観光バス事業の概観 株式会社はとバス 取締役 観光バス事業本部 副本部長 門村輝夫 1.バス事業の種類 2.バス事業者の経営規模 3.乗合事業者と貸切事業者比較 4.規制緩和について 5.バス事業の業態別将来展望 6.はとバスの事業内容と今後の取り組み ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 歴史と事業内容 経営基本方針 今後の取り組み 貸切バス事業について 定期観光事業について 事業推進の具体的事例 以上 観光バス事業の概観 株式会社はとバス 取締役 観光バス事業本部 副本部長 門村輝夫 バス事業の種類 バスとは・・・ 道路運送法第3条にいう乗車定員11名以上の<一般旅客自動車運送事業> ★定員10名以下は<タクシー・ハイヤー> • 一般貸切旅客自動車運送事業 〔貸切バス〕 ( 社員旅行・修学旅行・バスツアー・都市間バス) • 一般乗合旅客自動車運送事業 〔路線バス〕 (高速バス・定期観光バスを含む) 定期観光バスと募集型企画旅行の相違点 区 分 定期観光バス 募集型企画旅行 事業として の相違点 事業形態 一般乗合旅客自動車運送事業(路線バス) 旅行業 法律 道路運送法 旅行業法 監督官庁 関東運輸局自動車交通部旅客一課 国土交通省総合政策局観光事業課(観光推進課) 管理義務 運行管理(運行管理主任者) 旅程管理(旅程管理主任者) 認可・届出 路線の認可及び運賃、事業計画等の届出 不要 バス停の設置 起終点及び連絡運輸地に設置が必要 不要 料金構成 運賃+付帯料金 原価+利益 お客さまにとって の相違点 予約の必要性 原則不要 必要 申し込み 出発時刻まで販売 日帰り旅行は前日の17:00まで 宿泊旅行は出発日の1週間前まで 最小催行人員 原則なし、但し0名の場合は配車後に運休 旅行業約款に定める(20名) 事前入金 不要 必要 発券 契約施設ならばどこでも可(船車券) 契約のある旅行業者(旅行券、クーポン券等) 割引の適用 団体割引、身障者割引など運送事業約款に定める 原則なし キャンセル料 なし(発券手数料のみ、1枚につき100~200円) 旅行業約款に定める(20~100%) 子供料金 運賃の半額 原価により任意に設定 ※募集型企画旅行の「申し込み」等の内容は、主催会社により違います バス事業者の経営規模 乗合事業と貸切事業の比較 ・事業者数と車両数 ・資本金規模別事業者数 ・車両数規模別事業者数 ・従業員数別事業者数 乗合事業者と貸切事業者比較 事業者数 車両数 乗合, 554, 12% 貸切, 4110, 88% 乗合, 58,252 , 56% 貸切, 45,170 , 44% 平成18年度 国土交通省資料による 資本金規模別事業者数 乗合 個人、 その他 2% 1億超え る 11% 1億まで 14% 1,000万 まで 39% 5,000万 まで 13% 貸切 1億超え る 4% 1億まで 8% 5,000万 まで 12% 個人、そ の他 2% 500万ま で 16% 1,000万 まで 26% 3,000万 まで 32% 3,000万 まで 21% 個人、その他 3,000万まで 1億超える 500万まで 5,000万まで 1,000万まで 1億まで 車両数規模別事業者数 乗合 100両ま で, 80, 50両ま 2% で, 166, 4% 101両以 上, 143, 13% 100両まで, 87, 8% 50両まで, 61, 6% 10両まで, 642, 59% 30両まで, 154, 14% 10両まで 100両まで 貸切 101両以 上, 25, 1% 30両ま で, 872, 21% 10両ま で, 2967, 72% 30両まで 101両以上 50両まで 従業員数別事業者数 乗合 100人ま で 4% 50人まで 6% 301人以上 8% 300人まで 14% 10人まで 43% 100人まで 9% 50人まで 7% 10人まで 100人まで 貸切 300人まで 2% 30人まで 29% 301人以上 0% 10人まで 59% 30人まで 19% 30人まで 300人まで 50人まで 301人以上 規 制 緩 和 ===需給調整規制の廃止=== ・貸 切 バ ス 平成12年2月施行 ・乗 合 バ ス 平成14年2月施行 貸切バス業界の規制緩和 1.事業の参入 免許制 許可制 需給調整規制廃止 2.