松江市学校図書館支援センターだより 2013.10.25 NO.53 松江市教育委員会学校教育課 学校図書館支援センター TEL:55-5073 FAX:55-5251 http://www1.city.matsue.shimane.jp/k-b-k/gakkou/ 鷲だけが太陽を凝視できる (Only the eagle can gaze at the sun.) 西洋のことわざより 10 月というのに夏のような暑さが続いたり、台風で休校になったりと例年にない 天候を経験しました。さまざまな秋の行事が、これほどお天気を窺いながらだった年 は珍しかったかもしれません。 1 年も半年過ぎたところです。後半も元気に楽しい活動で充実しますように。 司書教諭サポート事業中間報告① 四中 四中は、今年度から始めた松江市司書教諭サポート事業実践校のひとつです。10 月 3 日(木)に 1 年生国語 の授業実践があり、古川副教育長、岩田課長、前田係長、曽田指導講師と支援スタッフがでかけました。 この日の教材は「シカの『落ち穂拾い』フィールドノートの記録から」で、重点をおく情報リテラシーは松江市版 「図書館を活用する学び方指導体系表」の「5.情報の集め方、統計資料を活用する」です。 1 松江市学校図書館支援センター 【今月のデータ】 図書標準達成率(9 月度現在) 9 月度の図書標準達成率は、平成 23 年度から 25 年度まで以下のように変化しています。 【小学校】 34 校 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度 学級数合計(級) 471 463 458 蔵書数合計(冊) 260772 263216 280505 94.5 96.1 102.6 9 9 15* 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度 学級数合計(級) 195 193 192 蔵書数合計(冊) 152229 149535 157826 90.2 89.9 95.4 5 5 5 図書標準達成率の平均(%) 図書標準達成学校数(校) 【中学校】 16 校 図書標準達成率の平均(%) 図書標準達成学校数(校) 本校のみ(八束学園は小学部と中学部に分けて算出) *平成 25 年度の小学校のうち「24 年度と同じクラス数で、25 年度に図書標準を達成した学校」は 4 校 ※平成 25 年 9 月度の報告書より※ ○「気づいたことなど」より ●子供達の姿からの気づき 城北小・図書委員会がアンケートを実施し、その結果をもとに児童選書会の準備を進めている。図書館に購入 する新刊を児童の意見をもとに決める選書会は、普段あまり図書館に立ち寄らない児童も関心が高い。「城 北小のみんなが好きな本」としてコーナー展示をする。 内中原小・幅広い本との出会いのために6年前から「おすすめ本」を紹介する活動を行っている。毎年完読者が 10%前後増えており、昨年度は全校の半数程の児童が完読できた。毎年きちんと読めているかが気がかりだっ たり、早く読むことを目的としてしまう子供がいたりするため、今年度は特に「きちんと読むこと」を強調して本の 紹介を行った。読めた子供にはそこからさらに本の世界を広げられるよう、続編の紹介や次に読む本の紹介な ども行いたい。 雑賀小・体育会の準備などで高学年の貸出は少なかったが、低・中学年の貸出が伸びた。新しい本をたくさん並 べて2学期を迎え、予約のお知らせを早めにできたことが要因のひとつと考えられる。これからも継続できるよ う努力したい。 津田小・図書館を利用しての平和学習、年鑑を使っての統計、詩の本、読書案内などで の授業は、児童の反応がとてもよかった。 乃木小・1年生は読書ビンゴがスタートし、パーフェクト賞を目指してとても意欲的に取り 組む姿が見られた。ビンゴに読んでほしい作家や昔話の本が含まれており、最近子供 たちが作家名や昔話の題名を口にするようになった。週末に家族読書用として持ち帰 ることで、保護者への啓発につながることも期待している。 法吉小・2年生で神話「やまたのおろち」(岩崎書店)、「いなばの白ウサギ」(佼成出版社)を読み聞かせした。「本 を持っている」「劇や神楽で見たことがある」など話す子もいて、神話への関心が高くて驚いた。 古江小・2年生国語で神話の絵本を使った授業があった。最初のクラスは、子どもが自分で読むように本を手渡 す読書会で行い、次のクラスは司書と担任で読み語りをした。