財等の電子データを、インターネットを通じて国内外に配信します。これに
より、都民は自分の都合に合わせていつでも、自宅や学校等に居ながらにして、図書館
や美術館などが所蔵している資料を検索・閲覧することができるようになります。
[現状]
美術館や博物館・図書館では、個別にホームページを開設しているところがあります。
美術館、博物館では施設概要や展示案内等の文字による情報提供、図書館では蔵書デー
タの検索サービスを提供しています。
収蔵資料の目録や写真の電子データ化については、現在、中央図書館、写真美術館、
江戸東京博物館で作業を進めていますが、これらの情報は資料管理や館内での閲覧が主
目的であり、ホームページでの提供は十分とはいえません。
<電子データ化対象の収蔵資料>
・中央図書館:江戸期の錦絵や絵図、明治期から現代に至るまでの都政資料等
・写真美術館:国内外の芸術性・文化性の高い写真や映像、出版物の資料等
・江戸東京博物館:江戸東京の歴史と伝統文化を伝える生活用具や工芸品、文献、建造
物の資料等
[方向性]
都立の各施設において資料の電子化や情報提供を順次進め、全ての施設が集まり、あ
たかも1つのミュージアムのようにネットワーク化された「東京デジタルミュージアム
(仮称)
」を実現し、都庁ポータルサイトからいつでも検索・閲覧ができるようにします。
① 電子図書館の推進
平成14年度から、中央図書館にある江戸時代の地図や錦絵、行政資料等、都民の
貴重な財産を順次デジタル化し、インターネットでその内容や画像情報を閲覧できる
ようにします。
さらに、図書館だけでなく、消費生活総合センターや公文書館等の文献情報も提供
するとともに、都立図書館や都立の大学の図書館においては、資料の内容まで分かる
ような多角的な検索を目指します。
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電子都庁推進計画
第2部
第2章
第1
4(1)
② 美術館、博物館のネットワーク化
江戸東京博物館、写真美術館、現代美術館等の都立美術館・博物館等が所蔵する資
*
料や研究内容等の文化的資産について データベース化を進め、各館が所有する収蔵品
の画像情報等をインターネットで検索・閲覧できるようにします。また、各施設間の
ネットワーク化について検討していきます。
動物園や植物園では、インターネット上での動・植物の生態観察の実現について検
討を行います。
[イメージ図]
東京デジタルミュージアム(仮称)
都
民
インターネット
図書館
資料収集
ポータルサイト
資料検索
文化の保存・継承
博物館、美術館
動・植物園
閲覧・観賞・観察
[構築スケジュール]
事
項
平成13年度
平成14年度
実施計画策定
設計・開発・運用
平成15年度
電子図書館の推進
東京デジタルミュージアム
(仮称)の実現
調査・検討
一部運用
- 41 -
開発・運用
一部運用
電子都庁推進計画
( 2)
第2部
第2章
第1
4(2)
公 共施 設や 公開 講座 等の イン ターネ ット 予約 ・申 込み
[概要及び目的]
都の体育施設や文化施設を利用する際に必要な施設の空き状況確認や施設利用の手続
を、インターネットを利用してできるようにします。
また、都立学校で行っている公開講座や施設開放事業に係る手続についても、インタ
ーネットを利用してできるようにします。
これにより、都民がわざわざ施設等の窓口に行かなくても、それぞれの都合に応じて、
いつでも、どこからでも、インターネットを利用して予約・申込みができるようになり
ます。
[現状]
現在、建設局と港湾局所管の都立公園・海上公園では、都民がインターネットを利用
して公園内にあるスポーツ施設を予約申込みできるサービスを提供しています(施設利
用者の約6割が利用)
。
しかし、これ以外の都の体育施設や文化施設を利用するには、一般的に事前に施設の
窓口に出向き、空き状況を確認した上で、書面で施設利用の申込みをする必要がありま
す(団体で利用する場合には、あらかじめ窓口で団体登録をする必要があります)
。
また、都立学校の公開講座を受講したり、開放している施設を利用するには、教育庁
提供の広報紙等を通じて講座の開講状況や開放施設の情報を確認し、書面で個々の学校
に申込みをする必要があります。
