留学生レポート HEC Paris への交換留学を経て フランス/HEC Paris 亀山知紗 (商学部 3 年) このたびは、フランスの HEC Paris に交換留学をさせていただきありがとう ございました。一橋大学での 4 年間の中で、籍を置いたまま他の国の協定国で 学ぶという、非常に貴重な経験となりました。とくに、ヨーロッパでも指折り の名門ビジネススクールに身を置くことができたことで、たくさんの刺激と学 びを得ることができました。 私がフランスの HEC を選んだ理由は、いくつかありますが、他国での商学に 興味があり、フランス語を学習していたことが挙げられます。 大学の授業で最も印象的だったのは、ワインマーケティングと観光です。 前者は、HEC では有名な授業で、ワインの種類から生産工程、市場の現状や 新ターゲットへのアプローチ法を学んだ後、最後はテイスティングを体験する ことができました。フランスの家庭や飲食店、店舗などを通して、ワインがい かにフランス人にとって身近で欠かせない存在かということが分かります。そ のため、今回の留学中に、このような授業から、ワインという切り口で新たな フランスへの考察を深めることができました。 観光も、世界一の観光大国であるフランスからならではの知見が得られまし た。観光の授業は、フランス語話者の授業なので、他の英語で行われる国際的 な授業とは、アプローチが大きく違いました。授業中は、例えばパリの観光客 が増え続けている歴史や地理的要因を軸に、最初から最後まで議論をしました。 議論をすると、フランス人ならではの視点がわかり、こちらからは日本という 特殊な位置からのコメントを提供することができました。 HEC の授業は、一回が 3 時間と長く感じますが、ほとんどが半セメスターか 1セメスターで終了します。この点で、集中力を磨かれ、効率的に学習できま した。また、多くの授業でグループや個人での発表が最後に置かれ、学習内容 を発展させ一つの形で表現するという目的ができ、モチベーションが持続しま した。 生活においては、郊外にあるキャンパス内の寮に住みました。ほとんどの学 生はここに住んでいるので、交流関係が築きやすく、仲が深まりやすいです。 私は、学生用食堂を通して、フランスだけでなく各国の様々なプログラムに属 する学生と出会いました。こうしたバックグラウンドの違う友人と知り合うこ とで、普段考えなかった視点を知り、互いの文化や価値観について語り明かし たことがいい思い出となりました。そして、クラブや団体が開くテーマの決ま ったパーティーや、コンサートなど、毎週キャンパス内で多種なイベントがあ り、気軽に参加することができました。 授業の合間には、フランスに住んでいることを活かして、フランスの地方な ど小旅行に出かけることもありました。旅先では、毎回たくさんの出会いがあ り、現地の人やフランス人の友人を通して、物事の捉え方の違いや、共通点に 感動しました。学校でも余暇でも、これほど毎週新たな人と気軽に出会い交流 することができる環境にいられることは、日本ではなかなかないと思いました。 また、11 月に起こったパリという身近な場でのテロは、唯一で最も悲しかっ た出来事であり、自分の大切な人や世界平和、複雑な社会問題など多くのこと を考えさせられました。とくに、存じ上げてはいませんでしたが、犠牲者とな った HEC の学生の一人にはご冥福をお祈りいたします。 最後に、留学の機会を与えてくださった明治産業株式会社様、名産株式会社 様、如水会・国際課の方々、支えてくれた家族や友人、先生に、深くお礼申し 上げます。ありがとうございました。 大学の近くの農園 学友との誕生会 5階の寮からの夕焼け
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