≪経歴≫ 【非凡な才能と成功】 ロンドン(ケンブリッジ 家にあった調律され

John Rutter (1945
(1945~)
現代イギリスを
イギリスを代表する宗教音楽家の一人
今年の 9 月 24 日で 70 歳、まだまだ現役だよ。
≪経歴≫
【非凡な
ケンブリッジ)で生まれる。父は科学者で音楽的な
な家庭ではなかったが、
非凡な才能と
才能と成功】
成功】 ロンドン(ケンブリッジ
家にあった調律されてないピアノを、
、即興も交え彼なりの方法で巧みに弾きこなした
した。こ
これを見て両親は、
正式に音楽教育を受けさせようとロンドンの
ようとロンドンのハイゲイト・スクールに入学させた。ここ
ここでは優れた指導者に
よるハイレベルな音楽教育が行われており
われており、彼は合唱と作曲、編曲に情熱を注いだ。
。18 の歳、ケンブリッジ
大学クレア・カレッジに入学し音楽を
を専攻、卒業後サザンプトンで短期間教鞭を執った。この頃「グローリ
ア」を作曲し、アメリカで評判となる
となる。その後、僅か 30 才(1975 年)で母校のクレア・カレッジの
クレア・カレッジの音楽科
主任となったが、音楽活動に専念するため
するため退職、1981 年には教え子を中心としたプロの
としたプロの合唱団「ケンブリッ
ジ・シンガーズ」を結成した。彼はこの
この合唱団を率いて数多くの自作品を録音してき
き
ている。
彼は管弦楽や室内楽ではなく宗教音楽
宗教音楽や合唱曲の作曲家・指揮者として知られ、ヨ
ヨ
ーロッパ、スカンジナビア、北米などで
などで客演指揮や講演等行ってきている。1980 年
プリンストンのウェストミンスター合唱大学
合唱大学名誉研究員、さらに 1988 年には教会音
教会音
楽家連盟の研究員に就任するなど高い
い評価を受けた。また、敬虔なキリスト教徒でも
も
あり、1996 年には英国教会カンタベリー
カンタベリー大主教より音楽博士号が授与された。
【悲しみを
の
しみを乗り越えて】
えて】 ラターは 1980 年にジョアンヌ・レドゥンと結婚、2 人の
ウィリアム王子の結婚式
息子を設けていた。が、2001 年、長男
長男のクリストファーを交通事故で失うと、翌年
翌年、悲しみの内にも「子ど
もたちのミサ曲」を作曲、悲惨な境遇
境遇を克服していった。2007 年には彼の音楽に対する
する群を抜いた才能が認
められ、CBE(大英帝国勲章)を与えられた
えられた。2011 年 4 月に行われたウィリアム王子の
の結婚式にはラターの讃
美歌 「This is the day」が演奏され
され好評を博した。また、東日本大震災の復興支援
復興支援として「永遠の花」を
作曲している。現在、妻・次男のニコラスと
のニコラスと共に、ケンブリッジ近郊で生活を送っている
っている。
≪作風≫
ラターの作風はジャンルを超え、ポップ
ポップ調の親しみやすさがある。歌っていると楽
楽
しくなる旋律と、すっきりとした和音
和音が曲の基調をなしている。随所に変拍子やジャ
ジャ
ズの要素を混ぜることで現代性を加味
加味し、また、グレゴリオ聖歌の引用や、民謡を積
積
極的に取り入れることで幅広い音楽愛好家
音楽愛好家の支持を受け、各国のアマチュア合唱団か
か
ら絶大な人気を得ている。しかしクラ
クラシックや伝統的な宗教曲の世界では評価が分か
か
れている。日本では 1980 年代後半に
に彼の作品が歌われ始め、1990 年代にケンブリッ
にケンブリッ
ジ・シンガーズの CD が多数輸入されるようになると
されるようになると、広く演奏されるようになった
されるようになった。
また、ビートルズ協奏曲の編曲やフォーレの
フォーレの「レクイエム」の校訂と出版は高く評価
評価
されている。
ビートルズ協奏曲(1977)
Gloria 楽曲解説
「Gloria」は、最も充実した楽曲であり、コンサート用の作品として書いた。ネブラ
スカ州オハマの「メル・オルソン合唱団」から依頼され、1974 年 5 月にアメリカ合衆
国を初めて訪問し、初演を指揮した。ミサ典礼文から引用したこのラテン語のテキス
