参 考 資 料 目 次 - 福岡県農業総合試験場

参 考 資 料
目
次
1
本県職務育成品種一覧
1
2
本県職務発明一覧
2
3
福岡県内農家が開発した品種、特許数(予備調査)
3
4
海外違法流出事例
4
5
東南アジア各国の品種保護制度の整備状況
5
6
県農業総合試験場におけるDNA品種判別技術開発状況
6
7
知的財産権関連法の解説
7
8
知的財産権の用語解説
10
1 本県職務育成品種一覧
NO
農 林 水 産
品 種 名 称
登録年月日
有効期間
備
考
植物の種類
1 大麦
ニシノゴールド
S63.5.21
15
2 大麦
アサカゴールド
H4.12.7
15
国の指定試験育成品種
3 ぶどう
宝満
H6.11.22
18
国の指定試験育成品種
4 ぶどう
博多ホワイト
H6.11.22
18
国の指定試験育成品種
5 稲
夢つくし
H7.3.23
15
6 ぶどう
翠峰
H8.6.13
18
国の指定試験育成品種
7 ぶどう
陽峰
H9.12.5
18
国の指定試験育成品種
8 稲
つくし早生
H11.8.11
20
9 稲
つくし赤もち
H11.8.11
20
10 大 麦
ミハルゴ−ルド
H12.2.22
20
11 カ ー ネ ー シ ョ ン
ピンキーカジュアル H12.2.22
20
12 カ ー ネ ー シ ョ ン
紫香の舞
H12.2.22
20
13 い ち じ く
姫蓬莱
H12.9.5
25
14 稲
はやつくし
H12.10.4
20
15 い ぐ さ
筑後みどり
H13.6.26
20
16 稲
よかまい
H13.10.12
20
17 大 麦
ほうしゅん
H14.7.10
20
18 い ち ご
福岡S6号
H13.11.2出願中
19 い ち ご
福岡S7号
H13.11.2出願中
20 稲
つくしろまん
H14.3.20出願中
-1-
国の指定試験育成品種
国の指定試験育成品種
国の指定試験育成品種
2 本県職務発明一覧
NO
名
称
出願年月日 登録年月日 備
考
1 家 禽 飼 料 配 合 物 及 び 該 配 合 物 を 用 い る 家 H4.4.1
H8.8.9
共同出願
禽の飼育方法
2 チャバネアオカメンムシの誘引剤
H7.4.25
H9.11.21 共 同 出 願
3 液状食品素材の製造方法
H7.7.13
4 イ チ ゴ の 高 設 栽 培 方 法 及 び こ れ に 用 い る H8.10.4
装置
5 インスタント茶の製造方法
H8.12.5
6 作業用移動装置
H9.6.9
7 食品素材中のシュウ酸
除去方法
8 害虫防除方法(バンカープラント)
H10.7.16
H10.11.13
H12.5.12
共同出願
H13.9.21
9 米飯物性が改善された
ブレンド米
10 害 虫 防 除 用 捕 集 機
H13.12.19
共同出願
H14.5.31
共同出願
11 自 動 哺 乳 機 用 の 隔 離 装 置
H14.8.30
12 蔓 性 植 物 の 栽 培 装 置 、 栽 培 補 助 具 お よ び H14.8.30
栽培方法
13 ゴ ボ ウ の 栽 培 方 法
H14.10.24
14 両 性 誘 引 剤 と 浸 透 移 行 性 殺 虫 剤 を 用 い た H14.10.25
害虫防除方法
-2-
3 福岡県内の農家が開発した品種・技術の予備調査
【品
作
種】
目
作
花・花木
物
名
シクラメン
あじさい
初恋草
きく
つつじ
アザレア
品
種
名
登録品種◎
出願中 ○
・ 11 年∼ 13 年ま
で種苗登録出願公
表数:84
備
・ここ数年、農家の
出願数増加傾向
等
野
菜
果
樹
いちご
かんきつ
(うんしゅうみかん)
許】
な
○
○
○
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
ネーブル
吉田ネーブル
山見阪ネーブル
◎
日向夏
早生日向
はるか
◎
レモン
ぶどう
黄楽
浦部デラウエア
市来デラ
サマー・アーリ
黒竜
○
◎
◎
◎
◎
う
め
び
わ
湯川
◎
な
し
三光
◎
朝倉早生
浮羽早生
◎
◎
桃
【特
清香
アマテラス
ダイアモンドベリー
あかしやのみつこ
あかしやのみはる
山川早生
宮川早生
山下紅早生
石塚早生
久賀早生
伊都早生
原温州
絹平
森早生
築地原早生
日浦早生
福岡3号
福岡4号
56.4 ha
741.3 ha
4.4 ha
9.2 ha
10.4 ha
48.1 ha
光陽
し
-3-
考
(普及面積等)
