資料15(子の引渡を命ずる外国判決の執行・東京高判平成5年11月15日)

子 の引 渡 しを命 じたテ キサ ス
5
犠 鞭 裂 魏 論 執行296
ヲ ユ リz卜
国際私法
国際私法
5
子 の引 渡 し を命 じ た テキ サ ス州 裁判 所
の判 決 に基 づ く執 行 判 決 請 求 を 棄 却 し
た事例
東京高裁平成 五年 一一月 一五日第 九民事部判決
(
平成 四年困第 三八 八号執 行判決本訴、 請求異議反訴
請求控訴事件 )
と いう ことが でき ると こ ろ、 これ に つい
に つ いて の裁 判 が 非 訟 事 件 の裁 判 であ る
て は、 民事 訴 訟 法 二〇 〇 条 が 直 接適 用 さ
右 の意味 に おけ る 争 訟 に当 た ら な い事 件
変 化 を 理 由 と し て請 求 異 議 の訴 を 提起 し
れ る も ので は な いと 解 さ れ る 。 そ し て 、
失 職 し て定 期 的 な 収 入 を 得 ら れ な い状 況
た。 原 審 はX の請 求 を 認 容 し Y の反 訴 を
にあ る こと 等 、 本 件 外 国 判 決 後 の事情 の
却下 した (
東京地判平成 四 二 ・三〇判時 一
て請 求権 が形 成 され ると 同 時 にそ の給 付
非 訟 事件 の裁 判 に つい ても 、 これ によ っ
を命 ず る い わゆ る形 成 給 付 の裁 判 及 び そ
四三九号 一三八頁、判 タ七八九号 二五九 頁、
九 六頁、河野俊 行 ・ジ ュリ 一〇 二六号 一五三
つ いて は、 民 事 執 行 法 二 四条 が 類 推 適 用
れ に従 た る非 訟 手 続 の費 用 確 定 の裁 判 に
評 釈とし て、櫻 田嘉章 ・平成四年度重判解 二
頁)
。 Y の 控 訴 に基 づ き 、 控 訴 裁 判 所 が
と き には、 外 国裁 判 は承 認 さ れ る も のと
二〇 〇条 一号 及び 三号 の要 件 を 具 備 す る
行 を す る こ とが でき 、 ま た、 民 事 訴 訟 法
な いし準 用 さ れ、 執 行 判 決 を 得 て強 制 執
原 判 決 を 取 り 消 し X の請 求 を 棄 却 し た の
が 本 件 判 決 であ る。
旨﹀
﹁民 事 執 行 法 二四 条 は強 制 執 行 に
︿判
一
した (
A は米国国籍 を得 て いる )
。 一九 八 四
に お い て婚 姻 し 、 同 年 に長 女 A 子 が出 生
の 日本 人 ) は、 一九 八 二年 に テ キ サ ス州
住 の州民 )と Y 女 (
被告、控訴 人、 日本 在住
X男 (
原告 、被控訴人、米国 テキサ ス州在
一時 占 有 保 護 者 と し て認 めら れ た 期 間
A の単 独 支 配 保 護 者 を X に変 更 し、 Y は
件外 国判決 )を 下 し た 。 本 件 外 国 判 決 は
る 先 の離 婚 裁 判 を 変 更 す る最 終 判 決 (
本
経 て 一九 八 九 年 = 月 に親 子 関係 に関 す
月 日 本 に移 住 し 現 在 に至 って いる。 そ の
後 テ キ サ ス州 裁 判 所 は陪 審 によ る 評 決 を
保 証 金 を 積 む こと を 条 件 に許 可 さ れ、 翌
本 に変 更 す る 許 可 を 申 し 立 て、 同年 四 月
にY は審 理 に出 頭 し、 Y と A の住 所 を 日
い て、 相 対 立 す る 当事 者 双方 に審 理 に出
わ ち 一方 よ り 他 方 に対 す る権 利 主 張 に つ
べき も ので あ り、 実 体 私 法上 の争 訟 す な
か ら 判決 に該 当 す る か 否 か で判 断 さ れ る
定す べ き も ので あ る か ら、 実 質 的 な 観 点
う か は、 法 廷 地 法 た る 日 本法 に よ って決
し て、 同条 に いう ﹃
判 決 ﹄ に当 た る かど
う ﹃
判 決 ﹄ と 異 な ら な いと解 され る。 そ
の余 の点 で は、 民事 訴訟 法 二〇 〇 条 に い