施設使用料については施設の窓口で現金により支払い、公開講座受講料については金
融機関からの振込により支払うこととなっています。
[方向性]
都の体育施設、文化施設、都立学校の公開講座については、上述の建設局・港湾局所
管のスポーツ施設で運用しているシステムを参考にしながら、順次、インターネットを
使った予約・申込みを実現できるようサービスの拡大に取り組んでいきます。
①
体育施設については、平成14年度から東京体育館、東京武道館、辰巳国際水泳場、
駒沢オリンピック公園総合運動場、多摩スポーツ会館、夢の島総合体育館において、
一般利用受付をインターネットを使って行えるようにします。
②
文化施設については、平成14年度から東京文化会館、東京芸術劇場、東京都現代
美術館、東京都美術館で、施設の空き状況をインターネットを使って確認できるよう
にします。
また、東京ウィメンズプラザ等でも、施設の空き状況公開に加え、施設利用受付に
ついてインターネットを使ってできるようにします。
- 42 -
電子都庁推進計画
③
第2部
第2章
第1
4(2)
都立学校については、平成15年度から、公開講座の申込みや抽選結果の通知及び
学校施設開放の予約や申込みをインターネットを使ってできるようにします。
また、各種講座内容をビデオ収録し、これをホームページ上で都民向けに広く配信
していくことも検討していきます。
④
体育施設や文化施設の使用料、公開講座の受講料等については、インターネット等
を使って電子的に決済することも可能となるよう、マルチペイメントネットワークの
活用などを検討していきます。
[イメージ図]
都
民
東 京 都
インターネット
体育施設
施設照会・空き状況照会
公開講座情報等の照会
ポータルサイト
施設予約・申込み
公開講座受講等申込み
文化施設
都立学校
[構築スケジュール]
事
項
体育施設予約・申込み
平成13年度
平成14年度
平成15年度
開発
運用開始
文化施設空き状況確認、
予約・申込み
都立学校公開講座・
学校施設開放申込み
基本構想
設計・開発・運用開始
基本構想
設計・開発
- 43 -
運用開始
電子都庁推進計画
( 3)
第2部
第2章
第1
4(3)
電 子カ ルテ や医 療情 報ネ ット ワーク の活 用
[概要及び目的]
電子カルテは、患者の症状や処方せんなど診療録情報を電子化するもので、医療画像・
心電図などの生理検査結果も登録できる技術です。これを利用して、医療機関内部の事
務効率化を図り、また医療連携や遠隔医療を進めていくための検討を始めます。
また、現在各種保健・医療情報を提供している保健医療情報システムを再構築し、新
たに病院・診療所などの医療機関向けに、医療連携に必要な医療設備、医療機器、医療
スタッフ等の情報を提供していきます。
さらに、国のへき地医療情報システム等を活用して、島しょなどのへき地の医療を支
援する仕組みを検討します。
[現状]
電子カルテは、平成11年4月の厚生省通知「診療録等の電子媒体による保存につい
て」を受けて、診療録として保存することが法律上可能となりました。しかし、これを
都の医療機関に導入するためには、都立病院や都立老人医療センターにある病院情報シ
ステムについて再構築を検討する必要があります。
保健医療情報システムについては、医療機関や健康診断、医療制度等の保健医療に関
する情報を電話やホームページなどで提供しています。さらに、平成12年12月から
は携帯電話向けにインターネットを利用した医療機関検索サービスを始めています。
一方、都立広尾病院では、国のへき地保健医療対策事業を活用して、島しょ地域の医
療機関との間で静止画像伝送装置システムによる遠隔診断を実施しています。
[方向性]
①
平成14年度から都立病院や都立老人医療センターにある病院情報システムにつ
いて再構築を進めていく中で、電子カルテの導入やこれを利用した医療連携、遠隔
医療について検討していきます。
②
医療機関向けの情報提供、医療機関間の情報交流促進に取り組み、平成13年度
から保健医療情報システムの再構築を進めていきます。
③
島しょ等の医師が不足している地域について、平成13年度から構築される予定
の国のへき地医療情報システム等を活用して、派遣された医師の診療支援等の実施
を検討していきます。
- 44 -
