19.今すぐ始める相続対策

19.今すぐ始める相続対策
(1)相続(争族)対策は相続が開始してからでは遅い!
(1)例えば、自宅(土地50坪、建物38坪)を1軒残して72歳の父親が死んだ時、68歳の
病弱な妻と2人の子供(結婚して外に出ている40歳の長男と同居して母親の看病を
している36歳の長女)が居た場合、長男が自宅の相続権を主張してきたらどうしま
すか?
この場合、残された妻と長男と長女が仲が良く、話し合いの上で母親に自
宅の所有権を持たせることができれば解決するのですが、それができない人間関係
であったら、この家族関係は「争族」になってしまいます。
家族の話合がつかな
ければ、自宅を売って長男に相続分を渡すしかなくなりますが、この後、自宅を失
った病弱な母親はどう生きていくことができるでしょうか?
間関係も崩れてしまうでしょう。
母親と子供たちの人
残した財産がもう少しあればそれを分けること
もできるのですが、自宅一軒しか残らないことがこんな悲劇を生むことになってし
自分が死んだ後
で、こんな家族の争いや不幸を見たくなかったら、親には、自分が死ぬ前にやって
おくべきことがあるということです。 そうです、「家族仲良く病弱な母親を助け
まったのです。
親としてこんなに悲しいことはありません。
て生きて欲しいので、妻に自宅の所有権を譲ること」と「妻亡き後に子供2人で話
し合ってそれを分けること」を「心をこめて遺言書に書き残し」、このことを子供
達にもお願いし、相談し、納得を得ておくことが大事なことだったのです。
こんなように「相続が開始してからでは遅い!」のです。
子供には子供のそれ
ぞれの事情がありますので、父親が生きて居る間は黙っていますが、父親が居なく
なったら、兄弟間の主張の違いが必ず出てくるのです。
昔から「兄弟は他人の始
親たる者
は、このような人情の機微を知り、自分がまだ元気で生きている内に、家族の了解
できる方法を提案し、相談し、納得を得て、仲の良い家族関係を築き、その上で
「遺言書」を書いておくことが大事なのです。
まり」と言いますが、親の死を境にこれが出てくるのです。
ですから、
また、争族対策(家族が仲良く暮らす為)だけでなく、納税対策(相続税を払う
お金作りの為)、節税対策(無駄な税金を払わない為)にも、事前の対策が必要な
のです。
相続が開始してからできる納税対策・節税対策には限りがあるからで
す(納税対策、節税対策については別項で詳述します)。
相続対策は「親が死んだら」ということなので、生前の相続対策を子供
の方からは言いにくいものであり、親の側からの行動がなければできないのです。
しかも、
-1-
(2)今すぐ始める相続税対策
(1)生命保険を相続(争族)対策に利用する。
①
相続税の支払いに充てることができる。
相続税は原則として現金で支払わなければなりません。
<納税対策>
しかし、相続財産のほと
んどが不動産や同族会社の株等換金に時間がかかるものであった時、納税資金に困
ります。
②
その時生命保険金は現金で支払われるので、これを活用すべきです。
残された遺族の生活費に充てることができる。
<生活対策>
相続した財産が自宅や同族会社の株で会った時、生命保険は残された遺族の生活を
支えるお金になります。
③
相続財産が分割困難な時に代償金に充てることができる。
<争族対策>
例えば、長男が家業を継ぐ時、自宅と事業所は長男が相続します。
すると次男以
下の兄弟に分配する物がない場合、公平さを欠くので、親族間のトラブルになりま
す。
こんな場合には、生命保険を掛けておけば、保険金を渡して、遺産の分配協
議を円~く収めて、仲の良~い兄弟関係を続けることができます。
④
「500万×法定相続人の数」まで非課税になるので節税できる。
<節税対策>
生命保険の非課税枠=500万×法定相続人の数ですので、例えば、相続人が妻と子
供3人の場合、500万×4人=2,000万までは税金がかかりません。 <節税対策>
⑤
受取人を指定しておけば、財産分けに遺言と同じ効果を持たせることができる。
生命保険金は民法上の相続財産に含まれない(判例)ので、例えば、相続人以外で
被相続人の面倒を見てくれた人、内縁の妻、体が不自由な孫等を「受取人に指定す
れば、保険金をその者に渡すことができる
<生活対策>
また例えば、素行の悪い長男Aに相続させたくない時に、親孝行な娘Bを生命保険