1.2 ha
4 海外違法流出事例
ゆきてぼう
1 北海道が育成したインゲン豆「雪手亡」の海外流出
・ 北海道育成品種「雪手亡」は、許諾契約上海外で栽培、輸入できない品種である
が、平成 13 年に、輸入された中国産インゲン豆が「雪手亡」であることが DNA 鑑
定で判明。
・ 道はこの結果を国に報告し、輸入商社への指導を依頼。
・ 国は、豆類の輸入商社で構成する雑穀輸入協議会を対象に、種苗法の説明会を 14
年3月に実施。
・ 道は、14 年4月に雑穀輸入協議会及び会員企業に「道が開発した豆類品種の育成
者権の保護について」を通知し、育成者権の遵守を要請。
・ 道立十勝農試での栽培試験により、雪手亡との形態的同一性が確認されたことか
ら、試験結果を基に 14 年 12 月に雑穀輸入協議会に警告書を送付。
・ 雑穀輸入協議会は、輸入品をDNA鑑定により自主検査するなど、違法輸入に対
応。
2 栃木県が育成したいちご「とちおとめ」の海外流出
・ 平成 13 年、14 年に東京都中央卸売市場で韓国産「とちおとめ」が取り扱われて
いるとの情報があったが、詳細な出回り状況は不明。
・ 市場関係者に対し、輸入いちごに「とちおとめ」が混入していないか情報収集。
・ 現在、関係者による市場監視を実施し、県農業試験場においてはDNA鑑定技術
を開発中。
3 大分県臼杵市の農家が育成したかんきつ品種の海外流出
・ 平成 12 年、大分県臼杵市の農家が育成したかんきつ品種の穂木を、県外の農家が
無断で韓国済州島へ持ち出し。
・ 育成農家の指摘を受け、事実を認めた当該農家は、現地に出向き、全て伐採焼却
処分。
・ 日本果樹種苗協会専務理事の立会で示談。
4 奈良県が育成したいちご品種「アスカルビー」の海外流出
・ 奈良県と利用許諾を結んでいた種苗協会の会員が、低コスト苗増殖の目的に、韓
国、中国へ違法に持ち出し。
・ 平成 14 年、同会員は増殖した株を焼却処分。
-4-
5 東南アジア各国の品種保護制度の整備状況
○
各国において育成者権を適切に保護するため、UPOV(植物の新品種に関する国
際条約)が発足(1961 年)
・ 現在、欧米を中心に 52 カ国が加盟している。日本は 1982 年に加盟
○
東南アジア地域における加盟国は、日本、中国、韓国の3カ国のみ
・ タイ、インドをはじめとする各国で植物品種保護制度を整備しつつある
○
各国の保護対象状況 (2003年1月現在)
全ての植物を保護対象にしている国(30カ国)
EU、英国、米国、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、デンマーク、スペ
イン、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ポーランド、カナダ、チェコ
共和国、スロバキア、ハンガリー、ブルガリア、エストニア、イスラエル、オー
ストラリア、ニュージーランド、チリ、コロンビア、メキシコ、アルゼンチン、
ボリビア、エクアドル、ウルグァイ、日本
一部の植物を保護対象にしている国(22カ国)
中国、韓国、オーストリア、ベルギー、ブラジル、スイス、クロアチア、アイル
ランド、ケニア、キルギスタン、モロッコ、モルドバ、パナマ、ポルトガル、パ
ラグアイ、ロシア、スロベキア、トリニダット、ウクライナ、南アフリカ、ジン
バブエ、ベラルーシ
○
中国、韓国の保護対象状況 (2002年)
韓国
保護対象植物(種・属)
登録品種数
88
264
中国
保護対象植物(種・属)
登録品種数
54
84
-5-
6 県農業総合試験場でのDNA品種判別技術開発状況
○ 育成者権が侵害されたかどうかを、迅速かつ高精度に判定するためには、DNA
品種判別技術の開発が不可欠である。
本県でDNA品種判別が可能な品種は下記のとおりである。
いちご
【10 品種】
1.あまおう、2 .とよのか、3 .さちのか、 4.女峰、5.とちおとめ、
6.アスカルビー、 7.レッドパール、8.さがほのか、9.章姫、
10.アイベリー
水
【20 品種】
1.夢つくし,2.つくし早生,3.はやつくし,4.キヌヒカリ,
5.コシヒカリ,6.日本晴,7.黄金晴,8.ヒノヒカリ,
9.ユメヒカリ,10.ツクシホマレ,11.ミネアサヒ,12.ほほえみ,
13.レイホウ,14.ハヤユタカ,15.ニシホマレ,16.山田錦,
17.サイワイモチ, 18.ハクトモチ,19 .ひみこもち,20.ヒヨクモチ
稲
二条大麦
※
【7品種】
