50℃~60

Oriental Medicine
Life Creative Association
【 Basic Method of Amazake 】
甘酒のつくり方・使い方
KIRYU LABO
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〈 本日の内容〉甘酒のつくり方・使い方
1.甘酒とは
1-1 甘酒とは?
1-2 甘酒の成分
2.甘酒のつくり方
2-1 甘酒のつくり方
2-2 発酵の進み方
2‐3 フルーツ甘酒・野菜甘酒
3.漬け床として
3-1 野菜の漬け方
3-2 魚介・肉類の漬け方
4.調味料として
4-1 調味料としての使い方
4-2 火入れ甘酒
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(1) 甘酒とは?
●「甘酒」の前に、「発酵」ってなに?
・食べ物を放置→空気中の微生物が付着
→成分を分解→栄養分として摂取 or 新しい成分
=微生物が生きていくための営みのこと
有益なら「発酵」 有害なら「腐敗」
・ 日本は世界有数の発酵大国!
味噌、醤油、酢、味醂、酒、漬物、塩辛、納豆・・・
・発酵食のメリットは?
1)保存性が高まる
3)栄養が加わる
5)うま味が加わる
2)消化が良くなる
4)腸内環境が良くなる
(1) 甘酒とは?
・ 甘酒とは、江戸時代から親しまれ夏バテ防止飲料
・ 俳句では夏の季語
・ 甘酒は冷やして飲むのが効果的
・ 温めるのなら60℃まで
・ そもそも甘酒を作ったのは誰だったのか?
醸造物は寒仕込み→12月~日本酒・1月~醤油・2月~味噌
豊富な酵素を利用し、お酒の前の甘酒は『武士の作法』だった!
・ 1回に飲む量はおちょこ1杯、1日200ccくらいが適量。
・ 効果的な飲むタイミングは、身体の代謝が上がっているとき。
・
・運動のあと
・トリートメントのあと
・お風呂あがり
・寝起き
・ヨガのあと
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(1) 甘酒とは?
・現代では点滴と成分がほぼ同じ→「飲む点滴」
・美白効果が期待される→「飲む化粧水」
・市販の甘酒は熱殺菌処理されている
→生甘酒は、酵素と補 酵素と菌の宝庫→数えきれない効能
・必須アミノ酸全種+α、吸収率が90%以上の豊富なビタミン
B群、麹からし か生成されないコウジ酸などの力も加わって
いるので、ヨーグルトのように毎日食べ続けていると、腸内
環境の活性化、活性酸素の除去、脳の活性化、肝臓強化、
美肌、メラニン色素抑制、髪フサフサ、血液サラサラ、ガン抑
制、疲労回復、脂肪酸やコレステロールの代謝、視力回復、ヒ
スタミン抑制など
・麹菌が健康維持や老化防止に役立つ機能性物質を全て生産
(1) 甘酒とは?
● 甘酒の主要成分
・アミラーゼ:デンプン→ブドウ糖
・プロテアーゼ:タンパク質→アミノ酸
・リパーゼ:脂質→脂肪酸
・セルラーゼ:セルロース→オリゴ糖
・ビタミンB群
・必須アミノ酸
・オリゴ糖
・食物繊維
・コウジ酸 :麹にしか含まれない
抗酸化作用、美白効果
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(2) 甘酒の作り方
● 〈材料〉
お米(炊いたもの) 1合
米麹
2合
水
600cc~900cc
・お米は糊化させない
・水は750ccが基準で、ミネラルウォーターは使用しない
・甘酒に適しているのは味噌蔵の米麹
・酒蔵の米麹にはアミラーゼが多く、プロテアーゼが少ない
・蔵によって味が違う
・炊飯器またはヨーグルトメーカーを使用
・50℃~60℃(理想は55℃)で8時間
(2) 甘酒の作り方
〈もしも?〉
←
50℃~60℃
状態:
・発酵しない
・アルコール臭がする
・酸味が出てくる
他の使い道:
・生ごみに混ぜる
・風呂に入れる
→
・糖化しすぎる
・酵素が活動を失いはじめる
・そのまま飲む
・漬け床・調味料として使う
★基本的には冷蔵保存
その際に鉄・アルミ・ステンレスの容器は避け、密閉しない
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● 発酵の進み方~生甘酒を放置すると
麹
↓
ブドウ糖
強酸性:ph2.5~2.0まで下げる
