事業報告書2010(次年度計画含む)

2010
Annual Report
日本YMCA同盟事業報告書
2010年度
日本YMCA同盟
日本YMCA基本原則
私たち日本のYMCAは、
イエス・キリストにおいて示された愛と奉仕の生き方に学びつつ、
世界のYMCAとのつながりのなかで、次の使命を担います。
私たちは、
すべての人びとが生涯をとおして全人的に成長することを願い、
すべてのいのちをかけがえのないものとして守り育てます。
私たちは、
一人ひとりの人権を守り、正義と公正を求め、
喜びを共にし痛みを分かちあう社会をめざします。
私たちは、
アジア・太平洋地域の人びとへの歴史的責任を認識しつつ、
世界の人びとと共に平和の実現に努めます。
1996年 6 月15日
第106回日本YMCA同盟委員会採択
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横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横
チャレンジ21
第3至福千年期への発端となる新しい世紀を迎えようとするこのとき、私たちは、1855年に
採択された「パリ基準」をYMCA使命表明の基礎として確認しつつ、つぎのように宣言する。
YMCAはイエス・キリストのもとに立ち、宗教宗派の違いを超えて協働する、自由意志で
参画するボランティアの運動であって、老若男女を問わずすべての人に開かれた、特に青年の
参画を強調する、世界に広がるキリスト教運動である。またYMCAは、すべて被造物のいの
ちが豊かに守り育てられ、愛に基づく正義と平和と和解に満ちた人間性溢れる社会を建設する、
キリスト者の理想を人びとと分かちあうことを追求する。
それゆえ、すべての加盟各国YMCAは、それぞれの現実状況のなかで選択される固有のさ
まざまな課題解決に向けて努力を集中するようにと招かれている。これらの課題は、カンパラ
原則の新しい展開として、つぎの事柄を含むものである。
・イエス・キリストの福音を分かちあい、個々人が霊的にも知的にも身体的にも良好であり、
調和のなかに人間性が豊かに保持される有機的総体としての地域社会の創出に努める。
・すべての人びと、とくに青年と女性がより大きな責任をもち、あらゆるレベルで指導的役割
を果たし、公正な社会をめざす働きに共に参画するよう、その指導力を高め、必要な権限を
持つ。
・女性の権利を唱導してその向上をめざし、また子どもの権利を支持する。
・信仰や思想信条を異にする人びととの対話・協力を推進し、人びとの文化的アイデンティ
ティを認め、また、文化の革新にむけて努力する。
・貧しい人びと、奪い取られた人びと、追い立てられた人びと、また人種的・民族的少数者ゆ
えに抑圧のもとにある人びとと連帯し、行動する。
・紛争状態にあるところで調停者、和解の仲保者となることに努め、また、人びとが自己決定
のできる状況を創り出す運動に効果的に参画し、そのことによって彼ら自身が強められ高め
られるように働く。
・神の被造物をあらゆる破壊から守り、きたるべき世代のため、地球資源の保持・保護に努め
る。
これらの挑戦に立ち向かうため、YMCAは、自己自身を持続し、また自己決定を可能なら
しめる、あらゆるレベルでの協力の形態を開発・強化する。
1998年 7 月 第14回世界YMCA同盟委員会採択
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YMCAの願い
YMCAでは活動をとおして次のことを学びます。
「自分のいのちとみんなのいのちを大切にすること」 「家族、地域のひとりとして責任があること」
「世界と地球を見つめ、考え、行動すること」
「ボランティア精神とリーダーシップを身につけること」
「すこやかな心とからだを育むこと」
YMCAでは、これらを実現するために、
「思いやり」「誠実さ」「尊敬心」「責任感」を
すべての場面で大切にしています。
2006年 2 月 第119回全国YMCA総主事会議
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YMCAウエルネス事業の目指すもの
YMCAのウエルネス事業は、一人ひとりの全人格的な成長を促し、すこやかな心と体を
育み、いのちを守ることの大切さを学びます。そして、ボランティアとして活動する機会
を通してリーダーシップを学び、コミュニケーションの力を養います。
YMCA英語教育の目指すもの
YMCAの英語教育は、世界と地域を見つめ、考え、行動する「地球市民」を育てます。
そのため、世界のさまざまな人たちと対話ができるコミュニケーション力と、すべての人々
がともに生きる仲間であることを学びます。
YMCA日本語教育の目指すもの
YMCAの日本語教育は、日本語と日本文化を学ぶことによって、様々な国の人々の相互
理解を促し、共に生きる社会の実現に貢献する人を育てます。
YMCA専門学校の目指すもの
YMCAの専門学校は、ボランティア精神を持ったリーダーシップを発揮し、社会に貢献
する専門職を育成します。そのために、自己学習能力、人間関係を豊かにする能力、サー
ビス提供者にふさわしい姿勢や態度を身につけます。
YMCA福祉の目指すもの
YMCAの福祉は、子どもから高齢者のすべてが、すこやかな心と体を育み、いつも喜び
と希望を持ち、充実した人生を送ることを目指します。そのため、一人ひとりが家族、地
域とのつながりを通して、共に生きることができるように支援をします。
YMCA国際活動の目指すもの
YMCAの国際活動は、世界の国と地域にひろがるYMCAによる、豊かな出会いを通し
て、平和をつくりだすことができる人を育てます。そのためにも、アジア太平洋地域の歴
史をはじめ、国や地域にあるさまざまな問題について学びます。
2006年10月 第121回全国YMCA総主事会議
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日本YMCA同盟事業報告書 2010年度
2010年度総括報告
……………p.
1
2010年度日本YMCA同盟方針・計画
……………p.
7
全国協力
国内協力事業
……………p.
13
災害支援
……………p.
18
学生YMCA
……………p.
20
国際協力事業
……………p.
22
研修・研究
……………p.
27
資格
……………p.
29
トップ・リーダーシップ・セミナー
……………p.
30
広報活動
……………p.
31
史料室
……………p.
33
YMCAユース・ファンド
……………p.
34
法人業務
……………p.
37
国際青少年センター東山荘
……………p.
38
特別受託事業 日高少年自然の家
……………p.
40
日本YMCA主事退職金中央基金・職員年金基金
……………p.
41
国際賛助会(FCSC)
……………p.
42
助成・支援
……………p.
44
関係団体報告
……………p.
45
委員会報告
……………p.
48
日本のYMCA現勢
……………p.
54
2011年度日本YMCA同盟方針・計画
……………p.
55
2010年度諸委員名簿
……………p.
62
日本YMCA同盟組織
……………p.
64
英文事業概要報告
……………p.
66
2010年度総括報告
中川 善博
島田 茂
日本YMCA同盟
日本YMCA同盟
理事長
総主事
2010年度を振り返って
3月11日に発生した東日本大震災は、未曾
有の規模の地震と津波、それに伴う原子力発
電所による放射能汚染の恐怖が重なる多重被
害をもたらし、いまなお収束や復興の先行き
が見通しえない状況が続いている。
そのような中で日本YMCA同盟は、震災
後直ちに災害ボランティア支援本部を立ち上
げ、避難所や炊き出しなどを行った仙台YM
CAや宮古市で被災者救援を開始した盛岡Y
MCAなどの活動を支援した。同盟は全国の
YMCAとともに、世界のYMCAのつなが
りに支えられつつ、復興に向けての希望の光
となれるよう、引き続き支援を強化して行く。
2010年度を顧みて、特に総括すべき点は、
公益財団法人移行への申請準備の過程で、特
定公益増進法人資格の再申請ができないまま、
2010年8月17日に証明期限が終了し、年度内
に認可が受けられなかったことである。その
為、資格失効後に寄付をしていただいた多く
の方々に多大な迷惑をおかけした。YMCA
の活動を支えて頂いている方々に対し、この
ような結果になったことを、心からお詫びす
る。
次に、2008年度に開始された、4カ年中期
計画3年目の重点取組みは、次の通りである。
1点目は、公益法人制度改革への対応であ
る。同盟は、全国に先駆けて公益財団法人の
申請を準備してきたが、加盟YMCAとは異
なる事業の性格や財務内容であるため、これ
らを調整・整理した上で、決算を行う必要が
ある。概ね作業は終了し、2010年度決算後の
速やかな申請を目指す段階に至っている。
2点目は、会員組織としての性格と設置法
人等との関係性について、同盟本来の性格や
あり方を協議し、合意形成に向けた努力をし
てきた。しかしながら、結果的に同盟より加
盟YMCAの公益認定が先行したことや加盟
YMCA間で機関設計の考え方等の違いがあ
り、現在モデル会則の整備を急いでいる。
3点目は、青年(ユース)の主体的な参画
である。第17回世界YMCA大会(7月19日
~25日)が香港で開催され、それに先立つ
ユース大会(7月17日~19日)に16名の日本
のユースが参加した。今回の大会は、
『いま、
地球市民として生きるために(Striving for
Global Citizenship)
』をテーマに、世界85カ
国、1,134名が集まった。日本からは、全国
11の都市YMCA、3学生YMCA、同盟、
退職主事会等から49名が参加した。参加した
日本のユースは、進行や発表などの役割を積
極的に担い、今後4年間の運動方針策定の一
翼を担った。また、8月には第2回日本YM
CA地球市民育成研修が東山荘で行われ、国
内外から45名が参加し、定着化して来た。
4点目は、全国各地のYMCA運動を強め、
地域に根ざした加盟YMCAの働きを支援し
ていくために、全国YMCA戦略会議ととも
に、加盟YMCAに対する、連絡・調整・助
言・指導を行った。人材育成については、研
究所機能やシステムの一部を東山荘に移し、
ステップ研修の充実を図った。
情報の発信、広報及び寄附文化の推進では、
1
ホームページを改良し、迅速な情報の開示と
関係団体とのネットワークの活用を進め、情
報の発信に努めた。
寄付文化に関しては、
ユー
スファンド・国際協力募金・FCSC(国際
賛助会)そして東山荘100周年募金と公益性
を高める活動を推進した。2015年に100周年
を迎える国際青少年センター東山荘は、100
周年事業の第1次計画にあたる施設建設・改
修を多くの募金により実施できたことを感謝
とともに報告したい。
事業計画と報告
A.全国YMCA運動の連絡・調整/助言指導
A-1 加盟YMCAの健全な運営のための
協力
1.加盟YMCA支援
2010年度は、6つの大規模YMCA(東京、
横浜、大阪、神戸、広島、熊本)総主事と総
主事会議会長(京都)によって構成される全
国YMCA戦略会議を年3回開催し、加盟Y
MCAの運営強化、人材養成、全国展開事業
などを推進した。特に、公益法人申請を控え
運営の強化を必要とする約10のYMCAにつ
いて、振興資金の新たな供与制度を用いた支
援を実施した。全国YMCA戦略会議で検討
された支援内容は、国内協力委員会で協議を
重ね、具体的な支援の方針と計画を決定する
ことができた。この振興資金新制度により、
困難な状況にある加盟YMCAの支援活動が
実行できた。昨年度に続いて、地区総主事会
議が全国3地区で定期的に行われ、YMCA
間の情報交換、人材交流、研修、課題への研
究などを共に取り組んだ。
2.事業推進 全国YMCAの協働によるキャンプ90周年
キャンペーン事業として、全国YMCAの
キャンプ場の共同パンフレット製作、リー
ダー募集共通リーフレット製作、共通ロゴの
作成に取り組んだ。また、日本キャンプ協会、
日本YWCA、
ボーイスカウト日本連盟、
ガー
ルスカウト日本連盟と協働して、2011年4月
23日に三菱商事の協力による会場提供を受け
て、第1回「出会いと体験の森へ」シンポジ
ウム「キャンプで人は育つか?」を開催する
2
に至った。
3.新しいYMCA設立
一般財団法人として設立された鹿児島YM
CAは、第1回チャリティランを開催し、今
後の同盟加盟の承認に向けての活動が開始さ
れた。
A-2 公益法人制度改革とYMCAの組織
の再検討
1.コンサルテーション機能
総務担当者会を中心に、公益法人移行につ
いての情報共有と学びを行った。2010年度は
大阪・神戸・東京・熊本・京都・横浜の各Y
MCAが移行申請を行い、大阪・神戸・東京
の各YMCAが認定を受け、2011年4月から
新法人として出発する。また、全国YMCA
の申請状況をまとめ、これをもとに次年度に
加盟YMCA対する移行申請支援のためのコ
ンサルテーションの実施が決定された。
2.共同事務センター
ICT推進会議が進めているクラウド・コ
ンピューティングを活用したシステムを構築
し、次年度から具体的運用が開始される。
3.小規模YMCA・学生YMCAへの対応
小規模財団法人や任意団体YMCAに対す
る支援内容の協議を盛岡、松山、茨城、金沢
等と行った。今後とも継続していく。なお、
松山YMCAが、NPO法人として、4月か
らスタートする。学生YMCA寮に関する受
託覚書が全寮で終わり、理事会の運営責任が
明確化された。個別の学生YMCAの課題に
対しては、共働スタッフ、専従スタッフの連
携を高めた。今後の公益法人認定に関しても
課題の整理を進めているが、3つの学生YM
CAで検討が進んでいる。
4.同盟の公益法人申請
新法法人への移行及び公益認定手続きは、
2010年度中に実施予定であったが、特別会計
および資産区分の取り扱いについて、整理す
る必要性が明らかになり、2010年度決算を経
て申請をすることとなった。また、加盟YM
CAの新法人移行に伴い、モデル会則の整備
を急いでいる。
A-3 学生YMCAの働きの強化と将来像
の共有
1.運動・活動の見直し
9月10日~12日開催された、第38回夏期ゼ
ミナールは、
「出会い/愛をとりもどせ!!
