1.DNA 二重鎖切断の修復に関与するのはどれか。2 つ選べ。 a 組換え修復 b 塩基除去修復 c ミスマッチ修復 d 非相同末端結合 e ヌクレオチド除去修復 2.放射線を細胞に照射したときの反応で正しいのはどれか。2 つ選べ。 a LET が増加すると OER は 1 に近づく。 b LET が増加すると RBE は増加し続ける。 c 高 LET 放射線では殺細胞効果の細胞周期依存性が低い。 d ガンマ線では酸素分圧が 30 mmHg 以下で効果が低下する。 e 逆線量率効果は低線量率小線源治療では有効に機能しない。 3.LQ モデルで正しいのはどれか。2 つ選べ。 a α の単位は Gy1 である。 b 前立腺癌の α!β は 30 Gy 以上である。 c 1 回線量 2 Gy 程度で実験値によく一致する。 d 1 回照射と 30 回分割照射の比較が可能である。 e 分割照射では照射間隔が 1 時間あれば使用できる。 ―1― 4.放射線治療期間中の腫瘍細胞の加速再増殖を考慮した場合の LQ モデルは下式で表される。BED は biologically effective dose, T は 総 治 療 期 間,d は 1 回 線 量,D は 総 線 量,Tpot は potential doubling time である。頭頸部扁平上皮癌の場合,Tk(日)はどれか。1 つ選べ。 d TTk −(0.693! α) ( BED=D (1+ α! β) Tpot ) a 5 b 10 c 25 d 50 e 75 5.OER が最も小さいのはどれか。1 つ選べ。 a X 線 b 電子線 c 陽子線 d 炭素線 e 速中性子線 ―2― 6.臓器全体が 2 Gy! 回で照射された時の臓器障害と正常組織耐容線量 TD5!5(Gy) の組み合わせで適切でな いのはどれか。1 つ選べ。 a 肺臓炎 ―――――――――――18 b 肝不全 ―――――――――――40 c 脳壊死 ―――――――――――45 d 白内障 ―――――――――――10 e 臨床的腎炎 ―――――――――23 7.不均質補正線量計算アルゴリズムで正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 第 3 世代まで開発されている。 b 散乱 X 線の影響は考慮しない。 c 非電子平衡領域には未対応である。 d Batho Power Law 法はその一方法である。 e Monte Carlo 法は物理理論値を基盤としている。 8.間接電離放射線はどれか。2 つ選べ。 a X 線 b 電子線 c 陽子線 d 炭素線 e 中性子線 ―3― 9.放射線治療に用いる高エネルギー X 線と組織との主な相互作用はどれか。2 つ選べ。 a 光電効果 b 光核反応 c 干渉性散乱 d 電子対生成 e コンプトン散乱 10.加速器で誤っているのはどれか。1 つ選べ。 a ベータトロンは円形加速器である。 b サイクロトロンは交流磁場を用いる。 c マイクロトロンは円形静電場を用いる。 d リニアックは直線軌道の加速管を用いる。 e シンクロトロンでは粒子の速度は磁場強度で調節する。 11 放射線治療計画で正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 造影 CT の使用は許容されていない。 b DVH は体積と吸収線量の関係を表す。 c PRV は OAR にマージンを加えた領域である。 d D95 処方ではアイソセンター処方より PTV の平均線量は減少する。 e Superposition 法では線量計算に密度の影響を反映することは出来ない。 ―4― 12.電子線外照射で正しいのはどれか。1 つ選べ。 a 照射により人体内で X 線が発生する。 b 15 MeV ではピーク深は 5 cm 程度である。 c 線量計算は superposition 法が一般的である。 d 組織との反応はコンプトン散乱が主体である。 