善き友のナンバー・ワンとは しゅん 筍という漢字は、竹冠に 旬 と書いて「たけのこ(竹の子)」と読む。旬は魚や野菜が一番 おいしい時を意味しているから、竹の子は春の旬を代表する食べ物ということなのだろう。 知人から聞いた話だが、5月初めのある朝、玄関を開けると目の前にみずみずしい竹の子 が、大小2本置かれていたそうだ。後で電話があって、親しい友人からだと分かったが、 いき 朝取りの新鮮な竹の子は粋なプレゼントだった。よく見ると、人形が並んでいるようにも 見えて、かわいらしかったという。 そんな話を聞いた週末、久しぶりの休暇で、ラジオを聞きながらドライブをしていたら、 竹の子をお題にした俳句が話題になっていた。「竹の子という地の力いただきぬ」「トロフ ごと ィーの如く竹の子いただけり」 「善き友の一に竹の子くれる友」などがあった。3句目の「善 つれづれぐさ き友の一」は、 『徒然草』に出てくる言葉だと解説があった。これは面白いと思い、帰宅し てすぐ『現代語訳徒然草』 (吉田兼好/佐藤春夫訳/河出文庫)を購入した。あった、あっ よ た。 「友達にするのに、よくないものが七つある。ー省略ー善い友は三つある。一にはもの をくれる友、二には医者、三には知恵のある人」と書いてあった。今の私の立場なら「知 恵のある人」を第一に置くのだが、ものをくれる友を第一の友とした兼好法師は正直で面 白い。 角田高校東京同窓会総会が5月17日都内で開かれ、招待していただいた。70 数名が出 席し最高齢は 91 歳の大先輩だった。旧角田女子高の同窓会も一緒になったので華やかであ る。私の同級生も出席していていろいろと話をした。「退職したら東京にいる理由がない。 角田に空き家があったら紹介してくれ」だとか、 「あいさつで大友君が話していた『ふるさ と納税』だが、今、角田のためにできることはあれしかない。早速送金するよ」などと、 ありがたい話をたくさんいただいた。「善き友の一はものをくれる友」という兼好法師の言 葉を思い出しニヤリとしたが果たして実現するのか、楽しみに待っていよう。 ▲角田高等学校東京同窓会。友人らとの情報交換ともなる。
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