~関係性の修復を求めて~」というテーマの
下、28大学から学生・シニア含め95名が一堂
に会し、1972年夏期ゼミナール開始以来の
最多人数となった。今回は、同期間にハイ
Y OB・OG全国集会が開かれ、聖書研究
の時間をオープンとし交流の場を持った。ま
た、2009年度の5学生YMCAの新設・再興
に続き、2011年2月6日の学生部委員会で九
州ルーテル学院大学YMCAの設立が承認さ
れた。
2.組織整備
新設・再興の学生YMCAが増え、学内活
動形式の学生YMCAにも、学生の増加傾向
がみられる。学生や大学をめぐる状況も変化
し、学生YMCAにおける学問と信仰という
根幹的な側面と若者の居場所としての今日的
なニーズとのバランスの中で、学生YMCA
のあり方が多様化している。寮のある10大学
YMCAの寮生も、約150名と増加傾向にあ
る。学生YMCA寮の中長期展望を共有する
ために、寮関係者協議会を開催し、理事によ
る運営の課題、寮生のYMCA活動の活性化
などについて協議した。
B 人材養成
B-1 スタッフ養成
1.ステップⅡ
ステップⅡは、
全体で9名(うち女性2名)
が参加し、初めて茨城YMCAからも参加者
があった。全国YMCAスタッフリストによ
る長期的な研修参加者派遣計画依頼はできて
いないので、今後の課題として残った。
2.スタッフ発掘
同盟は、加盟YMCAからの若手スタッフ
をインターンとして継続して受け入れた。ま
た大学生をインターンとして受入れ、YMC
Aでの活動の準備、運営の補助、事務などの
経験を積む機会を提供した。
3.スタッフ養成
地区別で開催されるステップⅡ参加前の職
員研修会は定着し、キリスト教基盤について
の研修が実施された。
4.人事制度・その他
加盟YMCAの要望に応じて第1回セク
シャルハラスメント(リスクマネジメント)
研修会、第2回女性スタッフ対象研修を実施
した。
5.財政支援制度
リーダーシップ発展基金によって、ステッ
プ研修や北米研修に職員を派遣する費用につ
いて助成が行われた。中小規模YMCAから
の参加がこのことによって可能になった。
B-2 ユース育成
1.意思決定過程への参画促進
アジア・太平洋YMCA同盟「ユースの参
画とリーダーシップ開発委員会」に、
4名(伊
藤剛士氏、黒澤伸一郎氏、橋崎頼子氏、荒木
勇磨氏)を都市YMCA、学生YMCAより
推薦し、3月の委員会に派遣した。
また、世界YMCA大会に先立って行われ
たアジアYMCAユースコンファレンス、世
界YMCAインターナショナルユースフォー
ラム、YMCA地球市民育成プロジェクトな
どに、多様な分野で活動するユースに参加を
呼びかけ、互いにYMCAの広がりを学ぶ良
き機会となった。
2.ユース参画のための仕組み
地球市民育成プロジェクトの2回目を開催
すると共に、アジア地域のためのトレーナー
ズ・トレーニングに指導者を派遣し、世界Y
MCA大会でも事例紹介を行った。
新たに発足予定であったユース委員会は開
催できず、ユース育成を全国戦略として再整
理する課題は継続して残されている。
全国YMCA国際研修会やユースリーダー
シップ開発、スタッフ研修などを行った。
C 情報発信 広報及び寄付文化の推進
C-1 広報
1.広報
募金活動、ファンド、災害支援などの総合
的な発信を同盟のホームページやメーリング
リスト等を利用し推進できた。
その他、
メディ
アへのリリース、記者クラブへのアプローチ
など具体的な改善を行い、外部へのタイム
リーな発信を行ってきた。ホームページのリ
3
ニューアル準備を進めた。ツイッター、フェ
イスブックの利用が今後の課題である。
2.出版
「YMCAオリエンテーションシリーズ1・
一粒の種が地にまかれ大きく枝をはる樹と
なった」の改訂、
「YMCA運営シリーズ2・
組織活性化へのアプローチ ~改訂版」
・「YMCAスタディシリーズ23 ・第7回
トップ・リーダーシップ・セミナー講演録 「生きる」こと、
そして、
今問われる「いのち」
の重み」新刊、
「
「引き算」で生きてみません
か」第8版発行を行った。
C-2 YMCAユースファンド
1.ファンドレイジング
ユースファンド・国際賛助会(FCSC)を
国内協力事業のもとに再編し、連携して取り
組んだ。全国YMCA戦略会議にファンドレ
イジングタスクチームを編成して、全国YM
CAの寄付・助成金等の実態を調査し、他の
助成金団体の研究を行った。全国YMCAが
公益財団法人に移行していく過程で、全国戦
略としてファンドレイジングを強化していく
方向性を検討した。
2.社会貢献
企業の社会貢献の一環として、ゴールドマ
ンサックス証券株式会社の支援を得て、聖路
加国際病院形成外科との共同プログラム富士
山ぐうぐうキャンププロジェクトを計画した。
震災の為に延期になったが、病院との共同
キャンプとして期待されている。フロストバ
レーでの研修など指導者養成もこのプロジェ
クトの一環で行うことができた。
チャリティランは、FCSC国際賛助会の努
力によって、従来からの支援企業である三菱
商事など協賛企業の参画が広がり、新たに福
岡・鹿児島で実施された。
D 代表機能(国際窓口・他団体・加盟YM
CAの第3者機関として)
D-1 アジア・世界のYMCA運動への協力
1.国際協力
アジア・太平洋YMCA同盟総主事に山田
公平氏を送り出し2年目となり、さまざまな
運動強化のプロジェクトが始動し、日本も各
国との協力と連帯を強めることができた。世
4
界YMCA大会(前述)が実施され、新し
い体制での世界YMCA同盟がスタートし、
ユースの参画、ファンドレイズ、ブランドイ
メージの強化などが打ち出された。
YMCA地球市民育成トレーナーズ・ト
レーニング(5月・マカオ)
、アジア・太平
洋YMCAユニY会議(10月・フィリピン)、
ジェンダー・ワークショップ(9月・インド)
等へ、加盟YMCAスタッフ・委員の派遣を
推進した。その他、夏には第2回中国・四川
地震被災地ワークキャンプ、第5回東ティ
モール・ユースピースキャンプ、第4回イン
ドネシア・ジョグジャカルタワークキャンプ
が実施された。全国YMCA国際研修会、全
国YMCA国際担当者会も実施され、国際事
業への活発な取り組みが行われた。
東北アジアの緊張が高まるなか、日台YM
CA連絡委員会(東京)
、第4回日中韓YM
CAピースフォーラム(韓国)を実施し、歴
史認識について学び、ユースが参画する平和
巡礼についても協議することができた。
また、2010年1月のハイチ地震、チリ地震
の募金継続、新たにスリランカ水害、ニュー
ジーランド地震などの災害が続き、災害対応
タスクチームで緊急協議し、それぞれに対し
て緊急支援の送金を行い、全国の協力を呼び
かけ、募金等が全国のYMCAで実施された。
東日本大震災については、海外各国から
次々と支援が寄せられ、アジア・太平洋YM
CA同盟がとりまとめを担った。ミャンマー、
パキスタン、バングラデシュなどからも寄せ
られ、感謝である。
2.情報発信
ユースによる翻訳協力を得て、世界YMC
A同盟やアジア・太平洋YMCA同盟からの
ニュースを全国へ配信した。
D-2 ワイズメンズクラブとの協働
1.相互理解・協力
8月5日~8日、パシフィコ横浜にてワイ
ズメンズクラブ国際協会の第69回国際大会
が、27カ国のワイズメン、ワイズメネット、
ユースら総勢1,422名の参加者を得て開催さ
れ、ワイズメンズクラブの世界的なネット
ワークを実感し、理解する場となった。基調
講演は一般にも公開され、ワイズメンズクラ
ブ、YMCAの取り組みをアピールする機会
となった。大会として並行して、東山荘、富
士山YMCAを会場としたユースの国際研修
会は、YMCAを会場としたことにより、
ユー
スのYMCA理解に繋がった。
東西区大会では、ワイズメンズクラブ担当
者会を行うことができ、ワイズメンズクラブ
との協働、課題の共有化を図ることができた。
また、長野ワイズメンズクラブの設立に際
し、新しいクラブメンバーのYMCA理解に
努めた。
D-3 行政、他団体、教会等との協力
1.行政
中青連などの会合を通して、文部科学省や
国会議員とのネットワークが拡がった。
2.他団体等
中青連、NCCなどの青少年関連団体、キ
リスト教関連団体への人的協力(派遣)を継
続して行った。その結果、震災後は全国社会
福祉協議会が主催し、日本YMCA同盟が参
画する「広がれボランティア」の参加団体が
核となり、東日本大震災全国支援ネットワー
クを結成することとに繋がった。YMCAは、
常任世話人団体となり、約300団体を超える
支援のネットワークに拡大した。被災した
人々に支援の手が届くように、行政や議員と
連携し、制度づくりや情報の発信に協力した。
D-4 主事退職中央基金・職員年金基金
1.主事退職中央基金および職員年金基金
今年度より規程の一部改訂を行い、加入者
増を目指すとともに、さらなる制度の充実を
はかった。また変更点を周知徹底するため事
務担当者会を東山荘にて実施し、加盟YMC
A担当者の理解を深めた。
資金運用に関しては厳しい環境ながらも年
間利回り予算を若干上回ることとなった。加
入者数については退職金は新規登録と脱退が
同数、年金については微増となり、次年度以
降の制度充実のためには加入者数のさらなる
拡大が望まれる。
今年度は、両基金および互助会の規程見直
しを実施し、またこの改訂点を周知徹底する
ため事務担当者会を東山荘にて実施し、加盟
YMCA担当者の理解を深めた。
E.調査・研究及びプログラム開発
E-1 調査・研究とプログラム開発
1.調査・研究
総主事会議・常議員会研修会等を通して、
アメリカYMCAの新しいブランド戦略につ
いて学んだ。介護予防プログラムなどアメリ
カYMCAの病院等他団体との協働の戦略と
実例、事業間協働についての変革、家族の絆
作りへのアプローチなど日本のYMCAで緊
急に取り組むべき戦略とプログラムを共有化
した。
2.プログラム開発支援
不登校・ひきこもり等課題のあるユースを
支えるために、振興資金制度及びユースファ
ンドを活用し、大坂YMCA通信制高校のサ
ポート校として、奈良・福岡YMCAのプロ
グラム開発を支援した。
キャンプ90周年キャンペーンの一環で、全
国キャンプ場合同リーフレットとボランティ
アリーダー募集のチラシを作成し、全国のY
MCAが活用した。
3.受託事業研修