決 を含 ま な いこ と は 明 ら か であ る が 、 そ
を有 し た判 決 の み を指 し、 そ れ 以 外 の判
請 求 権 を表 示 し て そ の給 付 を 命 ず る 内 容
決 を 求 める こと が でき るも のと解 す る の
条 の類 推 適 用 な いし準 用 に よ り、 執 行 判
命 ず る 部 分 に つ いて は、 民事 執 行 法 二 四
を 充 足 す る 場 合 には、 そ のう ち の給 付 を
べき であ る が、 同条 一号 及び 三号 の要 件
﹃確 定 判 決 ﹄ に は 当 た ら な いも のと 解 す
国 判 決 は 、 民 事 訴 訟 法 二〇 〇 条 に いう
判 断 さ れ る べ きも のであ る か ら、 本 件 外
が 国 にお いて は、 非 訟 事 件 裁 判 に よ って
養 料 の支 払請 求 に関 す る紛 争 であ り 、 わ
い並 び にそ れ に伴 う 子 の引 渡 請 求 及 び 扶
一時 占 有 保護 者 であ る親 と の監 護 権 の争
外 国 事 件 は、 単 独 支 配 保 護 者 であ る親 と
これ を 本件 に つい て み る に、 ⋮ ⋮ 本 件
解 す る のが相 当 であ る。
年 にX Y は テ キ サ ス州 裁 判 所 の裁 判 を 経
(休 暇 ) の終 了 時 に Y の住 所 に お い て A
頭 す る機 会 が 保 障 さ れ て いる手 続 に より
(判 例 タ イ ムズ 八 三 五号 一三 二頁 )
関 す る規 定 であ る か ら、 同条 に いう ﹃判
て離 婚 し た が 、 離 婚 判 決 にお いて 、併 せ
を X に引 き 渡 す べき こと 、 ま た、 A の養
決 ﹄ は、 強 制 執 行 に親 し む具 体 的 な 給 付
て、 Y を A の単 独 支 配 保 護 者 (
留 写 竃磐 -
育 料 を 支 払 う べき こと を 命 じ て いる 。 X
︿事 実 の概 要 ﹀
9 霧 輿 轟 8﹁)
移 動 す る こと を 禁 止 し、 更 に、 A が 一八
に指 定 し、 裁 判 所 の許 可 な く A を 州 外 へ
時占 有保護 者
き執 行 判決 を 請求 す る本件訴 を提起 し
国 判 決 中 のA の引 渡 し を 命 じ る 部 分 に つ
は 一九 九 一年 にわ が 国 の裁 判 所 に本 件 外
法 二〇 〇 条 に いう ﹃確 定 ﹄ と は、 判 決 国
す る のが 相 当 で あ る。 そ し て、 民 事 訴 訟
り、 そ の形式 や 名称 は 問 わ な いも の と解
裁 判 所 が 終 局 的 に し た 裁 判 であ れ ば 足
実 を も 考 慮 す る こと が で き るが 、 更 に、
ず 、 そ れ が 導 か れ る基 礎 と な った認 定 事
た って は、 当 該 外 国 判決 の主 文 の みな ら
が 充 足 さ れ て いる か 否 か を判 断 す る に当
が 相 当 であ る ﹂。
oψ゜。o蔓
歳 にな るま で X は養 育 料 を支 払 う べ き こ
た 。 Y はX の請 求 を 争 う と 共 に、 予 備 的
法 上、 形 式 的 に確 定 し て いる こ と、 す な
少 な く と も 外 国 にお いて さ れ た非 訟 事 件
(霧
凝 ぎo
q◎当の
臼毒 け
臼)
、 X を夏 休 み 等 の特 定
期 間 に限 り 保 護 下 に置 く こと ので き る 一
と 、 夫 婦 相 互 間 に おけ る 財産 分 与 等 も 命
反 訴 と し てA が 日本 祉 会 に完 全 に順 応 し
にあ る こと を 意 味 す る も のと解 され る。
わ ち 、 通 常 の不 服 申 立 方 法が 尽き た状 態
﹁民 事 訴 訟 法 二〇 〇 条 三 号 の要 件
じ ら れ て いた 。 X は 一九 八 八 年 八 月 に同
ほと んど 解 しな く な って い る こと 、 X が