e エネルギーが高くなるほど表面吸収線量は低下する。 13.原発性頭蓋内胚腫(pure germinoma)の化学放射線療法で正しいのはどれか。1 つ選べ。 a 放射線治療の方法は局所照射である。 b 化学療法は白金製剤と VP-16 を併用する。 c 化学放射線療法の前に生検は必要としない。 d 処方線量は 45∼50 Gy! 25 回が一般的である。 e 尿崩症を併発している症例には放射線単独治療を行う。 14.中枢神経系腫瘍で正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 髄芽腫の髄膜播種を起こす確率は 10% 程度である。 b 乏突起膠腫の第 1!第 19 染色体欠損例は予後良好である。 c 低悪性度神経膠腫の標準的照射は T2 強調像高信号に 60 Gy!30 回である。 d 高悪性度神経膠腫の通常放射線治療後の残存病変に積極的に定位手術的照射を加えるべきである。 e 膠芽腫のテモゾロマイド併用放射線治療では MGMT 遺伝子プロモーターのメチル化した症例の予 後が良好である。 ―5― 15.RTOG の RPA(Recursive Partitioning Analysis)分類で示された転移性脳腫瘍の予後因子はどれか。 2 つ選べ。 a 原発部位 b 全身状態 c 画像上の脳転移数 d 頭蓋外病変の状態 e 初期診断時から脳転移出現時期までの期間 16.髄芽腫で正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 可及的切除を行う。 b 完全切除後は術後照射は不要である。 c 術後の全中枢神経系照射が必要である。 d 標準的治療の 5 年生存率は 30% 程度である。 e 手術拒否例は定位放射線療法で根治治療を行う。 17.聴神経腫瘍で誤っているのはどれか。1 つ選べ。なお,SRS は定位手術的照射,SRT は定位放射線治療 の略である. a SRT の腫瘍制御は SRS に劣る。 b 前庭神経より発生するものが多い。 c SRS では辺縁線量 12∼13 Gy が投与される。 d SRS 後の顔面神経麻痺の頻度は 5% 未満である。 e SRT は聴力温存について SRS とほぼ同等か優れている。 ―6― 18.関連のある組み合わせで正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 口腔癌 ―――――――――――Plummer-Vinson 症候群 b 声門癌 ―――――――――――咽頭後リンパ節 c 中咽頭癌 ――――――――――Human Papillomavirus d 副鼻腔癌 ――――――――――Epstein-Barr Virus e 咽頭収縮筋 ―――――――――嚥下機能 19.通常分割照射時のリスク臓器と線量制約との組み合わせで正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 脊 髄 ―――――――――――最大線量 45 Gy b 脳 幹 ―――――――――――平均線量 54 Gy c 内 耳 ―――――――――――平均線量 50 Gy d 耳下腺 ―――――――――――最大線量 35 Gy e 視神経 ―――――――――――平均線量 50 Gy 20.根治的放射線治療の予防的 CTV で適切なのはどれか。2 つ選べ。 a 声門癌(T1N0M0) ―――――両側 Level II∼III b 下咽頭癌(T2N0M0) ――――両側 Level II∼IV,咽頭後リンパ節 c 上顎洞癌(T3N0M0) ――――患側 Level I∼III d 頬粘膜癌(T2N0M0) ――――両側 Level I∼III e 声門上癌(T1N0M0) ――――両側 Level II∼III ―7― 21.声門癌で正しいのはどれか。1 つ選べ。 a 喉頭癌の約半数を占める。 b 声帯運動制限があると T3 である。 c 1 回線量は 1.8 Gy 以上が適切である。 