子供たちはどちらも楽しんでいたようだが、読み 2 松江市学校図書館支援センター 語りの方が神話の世界に入り込みやすかったようにみえた。 鹿島東小・10月の学習発表会にむけてたくさんの本が学級貸出にな った。どの学年も熱心に読み、題材を見つける作業を楽しそうにして いた。学習発表会が楽しみだ。 玉湯中・学校行事が多く貸出は伸びなかったが、来館する生徒は多 かった。グループで図鑑を開いて談笑したり、仕掛け絵本を広げて和 んでいる姿があり、憩いの場になっていた。 ●図書館活用に係る動き 川津小・3年生総合的な学習が始まった。本の中から必要な情報を探しやすいように「ヒントカード」を作った。ヒ ントカードには、内容、ページ、キーワードなどが書いてある。子供たちは、ヒントカードに紹介してあるページ から読んで情報カードを書いていた。毎年「本のどこを読んだらいいのかわからない」と困る子供がいるが、今 年はスムーズに調べ学習が進んでいるように感じる。 朝酌小・「読書ビンゴ」を9コース作成し、全学年で「味見読書」を行った。それぞれの学年でおすすめのコースの 本を3~5分ずつ、ひとり5冊以上の「味見」することができた。その後「続きが気になった」「読んでビンゴを達 成したい」という感想がたくさんあった。 忌部小・1、2年生の生活科と4年生で、スズムシの飼育についての学習後、情報カードの書き方を(今年度異動 して来たので)初めて担任と司書のTT授業で行った。(・・・地域の方に児童数分以上のスズムシをいただいて 全校で飼育しているとのこと) 大庭小・4年生理科「月や星のうごき」の学習に合わせ、9月19日の「中秋の名月」前後に、月の満ち欠けの様子 を表した資料を掲示し、関連図書や折り紙を展示した。理科主任が「月球儀」も一緒に展示したので、子供た ちは本と見比べながら興味深く見ていた。 本庄小・夏休み前に全校に配布した「なつやすみにほんをよもう!」という用紙を回収し集計した。活動内容は、 読んだ本とその一言感想を記入して20冊読んだら「3さつかりられますけん」をプレゼントというものだ。目標の 20冊達成は、ページ数の多い本を読む高学年には難しかったかもしれない。一言感想に「良かっただけでは だめです」と注釈をつけたこともあり、多くの子供が一言感想の小さな枠にぎっしりと感想を書いていてうれしく 感じた。 島根小・6年国語「ヒロシマのうた」に関連して「戦争と人間の生き方」をテーマにブックトークをした。約30分で5冊 を紹介した。書架にあっても目立たず手に取られにくい本もブックトークで「読みたい」という気持ちを持っても らえる。高学年でのブックトークは、準備に時間がかかるうえ難しいが、人の声でその本の魅力を伝えること の大切さを改めて感じた。 八雲小・「読書の時間」で定期的に図書館を利用したいとの要望があった。クラスごとの定 期利用を通して児童に図書館の楽しさや魅力を伝える良い機会にしたい。 出雲郷小・1学期のオリエンテーションで学んだことが身につくように、2学期は各学年に応じ た図書館クイズを行っている。各学年に5種類のクイズがあり、1年生は新たに絵本のラベ ルの見方を学んだ。最初は難しいと思った子供たちも仕組みがわかると楽しみに変わり、 とても集中していた。 揖屋小・2学期は行事が多いが、図書館も各学年の読書集会が予定されており、順次計画 が寄せられている。各学年部の先生方と打合せを行い、それぞれのテーマに沿った資料を収集し、教員のニ ーズに対応することで図書館への信頼が高まるようにしていきたい。 意東小・6年生の平和学習が始まった。子供たちの戦争に関する知識は乏しく、マッピングも広がらないため、ま 3 松江市学校図書館支援センター ずはいろいろな資料を見ることから始まった。戦後70年経つと、子供たちの身近な人で戦争体験を語れる人も いない。せめて学校で学ぶ歴史が子供たちの大切な知識として心に残ってほしいと思う。 一中・3年生道徳で、本の中から名言を探す授業が行われた。普段は貸出の少ない1類(哲学)の本を資料とす る授業だった。生徒からは「この本おもしろい」「こんな本もあるんだ」などの感想を聞くことができた。 四中・美術での図書館活用は、これまでにない取り組みだった。季節感のある題材を描く際の参考として、動植 物、衣食住、年中行事など、いくつかのジャンルに分けて写真資料(図書)を提供した。資料は美術室に貸し 出したが、授業も参観し、資料がどのように使われているかを確認した。写真の構図を取り入れたり、写真を もとに細かい部分まで描きこんだりしている生徒もあり、描きたいイメージが明確になっていた点がよかった。 