安 定 し た 生 活 を 営 ん で いる こと 、 英 語 を
二
に変 更 す る 裁 判 を 申 し 立 て た。 翌 年 三 月
裁 判 所 にA の単 独 支 配 保 護 者 を Y か ら X
5
子 の引渡 しを命 じた テキサ ス
州裁判 所 の判 決 に基づ く執 行
国際私法
リz卜
,ユ
決請求を棄却した事例
297判
こ と が で き な いか ら であ る。
が 公序 良 俗 に反 す る か 否 か の検 討 をす る
ま た、 こ のよ う に解 し な け れ ば 、 右 判 決
の当 否 を 判断 す る こ と に はな ら な い し、
で あ る。 こ のよ う に解 し ても 、 外 国裁 判
す る こ と が でき る も のと 解 す る のが 相 当
き出 し た基 礎 と な る 事 実 を 推 認 し て考 慮
た証 拠 資 料 を も参 酌 し て、 判 決 主 文 を導
よ う な場 合 には、 審 理 に お い て提 出 され
な る事 実 の認 定 が さ れ て いな いが 、 こ の
判決 に は、 判 決 主 文 を 導 き 出 し た基 礎 と
解 す べき だ か ら で あ る 。 な お、 本 件 外 国
判 の承 認、 執 行 に つ い て判 断 を す る時 と
断 の基 準 時 は、 わ が 国 の裁 判 所 が 外 国 裁
か 否 か を 判断 す る の であ る か ら、 そ の判
認 ・執 行 す る こと が わ が 国 で認 めら れ る
当 否 を 審 査 す る の で は な く 、 これ を 承
反 す る か 否 か の調 査 は 、 外 国 裁 判 の法 的
のが 相 当 で あ る。 外 国 裁 判 が 公 序 良 俗 に
事 情 をも 考 慮 す る こ と が でき ると 解 す る
判断 す る 場合 に は、 右 裁 判 の後 に生 じた
の裁 判 に つ いて執 行 判 決 を す る か否 かを
の福 祉 に反 す る結 果 を も た らす も ので 公
給 付 を命 ず る 部分 を執 行す る こと は、 A
し 、 これ を前 提 と し た 本件 外 国判 決 中 の
Y か ら X に変 更 し た本 件 外 国判 決 を承 認
る 。 し たが って、 A の単独 支 配 保 護 者 を
る こ と が 明 ら か で あ る と いう べき であ
か え って、 同 人 の福 祉 に と って有 害 であ
の福祉 に適 うも ので な いば か り で なく 、
右 のよ う な保 護 状 況 に置 く こと は、 同 人
ら、 こ の よ う な A を、 現 時 点 に お いて、
一 一歳 に な ろ う と し て い る の で あ る か
本 件 口頭弁 論 終 結 時 に お い て、 間 も な く
る 。 Aが 幼 児 であ る な らば いざ 知 らず 、
と を強 い る こ と にな る こと が 明 ら か であ
通 じ な い支 配 保 護 者 のも と で生 活 す る こ
じ な いア メリ カ合 衆 国 に お い て、 言 葉 の
活 さ せ る こと は、 同 人 に対 し、 言 葉 の通
び 同人 を し て ア メリ カ合 衆 国 に お い て生
き な い状 態 にあ る の であ る から 、 い ま再
て、 現 在 で は英 語 の会 話 や 読 み書 き が で
くな り、 明 るく通 学 して おり、 かえ っ
生 の現 在 で は、 言 語 の障 害 も かな り 少 な
語 が 理解 でき ず 苦 労 を した が 、 小 学 五 年
し て お り、 同 人 は、 最 初 のう ち は、 日本
一五三頁)
。 し か し、 外 国 非 訟 裁 判 の承 認
実 際 にはさ ほど大き く な い (
河野 ・前 掲
る こ とな ど を 考 慮 す れ ば 、 両 者 の相 違 は
に つ いても 緩 和 的 解 釈 が 通 説 と な って い
て 三号 に包 摂 す る こと も でき 、 又、 四 号