全国総主事会議において、神戸と大阪YM
CAの事例を中心に、YMCAが運営主体者
で行政からの委託で運営費・補助金を得てい
る民設民営、行政の施設を指定管理で運営す
る公設民営、そして、行政との協働で運営す
るケース等について研修を行った。受託施設
において如何にYMCAの名称を出し、使命
を実現するかということが課題となった。
4.調査・研究
同盟史料室では、毎週火曜日に退職主事の
5名の方(齋藤氏、田中氏、毛利氏、井口氏、
市川氏)が継続して奉仕され、史料室で研究
や整理を行うと共に史学会が主催した勉強会
を行った。
F.国際青少年センター東山荘
F-1 プログラム強化とグランドデザイン
の検討
1.施設
東山荘100周年のグランドデザインにもと
づく第1次計画が終了した。これまでに3,350
万円の募金が寄せられている。東山荘運営委
員会では、施設の老朽化に対してグランドデ
ザインの変更が協議された。本館の耐震診断
5
を実施し、その結果によっては新たな食堂の
建設に替わり、補強拡張をするなど総合的な
リニューアル案を検討することになった。
2010年 3 月 末 に 竣 工 さ れ た ロ ッ ジ は、
「ディーン・リーパー・メモリアルロッジ」
と命名され、同盟委員会の際に、故ディーン・
リーパー氏のご子息で広島平和文化センター
理事長のスティーブ・リーパー氏を招いて記
念式典が行われた。
2.プログラム
日帰りプログラムに関して、ネイチャープ
ログラム、クラフトなど、多彩なプログラム
を行い、5,421名の利用があった。
3.利用者数
今年度は、長期的な構造不況により目標
36,000人に対して32,270人の利用に止まった。
特に、震災後は計画停電等の影響もあり、殆
どの宿泊予定者がキャンセルされる一方、避
難者を3月後半以降22名受け入れることがで
きた。
6
2010年度日本YMCA同盟方針・計画
2010年度方針
「地球の課題に目を向けつつ、地域社会の課
題に全力で取り組む。
」
-第2の公共の担い手としてYMCAが
変わる、地域が変わる-
今世界は、地球温暖化、内戦や戦争の危機、
核問題など人類の生存を脅かす深刻な課題が
あり、また、地域社会では人と人との絆や家
族の愛情が希薄となり、児童虐待、無縁社会
が叫ばれている。不登校やニートなどに見ら
れるように若者が内に引きこもり、生きる希
望を見出せずにいる。
全人的な成長を願い行動するYMCAとし
て、今、それぞれのYMCAが、YMCA
ネットワークが、共通して、地球や地域社会
を変えるために責任を果たさなくてはならな
い。私たちは自らが変わり、地域社会を、そ
して世界を変える力となることを神様から使
命として与えられている。
昨年度は、一昨年のサブプライムローン問
題に端を発した世界的な金融不況から、先行
きの不安定な経済状況が続き、追い討ちをか
けるように新型インフルエンザ問題がキャン
プなどの活動に影響した。2010年度は日本Y
MCA同盟中期計画(2008-2011年)を推進
しつつ、経営的に危機にあるYMCAをサ
ポートできるように計画内容を一部見直すこ
とが求められている。特に加盟YMCAの事
業を強化するための方策は、全国YMCA戦
略会議、総主事会議、そして国内協力委員会
の協力を得て、早急に講じたい。
そして、公益法人制度改革への移行、新法
人化での経営がいよいよ始まる。同時に、全
国加盟YMCAの新法人への対応をサポート
することが求められている。新法人移行に伴
い新たに「任意団体による加盟」という構造
を示してきたが、加盟YMCAによって公益
法人申請の時期の違い、歴史的な成り立ちに
よって機関設計にも違いが見出されている。
キリスト教を基盤とした日本YMCA運動と
して一致して行くために、同盟規則・モデル
規則をさらに理論的に整備・集約することが
必要である。
2009年度は新たに鹿児島YMCAが設立さ
れ加盟申請中であるが、現在YMCAのない
中核都市においても萌芽しつつあるYMCA
運動を、退職主事などをリソースとして支援
してゆきたい。
中期計画の重点目標の一つであるYMCA
地球市民育成プロジェクトを2009年度より開
始し、第一期生25名が日本YMCA地球市民
として認証された。継続して二期生の育成を
進めると共に、世界YMCA(ユース)大会
への参加を促し、日本のユースの意見・リー
ダーシップを世界のYMCA運動に反映させ
ていきたい。また、多くの若者が他者との出
会いを経験し、
生きる喜びを知り、
希望を持っ
て社会に出て行けるように、子どもや若者を
支えるために行う加盟YMCAの活動をより
支援していく。
近年、複数の大学YMCAが復興し、新し
い学Yも設立されている。薬物やカルトの問
題が大学としても問題化しており、学生を健
全に導く学内でのYMCA活動への期待も高
まっている。
「若き日に汝の造り主を覚えよ」
とあるように、学生時代に聖書に触れ、いか
に生きるかを互いに問い、学ぶ場を計画的に
展開して行きたい。
そして、これらの運動を推進するためにY
MCAユースファンド・国際賛助会・国際協
力募金を同盟で行うファンドレイジングとし
て捉え直し、より効果的に助成金を獲得でき
るようファンドレイジングを全国的な戦略と
して、取り組みの仕組みを変える。全国YM
CAのファンレイジングを推進し、加盟YM
CAの財政的な支援ができるようにしていき
たい。
最後に、アジア・太平洋YMCA同盟総主
事山田公平氏との連携によって、国際ネット
ワークの活用とその働きを強化する。世界、
アジアのYMCAの共通する課題は、担い手
としてのユース育成とそのためのリソース・
モービリゼーション(YMCA全体的な資源
の計画的な活用)
、課題を抱えるYMCAの
運動強化、平和と正義への取り組み、ジェン
7
ダーの公正等である。国内では在日外国人へ
の支援がYMCA国際事業の新たな重要課題
としてある。災害が頻発しているが、中国・
四川大地震、ハイチ・チリ大地震等の中長期
的な被災地支援を祈りつつ行う。
東山荘は2015年の100周年に向けて、新た
にロッジが完成し浴室を改装した。今年度は、
バーベキュー場の建設などを予定し、募金目
標を2009~2016年で1億2千万円とし、初
年度は予約およそ3千万円(実算2,000万円)
を達成、今後も毎年2千万円を募金目標とす
る。営業面と募金面を強化し、利用者拡大と
募金活動を展開し、エコ啓発と環境教育を推
進する。
同盟に求められていることは多い。私たち
は、祈りつつ計画の実現を推進したい。
マルコによる福音書11章24節
「祈り求めるものはすべて既に得られた
と信じなさい。
」
2010年度日本YMCA同盟事業計画
A.全国YMCA運動の連絡・調整/
助言指導
A-1.加盟YMCAの健全な運営のための
協力
①日頃より問題となり得る状況について把
握し、対応できるシステムを作る。
②同盟及び近隣地域のYMCAが分担、協
力して支援・サポートできる体制を作る。
1.加盟YMCA支援
-年2回以上の地区総主事会議を実施し、
以下の内容について協議と実行を行う。
①理事長・議長・総主事研修会について、
東・中・西日本地区それぞれに毎年(ま
たは隔年)実施する。
②地区別のスタッフ研修会の実施を通し、
ステップ研修会の充実を図る。
(ステッ
プ1.5研修構想の推進)
③課題のあるYMCAに対してコンサル
テーションを行い、具体的な支援を行う。
8
④人材交流を推進し各YMCA運動・事業
の活性化を図る。
⑤共同事業の推進を行い全国運動の向上を
目指す。
-年3回全国戦略会議を実施し全国YMC
A運動と事業推進の迅速化を図る。
①人材養成・交流策の推進を具体的に進め
ていく。
②課題にあるYMCAの支援の成果が出る
ように具体化する。
③公益法人改革の移行推進を促進する。
④共同プロジェクトの推進を通し全国運動
推進を展開する。
(地球市民育成・キャ
ンプ90周年・子育て支援)
-公益法人移行のために期間限定の振興資
金新制度(供与)の実施を行う。
①対象YMCA案を戦略会議で提案する。
②新新公益法人会計の導入支援及び提出す
る会計諸表の基準化を進める。
2.その他
①全国YMCA戦略会議の下に従来の事業
推進会議を事業会議という名称で担当者
会としての機能を強化し、各事業ごとの
ブランドマネージメントを行い、スケー
ルメリットを生かした全国事業展開を支
援する。
②ユースファンド・FCSCなどファンド
レイジングと呼応して、財政支援を獲得
できるプロジェクトを計画推進し、今日
的なユースの課題に応えるために、全国
YMCA戦略会議を通して、事業の推進
を支援する。
3.新しいYMCA運動の種を植える。
①加盟退除・組織検討委員会において加盟
退除規定の改正を検討する。
②新しいYMCA作りのためのYMCA運
動紹介ツールの作成を行う。
A-2.公益法人制度改革とYMCAの組織
の再検討
①新法の研究と解釈を充分に行い、対応を
進める。
②同盟が公益認定を受け、27の財団法人が
公益財団法人となるよう助言指導を行な
う。
③公益認定が困難なYMCAや法人格をも
たないYMCAの選択肢について、検討
する。
1.コンサルテーション機能
①新法に移行が困難なYMCAへの支援を
行う。
②全国YMCAのレイマン・スタッフのタ
スクチームにより、ローカルYMCA間
での運動の一致を目標として、モデル規
則を作成する。
③モデル規則に添った形で、加盟YMCA
が新法人に移行するための助言や指導を
行っていく。
④複数法人の一体性を求め、
「会員組織と
してのYMCA」への共通理解を図りつ
つ、同盟規則・加盟方式、モデル規則な
ど法的な裏づけと整備を行う。
2.共同事務センター
①ICT推進会議が進めているクラウドコ
ンピューティングを活用するべくグーグ
ルアップス導入を全国的に展開し、情報
の共有化、広報、受付など推進する。
3.小規模YMCA・学生YMCA対応
①小規模財団法人や任意団体YMCAでは、
必要に応じて公益認定以外の選択肢を検
討し、各YMCAへの情報提供に努める。
新たに学Y寮の募集支援を図る(広報)
。
②寮の老朽化など課題を抱えるYMCAに
ついて個別に理事会対応を継続して強化
する。
4.同盟関連
①移行認定を受け次第、新形態での会計・
協議会運営を行う。
②ファンドレイジングを一体化し、国内協
力事業として推進する。
③モデル規程に反映させる。ミッションを