の受取人に指定しておけば、保険金は相続財産に含まれないので、確実にBに渡す
ことができる。
<争族対策>
さらに、2億円の負債を抱えた町工場の社長なら、5,000万の生命保険に入って、
「受取人を連帯保証人ではない娘Cに指定」しておけば、自分が死んだ後、妻Bと娘
Cは相続の放棄をすれば、2億の債務からは逃れられるし、自宅は失うが、5,000万
の保険金だけは残るので、妻子は生きることができる。
<生活対策>
(「生命保険の活用法」については別項で詳述)
(2)
個人年金保険は、一時金ではなく、「年金」で受け取れば得(節税)になる。
例えば、個人年金型死亡保険を一時金で受け取れば、全額が相続財産になるが、
「年金」で受け取れば、相続財産に入れる財産の評価が下がり、節税になる。
例えば、一時金で受け取る保険金総額7,000万、年金で受け取る総額7,500万の時
年金で受け取る場合(残存受給期間20年)の評価額は7,500万×40%=3,000万
となり、一時金より年金の方が60%も評価が低くなる。
<残っている年金の受取期間に応じて評価率が下がる>
5年以下は70%、5年超~10年以下は60%、10年超~15年以下は50%、
15年超~25年以下は40%、25年超~35年以下は30%、35年超は20%
-2-
(3)
配偶者に自宅を贈与する。
結婚して20年以上経った夫婦間では、自宅やその購入資金の贈与があっても、最高
2,000万まで配偶者控除が認められ、贈与税はかからない。
贈与税の基礎控除110万と合わせて、2,110万までは贈与税がかからない(所有権移
転登録税と取得税はかかる)。
【おしどり贈与制度の適用要件】
①
婚姻期間が20年以上であること
②
夫婦の居住用不動産または、その取得の為の資金であること
③
贈与の年の翌年3月15日までに居住し、引き続き居住する見込みであること
④
土地・借地権のみ贈与の場合、家屋所有者が配偶者又は同居の親族であること
⑤
無税でも贈与税の申告をすること
⑥
同一の配偶者から一生に一度のみ受けることができる
⑦
「おしどり贈与」は、相続が発生しても、相続財産に加算されない。
∵
もともと配偶者の財産形成に寄与したものとして生産された財産とみるからで
ある。
* 注意! 夫婦間の自宅の贈与の場合、後に自宅売買時に「居住用家屋譲渡3,000万
控除の特例」を受けようとすることが多いが、その場合、建物の持ち分だけでな
く、必ず土地の持ち分を贈与することが必要である。
∵
日本では建物は減価償却する商慣行があり、例えば木造家屋の場合は30年で償却す
るので建物価値は新築時に4,000万の物が20年後には300万位に下がってしまう為、
売った時に建物の利益が出ないことが多いので、土地の値上がり益から3,000万控
除をする為には、土地の持ち分を多く持っていなければ控除のしようがないからで
ある。
(4)生前贈与は
110万円まで非課税の制度を利用して、毎年贈与(暦年贈与)する。
贈与税の基礎控除が110万なので、財産を残してあげたい子(相続人)への贈与を
毎年110万ずつ繰り返していけば、10年後には1,100万を非課税で贈与できる。
コツコツと贈与し続ければ、相当の金になり、贈与税を減らせる。
この場合、税務署に暦年贈与を否認されない為には、次の実態が必要となる。
①
贈与契約書の作成、
・管理していること、
②預金通帳・印鑑・カード・証書等を子供が自分で所有
③親名義と異なる印鑑であること、
④贈与税の申告と納
税を自分でしていること。
*
そこで、贈与の実態を明確に証明するには
毎年111万以上の贈与で贈与税を払う
(110万の基礎控除控除を超えた部分に対する10%の贈与税)ようにすれば、間違い
なく暦年贈与として、相続財産に加算されない生前贈与ができる。
*
但し、相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算されて、相続税の対象になる。
-3-
「相続時精算課税」を利用して生前贈与して相続争いを防ぐ。
生前贈与には2,500万円の特別控除があるので、親が生きている内に、子供に贈与
(5)
して、遺産争いが起きないようにする方法がある。
①
贈与者は60歳以上の親であること(1月1日で65歳以上であること)
②
受贈者は20歳以上の子又は孫であること(1月1日で20歳以上)
③
贈与財産の価額から2,500万を控除する。
