ケース7 2班 大西・兼森・斎藤・須藤 東・源・村上・吉武 病院の外来の廊下で、幼児を抱えていた母親とすれ 違ったところ、膿みでべとついていた頭部がみえた。 体は病的に小さく、歩くことも話すことも出来ない。表 情に乏しい。 事務に連絡して、事務の担当者が話を聞いたところ、 母親は、「2歳です」「ハイハイが始まる前だったと思 うが、家でけがをした。」「その時、頭にできた血の塊 を取り除く手術を受けた。退院後は、必要な治療に 連れて行ってない。」と話した。 続き(2歳児、虐待) その後、入院となり、1ヶ月の治療で、子供はつか まり立ちし、笑顔をみせるようになった。 入院当初、子どもが泣いても雑誌を見たりテレビを 見ていた母親も、わが子の変化に可愛さを感じるよ うになったのか、子どもの世話をするようになった。 病院では、ネグレクト(育児放棄)と身体虐待が濃厚 ということで、児童相談所(児相)と警察に連絡 家庭環境などの情報を関係者で共有する一方、親 と話して治療方針を決めることにした。 調べること 1. 2歳児の正常の成長・発育との比較 2. 児童虐待の定義・分類 身体的虐待、身体的虐待、性的虐待、 ネグレクト(養育放棄) 3.ハイリスク要因 親、子、体罰 4.救出、保護、サービス、勧告 5.ケアマネジメント (1)2歳児の正常の成長・発育との比較 • 走ったり、手すりにつかまって1人で階段を昇 り降りしたり、大きいボールを蹴ったりする。 • 微細運動では積木を6~7個積むことができ、 またドアの取っ手を回す。 • 2語文を話す。 • 耳、目などの部分がわかり、指さしをする。こ ぼすがさじを使って食べることができるように なる。 • 頭位・身長比(プロポーション)は5等身である。 発達の評価 • 定期的な発達スクリーニングは異常の早期 発見、早期治療・療育、小児の健康状態の把 握に重要である。 • 現在わが国では遠城寺式乳幼児分析的発達 検査表、日本版デンバー式発達スクリーニン グ検査―改訂版(JDDST‐R)、津守・稲毛 式発達スクリーニング検査などが使用されて いる。 成長の評価 • 成長の評価は身体計測値が暦年齢に応じた 範囲にあるか、またはその範囲の経過が適 切であるかにより判定される。 • 身長は全身発育の指標として、体重は栄養 状態の指標としてよく用いられ、頭位は脳発 育と深い関係にある。 • また、体型や栄養状態の判定には発育指数 が使用される。発育指数にはKaup指数、 Rohrer指数などがある。 (2)虐待の定義・分類 • 身体的虐待 →児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそ れのある暴行を加えること。 • 保護の怠慢・拒否(ネグレクト・養育放棄) →児童の心身の正常な発達を妨げるような著 しい減食、長時間の放置、保護者以外の同 居人による同様の行為の放置、その他の保 護者としての監護を著しく怠ること。 • 心理的虐待 →児童に対する著しい暴言、著しく拒絶的な 対応、児童が同居する家族における配偶者 に対する暴力、その他の児童に著しい心理 的外傷を与える言動を行うこと。 • 性的虐待 →児童にわいせつな行為をすること、又はわ いせつな行為をさせること。 (引用;サブノート2010 p、222) (3)ハイリスク要因 虐待のリスクファクター ①虐待者側の問題 + ②家族の状況や社会文化的背景 + ③虐待される子どもに見られる特徴 ∥ 虐待!!! ①虐待者側の問題 1)乳幼児期に安定した依存関係を経験していない。または、虐待された体 験がある。 2)自己に対する評価が低く、傷つきやすい。 3)自分や周囲に対して要求水準が高い。 4)攻撃性が高くそれをコントロールできない性格である。 5)未熟な性格で配偶者各々が互いを支えられない。 6)人格障害や、アルコール依存症、精神分裂病などの精神疾患をもってい る。 7)知的傷害がある。 8)身体疾患をもっている。 ②家族の状況や社会文化的背景 (その1) 1)暴力が虐待以前から家庭内にある。 2)望まない結婚、または妊娠、出産である。 3)夫婦の間がうまくいっていない。 4)経済的な問題を抱えている。 5)相談できる人や頼れる人をもたない。 孤独した、もしくは閉ざされた家庭である。 ②家族の状況や社会文化的背景 (その2) 6)親子が新生児期から乳幼児期にかけて離れて暮ら した体験がある。 