電子都庁推進計画
第2部
第2章
第1
4(3)
[イメージ図]
医療機関
診療支援・情報提供
電子カルテ
診療所
医療機関間の連携
の活用
へき地医療支援
医療機関間
情報交流
へき地にある医療機関
病院
都民向け
情報提供
医療機関に関する情報提供
都民
[構築スケジュール]
事
項
平成13年度
平成14年度
平成15年度
電子カルテの活用
都立病院・
都立老人医療センター
モデル病院の選定
機能・運用の検討
既存システム 再構築
既存システム 再構築・
一部導入
保健医療情報システムの 保健医療情報システムの
開発
再構築
再構築の検討
(医療機関情報システム (詳細設計 )
(システム 開発)
化推進事業)
へき地医療支援の拡充
調査検討
- 45 -
新システム 稼働
電子都庁推進計画
第2部
第2章
第1
4(4)
(4) 利用者本位の福祉サービス実現に向けたITの活用
[概要及び目的]
高齢者の介護事業を円滑に進めていくためにインターネットを利用した電子会議室を開設
します。これにより介護支援専門員(ケアマネジャー)が行う介護サービス計画(ケアプラ
ン)の作成支援やサービス提供事業者との連携を図っていきます。また、ケアプランを蓄積
しデータベース化することで、さらに質の高いケアプランの提供を推進していきます。
あわせて、都民が自分のニーズにあった福祉サービスを選択するために必要な情報や、高
齢者などの社会参画を支援する情報をインターネットを活用して提供していきます。
[現状]
高齢化の進展に伴い、高齢者の介護を社会全体で支える仕組みとして、平成12年 4 月か
ら介護保険制度がスタートしました。介護保険制度により要介護認定を受けた場合は、その
人のニーズや要介護度に応じてケアマネジャーが作成するケアプランに基づき、公的機関や
民間事業者から介護サービスを計画的、一体的に提供を受けることができます。
各種の介護サービスを適切に提供していく上で、ケアマネジャーが中心的な役割を果しま
す。このため、その活動を支援する仕組みづくりが求められています。
また、福祉サービスが多様化・高度化する一方、福祉制度自体も利用者がニーズに合わせ
て自らサービスを選択するという枠組みに移行しつつあります。このため、都民が適切にサ
ービスを選択できる情報を総合的に提供する仕組みづくりが求められています。
さらに、円熟した知識・技術をもった高齢者などが、就労、ボランティア等を通して社会
参画が円滑にできるような支援情報の提供も求められています。
[方向性]
① ケアカンファレンス(サービス担当者会議)支援システムの構築
平成 14 年度を目途に、ケアマネジャーを中心に介護サービスを提供する関係機関、事
業者が参加する電子会議室をインターネット上に開設します。これにより、介護サービス
関係者間の連携を円滑にし、利用者本位の介護サービスの提供を支援していきます。
② ケアプラン事例研究システムの構築
平成 14 年度を目途に、コンピュータネットワークによりケアプラン事例を有効に活用
するためのデータベースを構築し検証を行っていきます(ケアプラン事例研究システム)
。
本システムでケアプラン事例のノウハウを集積し、活用することにより、ケアマネジャー
がより質の高いケアプランを作成できるよう支援していきます。
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電子都庁推進計画
第2部
第2章
第1
4(4)
③ 福祉サービス情報等の提供
都民が自らのニーズにあったサービスを選択できるように、在宅サービス、施設サービ
スや事業者に関する情報など、福祉サービスに関する総合的な情報を、インターネットを
活用して容易に検索・アクセスできる福祉ITネットワークを平成15年度を目途に構築
していきます。
また、社会参加活動を目指す高齢者に必要な情報(就労、ボランティア、NPO、生涯
学習など)をインターネットを介して一元的に収集できる「元気でNet!」
(仮称)を平
成 13年度から構築していきます。
[イメージ図]
都
民
東 京 都
インターネット
質の高い介護サービスの提供
・福祉サービス情報検索
・高齢者の社会参画
ケアカンファ
レンス支援
ケアプラン
事例研究
福祉IT
ネットワーク
元気で
Net!