持つボランティア団体としてのYMCA
の本来のあり方(有志による運動体)を組
織的に反映させる仕組みを提案し、同盟
規則、加盟基準などに表す。
A-3.学生YMCAの働きの強化と将来像
の共有
①学生YMCA120年を機に、運動を評価
し、今後の展望を見出す。
②クリスチャン・リーダーシップ養成の意
味づけを再確認し、強化する。
③地域での都市YMCA、学生YMCAの
交わりを促進すべく支援する。
1.運動・活動の見直し
①各学生YMCAの運動強化の支援策、紹
介ツール(広報)を強化し、新設再興事
例から新しい方向性の開拓と大学教員
ネットワークを形成する。
②YMCA出身の牧師のリストをアップ
デートし、
「学生YMCAの神学/キリス
ト教」
を発信する。
新たに設置されるミッ
ション委員会や、YMCAキリスト教基
盤強化のための活動に協力する。
③学生YMCAと都市YMCAが互いに理
解を深めるために、双方へ働きかけを行
う。夏期ゼミナールへの若手スタッフの
研修参加や学生YMCA出身のOBGの
都市YMCA紹介などを行う。
2.組織整備
①学生YMCA寮の公益法人対応を検討し、
財団法人である早稲田大学、東京大学の
対応と任意団体の9寮へ個別対応する。
理事会運営強化と情報交換のために、理
事長・代表者会議を全国及び各地区で実
施する。
②新設・再興学生YMCAのための学生Y
MCA運営マニュアルの作成や、夏期ゼ
ミナール招待など工夫を計り、可能性の
あるミッション系大学へ働きかける。
(九
州ルーテル学院、上智大学、岡山清心、
四国学院等)
B.人材養成
B-1.スタッフ養成
①YMCAの使命実現に責任と必要なスキ
ルをもつスタッフを養成する。
②ステップⅡの対象、位置づけを検討する。
③スタッフ発掘、養成について多様なあり
方、可能性を検討する。
1.ステップⅡ
①ステップⅡ参加第1次申込を早めるなど
参加促進のための方策を行う。
②全国スタッフリストに基づき各YMCAへ
のステップⅡ派遣計画の作成を依頼する。
9
③聞き取り調査に基づいた方針を実施する。
④調査内容に基づき研修体系の改正案を作
成する。
2.スタッフ発掘
①新インターンの採用のシステムを整備す
る。
②全国採用共同広報を実施する。
(WEB
上)
3.スタッフ養成
①大YMCAのステップⅠ研修を地区別総
主事会にてシェアーして、近隣YMCA
への研修参加を促す。
②青年海外協力隊現職参加の派遣を行って
いく。
③アメリカ・スタッフ研修を実施、アドバ
ンス・スタディコース参加を促す。
4.人事制度・その他
①総合人事制度の見直し案の作成を行う。
②ステップⅢを主事認定の必須のコースに
することを検討する。
③ジェンダー委員会が企画運営し、第2回
女性スタッフ対象研修を継続実施するほ
か、新たにセクシャル・ハラスメント相
談員窓口研修会を実施する。
5.財政支援
①リーダーシップ発展資金に組み込まれた、
同盟設立100周年記念募金の残金を引き
続き活用し、中小Yスタッフの海外研修
を推進し実施する。
B-2.ユース育成
①ユースのリーダーシップ養成、担い手会
員育成の働きを支援する。
②意思決定過程へ参画するための課題を調
査し、支援の仕組みを整備する。
1.意志決定過程へのユース参画促進
①同盟協議会へユース枠を導入すると共に、
評議員・常議員にユースを選任する。事
前オリエンテーションやフォローアップ
を実施し、所属YMCAにも還元できる
仕組みを整える。
②アジア・太平洋YMCA同盟のユースの
参画とリーダーシップ委員会に都市YM
CA・学生YMCAより4名選出の上、
派遣する。
10
③第17回世界YMCA大会ユースフォーラ
ムにユースを派遣し、世界YMCA運動
に日本のユースの意識・意見を反映でき
るよう参画を促す。また、ワイズメンズ
クラブ世界大会へ多くのユースが参加で
きるよう協力する。
2.ユース参画のための仕組み
①ユースに関連する担当者が事業分野を超
えて、情報の交換や成功事例の共有、Y
MCA地球市民育成プロジェクトの促進
などを行えるしかけを作る。
②YMCA地球市民育成プロジェクトの第
2期研修を行い、特に、YMCAの若い
スタッフの参加を促す。プロジェクトイ
メージの強化と国内外のYMCAや他団
体の連携も進める。
③国際分野におけるユースインターンの可
能性をアジア・太平洋YMCA同盟と連
携して効果的に派遣できるよう計画立案
する。
C.情報発信
広報及び寄付文化の推進
C-1.広報
①YMCA運動強化のための成功事例の共
有、イメージアップを図る。
②公益性が問われる中、ミッションとアク
ションの一致を明確化する。
1.広報
①ホームページの刷新、動画情報発信など
多角的に広報の強化を進める。
②同盟が行う各種ファンドレイジングに対
応する広報策を総合的に検討し進める。
③ICT推進会議を通して情報発信力の強
化策を遂行する。
2.出版他
①オリエンテーションシリーズ1を改訂し、
発刊する。
②YMCA運動史を増刷し活用を進める。
C-2.YMCAユースファンド
①寄附文化を高め、加盟YMCAにおける
寄附収入の割合を増加できるよう支援す
る。
②YMCAの働きを、寄付者・企業に理解
を求め、協力を得る仕組みを作る。
③特定公益増進法人枠にユースファンド、
東山荘、FCSCを組み入れ、募金を強
化する。
1.ファンドレイジング
①ユース フ ァ ン ド・ F C S C を ま と め、
ファンドレイジング部門を統括して、国
内協力事業のもとに再編する。同盟の総
力を挙げて取り組む。
②東山荘募金を東山荘営業部と一体化し、
前所長を室長として専任化する。
③CSR・コーズ・リレーティットマーケ
ティングなど企業のファンド戦略を取り
入れる。
④WEBでの募金を可能にする。
⑤遺贈システムの研究を進める。
⑥ファンド戦略を策定し、総主事・役員
トップリーダーシップへの学習を行い、
ファンドに対する理念・戦略・戦術を確
立する。
⑦総務担当者へのファンドレイジング研修
会を実施する。
2.社会貢献
①各ローカルが取り組んでいる若者の課題
に取り組んでいる特徴ある事業(プロ
ジェクト)を収集・分析する
②全国のYMCAで行われるプロジェクト
を的確にHPなどで情報発信していく。
③プロジェクトに対する「人・もの・金」
の支援を社会貢献活動に繋げる。
④企業の社会貢献とファンドレイジングの
理念を確立し、企業人が参加できるプロ
ジェクトを提案する。
である地球市民育成、平和構築や気候変
動、ジェンダーや高齢社会に対して啓発
や活動の推進を行う。
②アジア・太平洋YMCA同盟の働きを
支援し、特に課題を抱える国を複数国
で 支 援 す る P S G(Partner’
s Support
Group)に積極的に参画する。
(東ティ
モール、インドネシア、カンボジア、ベ
トナム等)
③頻発する災害に迅速に情報収集・発信に
務め被災地支援を呼びかけると共に、特
に子どもと青年に関わる中長期支援を立
案していく。
④YMCA国際協力募金を強化すべく、使
途の適正化と明確化に向けて分析や研修
の機会を持ち、加盟YMCAにも理解と
協力を呼びかける。フォトコンテストの
継続強化などイメージ向上も図る。
⑤在日外国人のための支援や核廃絶のため
のキャンペーンなど、他団体とも協働し
て、取り組みを進める。
2.その他
①ニュースレターの翻訳発信・受信を継続
して行う。
②発信先の拡大(世界YMCA同盟、関連
他団体等)のためにデータや方法につい
て整備する。
D-2.ワイズメンズクラブとの協働
①ワイズメンズクラブとYMCAの協働を
推進する。
②東西理事、事務局と連携し、相互の協力
を強化する仕組みを作る。
D-1.アジア・世界のYMCA運動への協力
①世界YMCA同盟、アジア・太平洋YM
CA同盟への協力を継続する。
②加盟YMCAの国際協力活動を支援する。
1.相互理解・協力
①ワイズメンズクラブ担当者会の実施を模
索する。
②新設のクラブや新人ワイズへのYMCA
理解のために研修派遣などを行う。
③ステップ研修においてワイズ理解の強化
に努める。
1.国際協力
①世界YMCA同盟、アジア・太平洋YM
CA同盟の働きに連なる。特に世界YM
CA大会への参画や、アジア規模の課題
D-3.行政、他団体、教会等との協力
①全国YMCA運動の代表として、全国団
体や組織と連携し、情報交換、協力を行
なう。
D.代表機能(国際窓口・他団体・加盟
YMCAの第3者機関として)
11
②加盟YMCAに有効な情報を発信する。
1.行政
①文部科学省、厚生労働省、外務省、国会
議員への人脈を広げる。
②YMCA事例を情報発信する。
(記者ク
ラブの活用)
2.他団体等
①中青連、NCCとの連携を深める。新た
にNGO・NPOとの連携を検討する。
②継続的に情報発信力を強化していく。
③メーリングリスト・グーグルクラウドの
積極的活用を行う。
D-4.主事退職中央基金・職員年金基金
①主事退職中央基金・職員年金基金につい
て改革を検討し、2010年以降の制度を提
案する。
1.主事退職中央基金
①規程改定を実施し、加入者の拡大を図る。
2.職員年金基金
①規程改定を実施し健全な年金運営を図る。
E.調査・研究及びプログラム開発
E-1.調査・研究とプログラム開発
①社会動向を見据え、将来にわたるYMC
Aのあり方(YMCA像)を調査・研究
する。
②加盟YMCAにて推進するためのプログ
ラム開発の材料を提供する。
1.調査・研究
①Yesキャンペーンの継続的な協力を進め
ていく。
②他団体との協働を計画的に進めていく。
③大学研究機関との協働調査を行い事業分
析に活用する。
2.プログラム開発支援
①キャンプ90周年キャンペーンの実施を通
してYMCA運動の全国展開に寄与する。
②子育て支援事業の推進を通して新たな展
開の可能性を探る。
③不登校・ひきこもり等課題のあるユース
プログラムの取組を支援する。
④ミッション委員会を設置する。
12
3.その他
①受託事業の事例研究を実施(年1回)し、
評価・課題のまとめを行う。
②同盟史料室の働きを維持し、全国運動の
歴史を未来に残すこと、伝えることの仕
組みを支えていく。
F.国際青少年センター東山荘
F-1.プログラム強化とグランドデザイン
の検討
①2015年の100周年に向けてグランドデザ
インをつくり、ソフト・ハード面での充
実を図る。
②青少年の環境、野外、国際教育など、学