1.アサカゴールド、2.ミハルゴールド、3.ほうしゅん
4.九州二条 15 号、5.あまぎ二条、6 .ニシノチカラ 、7.ニシノホシ、
アンダーラインは、福岡県が育成した品種
-6-
7 知的財産に関する用語解説
○
総
論
・知的財産・・・・発明、考案、意匠、営業秘密(ノウハウ)、植物新品種、半導体集積回
路、著作物、その他人間の創造的活動により生み出される知的創作物と
商標、サービスマーク、商号その他事業活動に用いられる営業標識を総
称したもの。
・排他的権利・・第三者による実施、利用等を排除する独占的権利。ただし、知的財産権
の場合は、保護対象が無体物であるため、事実上、複数の者が利用する
ことが可能である。
・許
諾・・・・権利者が自己の権利の実施・利用等を求める者に対し、それを認める意
思表示(承諾)。
○
種苗法
・品
種‥‥品種登録の対象になる単位であり、重要な形質にかかる特性の全部又は
一部によって他の植物体の集合と区別することができ、かつ、その特性
の全部を保持しつつ繁殖できる一の植物体の集合
・育成者権‥‥新品種育成者の権利。品種登録を受けている品種及びその登録品種と特
性により明確に区別されない品種を業として利用する権利。
・品種の利用‥①種苗の生産、調整、譲渡の申出、譲渡、輸出、輸入、これらを目的
とした保管。
②種苗について権利行使する適当な機会がなかった場合の、収穫物の生
産、譲渡又は貸渡しの申出、譲渡、貸渡し、輸出、輸入、これら を
目的とした保管。
・業としての利用‥反復、継続の意思をもって種苗を利用することで、営利目的か否
か
を問わず、また組織的なものか個人的なものかも問わない。
・従属品種‥‥以下の3つの要件を全て満たす品種のこと。
①原品種(品種登録を受けている品種)と明確に区別できること。
②原品種に由来しており、本質的な特性の表現を維持していること。
③由来の行為(変異体の選抜、戻し交雑、遺伝子組換え等)により生
じた差異のほかは本質的な特性において一致していること。ただし、
由来する行為から生じる差異はわずか。
・交雑品種‥‥繁殖のために常に登録品種を交雑させる必要がある品種のこと。
・専用利用権‥設定行為で定めた範囲内において、業としてその登録品種を利用する権
利。この設定行為の範囲内においては、第三者はもちろん育成者権者も
実施することはできない。
・通常利用権‥種苗法の規定により又は設定行為で定めた範囲内において、業として登
録品種等を利用する権利。
・非独占的通常利用権‥‥通常利用権を複数の者に設定するもの。
-7-
・独占的通常利用権‥‥特定の者にのみ通常利用権を設定するもの。
・利 用 料‥‥品種登録を受けている種苗等の利用許諾の対価。
・職務育成品種‥品種の育成が使用者等の業務に属するもので、かつ、育成行為が、育成
をした従業者等の職務に属する品種。
・出願補償金‥職務育成において使用者が育成品種の品種登録出願をした場合に、当該
育成者に対し支払われるもの。
・登録補償金‥職務育成において使用者が育成品種の品種登録をした場合又は、個人出
願された品種の育成者権を受ける権利を承継した場合に、当該育成者に
対し支払われるもの。
・実施補償金‥職務育成において、使用者が品種登録を受ける権利又は育成者権の運用
又は処分により収入を得た場合に、
当該育成者に対して支払われるもの。
・自家増殖‥‥農業者が正当な権原のもとに譲渡された種苗を用いて得た収穫物の一部
を、自らが行う生産のための種苗として用いること。
・育種素材としての利用‥‥登録品種を新品種の育成などの試験又は研究目的をもって
利用すること。
・仮保護制度‥出願公表から登録までの間に出願品種を利用した者に対して、育成者が
補償金の請求を行うことができる制度。
・権利の消尽‥育成者権が行使され、譲渡された種苗又は収穫物について、その再譲渡
には育成者権が及ばないこと。
○
特許法
・発
明‥‥自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
・特 許 権‥‥特許を受けている発明を排他的(独占的)に支配する財産権。
・発明の実施‥発明のカテゴリー毎に規定
①物(プログラムを含む。)の発明は、その物の生産、使用、輸入、
譲渡等
②方法の発明は、その方法を使用する行為。
③物を生産する方法の発明は、その方法を使用する行為、その方法 に
より生産した物の使用、輸入、譲渡等
・業としての実施‥反復 、継続の意思をもって発明を実施することで、営利の目的を問わず、