事業者・NPO
・サービス関係者間の連携
・ノウハウの蓄積
福祉サービス・就労情報等登録
[構築スケジュール]
事
項
平成13年度
平成14年度
ケアカンファレンス
支援システムの構築 基本構想
パイロットシステム構築
ケアプラン事例研究
システムの構築 基本構想
パイロットシステム構築
福祉ITネットワーク
の構築
調査・検討
パイロットシステム評価、
改修
普及・展開(民間等)
パイロットシステム評価、
改修
普及・展開(民間等)
開発・整備
「元気でNet!」(仮称)
の構築 調査・検討
試行
本 格 実 施
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平成15年度
実 施
電子都庁推進計画
第2部
第2章
第1
4(5)
(5) ITの活用による先進的な消防・救急活動
[概要及び目的]
同時多発的又は大規模災害の際、都民の生命や安全を守るため、消防車・救急車の迅速か
つ効率的な出動及び的確な消防・救急活動の支援を行う、消防活動支援システムの構築を検
討します。また、救命効果の向上を図るため、救急車から移動体通信を利用し、傷病者の画
像情報等の医療情報を関係機関に伝送するシステムの構築を検討します。
[現状]
119番通報が入った場合、災害救急情報センターでは、災害発生現場を管轄する消防署
を中心に、最適な消防・救急車両(出動部隊)を選択・自動編成します。現在、出動中の部
隊が、任務完了後に他の災害現場にそのまま出動できるかなどの情報は、無線で災害救急情
報センターに報告されていますが、これだけでは出動部隊の現在位置を正確に把握すること
が困難であり、連続火災の発生や同時多発的災害への迅速かつ効率的な消防・救急車両の出
動が課題となっています。このため、消防庁では、救急現場への到着時間の短縮を図るため、
※
平成12年度より位置管理(GPS)ができる車載端末の導入を開始したところです。
また、救急患者の搬送時は、同乗している救急救命士からの無線による傷病状況の報告を
もとに災害救急情報センターの救急隊指導医が指示・指導・助言等を行っています。さらに
救命効果を向上するために、より正確な傷病状況を救急隊指導医に伝達することが望まれて
います。
[方向性]
① 消防活動支援システムの構築
救急車に加え消防車にも位置管理ができる車載端末の整備をさらに進めるとともに、大
規模災害や同時多発的な火災等の際に、災害発生現場に一番近い消防・救急車両の選定及
び出動部隊に現場周辺の建築物に関連する情報などを提供することにより、的確で柔軟な
運用支援を行う消防活動支援システムの構築に向け調査・検討を進めていきます。
さらに、災害による被害を最小限にとどめるために火災感知センサー等に連動した火災
情報、文字及び画像情報による受信など、新たな災害情報収集手段の構築についても調査・
研究を進めていきます。
② 医療情報伝送システムの構築
救命効果の向上を図るため、無線での傷病者の状況報告に加え、救急車から傷病状況を
画像情報として災害救急情報センターの救急隊指導医及び搬送先医療機関に伝送する医療
情報伝送システムの構築を検討していきます。今後、調査・研究を進め、一部の救急車か
ら試行導入し、運用評価を実施しながら展開を図っていきます。これにより、救急隊指導
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電子都庁推進計画
第2部
第2章
第1
4(5)
医が正確な傷病状況を把握し、現場の救急救命士に的確な助言や指導を行うとともに、搬
送先医療機関の受入れ体制の早期確立を支援することにより、
救命効果の向上を図ります。
[イメージ図]
東京消防庁
GPS
災害救急情報センター
位置情報
位置
情報
位置の
正確な把握
119番受付
・迅速・効率的な出動
・消防活動支援情報の提供
119番通報
受入れ態勢の早期確立
救急隊指導医
搬送依頼・状況報告
正確な指導・助言
傷病状況
画像の電送
傷病状況画像の電送
[構築スケジュール]
事
項
平成13年度
平成14年度
平成15年度
消防活動支援システムの
構築
調査・検討