〇 条 二号 の要 件 は手 続 的 公 序 の問 題 と し
決 に当 た ると し て同 条 を 適 用 し た。 二〇
国 判 決 を 二〇 〇 条 の適 用 対 象 た る外 国 判
頁 、櫻 田 ・前 掲 二九六頁 )
。 原審 は本件外
判 の承認 ・取消 ・変更 ﹂曹時 二六巻九号 二八
す る (学説と して、 鈴木忠 一 ﹁外国 の非訟裁
が 国 に お い て承 認 さ れ る べき こと を判 示
一号 二 二号 の要 件 を 充 足 す る 場 合 に、 わ
当 す る外 国 裁 判 は、 民 事 訴 訟 法 二〇 〇 条
一一 判 旨 一は、 わ が 国 の非 訟事 件 に相
な 管 轄 肯 定 事 由 と した 例 と いえ よ う。
は検 討 を 要 す る。 本 判 決 は これ を補 充 的
化 し た 場 合 に、 ど のよ う に評価 す べき か
し て、 当 事 者 の住 所 な ど の管 轄 事 情 が変
が 、 そ の こと を 国 際 裁 判管 轄 の判 断 に際
た 裁 判 を 変 更 す る 権 限 が 原 裁 判 所 (国 )
にあ る と 考 え る の は自 然 のよ う で はあ る
考 慮 し て いる 判 示 も 注 目 さ れ る。 先 行 し
の修 正 ・変 更 に関 す る 裁 判 であ る ことを
も と外 国非 訟 裁 判 の承 認 問 題 は、 固 有 な
者 を区 別 す べき 積 極 的 理 由 はな い。 も と
な通 用 性 を高 め る と いう 視 角 から も 、 両
法生 活 の安 全 、 安 定 のた め裁 判 の国 際 的
的 尊 重 と いう視 角 から も 、 又 、 国 際 的 私
主権 国家 間 の 国家 裁 判 機 関 の判 断 の相 互
判 と を区 別 す べき 理由 は何 であ ろう か。
籍 五四九号 二〇頁 )
。
法 二〇〇条と外 国裁判所 による非訟事件 ﹂戸
主張する見解も ある (
住田裕子 ﹁民事訴訟
つ いて は、 二〇 〇 条 の適 用 な いし 準 用 を
を考 慮 しな け れ ば な ら な い性 質 の裁 判 に
性 格 が 強 く 、 対 審 手 続 に準 じ た 手 続 保 障
が 国内 法 上 は非 訟 事 件 と さ れ る が 争 訟 的
家 事 審 判 法 九 条 乙 類 の事 件 のよ う に、 わ
頁)
。 こ れ に対 し て 、 例 え ば 、 わが 国 の
て定 義 付 け 、 そ れ 以 外 は全 て非 訟 と す る
区 別 方 法 であ る (
鈴 木 ・前 掲 = 下 一三
性 、 手 続 の対 審 性 、 判 断 の終 局 性 を 以 っ
て の裁 判 を 非 訟 裁 判 と す る 区 別 を 用 い て
と し、 こ の争 訟 に当 た ら な い事 件 に つ い
裁 判 であ れ ば そ の形 式 や 名称 は 問 わ な い
と こ ろ で、 承 認 に関 し て判 決 と 非 訟 裁
いる 。 こ れ は、 先 ず 訴 訟 を 事 件 の争 訟
こ れ を本 件 に つ い て みる に、 ⋮ ⋮本 件
問 題 は、 承 認 制 度 上 の性 質 決 定 問 題 であ
民 事 訴 訟 法 二〇 〇 条 の ﹁判 決 ﹂ に該 当
す る外 国裁 判 はど の よう なも の かと いう
そ れ に対 し、 そ の形 成 が 外 国 裁 判 所 の裁
そ の効 果 が 認 め られ る のが 原 則 であ る 。
る準 拠 法 に基 づく 場 合 に は、 わ が 国 でも
る 法律 関 係 形 成 は、 そ れ が 法 例 の指 定 す
論 と の関 係 か ら論 じら れ てき た 。 国 際 私
り、 承認 国法 た る 日本 法 に よ る べき であ
判 によ る場 合 に、 これ と は異 な った考 慮
手 続 法 上 の問題 と いう より 、 国 際 私 法 理
一 本判 決 は外 国 判 決 の承 認 ・執 行 に
る (
判決国法上 の性質決定 をも考 慮する いわ