今後も、図書館の実用性が広く実感されるようにしたい。 ●図書資料等について 中央小・宮澤賢治の著作はなかなか奥が深く読みごたえがある。5年生対象だったので、同じ作品でも挿絵や装 丁で受ける印象がずいぶん違う点なども楽しんでもらえた。 佐太小・小学生新聞を取り始め、新聞コーナーを設けた。たくさんの子供たちに読んでもらいたいと思う。 宍道小・ファイル資料を件名別に整理した。毎日小学生新聞の切り抜き資料や、としょかん通信などの新聞類も 件名別にファイルした。以前からファイル資料は利用があったので、件名ごとに細かく分類して、より使いやす くなったのではないかと思う。 二中・3年国語で、石垣りんさんの「挨拶~原爆の写真によせて~」の単元で、探していたア サヒグラフ(1952年発行)が手に入らずあきらめかけていたところ、平成20年に購入した 「ヒロシマナガサキ原爆写真・絵画集成(全6巻)」(日本図書センター刊)の中に、当時の 写真がアサヒグラフの表紙とともに掲載されていることが分かった。詩に表現されている 内容を理解するために参考になると思うので、同じものを探している学校があれば貸出し たい。 島根中・RAINBOWより、6月の報告書の中から八雲中の「国語の教科書で紹介されている本コーナー」を参考に し、島根中図書館でも9月の特集の本でコーナーを作り展示した。新着本のように貸出が殺到とはいかないか が、数人でも興味を持って借りていく姿があった。授業に合わせて、その時に教科書に出てくる本の展示をし ていたが、今回のように展示コーナーで読み物として紹介することで、改めて興味を持ってもらえたような気が する。 宍道中・ふるさと学習でクイズをつくるのに例年下調べに苦労してきたが、昨年の校舎移転作業でみつけた「最 後の宍道町誌」という島根大学の地誌学概説の受講生と授業者がまとめた研究レポートが役立った。学生が まとめたレポートは、中学生に読みやすく、特に宍道町の観光や神社仏閣をまとめたページは参考になった。 過去の地域資料を手元に集めるのはなかなか大変だが、ふるさと学習に使える資料の一覧を充実できるよう 地道に探していかなければと感じた。 東出雲中・3年生保健でエイズ学習の資料を準備するのに、教科の先生と一緒に資料を見ていただいた。どの ような資料を求られているのかがわかり参考になった。教科の先生と相談して資料を収集することも必要だと 感じた。 ●中学校区の連携など 生馬小・「ものがたりの部屋」の展示コーナーに、図書委員のおすすめの本と、松江一中の生徒4 人が作ったおすすめの本のポップカードと本を展示している。図書委員のポップカードは、大休憩 と昼休憩に図書当番の合間に作ってもらい、イラストやコメントなど上手に入れていて、とても素 4 松江市学校図書館支援センター 敵なカードができあがった。一中生のポップカードは、先日の職場体験で図書館業務をした時に作ってもらっ た。自分たちの担当学級で行う読み聞かせ用の図書で作ってもらったが、児童が読みやすいように文字やイ ラストも工夫してあり、こちらもとても素敵なカードができた。この展示コーナーは児童にも人気で、カードを見 ながらたくさんの本が借りられた。 秋鹿小・「情報カードの書き方」を作成した。湖北中校区として共通利用できないかという話があっ た。今後、司書部会で4校が同じ指導ができるよう資料づくりを進めていきたい。 八束学園・八束町の歴史に関するほんが少ないため、元公民館長さんに何かいい 資料がないかと尋ねたところ、ご本人が町の歴史に詳しい方であるとわかった。八束町の歴史に ついて6年生の子供たちに話してくださることになり、人脈も大切だとあらためて感じた。 ●その他 竹矢小・10 月は PTA 主催の「ふれあいフェスタ」があり、多くの保護者が来校するので、バザーの会場となる体 育館に学校図書館の展示を予定している。文化祭は良い機会なので、保護者はもちろん地域の方々にも学 校図書館の様子やどんなことをやっているのかを広くアピールしていきたい。 大野小・9 月後半に図書委員会の計画した「図書ビンゴ」の成果で貸出が増えた。図書ビンゴは、さまざまな分 野の本に親しめるよう図書委員の児童と話し合って項目を決めた。教職員にもカードを配り、子供と一緒に図 書ビンゴにチャレンジしてもらい、読書への関心をさらに高めようと考えている。 三中・今月は図書館だよりを発行できなかった。