研究・検証
医療情報伝送システムの
構築
調査・検討
研究・検証
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電子都庁推進計画
(6)
第2部
第2章
第1
4(6)
ITを活用 した災害・防 災対策
[概要及び目的]
東京には、鉄道や車両等を利用して多くの通勤・通学者、買物客等が集まってきます。
このため、大規模災害時、例えばマグニチュード7クラスの東京直下地震発生時には交
通機関等のまひにより、371万人もの人が帰宅困難となるなど、災害直後に大きな混
乱が発生することが予測されます。
災害発生時に、迅速・的確に最新の情報を提供するため、災害関連情報を総合的に収
集・提供するインターネットを活用した情報ネットワークを構築します。さらに災害発
生時の混乱等を最小限にとどめるため、平常時から防災の心得や避難場所情報等を積極
的に提供していきます。
また、局地的な集中豪雨時に適切な水害防止活動を行うため、雨量情報等をリアルタ
イムに提供していきます。
[現状]
都では、大規模災害が発生した場合、区市町村や関係防災機関から防災行政無線や災
害情報システムにより災害情報を収集し、報道発表や放送要請を行い都民に情報提供す
ることとしています。しかし、昼間には819万人にものぼると推定される外出者の多
くは、これらの情報を受けられる場所にいないために、被災時にこれらの情報を速やか
に入手することは困難です。
外出者に対して帰宅先の被害、帰宅途中の交通状況などを伝え、混乱を未然に防止す
るためには、これまでの対策に加えて新たな情報収集・提供手段を取り入れた仕組みづ
くりが必要となっています。このため、帰宅困難者等への情報提供のためのネットワー
クの構築や七都県市等の地方自治体の広域的な連携として、帰宅支援ホームページの作
成について協議を進めています。
また、集中豪雨発生時には地下街や鉄道などの地下空間の管理者に対して、水防災総
合情報システムで得た情報をファクシミリで配信していますが、この情報は一般都民か
らも提供を求められています。
[方向性]
①
帰宅支援ホームページのネットワークの構築
平成14年度を目途に、ポータルサイト(災害対策本部設置時は災害情報ページと
なる)から、関係機関や近隣県の帰宅支援ホームページとリンクを結び、帰宅支援施
設や鉄道運行状況等の支援情報などを、携帯端末等を活用して入手できるようにしま
す。さらに、駅頭の大型ビジョン等を活用し、誰もが必要な時に、必要とする情報に
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電子都庁推進計画
第2部
第2章
第1
4(6)
迅速にアクセスできる仕組みを検討していきます。将来的には、建設局の道路施設の
管理統合システムにより集められた道路の被害状況を参照できるよう整備していきま
す。
②
オープンスペース情報の提供
災害が発生した時に住民の避難場所等として活用する都内の公園、グラウンド、大
学敷地等のオープンスペース情報を地図情報とあわせてデータベース化し、平常時で
もポータルサイトから提供していきます。
③
雨量情報等の提供
平成14年度までに、水防災総合情報システムで集計された雨量情報を、リアルタ
イムで入手できるようにします。これにより、地下空間管理者を始め広く一般都民も
適切な情報が入手でき、的確な水害防止活動や避難、誘導を行えるようになります。
[イメージ図]
災害時における広域的な支援情報の提供
交通・道路状況
災害対策本部
一時休憩所・
救援物資情報
駅・鉄道状況
[構築スケジュール]
事
項
平成13年度
平成14年度
帰 宅 支 援ホ ー ム ペ ー ジ 基本コンテンツ作成
の構築
関係機関調整
運用体制整備・運用
オープンスペース情 報
の提供
データベース構築
導入・運用
設計・開発・導入
運用
平成15年度
雨量情報の提供
※文章中の被害想定人数は「東京における直下地震の被害想定に関する調査報告書」(平成9年8月)より出典。
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