を 要す る かが 問題 とな る。 外 国 の形 成 的
に つき 一般 規 定 を 欠 く わ が 国 で の原 則 上
関連 し た いく つか の論 点 を 含 む が、 紙 数
ゆ る 二重 の性 質決定論 に ついて、鈴 木 ・
前掲
裁 判 が 準 拠 法 上 適 法 ・有 効 で あ れ ば 足
な る の で、 ア メリ カ 合 衆 国 で生 活 さ せ る
若 干 の疑 問 が残 る。
法上 、 外 国 で私 人 のな した 法 律 行 為 に よ
方 が よ り A の福 祉 に適 う と の理 由 に よ
の制 約 も あ り、 判 旨 と し て引 用 し た 二点
八頁参照)
。 判 旨 一は、 同 条 の ﹁判 決 ﹂ に
り、 そ の裁 判 自 体 のわ が 国 で の承 認 は必
の意 味 を 持 つ。
り、 A の単 独 支 配 保 護 者 を Y か ら X に変
のみ を 取 り 上げ る。 引 用 を 省略 し た が、
つ いて、 実 体 私法 上 の争 訟 に つき 、 対 立
要 な いと い う 処 理 も あ り 得 る (国際 私法
説﹀
更 し、 そ れ に伴 って 、 Y に対 し、 X への
テキ サ ス州 の間 接 的 国 際 裁 判管 轄 を肯 定
れ た 手続 に よ り、 裁 判 所 が 終 局 的 に した
当 事 者 双方 に審 理 への出 頭機 会 を 保 障 さ
︿解
序 良俗 に反 す る と いう べき であ る ﹂
。
外 国判 決 は、 A が 日 本 で生 活 す る よ う に
な った場 合 には、 A の聴 覚 障 害 、 日本 に
おけ る少 数 者 に対 す る 偏 見 ・差 別 、 激 し
A の引 渡 及 び 扶 養 料 の支 払 等 を 命 じ たも
す る に際 し、 他 の事 由 と 並 べ て、 本件 外
い受 験 戦 争 等 の事 情 か ら 、 ア メリ カ合 衆
の で あ り、他 には 右 の変 更 を 基 礎 付 け る
国 判 決 が 先 に同 一の裁 判 所 が 下 し た 判 決
判 決 の結 論 に賛 成 す る が、 理 由付 け に
事 由 は な いも のと 推 認 さ れ ると こ ろ、 A
国 にお いて生 活 す る よ り も 適 応 が 困 難 に
が 日本 に居 住 し てか ら 既 に 四年 余 を経 過
5
ス行
サ執
キく例
テづ事
た基た
じ にし
命 決却
を 判棄
し のを
渡 所求
引 判請
の裁決
子 州判
298
ヲ ユ リz卜
国際私法
れ ると いう処 理もあ り得 る (
国際 民事訴
の承 認 に よ って のみ そ の形 成 力 が 承 認 さ
的処 理 )
。 逆 に 、 わ が 国 に よ る そ の裁 判
条 を適 用 す べ き であ ろ う。
にそ れ を 妨げ る 理 由 が な い以 上、 二〇 〇
は、 民事 執 行 法 二四 条 の規 定 か ら も、 特
る を 得 な いと し ても 、 職 権 を 以 って顧 慮
考 え得 る。 この点 の検 討 は後 日 に譲 ら ざ
い場 合 には 承認 適 格 性 を 否定 す る こと も
き 学 説 は分 か れ る (
判例 は抗弁と して認 め
中 で抗 弁 と す る ことを 認 め る べき か に つ
え を 要 す る と解 す べき か、 執 行 判 決 訴 訟
る事 実 の認 定 を 欠 く 米 国 の陪 審 によ る裁
の根 拠 と し て 主張 され る全 て の事 由 に審
に 理 由が 付 さ れ て いな い以 上 、 主 文 判 断
す べき 公序 の判 断 に際 し て は、 外 国 判 決
〇 頁、東京 地判平成 三 ・= 一・一六判 タ七九
四〇 ・一〇 ・一三下民集 一六巻 一〇号 一五 六
る傾向 にあり、本件原審 の他、東京地 判昭和
判 旨 二 の判 示中 、 判 断 の基 礎 と な
判 に つ いて は 公序 判断 に際 し て、 審 理 に
一部 に つき執 行判決認容 )などがあ る。学説
四号 二四六頁 .