7)ほかに手のかかる子どもや病人などが家族にいる。 8)完全なもの、優良なものだけが価値があるとする社 会。 9)地域で横のつながりがなく、相互扶助の力が弱い 社会。 ③虐待される子どもに見られる特徴 (その1) 1)未熟児で育児に手がかかる。 2)病気で育てるのが難しい。 3)よく泣き、泣き止まない。 4)反応が少ない、食が細い、など。 5)発育・発達が遅れている。 ③虐待される子どもに見られる特徴 (その2) 6)何らかの形で親の期待が裏切られている。 7)親の嫌悪している対象によく似ているなど、陰性感情を投影 されやすい。 8)自分を護る力が弱い。 9)行動上の問題がある。(成長後) 10)自己評価が低い。(成長後) (出典:現代児童青年精神医学 P326) (4)救出、保護、家族の再統合 通告 • 通告:虐待を疑った場合。 • 通告する時期:疑ったその時点。 • 通告先:法律上は児童相談所と福祉事務所が挙げられてい るが、その他、保健所や地域の保健センターでもよい。どの 期間に通告してもよいが、児童相談所と保健所の2箇所に同 時に通告するのがよいであろう。複数の機関に通告すること で、対応チームがつくられやすくなる。 • 保護者への通告の通知:通告に当たって、保護者の同意を 得る、あるいは、通告することを事前に保護者に言っておく 必要はない。児童相談所へ連絡するということと、保護者に 「虐待の告知」をすることは、一応別として考えると、児童相 談所への連絡(通告)について保護者に伝えやすくなる。その 意味で、保護者へは『通告』という用語ではなく『連絡』という 用語を用いるとよい。 救出・保護 • • • • 身体面の安全確保:その日のうちの緊急入院が基本。 身体的問題の治療 再発・悪化の監視 緊急一時保護:児童相談所には一時保護所が付設(24時間 体制)。乳児の場合は乳児院などに一時保護委託することに なる。親権者の意向に反しても可能(児童福祉法第33条)。 • 児童福祉施設入所 • 在宅での支援:家族調整、生活面での多面的支援、親の治 療、親のサポート、子どもへの支援 参考文献 子ども虐待の臨床 2005 南山堂 (5)ケアマネジメント • • • • 児童相談所 児童養護施設 里親制度 ケースの発見からの流れ 児童相談所 • 児童に関する様々な問題について、家庭や学校な どからの相談に応じる • 児童及びその家庭につき、必要な調査ならびに医 学的、心理的、教育的、社会的及び精神保健上の 判定を行う • 児童及びその保護者につき、前号の調査又は判定 に基づいて必要な指導を行う • 児童の一時的保護 • 各都道府県及び政令指定都市に最低1つ以上 児童養護施設 • 乳児を除いて、保護者のいない児童、虐待されてい る児童、その他環境上養護を必要とする児童を入 所させて、これを養護し、あわせてその自立を支援 することを目的とする施設 • 環境上養護を必要とする児童 親の行方不明、死亡、傷病入院、拘禁、離婚、経済 的理由など、何らかの理由で家庭での養育が困難 な子供のこと • 近年は虐待を理由に入所するケースの割合が増加 里親制度 「保護者のいない児童又は保護者に監護させること が不適当であると認められる児童の養育を、都道府 県(指定都市・児童相談所施設を含む)が里親に委 託する制度」(児童福祉法第6条の3) • 専門里親・・・一定期間、里親としての養育経験や児 童福祉分野の経験があるものが、専門的な研修を 修了した上で登録を受けられる • 児童虐待等により心身に有害な影響を受けた児童、 知的障害を持つ児童、非行傾向を持つ児童などを 預かることができる • 里親は4種類に分けられる(養育・短期・親族・専門) ケースの発見からの流れ 通告先:児童相談所及び福祉事務所・保健所・ 市町村保護センター・警察 1. 情報収集 2. 子供の安全確保 3. 今後の対応の判断(処遇の決定) 4. 地域での支援 5. 