Ⅰ ファイナンス(金融)編 商学部では,金融,証券,保険,国際金融,企業

Ⅰ ファイナンス(金融)編
商学部では,金融,証券,保険,国際金融,企業会計にかかわる広範な科目が開講されて
います。開講科目には,
「ファイナンス論」
「金融論 A, B」
「金融機関論 A, B」
「保険論 A, B」
「金融史」
「金融数学」
「金融商品論」「国際金融論 A, B」
「証券市場論 A, B」
「損害保険論
A, B」
「生命保険論 A, B」などがあります(すべてではありません)
。以下の Q & A では,
ファイナンス(金融)に関連する文献・資料・情報の入手方法をまとめました。講義の予
習や復習,レポート作成のための情報検索ガイドとしてお役立てください。
Q1 ファイナンス関係の文献や資料が図書館のどこにあるかわかりません。
A1 ファイナンス関係の文献や資料は,1 階や 2 階の閲覧室で見ることができます。また
地下1階は和書,地下2階は洋書の書庫になっています。図書には「日本十進分類法」に
したがって 1 冊ごとに分野やテーマを表す分類記号が付いており,この番号順に配架され
ています。ファイナンス関係の図書では,
「貨幣,通貨」には 337,
「金融,銀行,信託」に
は 338,そして「保険」には 339 という分類記号が付されていますので,これらの番号を
覚えておくとよいでしょう。
Q2 ファイナンス関係の文献や情報をどのように探せばよいのでしょうか。
A2 次の 3 つの方法があります。①ブラウジング(閲覧)
,②OPAC を利用した検索,そ
して③オンラインデータベースを利用した検索です。
ブラウジングとは,テーマごとに分類された書架に行って文献・資料を直接探すことをい
います。目次や内容を拾い読みすることができるので,必要な情報やテーマが漠然として
いる場合には有効な検索方法といえるでしょう。しかし配架されている書籍・資料の数が
多すぎて,かえって時間がかかってしまうことがあります。
そのような場合,OPAC を利用した検索が便利です。OPAC とは図書館の所蔵する文献の
検索システムのことで,書籍・資料の所蔵の有無,配架場所,分類記号がわかります。使
い方は簡単です。学内・外のパソコンから図書館ホームページの OPAC にアクセスし,検
索語入力欄に,調べたいタイトルや著者名などをキーワードとして入力し,検索するだけ
です。ヒットの件数が少なければ,キーワードを同義語に変えたり,より広い概念の言葉
に変えたりするなどの工夫が必要です。反対にヒット件数が多すぎる場合には,キーワー
ドを複数にしたり,検索対象(図書か雑誌かなど)を絞ったりするとよいでしょう。
かつて特定の分野やテーマに関する文献リスト(主題書誌)が,冊子体で多く刊行されて
いましたが,オンラインデータベース(Q3 で解説)の急速な普及により,それらに完全に
取って代わられた感すらあります。オンラインデータベースを使った文献検索では,タイ
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トルだけでなく,目次や帯の情報,
「連想検索」とよばれる便利な機能を備えたものまであ
ります。
Q3 オンラインデータベースや電子ジャーナルの利用はどうすればよいですか。
A3 インターネットを通じてデータベースにアクセスし,新聞や雑誌の記事,学術論文,
統計データなどを,有料または無料で検索・閲覧できるオンラインデータベースは,大変
便利な情報検索ツールです。海外のものまで含めるとネットワーク型のデータベースの情
報量は膨大ですから,上手く利用すれば,きわめて効率的な情報検索・入手が可能です。
商学部では,活用頻度の高い有料オンラインデータベースと利用契約を結んでおり,多く
は学内パソコンから自由に閲覧できるようになっています。電子ジャーナル,オンライン
データベースごとに利用規約が異なりますので,詳細は,図書館ホームページ「オンライ
ンデータベース」内の利用ガイドでご確認ください。学外からでも自由にアクセスできる
データベース(無料)についても,ここで確認することができます。
なお図書館ホームページ「耳より BOX」では,オンラインデータベース,電子ジャーナ
ル,企業検索の便利な使い方から,新聞や雑誌などの一般的な情報源まで,わかりやすく
紹介されています。
Q4 ファイナンスに関連する用語を調べたいのですが,調べ方を教えてください。
A4
ファイナンスに関する用語を調べたいときは,辞典(事典)が便利です。初学者向
けのものから専門的なものまで,数多くの辞典が出版されていますが,以下では代表的な
ものをあげておきます。なお注意点としては,ファイナンスの世界は日々刻々と変化して
いるため,辞典から得られる制度的知識は,すでに陳腐化している可能性があることです。
最新情報を随時アップデートできるインターネット上の情報などもあわせて利用する必要
があるかもしれません。
『金融辞典』
(館龍一郎編)東洋経済新報社,1994 年
『大月金融辞典』
(深町郁弥ほか編)大月書店,2002 年
『金融用語辞典 第 4 版』
(貝塚啓明ほか編)東洋経済新報社,2005 年
『ロイター最新金融用語辞典』
(ロイター編/ロイタージャパン監訳)ピアソン・エデュケ
ーション,2002 年
『バロンズ金融用語辞典 第 7 版』
(ジョン・ダウンズほか編/西村信勝ほか監訳)日経
BP 社,2009 年
『国際金融用語辞典 第 6 版』
(貝塚啓明ほか編)銀行研修社,2007 年
『証券用語辞典 第 4 版』
(森平爽一郎ほか編)銀行研修社,2007 年
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『金融工学事典』