↓
繁殖温度:4℃~80℃
植物性乳酸菌
(冷蔵庫) ↓
↓
酸っぱくなる
常温
↓
酵母
繁殖温度:20℃~38℃
↓ (アルコール発酵)
どぶろく
↓
酢酸菌
↓
米酢
これが日本が誇る平行複発酵である。
様々な微生物達が共生しあって、スライド式に発酵が進む。
平行複発酵のことを醸造という。東アジア以外ではワインしかない。世界的
には単発酵が主流。一つの微生物による繁殖のことを指す。日本を代表す
る単発酵は納豆である。
● フルーツ甘酒・野菜甘酒
・ 先入れ:甘酒自体を作るときに、細かく切ったフルーツ(または野菜)も一緒に
炊飯器などに入れて加熱保温し、米と一緒に糖化させます。
・ 後入れ:できあがった甘酒に好みの具を入れて一晩くらい置きます。フルーツを
甘酒に漬けるイメージ。基本的に生食できるものは、後入れにしたほうが
素材の味を生かすことができます。
・アレンジいろいろ
~ドライフルーツ、いちご、レモン、甘栗、ニンジン、梅しそ、トマト
・麹の酵素による分解は熱による分解、煮るという調理法と似ている
・熱による分解は時間をショートカットできるが、失うものも多い
・麹の酵素による分解は時間はかかるが、失うものがほとんどない
→酵素や微生物、その他栄養素を身体に取り入れることができる
→これが発酵という調理法である。
★分解能力も保存能力も液体の中にしかない!!
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(3) 漬け床として
〈野菜〉
・野菜の甘酒漬けは、俗に「べったら漬け」と呼ばれる
・食材に塩をして排出される水分を醤とよぶ
・野菜に塩をして排出された水分を、草醤と呼び、水溶性の栄養素を含む
・草醬を取り入れるためには・・・
1.ジプロックを使用する
2.ジプロックの中に野菜と塩を入れ、柔らかくなるまで揉む
3.甘酒を野菜の2/3の高さまで入れ、空気をしっかりと抜く
4.冷蔵保存し、1日~1.5日経って、漬かり具合を確認し食べる
残った漬け床・・・再利用
・とりそぼろ
・豆を炊く
・炊き込みご飯
・味噌汁
・煮物
(3) 漬け床として
〈魚介・肉類〉
・焼き物と刺し身のさく、豆腐に限り、さらしに巻いて漬ける
・食材にはしっかりと塩をして、臭みをとり、下味をつける
・ドリップをペーパーで良く拭き取り、さらしに巻く
・ジプロックに入れ、甘酒を小さじ2~3杯、両面に入れ、冷蔵保存
・1日~1.5日漬け、食す
・すぐ食べない場合は冷凍保存
・麹の酵素による分解で、体への負担が少ない食材になっており、味も
旨味の上がった食材に変化する
・揚げ物:揚げる状態に切ってから漬ける
・煮物:火入れ甘酒を使用する
・刺身:生甘酒で、片面のみ漬ける
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(4) 調味料として
・単純に砂糖の変わりに使用する。
・甘酒のブドウ糖の甘味を上手に料理に活用する
・古来日本に砂糖がなかったことを考えると、和食の甘味は
ブドウ糖か野菜でしか出せなかった
・ブドウ糖の甘味は他の糖と比べ分子が細かい分自然な甘さ
と認識される
・甘酒をお料理に使うことは、決して新しいことではなく、
和食の原点に戻ることである
・酸味が出た甘酒をドレッシングに応用する
● 生甘酒 vs 火入れ甘酒
・ 生甘酒
・生きた麹のパワー
・分解能力が高い
・すっきりした自然の甘味
・発酵の進みが早い→味の変化が早い→徐々に酸味
・生で食べるもの(漬け物、酢の物、刺身など)は生甘酒
・ 火入れ甘酒
・煮る、揚げるなど加熱調理する食材には火入れ甘酒を使用
・長期保存する食材の場合も、漬かり具合が安定
・食材に少し強めに塩をするとバランスが良い
☛火入れのコツ
・火入れすることで麹の力は弱まるが、生の甘酒より日持ちする
・加熱する料理として肉や魚を漬け込む場合に適している
・甘酒を鍋に入れ、ごく弱火で常にかき混ぜながらゆっくり火を入れる
・80℃で30分以上熱を加えると微生物や酵素が活動を失うので注意
・根気よくかき混ぜ、急にどろっとしはじめたらすぐに火を止める
・冷めたら保存容器に入れ、ぴったりと表面に落としラップをして冷蔵保存
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