運 賃 認可制 届出制 価格規制緩和 安全確保 自由競争 貸切バス事業者数と車両の推移 事業者数 4500 4000 3500 447 事業者数 車両数 353 365 398 372 411 452 450 427 4110 368 3743 3521 3000 456 車両数 500 千 3923 3581 400 350 3281 300 2864 2500 250 2000 2336 200 2122 1500 1905 150 1000 100 500 50 0 0 9年度 10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 国土交通省資料より作成 貸切バス保有車両数の推移 台数 平均車両数 30 25 25 20 15 11 10 5 0 H1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 年 貸切バス輸送状況の推移 キロ単価 台当り収入 120 600 109.165 500 キロ当り営業収入 実働一日一車当り営業収 入 482 100 80 400 62,020 54.096 325 315 60 300 225 200 40 100 20 0 0 S50 52 54 56 58 60 62 H1 3 5 7 9 11 13 15 17 千 規制緩和以降の貸切事業者の現況 規制緩和 (需給調整廃止) 事業者増加 車両コスト削減 人件費削減 ↓ 労働条件悪化 経費削減 競争激化 (需給バランス崩壊) 価格競争 安全 車両整備の 見直し 事故誘発 エコドライブ 事故撲滅 事業再構築 + 既存大手事業者 事業の撤退 良質なサービスを提供 安全対策への取組み ==貸切バス、「☆」で評価== 安全性確保へ格付け制度導入-国交省 バス事業者間の経営環境の相違から難航中 • • 「安全性の高さは星いくつ?」-。日帰り観光バスツアーなどが人気を呼ぶ中、 国土交通省は貸切バス事業者を安全性の観点から格付けする制度。格付け結 果を「☆☆」など星の数で分かりやすく公表することで、旅行代理店や利用客が 安全性の高いバス事業者を容易に選べるようにする。 格付け制度は、大阪府吹田市で07年2月、スキー客を乗せた大型バスが運転 手の居眠りにより橋脚に衝突し、27人が死傷した事故をきっかけに同省が検討 していた。事故の背景として、2000年の規制緩和で貸切バス事業者が増えたこ とによる過当競争などが指摘され、バス運転手が1人で長時間の運転を強いら れている実態も浮き彫りになっている。 乗合バス業界の規制緩和 1.事業の参入 路線毎の免許制 事業者毎の許可制 需給調整規制廃止 2.運 賃 届出制 認可制 価格規制緩和 3.事業の退出 休止及び廃止は許可制 事前届出制 価格規制緩和 乗合バス輸送人員と営業収入の推移 輸送人員:単位億人 営業収入:単位百億円 120 120 100 100 80 80 60 60 40 40 20 20 0 0 S30 S40 S50 S60 H10 H15 H20 輸送人員 営業収入 乗合バス事業者数と車両の推移 事業者数 車両数:単位千両 700 80 600 70 60 500 50 400 40 300 車両数 事業者数 30 200 20 100 10 0 0 S30 S40 S50 S60 H10 H15 H20 自動車運転者の労働時間に関する基準 ●拘束時間 1日の拘束時間は13時間を超えてはいけない。 延長するときは最大16時間まで。1日の拘束15時間を超える回数は一週 2回以内に抑えること ●休息時間 一日連続8時間以上。 ●運転時間 2日を平均し、1日9時間を超えてはならない。 ●連続運転時間 4時間を超えてはならない。 上記の基準を超えた場合交代運転者が必要 バス事業の業態別将来展望 A 乗合バス 1.大都市圏 ・ゾーンバス方式の導入 ・三大潜在需要客の喚起(坂道・自転車・マイカー送迎) 2.地方圏 ・更に進む高齢化・マイカー依存の限界 ・地域連携による最適交通ネットワーク構築 3.