④
財産贈与者ごとに利用できる。(父、母それぞれから贈与を受けられる)
⑤
2,500万を超える分については一律20%の贈与税を払う。
⑥
暦年課税との選択ができるが、相続時精算課税を一度採用したら、生涯適用され、
暦年課税は利用できなくなる。
⑦
贈与の翌年3月15日までに、税務署長に対して、「相続時精算課税選択届出書」を
提出して、贈与税の申告書を提出する。
⑧
相続が発生したら、相続財産に相続時精算課税に基づく贈与(贈与時の価額)を合
算して、相続税の対象となり、結果として、一律20%の贈与税を払いすぎていた分
は還付になる。
「子供の住宅取得資金について1,000万までは非課税」
(6)
この住宅取得に関する制度は、親が子に対して、住宅資金を贈与する時には、「暦
年贈与」の例外として、1,000万('13年12月末迄)を非課税で贈与できる。
この制度を利用する要件は、自宅を購入する20歳以上の子供に対して、60歳以上の
親や祖父母等の直系尊属が、住宅取得資金を贈与する場合に限られる。
この制度
は、「暦年贈与」「相続時精算課税」とも併用できる。
これを利用して相続税を払わずに、必要な生前贈与を行い、相続の争いを防ぐこと
ができる。この制度は延長も検討されている。
「子や孫への教育資金贈与」が1,500万円迄無税の活用
(7)
死期が近いと感じた人が、相続財産を急いで減らす時には、子や孫への教育資金
贈与を金融機関に信託することで減らせる。
この制度を使うには、適用要件があ
るので、詳しくは、「相続税の増税とその対策」をご覧下さい。
(8)
孫への贈与には相続税はかからない。
子供への生前贈与は相続財産になるが、相続権がない孫への贈与は相続税の対象に
はならないので、贈与税を払って孫に贈与すれば(毎年111万ずつ贈与を続ける)、
その分相続財産が減り、節税になる。
相続開始時より3年以内の贈与は相続財産に組み込まれるが、孫は相続人ではな
いので、相続財産に加算されないことで、この孫への贈与は、死期が近づいた時で
も相続財産の節税に活用できる。
また、孫への贈与は、いずれ子から孫へと相続が起きるのだから、次の相続での
相続税を1回で済ませることができる効果もある。
さらに、お金持ちの親から孫への贈与は、例えば、自分を被保険者、受取人を孫
-4-
Aで、500万円一括払いの死亡保険をかけておけば、死亡時にAに、相続財産になら
ずに保険金が下り、孫の学資や結婚資金を残すことができる。ちなみに、この形の
アメリカの保険だと元金の数倍になって戻ってくる。(「生命保険の活用」参照)
(9)
相続税がかからない財産は生前に買っておく。
墓地や仏壇、祭具等々は、相続税法上は非課税財産として相続財産から除かれるの
で、生前に購入して、その分の現金を減らしておけば、相続税を安くできる。
(10)
養子縁組で相続税が減らせる。
子供の数が増えれば、相続財産から基礎控除額(5,000万+相続人数×1,000万)
や生命保険の非課税額(相続人数×500万)を引けるので、その分だけ相続税総額
を減らせる。
そこで、例えば、事業を営んでいる家庭で、代々事業を引き継いでいる様な場合
(伝統演芸、伝統工芸、味噌屋さん等々)に、事業を継いでいる長男の子供(孫)
を養子縁組すれば、節税をしながら、次の孫の世代への事業継承ができる。
相続税の基礎控除に入れられる養子の数
は、実子がいなければ2人まで、実子が居れば1人までに制限されている。
但し、養子は何人持っても構わないが、
尚、相続人の数は、相続の放棄をした者が居ても、放棄をしていないものとして
人数に計算してよいことになっている。
(11)
預貯金や有価証券を不動産に組み替えると有利(節税)になる。
相続税法では「財産は時価で評価する」と定められているので、預貯金と株式は
取引価額に近い金額が相続財産の評価額になりますが、「通達」によって不動産の
評価は「路線価方式」又は「固定資産税評価価格の倍率方式」で評価されます。
①
一般的に、不動産の相続税の評価に使われる「路線価」(国税庁が毎年7月に発表
する全国の道路の価格)は、「公示価格」(国交省が毎年3月に発表する地価でほぼ
時価相場に近い価格)の80%(20%減)になるように定められている。
不動産は、その利用形態に応じて、次のように評価上・税制上の特典がある。
②
土地は、最大80%も評価を下げられる!