生徒のみならず教職員や外部の方からも「図書館だよりを読む のが楽しい」「楽しみにしている」との声をいただいているので申し訳なく思う反面、そのような声をいただくことが 増えたこと、特に生徒からの反応が増えたことは非常にうれしく思う。 本庄中・卒業生が大学等の夏休みを利用して来校し、図書館にも寄ってくれた。「中学生のころに読んだ本は今 でも覚えているが、高校生になると読む時間が少なくなる」などと懐かしそうに話してくれた。中学生たちもこの期 間に読んでもらいたい。 市立図書館より 紛失等について 市立図書館から借り受けた図書等を紛失した場合、原則として代品弁償となります。 まずは、紛失したことを市立図書館に連絡をしてください。それから、代品が入手できない場合なども含めて、 必ず市立図書館と相談し、指示に従ってください。 また、市立図書館への返却時には、物流箱の内容を貸出リストと照らし合わせて確認することを今一度お願 いします。 【おしらせ】 ○10 月度の報告書は、11 月 8 日(金)締切です。本書は、管理職の押印、数値の記入漏れがないかを確認の上、 提出してください。データは自動計算で集計するためのものです。本書が締切に遅れる場合は、その旨を一 報いただくとともに、データ部分のみを先にメール送信していただきますようご協力をお願いします。 データ送信は、外部メールまたは内部(校務)メールから学校図書館支援センターへ送ってください。 ○報告書に併せて紙媒体で「図書館だより」「授業案」(略案等)など添付ください。情報収集にご協力ください。 5 松江市学校図書館支援センター ◆9 月度の報告書にあわせて提供された資料◆ NO 学校名 資料内容 2 城北小 ● 5 雑賀小 ● 6 津田小 9 月)なつやすみも、としょかんであそんだよ!/中学生さんのおはなし会がありました!/2がっきも、 としょかんでべんきょうがはじまりました!/あたらしくはいったほん H25.9.20)2 学期が始まりました!/新刊コーナー/作家ピックアップ 9 月はらゆたか/松江天神川学園 9 月のほんだな 6 年総合学習指導案「平和な世界をつくるために(ヒロシマにむけて)/5 年社会科学習指導案「朝日ジ ュニア年鑑 2013」を使って統計資料の使い方を知る 8 川津小 9 朝酌小 ヒントカード見本 朝酌っ子読書ビンゴ ● 11 竹矢小 1 コース~9 コース 平成 25 年 9 月 17 日)お月さまの本 図書館利用時の司書の関わり平成 25 年・7 月 乃木教育会講演会(演題「私の読書」溝口善兵衛島根県知事) 12 乃木小 ● H25 年 9 月)ボランティアさんにお世話になりました/あたらしい本が入りました/まつえ湖南学園おす すめ 10 月ブックメニュー NO.5)運動会がんばりましたね!/ブックフレンドカード(10 月スタート)/今月のとしょかんキャラク 13 忌部小 ● 18 本庄小 ● 21 恵曇小 28 大谷小 ● 30 来待小 ● 32 出雲郷小 35 一中 ● 37 三中校区 ● 37 三中 44 島根中 ● 48 宍道中 ● NO5)物語の舞台は京都奈良 49 東出雲中 ● NO77)夏休み中学生ボランティアおすすめ本/すばらしいこと/残念なこと/新しく入った本です ター/新しく入った本/図書館で学習 2013 年 9 月)読書で)スポーツの秋です!/夏休みの図書館その1/おめでとう 20 冊/夏休みの図書館そ の 2/本のラベルについて 校内研修の様子 H25・9 月) 「お月さま」の本、楽しめましたか?/図書カードをいただきました NO5)本の場所がすこしかわりました案内図をみてくださいね/絵本コーナーはたたみ敷きになりました/ 来待小学校図書館案内図 ワークシート 2 年「言いつたえられているお話を読んでみよう」 NO25)図書ボランティアのみなさんにいすを作っていただきました/返し忘れた本はありませんか?/新 着図書案内 まつえ天神川学園 9 月のほんだな)よみごたえ度/あの日にかえりたい 2004 年ベストセラー/「宝島」を 読む/作家ピックアップ 9 月原ゆたか 学級文庫貸出リスト H25.9.30)図書部員おすすめ本/7 月 8 月の貸出冊数/職場体験お疲れ様でした/図書部からのお願い/た くさんの仕事たくさんの未来キャリア教育に役立つ ●図書館だよりの内容・・・ 号数)見出し/見出し ※記述間違いを防ぐため、報告書の「活動内容」欄に「添付:図書館便り1号」などと記入していただくと助かります。 6 松江市学校図書館支援センター
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