d Paraglottic space への浸潤があると T3 である。 e 進行癌には導入化学療法後の放射線治療が標準的治療法である。 22.頭頸部腫瘍の UICC TNM 分類で正しいのはどれか。1 つ選べ。 a 硬口蓋は中咽頭上壁に分類される。 b 舌扁桃溝は中咽頭前壁に分類される。 c 篩骨洞に浸潤する上顎洞癌は T3 である。 d 両側声帯に浸潤する声門癌は T2 である。 e 上咽頭癌で両側咽頭後リンパ節転移は N2 である。 23.根治的化学放射線療法が標準的治療でないのはどれか。1 つ選べ。 a 舌癌(T3N1M0) b 喉頭癌(T3N1M0) c 扁桃癌(T3N1M0) d 下咽頭癌(T2N1M0) e 上咽頭癌(T4N1M0) ―8― 24.食道癌の化学放射線療法で誤っているのはどれか。1 つ選べ。 a 標準的な併用薬剤は 5-FU!CDDP である。 b 胸椎圧迫骨折は晩期有害事象の 1 つである。 c 放射線治療に先行して化学療法を施行する。 d 多門照射を行う意義は心毒性の低下にある。 e 治療前に食道ステントを挿入することは避けるべきである。 25.根治的化学放射線療法の適応はどれか。2 つ選べ。 a 胃 癌 b 食道癌 c 胆囊癌 d 結腸癌 e 肛門癌 26.肛門管癌(扁平上皮癌,T3N2M0)の放射線治療で誤っているのはどれか。1 つ選べ。 a 標準的治療は化学放射線治療である。 b 予防照射領域への処方線量は 50 Gy である。 c 予防照射領域に両側そけいリンパ節領域を含める。 d 標準的な同時併用化学療法薬剤は 5-FU+MMC である。 e 強度変調放射線治療により腸管毒性の軽減が得られる。 ―9― 27.直腸癌の放射線治療で正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 術後照射が標準である。 b 前後対向 2 門照射が推奨される。 c 腹臥位での照射は小腸障害を軽減する。 d 10 MV 以上の X 線を用いることが推奨される。 e T3 では照射野に内外腸骨リンパ節領域を含める。 28.限局型小細胞肺癌の治療で正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 同時化学放射線療法が推奨される。 b 予防的全脳照射の線量分割は 30 Gy! 10 回が標準的である。 c 併用化学療法としては CDDP+CPT-11 が標準的に用いられる。 d 胸部照射においては 45 Gy! 30 回の加速過分割照射法が推奨される。 e 化学放射線療法の効果にかかわらず,予防的全脳照射が推奨される。 29.中皮腫で誤っているのはどれか。1 つ選べ。 a 石綿との関連性が指摘されている。 b 患側肺・胸膜全摘出後の術後照射が推奨される。 c 術後照射の線量は 50.4∼54 Gy!28∼30 回である。 d Carboplatin+Paclitaxel が化学療法薬剤として用いられる。 e 放射線治療は摘出後に胸水が胸腔を充満してから開始する。 ― 10 ― 30.非小細胞肺癌の治療で正しいのはどれか。2 つ選べ。 a III 期の化学放射線療法による 5 年生存率は約 15% である。 b リンパ節転移を伴う II 期には術後放射線治療が推奨される。 c 肺内転移があっても同じ肺葉内であれば,化学放射線療法の適応となる。 d 医学的に切除不能と判断された I 期には根治的放射線単独治療を考慮する。 e 放射線肺臓炎を発症した場合は,改善され次第早期に放射線治療を再開すべきである。 31.60 代男性。1 週間前から続く咳,38 度以上の発熱,酸素吸入までは要しない労作時呼吸困難を主訴に来 院。2 カ月前に右下葉肺癌(cT2bN2M0,扁平上皮癌)の診断にて化学放射線療法(総線量 70 Gy! 35 回)を施行していた。来院時の胸部 CT と線量分布図を示す。正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 血清 KL-6 は上昇しない。 