びの場としてプログラムと施設の充実を
図る。
1.施設
①グランドデザイン方針を再度検討し、よ
り社会状況・環境に適したものにしてゆ
く。
②ディーン・リーパーメモリアルロッジ竣
工に伴い、その特色を生かした新たな形
態のプログラム発信をおこなう。
③フィッシャー館を改装し、より充実した
宿泊環境を提供してゆく
④施設修繕計画を作成し計画的な実施を
図ってゆく。
2.プログラム
①環境問題に取り組む施設としての計画を
策定する
②地域のリソースを更に活用し、より地域
に密着した活動を推進してゆく。
③FCSC・ユースファンドの支援により
難病等療育児童のキャンプ実施を計画す
る。
全 国 協 力 Program Services
国 内 協 力 事 業
<個別YMCAへの協力・支援>
日本YMCA同盟では、国内の各YMCA
への支援協力を行うことが重要な役割である。
運動・事業・財政・人事等の面で困難に直
面するYMCAと協働するために、各YMC
A訪問、連絡、調整などを行っている。年度
末に、東日本大震災という未曾有の体験と困
難にあったこの一年の働きを振り返る。
盛岡YMCA
学童保育の事業を基幹としてウエルネス事
業を展開している。今後、盛岡市の南部地区
への新規の学童事業の展開を図る。3月11日
の東日本大震災以降は、宮古市の日本基督教
団宮古教会への支援を継続し、その中からY
MCA宮古ボランティアセンターの働きが生
まれた。地域の教会と共に支援活動が全国か
らの支援と併せて進められる。
仙台YMCA
3月11日の東日本大震災にあたり、いち早
く避難所開設、近隣の避難所との協力による
活動を展開した。仙台YMCAボランティア
支援センターの活動は継続した地域支援活動
として認知され、地域と共に歩む姿勢に全国
からの支援と併せて進められる。
前橋YMCA
YMCA会館の状況、修復などの検討と共
に、新規展開について全国協力の視点から関
東地区近隣YMCA並びに同盟と今後とも協
力し検討していくことが確認された。
とちぎYMCA
菅谷淳総主事の2010年3月末の退任・並び
に東京YMCAへの帰任を受け、新たに秋田
正人総主事が就任した。各法人の地域での働
きを継続し地域に根ざした活動を目指した。
3月11日の東日本大震災以降は、自らの被
害も発生した中で、被災者の受け入れに対す
る支援活動、並びに被災地支援などに取り組
んだ。
茨城YMCA
ステップⅡ研修会に職員を派遣し積極的な
人材育成に引き続き取り組んだ。学童、チャ
イルドケアなど地域に根ざした活動を継続し、
更なる地域への広がりを目指した計画が近隣
YMCA、同盟との協力により進められてい
る。3月11日の東日本大震災に際しては、近
隣の避難所への協力をいち早く展開し、地域
からの要請による支援活動を進めた。
千葉YMCA
職員研修会の合同開催など人材育成を積極
的に進めた。千葉市少年自然の家では、3月
11日の東日本大震災に際しては地域の避難所
としての機能を有し継続した働きを行った。
埼玉YMCA
3月11日の東日本大震災に際して、地域の
活動に対しての協力などを進めた。施設、人
的な被害は少なかったが、多くの影響の中で
貴重な働きを進めた。
東京YMCA
5月29日に日本基督教団銀座教会において、
東京YMCA創立130年記念礼拝、記念式典
が開催され関係者一同感謝の時をもった。3
月11日の東日本大震災以降、関東地域も余震、
計画停電、原発問題などの影響がある中、地
域に根ざした防災活動の推進などが生かされ
た。
在日本韓国YMCA
3月11日の東日本大震災に際して、翌日に
は神田猿楽町周辺の住民、特に帰宅できな
かった学生などに対してのレストランでの朝
食無料配布などを行った。また帰宅困難者の
ために様々な配慮によるサービスを展開した。
金沢YMCA
金沢YMCAの新しい働きとして新たに北
陸学院を拠点とする学童事業を開始した。
13
広島YMCA
下坊和幸総主事から上久保昭二総主事への
交代と民秋史也理事長の急逝により、広島Y
MCAにとって大きな変化の年となった。
沖縄YMCA
長く沖縄YMCAを支えられた翁長良禎理
事長に代わり、知念一郎氏が新理事長に就任
され、新しい沖縄YMCAの活動の展開が始
められた。
とちぎYMCA総主事
菅谷 淳氏が退任し、秋田正人氏が就任し
た。
山梨YMCA総主事
大和田浩二氏が退任し、露木淳司氏が就任
した。
広島YMCA総主事
下坊和幸氏が退任し、上久保昭二氏が就任
した。
福岡YMCA総主事
上久保昭二氏が退任し、向谷 章氏が就任
した。
<全国YMCA総主事会議関連事項>
1.全国YMCA総主事会議
全国の総主事が集まり、神﨑清一会長、堤
弘雄・田口努副会長のもと3回(東山荘・六
甲山YMCA・横浜YMCA)の会議が行わ
れた。加盟YMCAの課題などを共有し、時
間をかけて報告・協議がなされた。公益法人
制度改革の中にあって、これからのYMCA
のあるべき姿とともにYMCA運動推進につ
いて協議を重ねた。また外部の講師を招いて、
新たな視点からの研修を行った。全国YMC
A戦略会議、全国YMCA事業担当者会につ
いて評価を行い、継続した組織体で運営して
いくことが確認された。
2.全国YMCA戦略会議
全国YMCA総主事会議の下に置かれた会
議体として、東京、横浜、大阪、神戸、広島、
熊本の六大YMCAと、中小YMCAから1
名の総主事が集まり、⑴全国共同事業の推進、
⑵国内協力委員会との調整の上、困難なYM
CAへの支援、⑶人材育成(人材採用・人事
14
交流)
、⑷全国YMCA経営分析について3
回の協議を重ねた。特に、国内協力委員会が
全国YMCA総主事会議へ諮問する日本YM
CA振興資金申請内容検討について協議を
行った。
3.総務連絡調整会議
(会長:本田真也、副会長:松野時彦、大
塚幸一 担当総主事:末岡祥弘)
6月9日~11日 北海道YMCA
新公益法人制度への対応を含めて、①振興
資金規程の一部改定について(宗行孝之介)、
②公益法人申請先行リポート(松野時彦・坂
本庸秀・本田真也)③同盟規則・モデル会則
(宗行孝之介)④総主事会議でのファンドレ
イズ発題(宗行孝之介)
、⑤退職金・年金・
互助会規程改定について(宗行孝之介)
、⑥
北海道YMCAの働き(宮崎善昭)等々担当
者からの発題及び意見・情報交換を行った。
9月8日~10日 北九州YMCA
前回に引続き、新公益法人制度への対応を
中心に会議を進めた。①戦略会議・国内協力
委員会報告および全国YMCA財務分析(宗
行孝之介)②公益法人申請先行リポート(加
藤俊明、友廣高也)③公益目的事業説明(松
野時彦)④会員制度について(本田真也)
、
⑤ICT新システム理解(上田潤一)⑥北九
州YMCAの働き(小川健一郎)等々担当者
からの発題及び意見・情報交換を行った。
4.全国YMCAウエルネス担当者会
(会長:佐藤信也、担当総主事:廣田光司)
今年度は、1)全国YMCAの連携を図り、
プログラム運営を実践する。2)プログラム
のクオリティを高めるための取り組みを推進
する。3)公益団体として必要な取り組みを
継続して実践していく。という3つの方針を
柱として役員会を中心に担当者会が運営され
た。
2010年9月27日~28日、東京YMCAにて
全国YMCAウエルネス担当者研修会が開催
された。早稲田大学原田宗彦氏より「都市Y
MCAでのアンケート中間報告から学ぶこ
と」11YMCAより24名の参加者によって、
として講演をいただき、学ぶ時間を持った。
これに引き続き、9月28日~29日、10YMC
Aより22名が参加し「2011年度に向けての情
報と共有」のために2010年度中間評価報告と
2011年度計画の協議を行った。特に全国大会
の運営については今後も継続して検討を続け
ることが確認された。
また、YMCA野外事業を中心に日本YM
CAキャンプスタンダードの改訂、日本YM
CAキャンプ90周年事業への取り組みとして、
青少年育成団体との協働事業についての報告
がされた。
これらの事業はプログラムで用いられる アクアティックワッペン、ジムナスティック
ワッペン、スキーワッペン、サマーキャンプ
Tシャツの売り上げの一部によって、積み上
げられた健康教育事業振興資金による補助に
より実施された。
5.全国YMCA専門学校担当者会
(会長:小林一郎、
担当総主事:上久保昭二)
「新しいYMCA専門学校のあり方につい
て」として担当者会で協議が行われ、YMC
A間の連携を強化してきた。
「大学全入」
「大
学専門学校化」という厳しい募集状況のなか
で、2011年度募集をどのように行っていくの
か、緊急に東京YMCAの広報戦略を学ぶ会
を持ち、それぞれのYMCAで要素を取り込
んだ広報を行った。また昨年度に引き続き、
留学生への対応として日本語担当者会との協
働プログラムなどを検討、日本国外での説明
会で利用できる全国YMCA専門学校一覧
ツール作成に取りかかった。
6.英語教育担当者会
(会長:山根一毅、担当総主事:堤 弘雄)
2010年度担当者会は、6月7日~8日に日
本YMCA同盟にて行われた。また、11月15
日、2月7日~8日の2度にわたって役員会
を開催。担当者会で協議された内容を掘り下
げる機会とした。
2010年度の主な取り組みは、以下の3つで
ある。
1.全国統計の報告と分析:2010年度は5月
末と12月末の2度、データの収集を行った。
総合的かつ継続的な分析を行うために、2
度目からは2009年度発行の「YMCA語学
教育レポート」作成時の方式に則ってデー
タ収集を行った。分析の結果、今後は次の
3点にフォーカスを絞って取り組みを進め
ることが確認された。1)ソーシャルネッ
トワークサービスを活用した、地域に開か
れたプログラムの実施 2)地球市民育成
へとつながる、青少年への具体的アプロー
チ 3)英語を通して人と人がつながる、
コミュニティの形成
2.ECP(English Communication Project)
:
全国の中高生を対象としたプロジェクトで、
12月26日~29日にYMCA国際青少年セン
ター東山荘にて実施、16名の参加を得た。
プロジェクトの目的は、身近にあるグロー
バルな課題に目を向け理解することと、そ
れに対する自分の意見を英語で表現し伝え
ることである。今回は、キャラクターディ
ベロップメントの4つの価値を共有するこ
