「お水取り」の春・・・

向 春 号
2009.2.14
Vol.70
アットライフ八ヶ岳・内
発行責任者 山内真
「お水取り」の春・・・
奈良の都は咲く花の匂うがごとく・・2010年、
平城京は遷都1300年を迎えようとしている。
743年(天平15年)に聖武天皇の詔を受け
て、東大寺盧舎那仏像(通称:奈良の大仏)
の造立が始まり、752年(天平勝宝4年)の春
大仏開眼供養会が開かれた。大仏殿の裏、
若草山中腹にある二月堂では東大寺開山
良弁僧正の高弟、実忠和尚によって始めら 撮影:Jプレス09.01.11
れた「修二会」が、以来一度も絶えることなく続けられている。 八仙窯物語(2)都会の夜
天下泰平、五穀豊穣、万民快楽などを祈願する「修二会」 ~1年前の大晦日~彩子は新宿駅ビルにあるスポーツ店で
の本行は3月1日から14日まで二七ヶ日夜(二週間)行われ、 働いていた。街は眩しく煌き、新しい年が始まろうとしている
十一面観世音菩薩にお供えする「お香水」を連行衆が汲む 夜中になっても人で溢れ、都会の夜は終わらない。
儀式、「お水取り」は3月12日深夜に行われる。東大寺二月 「彩ちゃん二日は早番だったね・・・お疲れさま。」
堂の「お水取り」が終わると大和の国に春が来る。
早番は午前9時から午後6時、遅番は午後2時から11時ま
での9時間勤務、彩子が都会で暮らしていた頃のお正月は
水と緑と太陽と
元旦1日だけ。短くても家族との大切な時間・・・
宮崎県日向海岸、高知県の
ホームへ駆け上がると、新宿発23時06分の中央線快速が
桂浜、静岡県伊良子岬、十勝
出るところだった。(間に合った☆)今風の若者、水商売風
川が流れる北海道・浦幌町に
の女の人、ほろ酔い加減のサラリーマン等など車内は雑多
並び、八ヶ岳南麓の年間日照
に混んでいた。西国分寺を過ぎると都会をやっと抜け出し、
時間は、2100時間を越える。
家の灯りも少なくなってくる。立川着23時39分、瑞穂営業所
全ての人に分隔てなく無償
行きの最終バスが出てしまい、バス停には人影はなかった。
の日差しは降りそそぎ、豊かな自然を育んでくれる。太陽の (頑張って歩こう☆)と彩子が歩き始めた時、パッシングして
恵みと清らかな水がなければ、森の木々も畑の作物も育た いる父の車に気がついた。(パパ有難う☆)
ない。昨年春に第1期工事が完成した、長坂の太陽光発電 「お帰り・・お腹空いたろう。年越し蕎麦を一緒に
北杜サイトは、自然の恵みをしっかりと受け止めている。
食べようと思って・・・ママの手作り餃子もあるよ。」
きまぐれ飛行船
毎年大晦日にママが作る手作り餃子は、恒例の
『そばでも食べに…』気になるシリーズ -その34我が家のご馳走だった。
People Tree Fair trade chocolate
“気になる”今年の干支にちなんだ話ということで…。信州
食べる人においしさを、つくる人にやさしさを。
小諸と言うと小海線の基点、懐古園、島崎藤村、千曲川など
連想します。筆者の小諸といえば布引観音があります。
市場価格が不安定だったり、仲介業者に買い叩かれ
「牛に引かれて善光寺詣り」という故事の何処から善光寺 るなどの理由から、カカオを作る途上国の農家の多くが貧困
に引かれたかが小諸であることはご存知だったでしょうか。 にあえいでいます。その結果、農家は安い労働力を求めて
昔、信濃の国小諸に強欲でけちんぼで、無信心な一人の 子供を買い、買われた子供たちは極めて過酷な労働条件
お婆さんがいました。釈尊寺観音堂の例祭の日に、お尻を で働かされている、という例がたくさん報告されています。
善光寺に向けて白い布を洗濯していると、誰かに突っつか
ピープル・ツリーのフェアトレード・チョコレートはボリビア、
れます。ふり向くと大きな黒い牛が顔を突き出していました。 ペルー、エクアドル、コスタリカ、ドミニカ共和国やガーナな
腰を抜かしてしまったばあさんが我にかえると、その牛が どの生産者組合からフェアに取引されたカカオを使って、
洗濯していた布を引っかけて走り去って行きます。婆さんが 作られています。バレンタインにお勧めです。
追いかけたところが善光寺に行き着き、そこで観世音菩薩 ☆詳しいお問い合わせは www.peopletree.co.jp
に出逢うことで信仰をもち、極楽往生したといういきさつな
陽だまりの猫・・・・
のです。そしてそのことがきっかけで、このお寺の観音堂は
布引観音と親しく呼ばれるようになった訳なのです。
・・・ぐぅ~ぐぅ~・・むにゃ・・にゃん?
千曲川を望む険しい崖にその観音堂はあり、さらにお堂 秋刀魚もいいけど・・・むにゃにゃん・・
の脇の岩には抜け穴があります。ここを抜けると千曲川を絡 お腹がいっぱいでふが~・・・にゃに
めた浅間山が一望の展望台へ行くことが出来るのです。
家族・・?家内と息子二人だにゃ~・・
また崖づたいと言ってもきちんと整備された道路ですが、 会社?・・そんなもの行ってない・・ぐぅ~ぐぅ~。頼むから・・
5分程度の処に「あぐりの湯こもろ」という、公共温泉があり いまは起こさないで・・あと少しだけにゃぁ・・・ぐぅ~ふが~。
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ます。ここの野天風呂からの景色は良いですヨ~、昼夜を
編集後記
問わず一見の価値有りですね。
大寒も過ぎ、もうすぐ節分。日を重ねるごと
冬の寒い日、小諸の街中にある「丁子庵」
に日差しが延びて、光の中に春を感じる季節になりました。
でおそばをいただいて、観音様をお参りし
世界的経済危機やパレスチナの民族紛争など、愚かな人間
て、「あぐりの湯」で暖まって帰るコースが
の営みに関わり無く、毎年繰り返すように季節はうつろい、
筆者は大好きです。
(@かとう)
春に向かって歩んでいます。
じゃがいも通信編集長