(今野浩ほか編)朝倉書店,2004 年
Q5 金融機関の種類や金融市場の仕組みなど,金融制度を詳しく知りたいのですが。
A5
以前は日本銀行が『わが国の金融制度』という書物を刊行しており,数年ごとに改
訂版が出版されていました。しかし近年,金融制度の変化のスピードが速くなったことか
ら,1995 年の全面改訂版を最後に,改訂作業が中止されました。その事実上の後継書とも
いうべきものが,鹿野嘉昭『日本の金融制度』
(東洋経済新報社,現在は第 2 版,2006 年)
です。同書は,現在,日本の金融制度に関する最も包括的な解説書として定評のあるもの
です。また金融制度のなかでも短期金融市場については,東短リサーチ編『東京マネー・
マーケット』
(有斐閣,現在は第 7 版,2009 年)が参考になりますし,証券市場について
は,日本証券経済研究所編『図説 日本の証券市場』が隔年で改訂出版されています(最新
版は 2010 年版)
。
しかし近年,金融制度は変化のスピードは速く,書物の形態で提供される情報はすぐに陳
腐化してしまいます。それを補うためには,最新情報を随時アップデートできるインター
ネット上の情報を利用するのが便利です。日本銀行(http://www.boj.or.jp/)や金融庁
(http://www.fsa.go.jp/)のホームページが参考になるでしょう。とりわけ日本銀行のホー
ムページからは「金融システムレポート」「金融市場レポート」「決済システムレポート」
がフルテキストでダウンロードでき,最新の制度的知識を得ることが可能です。
Q6 海外のマーケットの動向が知りたいのですが,どうやって調べることができますか。
A6
株価や為替レートなどのマーケットの動向は,さまざまなメディアで日々報道され
ていますが,ファイナンスの世界では近年急速にグローバル化が進んでおり,海外の経済
動向を考慮せずに日本経済を語ることはできません。海外市況については,ブルームバー
グ,ロイター,ヤフー・ファイナンスなど,さまざまなウェブサイトで見ることができま
すが,なかでもフィナンシャル・タイムズ(http://www.ft.com/home/uk)のホームページ
内にあるマーケットデータが便利です。主要為替レート,主要株価指数,各国の国債利回
りなど,主要国・市場のマーケットの動向をつぶさに見ることができるだけでなく,日々
の国際債(ユーロ債)の起債状況の詳細(発行体,起債通貨,発行額,満期,利回り,格
付け,幹事金融機関など)も確認できるため,世界的な大企業(あるいは政府,国際機関,
大金融機関)の資金調達の動きなども見ることができます。
Q7 勉強・研究に役立つ専門的な情報や詳しい統計データを入手できる関連サイトを教
えてください。
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A7 国内・海外の代表的なものをあげておきます。
(1)日本銀行 http://www.boj.or.jp/
日本の中央銀行。発券銀行,銀行の銀行,政府の銀行という 3 つの機能を持っています。
主要な経済統計の作成と公表も行っており,金融,国際金融に関するデータを入手できま
す。また日本銀行金融研究所(http://www.imes.boj.or.jp/)では,同研究所が発表している
論文(金融研究,ディスカッションペーパー)や 1945 年以前に日本銀行が公表した統計デ
ータなども入手できます。
(2)財務省 http://www.mof.go.jp/
国の予算,税制,通貨,外国為替,国債などに関する事務を行う行政機関。財務省のシン
クタンクである財務総合政策研究所(http://www.mof.go.jp/jouhou/soken/soken.htm)では,
財政・経済の諸問題について中長期的な観点から理論的な研究を行っており,その研究報
告書やディスカッションペーパーをフルテキストでダウンロードできます。
(3)金融庁 http://www.fsa.go.jp/
金融制度の企画・立案や,民間金融機関を検査・監督する行政機関。各種の金融規制の内
容を確認することができます。また金融庁に置かれた証券取引等監視委員会
(http://www.fsa.go.jp/sesc/)は,証券取引に関する調査,検査および取引審査を担当する
独立の監視機関です。
(4)東京証券取引所グループ http://www.tse.or.jp/
国内最大の証券取引所。東証 1 部では,日本を代表する主要な上場企業の株式が取引され
ています。また代表的な株式指標である東証株価指数(TOPIX)を中心に各種の指数も公
表しています。
( 5 ) Bank
for
International
Settlements ( BIS:
国 際 決 済 銀 行 )
http://www.bis.org/index.htm
各国の中央銀行間の協力促進,国際金融業務への便宜供与などを行う国際機関。金融シス
テムの健全性と安全性を強化する政策調整の場でもあります。グローバルな資金フローを
把握できる銀行統計を公表しており,各種の研究報告書やワーキングペーパーもフルテキ
ストでダウンロードできます。
(6)International Monetary Fund(IMF: 国際通貨基金) http://www.imf.org/
国際通貨システムの安定を維持するため,加盟国に各種のサーベイランス(政策監視)を
行う国際機関。各種の有用なグローバルデータだけでなく,多くのシリーズ化された学術
刊行物もダウンロード可能です(一部制限あり)
。
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