施設入所措置等 (1)情報収集 相談・通告を受けた専門機関は速やかに他 の機関と連携し、幅広い情報収集 • まず保育所や学校に出向き、子供の様子を 直接確認、担当職員等から子供や家庭の状 況を聞き、虐待の内容や程度等から緊急介 入・保護の要否判断 • 福祉事務所・保健所・市町村保健センター・ 児童委員(主任児童委員)等多くの機関が関 与している場合情報交換(処置検討会議) (2)子供の安全確保 調査の結果、緊急に保護が必要と判断した場合、 児童相談所は速やかに子供を親から分離して一時 的保護を行う • 一時的保護は保護者の同意がなくてもできる (3)今後の対応の判断(処遇の決定) 子供の安全を図った上で、児童相談所は調査結果 や保護者との面接、子供の観察、心理・医学的判断 等を総合的に勘案し最善の処遇を決定 • 親子を分離せず、児童福祉等による家庭訪問指導 • 親子で児童相談所に通所、カウンセリングや心理療 法等を受ける在宅指導 • 施設入所措置 • 里親委託 • 医療機関や保健所など他の適切な機関を斡旋する 多機関斡旋 (4)地域での支援 虐待の内容や程度等から在宅での指導可能の場 合は、関係機関が連携・役割分担し家庭を支援する (5)施設入所措置 虐待が著しく、在宅での指導が困難な場合は、子供 を児童養護施設に入所もしくは里親に委託する等 の親子分離 • 施設入所等の措置には親権者の同意が得られるよ う努力(同意がない場合、家庭裁判所に対し施設入 所措置の申し立てを行い、その承認に基づき施設 入所等の措置をとる) • 親子分離を図った後も子供の入所する児童福祉施 設、関係機関と連絡→親への指導・子供への心理 的援助を継続 ケース7 (2週目) 2班 大西・兼森・斎藤・須藤 東・源・村上・吉武 発表内容 ① 現状について ② 課題&今後について ③ その他 ※課題については・・・ 虐待がなぜ起きるのか Ⅰ、母親の心理面 Ⅱ、環境因子 について重点的に考察します。 ①現状 • 現状 →虐待を受けた子の怪我は回復。 →入院当初、子に全く関心のなかった母親が 子に再び関心、興味を抱くようになった。 →病院は、母親のネグレクト(育児放棄)と身体 虐待を疑い、児童相談所と警察に連絡。 ②課題&今後(その1) ・課題(母親の心理面について) →来院時、母親は子が危険な状態にあることを 認識しているが、なぜ子への関心の起伏が 生まれているのか。 ・今後 →家庭・特に母親が精神的に孤立して育児スト レスを溜め込むような状況になるのを防ぎ、 幼児虐待の予防を行うことが重要であると考 える。 具体例(その1について) • 旦那との性生活を充実させ、夫婦間のコミュニケーションを増やし、快楽 とともに育児ストレスをなくす。 (つまり、母親の思考が子育てしか見えていない切迫した状態を、緩和さ せるために、他分野への意識転換を試みたもの) • 核家族を課税の対象とし、核家族を減らし大家族を増やすことで育児を 家族内で分散させる。 (イメージとしてであるが、虐待を行う側には、何らかの要因が存在し、そ の中の一つとして、金銭面が関係していそう。経済的な余裕が、心理的 な余裕へと繋がっていくのではなかろうかと、考えた。 もし、こういった課税がなされるなら、課税対策として核家族が解消され るのでは。そして、その祖父母が、子育てに協力することで、母親の負担 も軽減されるのではなかろうか。) 具体例(続き) • インターネットによる育児サポートのサイトを 充実させることで、育児に悩んだときにすぐに 悩みを解消できるようにする。 (これはすでに、ブログ等でなされていそうで すが。) ・母親の母性本能を目覚めさせるような女性ホ ルモンを投与する。 ②課題&今後(その2) ・課題(環境因子について) →虐待に至るには、母親(育児する側)だけに問 題があるのではなく、それを取り巻く環境に何 か問題があるのではないか。 ・今後 →育児する側の周囲の環境を良くし、育児する 側のストレスを極力軽減する。 具体例(その2について) • 子供同士が集う会合をつくる、子供同士で話し合い、虐待されている自分と虐待 されていない他人とを比較し、自分なりに出来ることを模索する。 • 育児会社を設立し、すべての育児を代わりにしてもらう。 (子どもを幸せにしてあげるには、母親、育児に関わる人も幸せであらなければ、 ならないということから。介護のデイサービスみたいなもの。) ・町内会などで定期に催しもの、イベント等を行い地域での付き合いを増やし、育 児に関する悩みを打ち明けられる環境を作る。 例えば・・・親子参加型のイベントをつくり、親子の思い出をつくることで親子の距離 を縮めていく ・各地域に劇団をつくり、子どもの演技力を向上させることで親の関心を引く 演技をして虐待から身を守る。 (幼すぎては、演技の理解が困難かもしれない。