肥料高騰 なぜ肥料は高騰したのか ここ最近、肥料が高騰しています。高騰と言うより暴騰といったほうが正しいかもし れません。今回の肥料高騰には、次のような背景があるといわれています。 ① ② 新興国での食糧増産やバイオエタノール向けとうもろこし需要の拡大。 寡占化している原料供給国 りん鉱石の一大生産国である中国による大幅な輸出関税を上乗せ。(実質的には輸出禁止) ③ 石油高騰(肥料精製・生産・流通のためのコスト増) このようなことから、本年7月には肥料価格の大幅な値上げが行われました。 以下、化学肥料の三大成分ごとの解説です。 「リン」について 「リン」そのものは地球上に普遍的に存在していますが、現在の化学肥料は採掘したリ ン鉱石から製造されています。問題は、リン鉱石は地球上に著しく偏在していることにあ ります。 国名 産 中国 米国 モロッコ ロシア チュニジア ブラジル ヨルダン シリア イスラエル 南アフリカ エジプト 豪州 トーゴ その他 計 出 量 3500 2970 2800 1100 770 6 00 570 380 300 270 230 220 100 9 30 1 47 00 ※ 2007年 産 出 量 は 万 ト ン USGS( 米 国 地 質 調 査 所 ) 資 料 Vol.130_なぜ肥料が高騰したか.jtd 世 界 の リ ン 鉱 石 の 産 出 量 は 200 7年 で 1億 4700 万 ト ン で す 。 こ の う ち 中 国 、 米 国 、 モ ロ ッ コ の 3カ 国 が 3分 の 2を 占 め 、 上 位 6カ 国 で 8割 、 上 位 10カ 国 で 9割 を 占 め ま す 。 この数年来、化学肥料も、原料も急騰していますが、 特 に リ ン 鉱 石 は 暴 騰 状 態 で す 。 加 工 前 の リ ン 鉱 石 は 、 今 年 3 月 に は 約 3 8 , 00 0 円 / ト ン と な り 、 1年 で 5倍 以 上 急 騰 し て い ま す 。 リン資源を回収・リサイクルする方法は数多く提案されています。汚泥か らの回収プラントも多くの企業が手がけていますが、課題はコストです。 「カリ」について 「カリ」についてもリンと同様で、原料の山元の寡占化も価格高騰の要因となっていま す。 例えば塩化加里の場合、世界的な生産量の7割以上を旧ソ連(35%)、カナダ(28%)、 ドイツ(11%)で占めており、生産を制限して価格維持をはかっています。世界に占める 日本の塩化加里輸入量はわずか2%に過ぎず、安定的に数量を確保するためには、世界の 需要動向や価格動向の影響を受けざるをえない状況にあります。 Vol.130_なぜ肥料が高騰したか.jtd 「チッソ」について 「チッソ」については、リンやカリと異なり原料が石油となります。 そのため、石油高騰に連動して価格が高騰していると考えられます。 引用元 投資経済データリンク: http://blog.h-h.jp/investnews/2008/06/19/ 新しい「農」のかたち:http://blog.new-agriculture.net/blog/2008/05/000562.htm l ほか 参考)化学肥料の三大成分 化学 肥料の三大成分、つまり植物の三大栄養素とい うのは、「リン 」「カリ」「窒 素」です。人間でいうところの「炭水化物」「タ ンパク質」「脂質」みたいなものだと思ってください。 Vol.130_なぜ肥料が高騰したか.jtd
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