とを通して、グローバル理解への導入を
行った。また、神戸大学大学院国際協力研
究科教授のロニー・アレキサンダー氏を講
師に迎え、平和についてのワークショップ
を実施した。
国際青少年センター東山荘で開催された
ECPプロジェクト
3.講師への研修機会等の提供に向けた準
備:講師の質のさらなる向上を目指すた
め、全国の講師で共有するための「ティー
チャーズ・ハンドブック」の作成と、
「講
師トレーニング」のシステム作りのために、
準備を進めている。
7.日本語教育担当者会
(会長:田中眞一、担当総主事:水野雄二)
2010年度は7月12日~13日に在日本韓国Y
MCA、1月28日~29日に神戸YMCAにて、
15
2回の全国担当者会を行った。会議は、各校
の統計資料の収集と整理・分析、各校の情報
交換、海外広報と募集の協働にテーマを絞っ
て進められた。
2010年度秋期のYMCA日本語学校学生数
は、1,674名を数え、前年度を上回る結果と
なっている。
2010年度の主な取り組みは、以下の3つで
ある。
1.台湾YMCAとの協働:2009年の台中開
催に続き、第2回日台ワークショップを5
月10日~11日に和歌山YMCAにて開催し
た。台湾から9名、日本からは専門学校担
当者を含む25名のスタッフが参加、 今後の
日台湾YMCAの協働について意見交換を
行った。また、2010年度も台湾YMCAの
協力を得て
「台湾YMCA合同留学説明会」
を4月、10月、
3月に開催した。台北・台中・
彰化・台南の4YMCAのほか、3月の説
明会には新たに高雄YMCAが加わった。
2.韓国YMCAとの協働:台湾YMCAと
の協働が成果を挙げたことを受け、2010年
度には韓国で、
「日韓YMCA日本語教育
交流コンサルテーション」を実施した。こ
のコンサルテーションは11月30日に大田に
て行われ、13のYMCAと全国連盟から19
名のスタッフの参加を得た。続いて1月20
日には水原YMCAにて日本留学説明会を
開催、今後も韓国YMCAと協働しつつ、
留学説明会を継続する予定である。
3.様々な日本語学習目的に合ったプログラ
ムの提供:従来主流であった大学進学の予
備教育としての日本語教育とは別に、FT
A、EPAに関連した外国人労働者の受け
入れ、小中高の教育現場で日本語を母語と
しない生徒・保護者の増加など、異文化社
会で生活をしていくための「生活日本語」
の教育や日本での「就職準備コース」など
様々な学習機会の提供が求められている。
YMCAの日本語教育事業は、各関係機関
とのネットワーク作りを図り、この動きへ
の対応に努めている。
8.高齢者支援担当者会
(会長:立山道男、担当総主事:田口 努)
10月1日~3日、大阪YMCAにて担当者
16
会・研修会を実施した。7YMCAより20名
の参加者があった。大阪市立大学から講師を
招き、急増する高齢者に対して、制度の中に
あるケア(フォーマルケア)だけでなく、地
域や制度にとらわれないインフォーマルケア
の充実が必要であることを学んだ。その後の
担当者会においては、大阪YMCA福祉事業
戦略と大阪市との連携を学び、YMCAの高
齢者事業の目指す方向について活発な意見交
換が行われた。
9.チャイルドケア担当者会
(会長:板崎淑子、担当総主事:田口 努)
2月4日~5日、東京YMCAにて32名の
参加者を得て実施した。1日目は「保育制度
改革とYMCA」として、新澤誠治氏を講師
に招き学びのときを持った。また全国YMC
Aのチャイルドケア事業の事例発表を行った。
2日目はアメリカYMCAから学ぶ機会とし
て、夏にアメリカYMCA研修へ参加した横
浜YMCA北田純一氏よりブランド戦略と
ファミリーへの取り組みについて発表をして
いただいた。東京YMCAの指定管理施設見
学も行い、行政との協働の形態を知る機会と
なった。
10.発達障がい支援担当者会
(会長:中島 修、担当総主事:桒原道子)
2010年度はブロック別担当者会、研修会を
充実させて実施した。東日本地区、中日本地
区、西日本地区それぞれにおいて研修会を行
い、2011年1月24日各ブロック長が集まる事
業活性化委員会を横浜YMCAにて開催した。
ブロックごとに研修内容や課題について発表
し、全国規模でそれらを共有することができ
た。今後の課題として、プログラムのデータ
ベース化、プログラム開設支援マニュアルの
作成、発達障がい児・者を取り巻く周囲の理
解を深める啓蒙セミナーの開催などについて
協議した。
11.ICT担当者会
(会長:保坂弘志、担当総主事:太田直宏)
初代 e -YMCAシステムが稼働した2005
年からから6年が経過し、引き続きICTの
事業を全国協働として推進することが総主事
会議にて合意され、e -YMCAシステムがク
ラウド型に変更、2011年度よりスタートする
こととなった。
システム変更に伴い、各YMCAの負担金
は予算規模に則してより細かく調整され新し
く決定した(記録:1.5案)
。
東京YMCAについては直ちには移行困難
と判断されたが、分担金協力の同意があり導
入時期検討中となっている。
新しいクラウド型 e -YMCAで、コスト
削減とさまざまなサービス向上が可能になっ
たが、その導入に伴って以下も決定した。
・Google Apps(Education Edition)はGoogle
のYMCA活動協力として無償提供され、
これを全国共通のコミュニケーションツー
ルとして利用する。
・分担金から全国27YMCAの独自ドメイン
をGoogle Apps用に取得する。
(ただし横
浜YMCA、熊本YMCAについては分担
金利用を辞退し自前で取得された)
・横浜YMCAが契約をしている稟議案件シ
ステムをインターネット上に置き、各YM
CAに公開。希望するYMCAが利用でき
るよう提供される。
次年度からの保坂弘志会長の同盟出向に伴
い、会長は上田潤一氏と決定し意気込みが語
られた。
「クラウド(雲)導入はインターネッ
ト上のサービスを使うことであるが、雲の中
で私たちは主体性を発揮する時である。私た
ちのYMCAの“C”
、そしてICT担当者
会の“C”は何か、
それは、
Christianityの“C”
であり、Communityの“C”であり、それ
らの根底は主体的活動であるとはっきりと意
識したい。それは多様性を認め、祈りと行動
の繋がりである。
」
<2010年度開催した会議>
2010年6月1日 ICT担当者会役員会
(於:日本YMCA同盟)
2010年9月17日~18日 ICT担当者会
(24名、於:横浜YMCA)
2011年2月3日 ICT担当者会役員会
(5名、於:横浜YMCA )
2011年3月4日~5日 ICT担当者会
(24名、於:横浜YMCA )
全国から24名が集まった3月開催のICT担当者会の様子
17
災 害 支 援
<ジャワ島中部地震・火山噴火被災地支援>
2006年5月27日発生
9月1日~8日に岡山YMCAが主管とな
り第4回インドネシア・ジョグジャカルタ
ワークキャンプが実施された。このキャンプ
は当初計画の3回が終了したが、双方の評価
の上に形態を変えて継続されることとなった。
日本からは14名が参加した。地元の青年とと
もに、ムラピ山噴火被災児童を対象として、
レクリエーションの提供、文化交流等を行い、
子ども達と家族、地域の人びとの精神的な癒
しを促した。このキャンプ開催のための現地
費用として655,334円を送金した。
資によって村の女性たちが農業や畜産などで
収入を獲られるようになってきたとの声が届
いている。
<中国・四川地震被災地支援>
2008年5月12日発生
7月31日~8月10日、奈良YMCAが主管
となり第2回中国・四川地震ワークキャンプ
が実施された。ユースを中心として日本か
ら7名、中国のYMCAから44名が参加した。
心の癒しと未来への希望を共有することを目
的に、被災した子どもたちや高齢者を訪問し、
スポーツ・ゲーム、クラフトやグループワー
クを共に行ったほか、地震の被災地がそのま
ま残されている地域を訪ね、中国の歴史や文
化を学ぶ時を持つなど交流や理解を深めた。
キャンプ運営費用として5,000ドル(441,250
円)を中華YMCA全国協会に送金。日本の
ユース派遣費用として510,000円を支援した。
この他、成都YMCAが100周年にあたり
創設した「子ども奨学金」のために、
1,000,000
円の協力を行った。
村の子ども達と交流
-インドネシア・ジョグジャカルタワークキャンプ-
<ミャンマー・サイクロン被災地支援>
2008年5月3日~4日発生
5月と12月に横浜YMCAがミャンマーへ
渡航した際、被災孤児支援のため費用とし
て全国から寄せられた募金の中から20,000ド
ル(1,831,700円)を渡していただいた。また、
パテインYMCAスタッフがアジア・太平洋
YMCA同盟のアドバンス・スタディ研修参
加のため、2,315ドル(198,879円)を支援した。
パテインYMCAが運営する孤児院では約
200人の子ども達が生活を送っている。この
他、村のHIV/AIDS・貧困の子ども達
のケア、青年職業訓練、
高齢者のケア等を行っ
ている。ヤンゴンのYMCAでは移動診療所
やクリニックの開設などの医療支援活動や地
域での融資、起業等の支援を行っており、融
18
レクリエーションを楽しむ被災地の子ども達
-中国・四川地震ワークキャンプ-
<ハイチ地震被災地支援>
2010年1月12日発生
日本のYMCAでは震災直後に緊急支援
金を送り、全国で募金活動が行われた。寄
せ ら れ た 募 金(10,690,756円 ) の 中 か ら ハ
イチYMCAが行う活動のため32,000ドル
(2,730,880円)を送金した。ハイチでは近隣
諸国のYMCAと協力し、緊急支援物資の配
布、被災地調査を実施、子ども達のケアとし
てレクリエーションやスポーツ活動、キャン
プへの招待、マイクロファイナンス・プログ
ラムの開発などの活動を行っている。また、
全壊したYMCAの会館が再建され、8月に
オープニングセレモニーが行われた。この新
しい会館を拠点に被災地の復興、地域の青年
活動などが期待されている。
10月には被災した中学生4名とハイチYM
CA総主事計5名が来日し、神戸YMCAと
京都YMCA、また神戸市社会福祉協議会の
協力により、キャンプ場での楽しいひと時を
過ごすとともに、学びと交流を行った。来日