(一部弁済 の抗弁を認 め請求 の
三
さ れ た 準 拠 法 が わ が 国 の法 例 の指 定 す る
に 関 す る 判 旨 は支 持 さ れ る べき であ ろ
査 を 及ぼ し得 る とす べき であ り 、 こ の点
訟法的 処理 )
。 外 国 裁 判 の承 認 と 並 び 適 用
準 拠 法 であ る こ と を 要 す る と いう 折 衷 的
お いて 提 出 さ れ た証 拠 資 料 を 参酌 し てそ
一六九 頁、青 山善充 ・注解 民事執行法 ω﹂ 四
とし て、抗弁説 "中野貞 一郎 ﹁民事 執行法田 ﹂
れ ら事 実 を推 認す る こと が で き る と し た
う。
これ ら の問題 に つき 、海老 沢美広 ﹁
外 国非訟
点 、 並 び に、 少 な く と も外 国 非訟 裁判 の
処 理 も あ り 得 る (いわゆ る準拠法 要件論、
一憲 ﹁国際私 法と 国際民事訴 訟法 の交 錯 ﹂特
二七頁、 請求異議訴訟説 三 ケ月章 ・民事執
裁判 の承認 ﹂国際私 法 の争点 一六〇 頁、石黒
A Y のわが 国 への移 住 後 の事 情 変 化 を
執 行判 決 訴訟 にお いて は、 外 国裁 判確 定
であ る が 、 公序 の判 断 は職 権 を以 って顧
行 法 八四頁、高 桑昭 ﹁
外 国判決 の承認 及び執
慮 し な け れば な ら な い点 で は異 な る。 い
請求 異議 事 由 に相当 しな いとした原 審
う子 の引 渡 し と い う請 求 の特 別 な 性 質 を
は、 通 常 の財 産 的 請 求 の場 合 の請 求 異 議
考 慮 す べき であ った。 外 国 裁 判 後 の事 情
さ せ る も ので あ り、 抗 弁 説 に よ る方 が 明
ず れ にし ろ 承 認 の効 力 の基 準 時 点 を 動 揺
て考 慮 す る ことが でき る と す る 二点 は新
外 国 判 決 承 認 要件 と し て の公序 の審 査
の変 化 によ り 再度 監 護 権 者 の変 更 を 子 の
後 に生 じ た事 情 も 公序 要件 の判断 にお い
に際 し て、 外 国判 決 の当 否 を 判断 し て は
住 所 地 国 で求 め る 可能 性 を 考 慮 す れ ば 、
に 一九八頁 以下、渡 辺湿之 ﹁外国 の離 婚、 日
現 在 のと こ ろ形 成 判 決 に つい て は 二〇 〇
な ら な いと の実 質 的 再審 の禁 止 と の関係
判旨 二後 段 に掲 記 され て いる よう な 、 確
は、 一般 的 な 日本 社 会 に対 す る批 判 的 認
本 の離婚﹂講座家事審 判法5 一九 一頁以下 )
。
条 に よる 承 認 を 要 す る と いう こと が 一般
か ら、 判 決 の主文 のみ に審 査 範 囲 を 限 る
定 し た請 求 権 自 体 の消 長 に関 わ ら な い事
一一
は実 質 的 には抗 弁 説 と 異 なら な い よう
に認 めら れ て いる に止 ま る 。 そ れ 以 外 の
見 解 が か つて は 唱 え ら れ た 。 し か し、 そ
情 の変 化 も 請 求 異 議 の事 由 に相 当 す る と
子 の 監 護 判 断 を 導 い て い る か に窺 わ れ
識 か ら、 直 ち に個 別 具 体 的 事 例 に おけ る
行 ﹂新 実務民事訴 訟講座㈲ 一五五頁 )
。判旨
非 訟 裁 判 に よ る形 成 に つ い て は、 非 訟 事
の後 、 判 例 は 主文 判 断 の基 礎 と な った 認
解 し得 る であ ろう 。 本 件 判 旨 二は これ を
る。 国際 事 件 の裁 判 に おけ る陪 審 制 への
の基 準 を そ のま ま本 件 に適 用 した も のと
件 の多 様 性 か ら 一律 に決 す る こと に慎 重
定 事 実 も 審 査 の 対 象 と な る と し て いる
正 し た 点 で そ の 判 断 内 容 は評 価 でき る
疑 問 と は 別 に、 外 国 に居 住 す る子 の監 護
判 断 で あ る。 し か し、 こ の後 者 の点 には
な 立 場 を と るも のが 多 い (