b 1 カ月後の経過観察とする。 c 主に照射野内の肺臓炎である。 d プレドニゾロンの内服を開始する。 e CTCAE v4.0 による肺臓炎 Grade 3 である。 ― 11 ― 32.60 代女性。21 カ月前に cIA 期肺癌(扁平上皮癌)と診断。48 Gy! 4 回の SBRT を施行し,経過観察中で あった。線量分布図,経過中の CT 及び PET 画像を示す。PET で他部位に取り込みがないとすると正し いのはどれか。2 つ選べ。 a 局所再発を疑う。 b 再照射を第一に考慮する。 c 救済手術を第一に考慮する。 d 放射線肺臓炎の収束過程を疑う。 e 経過観察として 3 カ月後に CT を再検する。 治療前 4 カ月後 15 カ月後 18 カ月後 21 カ月後 21 カ月後 PET (SUVmax 7.6) 33.乳房温存術後の温存乳房照射の有害事象で最も頻度の低いのはどれか。1 つ選べ。 a 心外膜炎 b 肋骨骨折 c 色素脱出 d 腕神経叢障害 e 放射線肺臓炎 ― 12 ― 線量分布図 34.乳房切除術後の照射で含むべき部位はどれか。2 つ選べ。 a 胸 壁 b 腋窩リンパ節 c 深頸部リンパ節 d 傍胸骨リンパ節 e 鎖骨上窩リンパ節 35.乳房温存術後の乳房照射の放射線治療計画で正しいのはどれか。1 つ選べ。 a 対側肺はリスク臓器である。 b CTV は温存された乳房全体である。 c GTV は残存している乳腺組織である。 d 10 MV 以上のエネルギーの X 線が適している。 e センチネルリンパ節生検後は腋窩を照射体積に含める。 ― 13 ― 36.60 代女性。左乳房内腫瘤を主訴に受診した。初診時の造影 CT と MRI を示す。誤っているのはどれか。 1 つ選べ。 a 異時性両側性乳癌である。 b センチネルリンパ節生検を行う。 c 化学療法施行後に乳房温存術を行う。 d 傍胸骨リンパ節領域の郭清を省略する。 e 乳房切除術後に放射線治療より先に化学療法を行う。 37.30 代女性。甲状腺右葉に 2 cm 大の腫瘤と多発肺結節を指摘された。頸部リンパ節は触知せず,肺以外 に明らかな転移はない。細胞診で乳頭癌と診断された。正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 病期は IVc 期である。 b 甲状腺全摘術と術後内分泌療法を行う。 c 甲状腺全摘術と術後補助化学療法を行う。 d 甲状腺全摘術と放射性ヨード内用療法を行う。 e サイログロブリン値が病勢の評価に有用である。 ― 14 ― 38.30 代男性。甲状腺乳頭癌(cT3N0M0)で術後,残存甲状腺アブレーション治療を目的に放射性ヨード内 用療法を施行した。術前胸部 CT(図 1)とヨード内服 2 日後のヨードシンチグラフィ(図 2)を示す。 正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 甲状腺組織は全摘出されている。 b 肺野の集積はバックグラウンドである。 c 内用療法後は無治療で経過観察を行う。 d 初回の内用療法で不妊症になる確率が高い。 e 頸部リンパ節へ放射性ヨードが集積している。 図1 図2 ― 15 ― 39.子宮頸癌の同時化学放射線療法で誤っているのはどれか。1 つ選べ。 a IB 2 期は適応となる。 b 上部消化管の有害事象が増加する。 c シスプラチンを含む薬剤の併用が推奨される。 d 白血球減少ではまず放射線治療の休止を検討する。 e 外部照射と腔内照射を組み合わせた放射線治療を行う。 40.子宮頸癌の根治的放射線治療で正しいのはどれか。1 つ選べ。 a 腺癌は適応にならない。 b IIIB 期の 5 年生存率は 20∼30% である。 c 治療中の貧血に対する輸血は生存率を改善する。 d 総治療期間は 8 週以内とすることが推奨されている。 