関連の費用として募金より1,675,602円を支援
した。今後もひき続き支援を行っていく。
な お、 神 戸 市 社 会 福 祉 協 議 会 を 通 し て
8,432,860円の募金と神戸市の小学生たちから
のメッセージが寄せられた。メッセージは7
月に開催された世界YMCA大会にてハイチ
YMCA総主事に手渡し、募金は現地へ送金
した。
来日したハイチの中学生。自然豊かなキャンプ場で過ごす
-ハイチ地震被災地支援-
<チリ地震被災地支援>
2010年2月27日発生
震災直後に緊急支援金を送ったほか、全国
で募金活動が行われた。寄せられた募金は世
界YMCA同盟へ送金(4,039,228円)し、現
地での支援活動に用いられている。チリのY
MCAでは子どものためのレクリエーション
活動、就業スキルトレーニング、簡易食堂の
設置などの活動を行っている。
<スリランカ水害被災地支援>
2010年12月末発生
2週間に渡って降り続いた豪雨により国土
の広範囲にかけ、洪水・土砂崩れによる住宅
の倒壊など、90万人が深刻な被害を受けてい
ると伝えられている。特に農業地帯の状況は
深刻で食糧への影響が懸念されている。スリ
ランカのYMCAでは、物資配給、学校の修
繕、マイクロクレジット、被災児童やその家
族のためのケアなどを行っている。日本のY
MCAでは緊急支援として5,000ドル(412,300
円)をアジア・太平洋YMCA同盟へ送金し
たほか、全国に募金を呼びかけた。
<ニュージーランド地震被災地支援>
2011年2月22日発生
マ グ ニ チ ュ ー ド6.3の 地 震 が ク ラ イ ス ト
チャーチにて発生した。日本のYMCAでは
緊急支援として5,000ドル(410,600円)を送金、
全国で募金活動が行われている。ニュージー
ランドのYMCAではいち早く情報とサービ
ス提供を再開すると共に、家族をなくした子
どもたちのためのファミリーキャンプを実施
予定である。
<東日本大震災>
2011年3月11日発生
マグニチュード9.0の地震が東北地方太平
洋沖で発生し、関東・東北地方に地震と津波
による甚大な被害をもたらした。この未曾有
の災害に対して、日本YMCA同盟では日本
YMCA災害ボランティア支援・同盟本部を
組織し、
全国YMCAと協働して被災者支援・
被災地復興のための活動を開始した。
YMCAは地震発生直後より、
被災地支援活動や街頭募金等を開始しました
19
<第38回全国学生YMCA夏期ゼミナール>
9月10日~13日、日本YMCA同盟青少年
学 生 YMCA
センター東山荘で行われた。全国20大学から
学生、
シニア95名の参加があった。今回は
「出
鈴木一弘(関西)
、小山哲夫(九州)両共
会い/愛をとりもどせ!!~関係性の修復を
働スタッフ、竹佐古真希連絡スタッフ(北海
求めて~」をテーマに、村山斉氏(東京大学
道・東北)、有住航学生YMCA専従職員の
YMCAシニア、東京大学数物連携宇宙研究
下、全国および各地域の活動を強化し、また
機構初代機構長)
、新免貢氏(宮城学院女子
海外プログラムへの呼びかけ、派遣、報告会
大学教授)
、
生田武志氏(野宿者ネットワーク、
の実施を積極的に行った。
釜ヶ崎反失連)
、西谷文和氏(フリージャー
2010年度は、6つの新設・再興学生YMC
Aが新しい学生YMCAとして正式加盟した。 ナリスト、イラクの子どもを救う会)を講師
として招き学びの時を持った。礼拝では徳久
近年進められてきた学生YMCAの新設・再
俊彦氏(東京大学YMCA理事)よりディー
興によって、全国の学生YMCA運動がより
ン・リーパーについてお話いただいた。
活性化され、運動推進の大きな力となってい
プレミーティングでは、村山氏から「知的
る。
好奇心から、広がる宇宙へ」を題に最先端の
研究や寮生活の思い出も交えて話された。学
生たちからは様々な意見や質問があり、
「学
問や探究の面白さ」を考える場となった。
新免氏の聖書研究では、聖書の晩餐のたと
えから「招かれざる人」に着目した。その例
として第五福竜丸乗組員や障がいを持つ人の
手記を扱った。ある場所やある人においては
「招かれざる人」であっても、彼ら彼女ら当
事者や異なる世界があることを知る人々の行
夏期ゼミナールは参加者95名となり最大規模に
動で「招かれる人」へと変化することを語ら
れた。そのように人間関係を再構築するプロ
学生YMCA活動の集大成である全国学生
セスには「傾聴、気づく、つながる」がキー
YMCA夏期ゼミナールは、参加者が95名と
ワードになると話された。
なり、1973年夏期ゼミナール開始以降、最大
また、イラク・平和学習会に西谷氏を招き
規模となった。全国から選出された学生がそ
メディアリテラシーや自らの目で見ることの
の企画・運営を担い、講演・聖書研究といっ
大切さを学んだ。イラクでの独自取材を通じ
た柱となるプログラムに加え、学生自らが発
て、白リン弾や最新兵器の無差別かつ残虐性、
題する自主ゼミナールや、夏期ゼミナールの
イラク戦争における大義名分をマスメディア
前日から行なわれるプレミーティングなどの
とは異なる視点で話された。また、西谷氏は
プログラム作りが試みられている。
地方公務員として勤めた後フリージャーナリ
学内活動形式の学生YMCAの全国メン
ストに転向するという、その生き方に興味を
バーが約340名、10大学の寮のあるYMCA
持った学生が多くいた。
メンバーが約150名と増加している。学生や
生田氏の講演では「なぜ野宿者が襲撃され
大学をめぐる状況が変化する中、学生YMC
Aにおいて学問と信仰という歴史的な側面や、 るのか」という問いで始まった。また襲撃犯
は10代の少年が多いことを語られ、高い学歴、
若者の居場所、体験学習などの今日的なニー
収入、生活水準を求めて競争を迫られる社会
ズまでその存在価値が多様化している。
若手・
の中で社会から排除された状態は無価値であ
中堅の大学教員・関係者から意見をもらうと
学校や社会への鬱憤の「はけ口」
共に、課題を担う新しい協力者の掘り起こし、 ると見なし、
として野宿者を暴力行為の対象にしてしまう
ネットワーク形成を図り運動強化につなげる
のではないかと指摘された。若者たちは安心
ことが確認された。
20
やありのままでよいと感じられる「居場所/
ホーム」があるのか、またその大切さを共有
する時間となった。
参加大学YMCA:北海道大学、東北大学、
弘前大学、中央大学、一橋大学、立教大学、
上智大学、東京大学、慶應義塾大学、フェリ
ス女子学院大学、岐阜大学、京都大学、同志
社大学、聖和大学、関西学院大学、神戸女学
院大学、熊本大学、長崎純心大学、長崎大学、
活水女子大学(シニア出身大学含む)
<新設・再興学生YMCA>
2010年6月、第317回常議員会にて加盟が
承認された大学YMCAは以下の通り。
①神戸女学院大学YMCA(新設)
②長崎ウエスレヤン大学YMCA(新設)
③フェリス女学院大学YMCA(再興)
④国際基督教大学YMCA(再興)
⑤清泉女子大学YMCA(新設)
2011年3月、第320回常議員会にて加盟が
承認された大学YMCAは以下の通り。
①九州ルーテル学院大学(新設)
顧問:水谷江美子氏
顧問牧師:黄大衛氏
毎週の聖書研究会、近隣でのホームレス支
援活動、熊本YMCA協力等
今後可能性のある大学としては、上智大学、
四国学院大学、山梨英和大学などがある。
<学生YMCA寮関係者協議会>
5月22日~23日、学生YMCA寮関係者に
よる一泊協議会が10寮から32名の理事長・代
表学生・学生部委員らが出席して、歴史ある
ヴォーリズ建築である京都大学YMCA会館
にて行われた。協議に先立ち、
「学生キリス
ト教運動の可能性と限界」と題して、土屋博
氏(北海道大学YMCA理事長)より卓話と
して聞いた。各大学の現状報告、全国運動と
しての広がりや協力、また中長期展望として
今後の可能性など協議した。
この他、2011年2月23日~3月12日に「第
16回学生YMCAインドスタディキャンプ」
が開催され、全国から5名の学生・団長が参
加した。現地では、インドSCMとアンブマ
ナイ・ボーイズホームへの訪問を軸に、マ
ザーテレサブランチ、現地のYMCAが運営
するストリートチルドレンのためのシェル
ターや農村開発センターを訪問した。またイ
ンドにおける環境問題についての話を聴き、
持続可能な開発のあり方などに深く考える機
会となった。
インドスタディキャンプで
アンブマナイ・ボーイズホームを訪問
また、3月6日~7日に在日本韓国YMC
Aで学生やシニア15名の参加が集い、行われ
た。WSCF-AP(世界学生キリスト教
連盟)女性プログラムコーディネーターの
Sunita suna氏を講師として招いた。
「ジェ
ンダーを考える、ジェンダーの意識を超える、
変化を求めて行動するために」をテーマに
ワークショップを行った。ジェンダーや女性
に対する暴力への理解を深めること、新たな
視点で聖書を再読することを目的とした。
各地区で行なわれている「聖書を読む会」
は、関東で「関東地区聖書を読む会」が月、
関西で「京都主事宅聖書研究」および「六甲
聖書研究」が隔月で、九州で「福岡地区聖書
を読む会」が不定期で行われている。これら
の大学を超えた聖書の読む場の存在は、
学生・
シニア・都市YMCA・教会関係者等のよい
交わりの場となっている。
「ジェンダーを考える、ジェンダーの意識を超える、
変化を求めて行動するために」ワークショップにて。
21
国 際 協 力 事 業
<世界YMCA同盟常務委員会>
2011年3月30日~4月2日、世界YMCA
同盟常務委員会がジュネーブにて開催された。
2010年7月に香港で行われた第17回世界YM
CA同盟総会で新しい体制が選出され、
ケン・
コロトン会長(米国)
、フェルナンド・オン
ダルザ副会長(メキシコ)
、ヘレン・マック
ウェン財務(ニュージーランド)が体制とな
り、総主事には、バート・シャッハ氏に代わ
りヨハン・ビルへルム・エルツビック氏(前
ヨーロッパ同盟総主事)が就任した。世界Y
MCA同盟の常務委員の一人として、同盟常
議員の長尾ひろみ氏が再選されアジア・太平
洋地域と日本の声を反映させている。
主として下記4つの方針について協議され
た。
・YMCAは若者をエンパワーする団体であ
り、若者がYMCAで中心的な役割を担い、
社会を動かしていけるよう促す。