海老沢 ・前掲、
(
東京地判 昭和 四五 ・一〇 ・二四判時六二五号
が、 そ の判 断 枠 組 み と し て外 国 判 決 後 の
判 断 の困難 を示 す も の であ り 、 子 が 現 に
ど の よう な 形 成 裁 判 が 右 記 の いず れ の処
河野 ・前掲 )
。 二〇 〇 条 が 民 事 訴 訟 法 上 の
六 六頁、東 京地判昭和 四 四 ・九 ・六判時 五八
事 情 を 公序 の判 断 に お い て考 慮 し 得 る と
思 わ れ る。 し か し、 監 護 権 者 の変 更 に伴
規 定 であ り 、 法 文 上 は 判 決 を 対 象 と し、
六号 七三頁 )
。 米 国 の陪 審 裁 判 によ る判 決
す る こと は問 題 を 含 む 。 承 認 の基 準 時 点
疑 問が 残 る。
二号 が 当 事 者 対 立型 手 続 を 前 提 と し て い
の場合 、 判断 の理 由 及 び基 礎 と な る事 実
理 に よる べき か に つ い ては 、 わ が 国 で は
る こと から 、 典 型 的 な 非 訟 裁 判 で当 事 老
の認定 が付 さ れ て いな い。 これ ま で 米 国
と を 示 す も のであ ろう 。 そ れ 以 外 の国 に
住 所 を有 す る 国 の管 轄 を 原 則 と す べき こ
本 件 外 国判 決 は、 判 示 に表 れ た 限 り で
快 で あ った。
は、 規 定 の形 式 か ら も 同 条 を 適 用 す る に
対 立 的 構 造 を と り 得 な いも の に つ い て
は、 法律 に よ る自 動 的 承 認 制 度 の下 で は
管 轄 を 認 めざ るを 得 な い場 合 に は、 子 の
判 決 の承 認 ・執 行 に際 し て、 こ の点 が 問
る調 査 を、 司 法共 助 を 介 し て国 際 的 に活
住 所 地 国 の当 局 (家裁 の調査官など) によ
は困 難 が あ る と いえ よ う 。 し か し、 非 訟
と解 し て い る か の判 示 は相 当 でな い。 外
用す る道 を拓 く こと の必 要 性 も 感 じ さ せ
外 国 判 決 の確 定 時 であ り 、 そ れ を 承 認 の
上 にお け る 理 由 の記 載 の欠 如 の取 扱 (
民
国判 決 の執 行 の場 合 、 実 体 的 権 利 の確 定
ら れ る。
有 無 に つい て の判 決 時 な いし 執 行 判 決 時
訴 法 三九 五条 一項 六号 ・八〇 一条 一項 五号 )
とが 異 な る の であ り、 こ の こと は 既 判 力
時 点 とわ が 国 内 で の債 務 名 義 の成 立 時 点
し か し、 私見 で あ る が 、 わ が 国 の訴訟 法
と の均 衡 上 、 無 条 件 にそ のよ う な判 決 の
題 と さ れ た こと は な か った よ う で あ る。
つ い て の裁 判 の 承 認 に、 二〇 〇 条 の適 用
を 考 慮 す ぺき 、 争 訟 的 性 格 が 強 い事 件 に
承 認 対 象 適 格 性 を 認 め る こ と には疑 問 の
を観 念 し得 な い非 訟 裁 判 に ついて も 基 本
的 な 手 続 に よ る裁 判 と そ こ で の手 続 保 障
を 排 除 す べき 理由 は な いよ う に思 わ れ る
余 地が あ る。 少 な く と も執 行 判決 を求 め
じ た事 情 変 化 に つい て は、 請 求 異議 の訴
的 に妥 当 す る。 そ の 二 つの時 点 の間 に生
事 件 の中 でも 、 わ が 国 法 上 、 当 事 者 対 立
(ドイ ツにおけ るF GG 一六条 aの改正以前 の
る側 に 理 由 及 び認 定 事 実 を補 充 す べき 資
(
渡辺幌之
撚阪大欝)
同旨判例とし て UロO= hNお蟄 る。
念賄,
)
。特 に、
料 の添 付 を義 務 付 け、 それ が 果 た され な
わたなべさと し
の裁 判 の執 行 を 請 求 さ れ て い る 場 合 に
本 件 のよ う に、 非 訟 事 件 で はあ るが 、 そ