e 高線量率腔内照射の 1 回線量(A 点)は 7∼8 Gy が標準である。 41.腟癌で誤っているのはどれか。1 つ選べ。 a 腫瘍が外陰に浸潤すると外陰癌に分類される。 b 根治的放射線治療では外部照射と小線源治療を併用する。 c 腫瘍が腟下 1!3 を占拠する場合,外部照射の CTV は全骨盤である。 d 会陰部に出血を伴う皮膚粘膜反応が生じた場合は照射休止を検討する。 e 腫瘍が子宮腟部に進展し外子宮口に及ぶものは子宮頸癌に分類される。 ― 16 ― 42.40 代女性。子宮頸部に限局した 5 cm の腫瘍を認め,角化型扁平上皮癌と診断された。骨盤内リンパ節 転移ならびに遠隔転移は認められない。治療法で適切なのはどれか。2 つ選べ。 a 根治的同時化学放射線療法 b 術前放射線療法+広汎子宮全摘術 c 広汎子宮全摘術+必要に応じた術後補助療法 d 根治的同時化学放射線療法+単純子宮全摘術 e 根治的同時化学放射線療法+広汎子宮全摘術 43.子宮頸癌で誤っているのはどれか。1 つ選べ。 a 婦人科悪性腫瘍の中で最も多い。 b 同時化学放射線療法が有用である。 c Human Papillomavirus の持続感染が関与する。 d 好発年齢は子宮頸癌より子宮体癌のほうが高い。 e I∼II 期の 5 年生存率は放射線治療より手術の方が良好である。 44.I-125 シード線源による前立腺永久挿入密封小線源治療で正しいのはどれか。1 つ選べ。 a 線源の半減期は約 90 日である。 b 単独療法の処方線量は 90 Gy である。 c 線量評価は線源挿入 3 カ月後に行う。 d 高度な前立腺肥大は良い適応である。 e 治療後 PSA のバウンス現象は 3 年以内に多い。 ― 17 ― 45.前立腺癌に対する放射線治療後の有害事象対策で正しいのはどれか。1 つ選べ。 a 尿閉に抗コリン剤を投与する。 b 直腸出血があれば直ちに生検を行う。 c 尿道狭窄に拡張ブジー術は行わない。 d 繰り返す膀胱出血では高気圧酸素療法は無効である。 e 出血を繰り返す直腸びらんにアルゴンプラズマ凝固術を行う。 46.前立腺癌の治療で正しいのはどれか。2 つ選べ。 a IMRT では腸管の線量制約を設定する。 b 照射後の PSA 値は効果判定に有用である。 c 治療に用いる I-125 は高線量率小線源である。 d Gleason score が 6 であれば前立腺全摘が推奨される。 e 前立腺全摘後の PSA 再発には,まずホルモン療法を検討する。 47.膀胱癌で誤っているのはどれか。1 つ選べ。 a 尿路上皮全体に癌が多発しやすい。 b 表在性膀胱癌では放射線治療が第一選択である。 c 浸潤性膀胱癌の処方線量は 60∼66 Gy!30∼33 回が選択される。 d 浸潤性膀胱癌の放射線治療では化学療法との併用が推奨される。 e 放射線治療により膀胱温存を目指す場合には可能な限り経尿道的膀胱腫瘍切除術を行う。 ― 18 ― 48.I 期精上皮腫で正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 高位精巣摘除術を行う。 b 術前に hCG を測定する。 c 術後化学放射線療法を行う。 d 術後照射の総線量は 30 Gy! 15 回である。 e 右精巣原発では右腎門部を十分照射野に含める。 49.白血病患者に対し骨髄破壊的移植の前処置として行う全身照射の主な目的はどれか。2 つ選べ。 a 免疫抑制 b 脾腫の軽減 c 睾丸再発の予防 d 白血病細胞の消滅 e 中枢神経再発の予防 ― 19 ― 50.70 代男性。2 年ほど前より右眼の腫脹と流涙が出現し来院した。MRI を示す。生検で MALT リンパ腫と 診断された。適切な照射法はどれか。2 つ選べ。 a 6 MV X 線での斜交二門照射 b 6 MV X 線での定位手術的照射 c 6 MeV 電子線での前方一門照射 d 6 MV X 線での左右対向二門照射 e 6 MV X 線での前後対向二門照射 51.限局期の悪性リンパ腫の治療法で正しいのはどれか。