ある程度の年齢に達しな くてはならないが。) ・ペットを飼って、愛くるしい雰囲気によりふんわりした気分にさせる。 (同じものに関心・興味を持つことで親子間の距離が縮まり、良好な親子関係のス テップとなる。) ③その他 先程述べた、今後に対する策が駄目だったとしたら・・・ 再虐待防止の策として以下の内容が挙げられました。 • 児童相談所は、子供に防犯ブザーのようなものを持たせ、虐 待を受けたらそれを鳴らすようにさせる。(GPS機能) • 虐待の疑いのある家庭には、居間等にカメラを設置する。 (個人情報保護法が問題となる。) • 学校で定期健診のように、虐待検診のようなことを行う。 担任が虐待の疑いのある児童宅に抜き打ち家庭訪問を行 い、家庭状況の把握を行う。(金八先生みたいに。) 個人課題 1-B-6 個人情報の保護 45番 須藤 洋輔 ~個人情報保護法(2005年施行)~ ①保護の枠組み(事業者は) ・利用目的を特定しなければならない ・必要な範囲を超えての利用不可 ・個人情報を取得した場合は本人へ通知 ②開示の枠組み(事業者は) ・(生存する)個人を識別できる情報について、本人か らの開示の求めに応じ、開示・訂正・利用停止・消去 を行う義務が定められている ③利用の枠組み ・必要な範囲を超えての利用不可 ・本人の同意なしに第3者への提供不可 a:法令に基づく場合を除く b:以下の例で、本人の同意を得ることが困難な場合 ・人の生命、身体、財産の保護のため必要 ・公衆衛生の向上・児童の健全な育成の推進の ため特に必要 ・診療現場での扱い(厚生省ガイドライン) 個人情報保護法の上乗せで、 ①小規模事業者にも義務 ②死者の情報への配慮 ・医学研究での扱い 法では、学術研究機関の学術研究目的での範 囲で除外規定 ヒトゲノム遺伝子解析研究等に関する倫理指針 遺伝子治療臨床研究に関する指針 疫学研究に関する倫理指針 臨床研究に関する倫理指針 出展:10/22の授業プリントより抜粋 1-C-1◇リスボン宣言(サブノート2010 P2)◇ 18 大西 健仁 「患者の権利」に関する宣言文 ①良質の医療を受ける権利 ②選択の自由の権利 ③自己決定の権利 ④意識のない患者への対応 ⑤法的無能力患者への対応 ⑥患者の医師に反する処置 ⑦情報を知る権利 ⑧機密保持を得る権利 ⑨健康教育を受ける権利 ⑩尊厳を得る権利 ⑪宗教的支援を受ける権利 1-C-2 患者の意向の尊重(患者中心型医療) 22番 兼森美帆 • 患者中心医療を行うにあたって、患者の権利が守られる必要がある。 改正「患者の権利に関するリスボン宣言」の柱(2005年 第171回WMA総会) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 良質の医療を受ける権利 選択の自由の権利 自己決定の権利 意識のない患者への対応 法的無能力患者への対応 患者の意思に反する処置 情報を得る権利 機密保持を得る権利 健康教育を受ける権利 尊厳を得る権利 宗教的援助を受ける権利 参考文献:サブノート 保健医療論・公衆衛生学2010、メディックメディア 患者の意向の尊重 (患者中心型医療) 患者中心の医療の方法 (臨床的な技術を伝えるための方法) 1. 疾患と病い両方の経験を探る 疾患:病気の生物学的側面 病い:病気になった人の個人的な体験、考え方、感じ方、行動の変化 2. 3. 4. 5. 6. 地域・家庭を含め全人的に理解する 共通の理解基盤を見出す 診察に予防と健康増進を組み込む 患者と医師の関係を強化する 実際に実行可能であること 参考文献:Patient-Centered Medicine: Transforming the clinical method (Stewart M, Brown JB, Weston WW, McWhinney IR, McWilliam CL, Freeman TR. 2003) 患者中心の医療、山本利和、2002、診断と治療社 1-C-3患者・家族の医療への参加 (相互参加型医療) 円滑な医療を行うには、医師患者間の信頼関係、 治療に対する患者の意欲、治療に対する患者の意 欲、治療に適した周辺環境の整備などが必要であ る そのために、医師、患者、家族が治療方針について 話し合い、相互協力して医療を進めていくことが望 ましい 特に、医師は患者との間に信頼関係を築くコミュニ ケーションの手段として、傾聴が重要となってくる 参考文献:NEW公衆衛生学 103 吉武孝次郎 1-C-4 社会生活機能を重視した医療 92番 村上 大輔 •疾病とは医学から見た医学モデルであり「測定可 能な人間身体の生物学的変数からの逸脱」と説 明される •このモデルでは「社会という場所で人間が病気を 患うこと」をとらえるのには限界がある。 •医学モデルは社会的・心理学的・行動学的な視 点が希薄であるとして医学的視点と社会的視点を 組み合わせた障害モデルが提唱されている。 <出展>new予防医学・公衆衛生学 障害モデル ① 機能障害―一次レベル(臓器レベルの障 害) ② 能力低下―二次レベル(個人レベルの障 害) ③ 社会的不利―三次レベル(社会的レベルの 障害) このモデルでは障害を特異的なものとして取り 出すのではなく健康な中の一部が問題を抱 えている状態として捉えられている。 QOL・リハビリ・ノーマライゼーション • QOL・・・医療における人間としての患者の生 命の質の向上をめざそうとするもの ・リハビリ・・・障害を持つヒトの傷ついた権利を 全体的に回復させること。「全人間的復権」の 達成をめざす ・ノーマライゼーション・・・可能な限り、文化的に 通常である身体的な行動や特徴を維持する 為に可能な限り文化的に通常となっている諸 手段を用いること <出展>NEW予防医学・公衆衛生学 2-A-1 医師法 71番 東 千尋 • 医師に対する様々な義務や規定、つまり「最 低限守らなければいけないこと」を定めたも の • 医師としての業務、義務、国家試験、臨床研 修等について記載されている 概要 ①医師の任務 医療と保健指導をつかさどることによって、公衆衛 生の向上と増進に寄与し、国民の健康な生活を確 保する ②絶対的欠格事由 (未成年者、成年被後見人、被保佐人) ③相対的欠格事由 (心身の障害、麻薬・大麻又はあへんの中毒者、罰 金以上の刑、医事に関する不正など) ④免許取消、停止 医道審議会の意見を元に厚生労働大臣が行う ⑤医師国家試験、臨床研修 ⑥応召義務及び診断書交付の義務 ⑦無診察治療等の禁止 (治療、診断書、処方箋、出生証明書、死産証書、 検案書) ⑧異状死体等の届出義務 (死体または妊娠4月以上の死産児を検案して異 状があれば24時間以内に警察署に届出) ⑨処方箋の交付義務 ⑩診察録の記載及び保有(5年) 引用;サブノート・ナビゲーター2009(p10、11) 2-A-2 医療法(わが国の医療供給体制の基本となる法律である。) ① 医師等の義務(インフォームドコンセントを規定) ② 病院・診療所の定義(病院ー20床以上、診療 所ー19床以下) ③ 地域医療支援病院・特定機能病院 ④ 医療・歯科医業に関する広告の制限 ⑤ 病院等の開設の許可および届出 ⑥ 医療計画(医療計画の策定→都道府県) ⑦ 医療法人の設立(都道府県知事の認可) (引用;サブノート2010 p55, サブノート・ナビゲーター2010 p34) 88番 源 周治 2-A-3 医療保険制度 36 斎藤 紘樹 ・介護保険制度 介護保険は特別養護老人ホームへの入所と医療保険を用いた 社会的入院の問題点を解消するために施行された。 ・国民医療費 総額は約33兆円、一人当たり約26万円、対国民所得比9. 0%。 傷病の治療に要した費用の総額である。 ・疾病、障害の概念と構造 「健康とは単に病気や虚弱でないということではなく、肉体的、 精神的および社会的に完全に良好な状態をいう」と定義され てる。 • QOL 生命または生活の質をどのようにして維持、向上させ るかという概念 ・リハビリテーションの理念 リハビリテーションとは障害者をして身体的、精神的、 社会的、職業並びに経済的に能うる限りの有用性 を発揮しうるように回復せしめることである。 ・ノーマライゼーション 障害者や高齢者を特別な人として扱うのではなく、彼 等の生活を通常の市民生活に近づけることを目標 とした概念 • バリアフリー、ユニバーサルデザイン ユニバーサルデザインとはできるかぎりすべての人に 利用可能な製品、建築、都市空間を目指す設計、 建築上の理念。 バリアフリーにも応用され、健常者が障害者と共生を はかっていく道を見出す社会運動的な意味も大きい。 <step公衆衛生>、<南山堂、医学大辞典> より引用
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