また組織的なものか個人的なものかも問わない。
・専用実施権‥設定行為で定めた範囲内において、業として発明を実施する権利。この
設定行為の範囲内においては、第三者はもちろん特許権者も実施するこ
とはできない。
・通常実施権‥特許法の規定により又は設定行為で定めた範囲内において、業として発
明を実施する権利。
・非独占的通常実施権‥‥通常実施権を複数の者に設定するもの。
・独占的通常実施権‥‥特定の者にのみ通常実施権を設定するもの。
・実 施 料‥‥特許を受けている発明の実施許諾の対価。
-8-
・職務発明‥‥発明が使用者等の業務に属するもので、かつ、発明行為が、発明をした
従業者等の職務に属する発明。
・出願補償金‥職務発明において使用者が特許を受ける権利を承継し、特許出願をした
場合に、当該発明者に対し支払われるもの。
・登録補償金‥職務発明において使用者が特許権の登録をした場合又は、個人出願され
た発明の特許を受ける権利を承継した場合に、当該発明者に対し支払わ
れるもの。
・実施補償金‥職務発明において、使用者が特許を受ける権利又は特許権の運用又は処
分により収入を得た場合に、当該発明者に対して支払われるもの。
・権利の消尽‥特許権が行使され、譲渡された発明について、その再譲渡には特許権が
及ばないこと。
○
商標法
・商
標‥‥標章のうち事業者が自己の取り扱う商品または役務(サービス)を、他
人の商品または役務と識別し、かつ商品または役務の同一性を表示する
ために、その商品または役務について使用する標章(マーク)のこと。
・登録商標‥‥商標登録を受けている商標。
・使
用‥‥①商品または商品の包装に標章をつける行為
②商品または商品の包装に標章をつけたものを譲渡し、引き渡し、譲
渡もしくは引渡しのために展示し、または輸入する行為。
③役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し、
または貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章をつける行為
④役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を
つけたものを用いて役務を提供する行為。
⑤役務の提供の用に供する物(役務の提供に当たりその提供を受ける
者の利用に供する物を含む。以下同じ。
)に標章をつけたものを役務
の提供のために展示する行為。
⑥役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該役務の提供に係る物
に標章をつける行為。
⑦商品または役務に関する広告、定価表または取引書類に標章をつけ
て展示し、または頒布する行為。
・商 標 権‥‥指定商品・役務について登録商標を排他的に使用できる権利(専用権・
禁止権)。
-9-
8 知的財産関連法の解説
【種苗法】
植物新品種の種苗の育成者に適正な保護を与えることにより、新品種の育成を促進し、
農林水産業の発展に寄与することを主な目的とする。
保護対象となるのは、農林水産植物(農林水産物の生産のために栽培される種子植物、
しだ類、せんたい類、多細胞の藻類及び政令で指定された22種類のきのこ)の新品種
である。新品種が種苗法で保護されるためには、区別性、均一性、安定性、未譲渡性及
び名称の適切性を有することが必要であり、育成者が農林水産省に出願して登録されな
ければならない。
保護期間は、登録から20年(永年生植物は25年)である。
なお、種苗法は、1991年のUPOV条約改正に対応して、平成10年5月に育成
者の権利保護の充実等を内容として全面的に改正されている。
【特許法】
発明の保護と利用を図ることにより、発明を奨励して産業の発達に寄与することを目
的とする。
保護対象となる発明は、自然法則を利用した技術的な思想(アイディア)で高度なも
の。物の発明、方法の発明、物を生産する方法の発明がある。
発明が特許法で保護されるためには、産業上の利用可能性、新規性、進歩性、開示要
件等の特許要件を有することが必要であり、特許庁に出願し、審査を経て、登録される
こととなる。
特許権の保護期間は、出願から20年であり、医薬、農薬については、特許発明を実
施することができなかった期間について、最大5年の延長が可能である。
【実用新案法】
考案の保護と利用を図ることにより、考案を奨励して産業の発達に寄与することを目
的とする。