(イ)自分で利用する場合の特典
・
「特定居住用宅地」は、330㎡(100坪)迄80%減の評価(路線価の20%評価)
(ロ) 収益用に利用する場合の特典
・
更地評価から貸家建付地の評価減となる。
更地の評価額×(1-借地権割合0.7×貸家権割合0.3)
・
事業用小規模宅地の評価減
「特定事業用宅地」は400㎡(121坪)迄は80%減の評価
「その他の事業用宅地」(収益物件等)は200㎡(60.5坪)までは50%減の評価
・
「貸家の評価減」は建物評価の30%評価となる。
-5-
※
相続税は全体に増税されたが、小規模宅地については適用基準が緩和されたので、
中小企業や自宅については、それを所有することが相続対策上有利になった。
【小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用の条件】
・
相続開始前に、被相続人または被相続人と生計を共にしていた被相続人の事業の用
、若しくは居住の用に供されていた宅地等であること
・
建物または構築物の敷地の用に供されていたこと
・
棚卸資産に該当しないものであること
・
一定の限度面積までの部分、各相続人の合意のもとに選択したものであること
・
相続税の申告期限までに分割されていること
・
この特例を受けるには、相続税申告書に。この特例を受ける旨、その他所定の事項
を記載して、遺産分割協議書の写しや相続人の住民票、戸籍の附票、印鑑証明書等
の必要書類を添付する必要があります。
(12)
更地にアパートを建てると、相続税評価額を大幅に下げられる!
例えば、時価1億の更地100坪に、100坪のワンルームアパート(16室×6万=月額
賃料96万・年収1,152万)を5,000万の建築費で建てると、5,000万の手持ち資金が
少なくなる。
建物は固定資産課税価格で評価されるので、建築費が5,000万円かかった建物は大
体3,500万位の評価になる。
・
賃貸物件を建てると、建物は30%の評価減ができるので、
アパート・借家等の建物の評価額=固定資産評価額×1×(1-借家権割合0.3)
=3,500万×1×(1-0.3)=2,450万の建物評価になる。
・
賃貸物件を建てると、敷地も大幅な評価減ができる。
アパート・借家等の敷地の評価額=更地の評価額×(1-借地権割合0.7×借家権割
合0.3)=1億×(1-0.7×0.3)=7,900万
∴
相続税評価額としての総額=2,450万+7,900万=1億350万の評価となる。
更地1億と手持ちの現金5,000万合わせて、時価1億5,000万の財産が、-4,650万減
の1億350万の評価に下がり、大変有利となることが分かります。
年収1,152万の収入が増えて、豊かな老後が過ごせる上に、相続税も節税できる
ことになるのが長所です。
(13)
自宅兼アパートは、別々に建てるよりも評価額を下げられる。
例えば、相続税の評価が1億の自宅の敷地に、居住用と賃貸用の建物を2棟建てる
と、敷地が居住用、賃貸用と区別され、居住用の敷地部分は80%減額、賃貸用の部
分は50%減額になる。
-6-
(14)
駐車場を特定のアパート専用にすると、評価額が下がる。
例えば、アパートの敷地に駐車場がある場合、原則的にはアパートの敷地は貸家建
地として70%評価し、駐車場の部分は更地として100%評価をします。
そのアパートの住人専用にすれば、アパートと一体の評価・貸家建付地として評価
できるので評価額が下がるのです。
(15)
収益物件を生前贈与すれば、節税になり、子供に財産を蓄積できる。
「相続時精算課税」で相続税を節税するには、アパートなどの収益物件を贈与すれ
ば、相続対策になる。
らない。
現金の贈与では相続時に同額が加算されるので節税にはな
収益物件の生前贈与ならば、家賃収入を子供が蓄積できるので、親の蓄
積財産を分散できることになり、節税と遺産分割の前渡しになるのです。