トは、何世紀にも渡り繰り返し多くの作曲家が挑戦してきたもので、高尚で信仰深く
歓喜に満ちたものである。私の作品は、主にグレゴリオ聖歌の一つに基づいていて、3
つの楽章に分かれ、伝統的な交響曲の構造とほぼ一致する。伴奏はティンパニー、パーカッション、オルガ
ンと金管アンサンブルで、第一楽章と第三楽章は神への喜びあふれる音色に満ちているが、中間の第二楽章
は静寂で、自己に向かっての祈りの楽章となっている。
(ラター自身によるCDの解説)
第 1 楽章
<Allegro vivace 3/4 拍子、快活に生き生きと>
~主な作品~
ティンパニーの連打とチューバのファンファーレに金管楽器群
が加わり、わくわくするようなポップな前奏に導かれ「Gloria」の
第1主題を合唱が堂々と歌う。いったん静かになり次にソプラノと
テノール、続いてアルトとバスが主を讃えて跳躍的な第 2、第 3 主
題を歌う。やがて「Gloria」の第 1 主題が変形され展開しつつ合唱
が高揚していく。最後は再びオケのファンファーレで閉じられる。
第 2 楽章
◆宗教合唱曲
合唱と管弦楽
・Gloria (1974)
・Requiem (1985)
・Magnificat (1990)
・Psalmfest (1993)
アンセム(教会音楽)
・The Lord bless you and keep you
<Andante 3/4 拍子、歩く速さで>
オルガンとフルートにより、天上界を思わせる清澄な高音のパッ
・be joyful in the Lord
セージが奏でられる。合唱がテノール、バス、アルト、ソプラノと
・Te Deum
順次加わっていく。ここでは 2 度の不協和音の重なりが独特の雰囲
クリスマス・キャロル(オリジナル)
気を醸し出している。やがて 4 声部が一緒になりクレシェンドし
・Shepherd's Pipe Carol
「Rex caelestis!」と讃える。
・Star Carol
<Molto legato e tranquillo 4/4 拍子、とてもなめらかに静寂に>
クリスマス・キャロル(編曲)
から水を打ったような静けさが訪れ、アカペラで「Qui tollis
・Eight Christmas Carols
peccata mundi」が始まる。そこにソプラノソロ、女声の小合唱が
・Twelve Christmas Carols
重なり教会の窓からさし込む淡い光のよう。中世のグレゴリオ聖歌
・Candlelight Carol
の旋法が取り入れられている。最後には冒頭のパッセージが現れ合
・Dancing Day (1974)
唱とオケが一つになり感動的な和音で閉じられ、そのまま次の楽章
その他の宗教曲
に移る。
・All things bright and beautiful
・For the beauty of the earth
第 3 楽章
・The Lord bless you and keep you
<Vivace e ritmico 4/4 拍子、生き生きと、そしてリズミカルに>
第 1 楽章同様ファンファーレに続き「Gloria」第 1 主題がより軽
◆世俗合唱曲
・Five Childhood Lyrics (1973)
快に、声部や組み合わせを変えて展開される。練習番号 24 から
「Cum
・Three American Lyrics
sancto Spiritu」の新たな主題と 5 拍子の「Amen」をテノールから
・The Sprig of Thyme
順次フーガで展開し、最高潮となる。<Piú mosso
・Birthday Madrigals (1995)
らはアーメンの連呼となり、続いて<Maestoso
<Piú mosso
3/4 拍子>か
2/2 拍子>を経て
3/4 拍子>のコーダとなる。ここから再び「Gloria」
第 1 主題がより崇高に壮大に歌われ、高揚感を維持しながら曲を結
ぶ。
(参考文献 インターネット他)
◆器楽曲
・Suite for Strings (1973)
・Suite Antique(1979)