保護対象となる考案は、自然法則を利用した技術的なアイディアで、物品の形状、構
造又は組合わせに係る考案に限られ、方法は対象外である。
考案が実用新案法で保護されるためには、産業上の利用可能性、新規性、進歩性、開
示要件等の登録要件を有することが必要であり、特許庁に出願し、登録されるが、特許
法と異なり、無審査で登録がなされる。
実用新案権の保護期間は、出願から6年である。
- 10 -
【意匠法】
意匠の保護と利用を図ることにより、意匠の創作を奨励して産業の発達に寄与するこ
とを目的とする。
保護対象となる意匠は、物品の形状、模様、又は色彩若しくはそれらの組合せからな
るデザインである。
意匠が意匠法で保護されるためには、工業上の利用可能性、新規性等の登録要件を有
することが必要であり、特許庁に出願し、審査を経て、登録される。
意匠権の保護期間は、登録から15年である。
【商標法】
商標を保護することにより、商標を使用する者の業務上の信用の維持を図って産業の
発達に寄与するとともに需要者の利益を保護することを目的とする。
保護対象となる商標は、文字、図形、記号、立体的形状又は色彩からなるマークで、
事業者が商品や役務について使用するものである。
商標が商標法で保護されるためには、商標が他の事業者の商品・役務と識別する識別
力を持つこと等の登録要件を満たすことが必要であるが、特許法と異なり、創作性は必
要とされない。特許庁に出願し、審査を経て、登録される。
商標権の保護期間は、登録から10年であるが、更新可能。
【不正競争防止法】
不正競争行為を列挙し、不正競争行為に対する民事上の救済手段と刑事上の罰則を定
めることにより、不正競争を防止することを目的とする。
不正競争防止法に列挙された不正競争行為には、①商品等表示による混同行為、②著
名標識の使用、③商品の形態の模倣、④営業秘密の不正な取得・使用・開示行為等、⑤
コピー防止装置の解除行為、⑥ドメインネームの不正登録、保有、使用行為、⑦原産地
・品質・数量等の誤認表示行為、⑧虚偽事実の陳述ないし流布による信用毀損行為等が
ある。
【著作権法】
著作物に関し、著作者の権利及び著作隣接権を定め、著作物の公正な利用に留意しつ
つ、著作権者等の権利の保護を図り、もって、文化の発展に寄与することを目的とする。
人間の創作活動の成果を保護する点では、特許法と同一であるが、主として文化の発
展を目的とする点で異なる。
著作物は、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音
楽の範囲に属するものである。
著作者の権利は著作物の創作と同時に発生し、特許法と異なり、登録などの方式を必
要としない。
著作権の保護期間は、原則として、創作時から著作者の死後50年である。
- 11 -
【関税定率法】
関税の税率、課税標準、減免等、関税に関する事項を定めており、関税法とともに我
が国の関税制度の基本となる法律である。
この法律においては、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権又
は回路配置利用権を侵害する物品を輸入禁制品に指定しているが、育成者権侵害品は対
象となっていない(現在法改正中)
。
【TRIPs協定】(Agreement on Trade-Related aspects of Intellectual Property
Rights)
「 知的財産権の貿易関連の側面に関する協定」の略称であり、WTO(世界貿易機関)
設立協定の三付属書の1つとして、1995年に発効した。
この協定は知的財産権の保護に関して、先進国、途上国を問わずWTO加盟国が遵守
すべき最低基準(ミニマムスタンダード)として機能しており、また、知的財産権の行
使や国家間の紛争の解決についても定めている。
【UPOV条約】(Union
Internationale pour la Protection des Obtentions
, ,
Vegetales)
植物新品種保護に関する国際条約である。この条約は、植物の新品種を各国が共通の
基本原則に従って保護することにより、優れた品種の開発、流通を促進し、農業の発展
に寄与することを目的としており、品種保護に関して、保護の要件、保護内容、内国民
待遇などの基本原則を定めている。
1991年には、バイオテクノロジーの進展や種苗の国際流通の増加といった状況の
変化に対応して、育成者の権利の強化等を内容とした大幅な改正が行われ、1998年
に発効した。
- 12 -