例えば、建物の時価が3,000万のアパートを贈与し、固定資産税評価額は2,000万、
借家権割合は30%、敷金は100万とし、購入金3,000万を贈与した場合と、アパート
を贈与した場合の贈与税額を比較します。
①
現金3,000万を贈与した場合・・・・・贈与税は100万円
(建物時価-非課税枠)×税率20%=3,000万-2,500万×20%=100万(相続税)
②
アパートの建物を贈与した場合・・・・贈与税は0円
建物の固定資産税額×(1-借家権割合-非課税枠)×税率
=2,000万×(1-30%)-2,500万×税率
=-1,100万(非課税以下)×20%=0(相続税)
③
アパートを贈与する場合、100万円の敷金相当額を同時に贈与する必要がある。
敷金は将来返済すべき債務なので、敷金返済義務を引き継ぐと、負担付贈与にな
り、負担付贈与は時価で贈与したことになるから、である。
・
負担付贈与とみなされると、3,000万ー100万-2,500万×20%=80万(相続税)
・
敷金相当額を贈与すれば、
建物固定資産評価額×(1-借家権割合)+(現金-敷金)-非課税額
= 2,000万×(1-30%)+(100万-100万)-2,500万
=-1,100万×0.2=0
非課税となる。
(詳しくは「相続時精算課税」「アパート事業経営者の上手な相続対策」参照)
(16)で
蓄積したお金で、被相続人から相続財産を購入する。
被相続人の財産が少なくなった分相続税が節税でき、事業承継を予定している相続
人に力をつけられるので、事業承継がうまくできる事にもなる。
特に、事業用の建物やアパートの建物だけを子供が蓄積したお金で親から買い取
れば、償却で安くなった建物を買い取れるので、相当の財産を買い取れることにな
る。
但し、親子間の売買では、時価評価での計算がなされる。
(「事業承継を予定する人の上手な相続対策」「アパート事業経営者の上手な相続
対策」参照)
(17)
売却しやすい更地を準備して、納税対策を建てる。
相続税の申告は、相続の開始後10か月以内に行う必要がある。
-7-
そして、相続税はこの申告日までに、現金で一括納入しなければなりません。
反対に、相続財産より債務が多い時には、「3か月以内に相続の放棄」をしない
と、「単純承認」となり、多額の債務を引き継いでしまうことになります。
・
相続税は、「物納」や「延納」もできますが、延納は年利4%と利息が高いので、
予定していた土地が売れない・値下がりした等々の問題が出ると、大変に負担にな
り苦しみます。
そこで、多くの土地を持った人は、延納して売りやすい土地や、物納しやすい土地
として、更地を準備しておく必要があります。
(18)
借家の底地や他人の家が建っている貸地等の処理を前もってする。
借家の底地や他人の家が建っている貸地等がある場合は、相続税の上では非常に不
利なので、借家人に底地を売るか、借地権を買い取るか、底地と借家権の交換をす
るか等々の交渉を、事前にしておく必要がある。
借地権や借家権の保護が手厚い日本では、相続が開始した時に、大きな相続税を
取られ、賃料収入は少なく、立ち退きはできず、苦しむ地主さんが多いからです。
(19)
家屋の修理も生前の相続税対策です。
修理費分だけ現金が出て相続財産が減少し、建物の使い勝手が良くなった分建物の
利用価値や賃料収入が上がるからです。
2009年10月13日
2012年
記
3月15日 追記
「幸せ駅」
「不幸せ駅」
心豊かな老後生活
寂しい老後生活
孫子と仲良く行き来する
争いの中の家族のまま
残された妻の平安
妻が自宅に居られない
「感謝と譲り合いの心」を知る
遺産分けで争う子供達の姿
子供達は仲が良く、幸せになる!
を見たくない!
「生前贈与」や「遺言書の作成」等の生前からの親の準備が必要
相続開始してからでは遅い
!
-8-
!