高速バス ・乗合バスとツアーバスの両立 ・利用者層の多様化・サービス選択の二極化:新たなニーズの誕生 B 貸切バス 規制緩和の影響は最大 ・競合の激化 ・低価格化競争 ・大手事業者の事業撤退 ・小規模事業者が数の上で主体に では今後の活路は? ・バスツアーならではの楽しさの創造 ・訪日外客への対応 ・輸送機関としての使命 はとバスの事業内容と今後の取り組み (オープンバスから見たスカイツリー) 歴史と事業内容 • 昭和23年(1953年)創立 資本金4億5千万円 (主な株主 東京都・JTB・東京地下鉄・いすゞ自動車) • 社員総数1018人 (現業職員748人) • 大型バス137両保有 • バス事業 定期コース ご利用人員69万3千人 企画旅行 ご利用人員29万5千人 貸切バス 営業収入19億4千万円 路線バス受託事業 5支所39路線 • ホテル事業 (銀座キャピタルホテル574室) • 全事業年間売り上げ 153億円 • 関連会社 シーライン東京 東京湾レストランクルーズ船 シンフォニー 《経営の基本方針》 ●安全・信頼 交通事業者として〈安全〉をすべての方針に優先する最重要方針とします。 ●お客さま第一 “お客さまにご満足いただくために” 〈お客さまの視点・現場の視点に立って〉すべての業務を行います。 ●利益確保 お客さま・社員・株主等の期待に応えられる利益を確保します。 ●社会的責任 法令遵守(コンプライアンス)をはじめ、社会貢献・環境保全に対し 持続的・自律的に取り組み、企業としての社会的責任〔CSR〕を果 たします。 《統一メッセージ》 ●ヘッドワーク・・・・・知恵を出そう ●フットワーク・・・・・汗を流そう ●チームワーク・・・・・ベクトルを合わせて協力し よう 今後の取り組み • 創販一体のグループ戦略の推進 ★100-1=0 ★はとバス信者の獲得 ★はとバス ナラシカ推進 • LCC(LOW COST CARRIER)への対応 • 小さくてもキラリ光る観光事業の展開 当社貸切バス事業業務別売上比率 600,000 500,000 400,000 300,000 200,000 100,000 0 年間売上高(単位千円) 一般 修学旅行 遠足 送迎バス 583,967 340,355 211,833 215,414 当社貸切バス年間稼動率 95 90 85 80 75 70 65 60 55 50 稼働率 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 65 69.7 79.9 84.9 88.1 84.6 81.9 88.6 84.1 89.4 89.6 69.3 当社におけるバス事業別受注の特性 ・貸切バス AG扱い80% 直販20% セールス先 大手AG中心 ・定期観光 募集方企画旅行 直販率60% ITの予約増大 予約センター パンフレット自社造成 予約・支払方法の変化 IT予約カード決済・コンビニ支払いの増加 訪日外客ツアーの特異性(ピックアップ・支払い方法) 定期観光コース輸送人員の変化 (1954-2010年単位:人) 定期観光コース実績 1,400,000 1,200,000 1,000,000 800,000 600,000 400,000 200,000 23 /8 25 ~ 24 /1 1~ /3 28 /7 26/ ~ 4 31 28/ /1 12 ~ 35 31 /7 /6 ~ 39 36 /7 /6 ~ 45 40 /7 /6 ~ 50 46 /7 /6 ~ 55 51/ /7 ~ 6 60 56 /7 /6 ~ 9/ 61/ 7~ 6 16 10/ /7 ~ 6 17 17 /7 /6 ~ 18 18 /7 /6 ~ 19 19 /7 /6 ~ 20 20 /7 /6 ~ 21 21 /7 /6 ~ 22 /6 0 定期観光コース別構成比 企画(R)コース 27,000名 5% 外人コース 69,000名 13% 夜コース 89,000名 17% 昼コース 352,000名 65% 定期観光地域別ご利用者の構成比 東北 8.9% 近畿 7.5% 九州 7.3% 東海 6.5% 中国 5.2% 他 12.3% 関東 52.3% 甲信越 4.2% 北海道 3.3% 北陸 2.6% 四国 2.2% 事業推進の具体的事例 • 定期観光コースパンフレット参照 ★総合パンフレット年4回60万部発行 ★お客様へのラブレター ★古典落語と新作落語 • 貸切バスパンフレット参照 ★バスを売るのではない!感動を売ろう! ご清聴ありがとうございました
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