1 つ選べ。 a 濾胞性リンパ腫の Grade 3 は化学療法の適応である。 b マントル細胞リンパ腫は放射線単独治療の適応である。 c 末梢性 T 細胞リンパ腫は放射線単独治療の適応である。 d 予後良好(favorable)Hodgkin リンパ腫は放射線単独治療の適応である。 e 成人型 T 細胞リンパ腫は放射線治療と化学療法の同時併用療法の適応である。 ― 20 ― 52.50 代男性。鼻閉と眼球突出を主訴に来院した。病理診断で CD 20 陽性,びまん性大細胞型 B 細胞性リン パ腫と診断され,臨床病期は IEA 期であった。適切な治療方針を 2 つ選べ。 a R-CHOP 療法 8 コース b 放射線単独治療 c 血液幹細胞移植併用大量化学療法 d 白金製剤を含む多剤併用療法と放射線治療の同時併用 e R-CHOP 療法 3 コース施行後,放射線治療 50 Gy! 25 回 40 Gy!20 回 ― 21 ― 53.Hodgkin リンパ腫で誤っているのはどれか。1 つ選べ。 a B 細胞由来のものが多い。 b 病期診断に FDG-PET を用いる。 c ABVD 療法が標準化学療法である。 d そけい部と頸部に病変がある場合には頸部から生検を行う。 e 縦隔と頸部リンパ節に病変がある IIA 期では化学療法後に腋窩を含めて照射する。 54.皮膚悪性腫瘍で正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 血管肉腫は頭皮が好発部位である。 b 基底細胞癌は顔面が好発部位である。 c 有棘細胞癌は基底細胞癌より予後良好である。 d 悪性黒色腫は肺に薄壁空洞を呈する転移をきたすことが多い。 e 皮膚 B 細胞性悪性リンパ腫は全身皮膚電子線照射の適応になる。 55.骨軟部腫瘍で正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 術中照射施行例では患肢の骨折に注意する。 b 大血管に浸潤していても根治手術が可能である。 c 術後照射の方が術前照射より腫瘍範囲を設定しやすい。 d 術後照射より術前照射の方が多くの照射線量を必要とする。 e 術前照射施行症例では,断端陽性であっても術後照射を要しない。 ― 22 ― 56.横紋筋肉腫で正しいのはどれか。1 つ選べ。 a 胞巣型は胎児型に比べ予後が良好である。 b 中間リスクの 5 年生存率は 30∼50% である。 c シスプラチンを中心とした化学療法が行われる。 d 眼窩内病変は鼻腔内病変に比べ予後が良好である。 e 残存病巣に対する術後照射として 3 cm の CTV マージンを設定する。 57.Wilms 腫瘍で適切でないのはどれか。1 つ選べ。 a 広範な腹膜播種に全腹照射を行う。 b 予後良好群 I∼II 期では術後照射は行わない。 c 胸部 X 線で認められる肺転移に全肺照射を行う。 d 予後良好群 III∼IV 期では術後照射 10.8 Gy が必要である。 e 術後照射開始は術後 2 週間を過ぎて術創の抜糸後から行う。 58.小児腫瘍で正しいのはどれか。1 つ選べ。 a 固形腫瘍の中で最も多いのは神経芽腫である。 b Wilms 腫瘍では放射線治療が優先して行われる。 c 横紋筋肉腫では予防的な全腹部照射が行われる。 d 低年齢で放射線治療を受けた方が骨の発育障害は軽い。 e Kasabach-Merritt 症候群は良性疾患であり生命の危険はない。 ― 23 ― 59.照射される部位によって,直列臓器にも並列臓器にもなるのはどれか。2 つ選べ。 a 肺 b 脊 c 食 道 d 肝 e 小 腸 髄 臓 60.照射と併用すると心毒性を最も増強するのはどれか。1 つ選べ。 a ドキソルビシン b ビンクリスチン c ブレオマイシン d メトトレキサート e シクロフォスファミド ― 24 ―
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