・グローバル・オペレイティング・プラン(G
OP)を継続しつつ、パートナーズ・イン・
プログレス(PIP)という手法を用いて、
世界全体の運動を6つのポイントで推進し
ていく。(移住労働や若者の雇用、環境問
題と新しい形の観光、平和と和解、地球市
民教育、若者の育成、資金調達)
・ガバナンスの見直しと強化を地域同盟、各
国同盟と共に行う。
・YMCAイメージ(ブランド)向上と世界
規模でのコミュニケーションの強化を図る。
<アジア・太平洋YMCA同盟常務委員会>
2011年3月8日~12日、アジア・太平洋Y
MCA同盟総主事会議と常務委員会が香港中
華YMCAにおいて開催された。アジア・太
平洋地域には、22の正加盟があり、その他に
準加盟としてベトナム、未加盟国として東
ティモール、カンボジア、モンゴル、中国が
あり、合計27の国のYMCAがかかわってい
る。今回常務委員会の前に開催された総主事
会議には18カ国22人が参加し、常務委員会に
は20カ国116名が参加した。日本からは、財
務理事 西村隆夫氏、常務委員 山本俊正氏、
22
ジェンダー委員 中村あずさ氏、ユース委員
黒澤伸一郎氏、伊藤剛士氏、橋崎頼子氏、島
田総主事の7名が出席した。
常務委員会は9日~12日であったが、11日
の東日本大震災の報告を受けてから島田総主
事は会議を離れ、情報を集め、連絡等に終始
した。最後の事務会の前に日本から大震災に
対するアピールを行い、支援の決議をしてい
ただいた。
会議での主たる決定・承認事項は下記の通
りである。
・山田公平総主事の再任
(2012年から4カ年)
が承認された。
・アジア・太平洋YMCA同盟の定款を改定
し、新たに理事会を設置する。理事会には
各地域から1名、その他ユース・ジェン
ダー・財務など理事2~4名程度とし、合
計6~8名で構成する。年4回程度開催。
・3月11日に発生した東日本大震災に支援す
る。
(報告及び日本に関連する事項)
・GATF
(Golden Anniversary Trust Fund)
は、2007年総会で目標として200万ドルを
目指しており、
現在約130万ドル。地域コー
ディネーター及びユースインターンのため
の費用及び地球市民育成プログラムのため
に拠出する。
・以下、アジア・太平洋YMCA同盟の取り
組みとして強化する。
○ユース支援のためのリソース・モビリ
ゼーション
○地球市民育成プロジェクト
○オルタナティブ・ツーリズム
○高齢化社会対応
○ジェンダー及び移住労働者
○平和学校
・YMCA運動間強化として、日本は継続し
てインドネシア、東ティモール、カンボジ
ア、ベトナムに協力していく。
なお、2010年度は以下のアジア・太平洋Y
MCA同盟が行う各種会議・ワークショップ
に派遣した。
①YMCA地球市民トレーナーズ・トレーニ
ング 5月25日~30日(マカオ)
伊藤剛士氏(京都大学YMCA)
、阿部麻
希氏(岡山YMCA)
、横山由利亜(同盟)
、
中村絵乃氏(開発教育協会/DEAR)
②アジア・太平洋地域Uni-Y会議 10月19日
~24日(フィリピン・マニラ及びバギオ)
伊藤英経氏・滝良太氏・小幡昌彦氏(早稲
田大学YMCA)
、有住航(同盟)
③ジェンダー・ワークショップ 9月24日~
28日(インド・プネ)
疋島英理子氏(神戸YMCA)
・武田寿子
氏(同盟ジェンダー委員長)
<第17回世界YMCA大会及びユースフォー
ラム>
インターナショナル・ユースフォーラムが
7月16日~19日、引き続いて24日まで、第17
回世界YMCA大会が香港で行われた。本
大会には、85カ国から1,134人が参加し、
「い
ま、地球市民として生きるために」をテーマ
に、基調講演、世界各国から準備された約70
のワークショップ、グローバル・ビレッジな
どが活発に行われた。日本からは49人が参加
し、うち16人がユースで、礼拝・通訳・発表
などその活躍が目立った。
からは、
「ユースは対象ではなく運動の主体。
社会変革のエネルギーはユースから」とア
ピールがなされた。
日本からは、長尾ひろみ氏(日本YMCA
同盟常議員)が世界YMCA同盟常議員とし
て再選された。
<パレスチナ・東エルサレムYMCA支援>
前年度に引き続きエリコの職業訓練セン
ターに1万ドル(828,300円)
、パレスチナ難
民 支 援 金 と し て213,680円 を 送 金 し 支 援 を
行った。10月16日~26日に実施された「パレ
スチナ・オリーブ収穫プログラム」には、在
日本韓国YMCA、学生YMCAより参加者
2名を派遣。オリーブの木キャンペーンの強
化を行い、全国のYMCA・ワイズメンクラ
ブ他より315,000円の募金が寄せられた。今
後も東エルサレムYMCAとリンケージをも
つ在日本韓国YMCAと協力し、正義ある平
和の実現を願い支援を続ける。
<アフガニスタン難民支援事業>
1月9日~14日、島田同盟総主事がパキス
タン・ラホールYMCAを訪問し、アフガン
難民支援として2003年にスタートした小学校
の現状視察と今後の方針について、ラホール
YMCA総主事サミュエル・パーバス氏と協
議した。ごみ処理場でテント生活を送るアフ
ガン難民の状況に大きな変化はなく、政府か
らも見放されている。
各国から準備されたワークショップ
アフリカの存在が光る
なお、東エルサレムYMCA他が正式加盟
し、選挙では新たに会長としてケン・コロト
ン氏(北米YMCA)が選出され、新世界Y
MCA同盟総主事にヨハン・ビルヘルム・エ
ルツビック氏(前ヨーロッパ同盟総主事)が
就任。今後4年間の世界YMCA運動の方向
性として、資源の有効活用(リソース・モビ
リゼーション)
、国や地域において社会的イ
ンパクトのある働きへのチャレンジ、ブラン
ド力や寄附の強化などを通した、YMCA運
動の継続的な強化が示された。またユース
YMCAスクール学習の様子
屋根はなく窮屈だが懸命に勉強する子どもたち
3学年75名が通学し、アフガニスタンの言
語と英語の読み書き、算数、イスラム教を、
屋根のない狭い空間にて寺子屋形式で学んで
いる。近隣はごみ処理のにおいが立ち込め、
23
水道やトイレの施設もない。そのような中で、
清潔な水、給食、週一回の診療も提供される
本学校は地域の信頼、ニーズ共に高く、子ど
もたちも懸命に勉強している。今回の訪問で
は、制服と食器を新たに贈呈し、ラホールY
MCAには靴の支給と給食の質量の計画的な
改善を求めた。
指定募金を用いての支援は当初計画では
2011年12月までとなっているが、ラホールY
MCAとしての自助プロジェクトの立ち上げ、
学習環境及び教材教具の改善等の履行状況を
見て、国際協力委員会にて今後の方針を決定
することとなった。2010年度は2009~2010年
度分の支援として募金の中から2,009,332円を
手渡した。
<東ティモールYMCA支援と第5回YMC
A東ティモール・ユースキャンプ>
東ティモールYMCAの設立支援として、
1万ドル(840,200円)を送金し支援を行った。
現地では、主としてコミュニティワーク、
ユー
スリーダー育成がYMCA活動として行われ
ている。
7月31日~8月10日、日本6名、東ティ
モール20名、韓国及び東ティモールスタッフ
7名合計33名が参加し、
第5回東ティモール・
ユースキャンプが首都ディリ近郊で行われた。
過去4回の「平和」から「持続可能な開発と
環境」にテーマを変更して行い、互いの取り
組みを学び合うことができた。東ティモール
では治安の安定や経済向上が優先事項とされ
環境問題は後回しにされごみ問題など深刻化
しており、ユース自身が意識的に捉え、行動
に結びつける時宜にかなった内容となった。
東ティモール・ユースキャンプでは、
村の子ども達とサッカー等を通しての交流も
24
なお、アジア・太平洋YMCA同盟のPS
G(Partners’Support Group)対象国として、
今後も日本、韓国、オーストラリアが支援し
ていくことが決定した。
<日台YMCAマネジメントセミナー・連絡
委員会>
11月23日~25日、在日本韓国YMCAにて
開催され、台湾からは7YMCAより8名、
日本からは11YMCAより18名が参加した。
基調講演に「未来志向の東アジア交流」とし
て山口壮氏(民主党衆議院議員・元YMCA
リーダー)
、協議は主として4つのテーマにつ
いて行われた。1)YMCAにおけるファン
ドレイジング強化の方策、2)コミュニケー
ションツールとしてのICT活用、3)日台
YMCA連絡委員会。
「東アジアの平和」を
作っていくことが共通の課題であること、今
後もOSCY、ICCPJなどのプログラム
を通して協力していくことが確認された。
次回は、
2012年、
台湾にて開催の予定である。
日本と台湾から26名が集まり
活発な意見交換が行われた
<第4回日中韓YMCAピース・フォーラム>
2011年1月20日~22日、
韓国・仁川にて「東
北アジアの平和創りのための中国、日本、韓
国のYMCAが果たすべき役割」をテーマに、
中国9名、韓国20名、日本16名合計45名で行
われた。近年の朝鮮半島の緊張の高まり、日
中間の尖閣問題をめぐる対立など平和を脅か
す状況において、YMCAのネットワークを
通して平和教育、平和のアクションについて
互いに学び、理解を深めるために開催された。
討議からは、YMCAピースウィークの実施、
世界NGO歴史フォーラムへの参加、共同の
歴史教材の作成、各国代表青年による歴史巡
礼などの意見が出され、次回は、2013年日本
にて開催することとなった。
<2010年度全国YMCA国際事業担当者会>
2011年1月25日~26日に2010年度全国YM
CA国際担当者会を在日本韓国YMCAで行
い、一部国際協力委員会と合同し、28名が出
席した。パキスタン・ラホールYMCA支
援(島田茂氏・同盟総主事)
、日中韓YMC
Aピース・フォーラム(高村文子氏・横浜)
、
アフリカYMCAとの協働の可能性(竹井幸
義氏・広島)
、APAYアドバンス・スタディ
(金弘明氏・在日本韓国)の報告から互いに
学び合った。また、発題「YMCAの日本語
教育と国際」
(田中眞一氏・大阪)では、多
文化共生・教育交流として、またアジアの青
年のキャリア開発支援としての日本語教育は、
まさに国際の現場であり、すべての事業にお
いて高度化が求められる今日において、YM
CAの国際事業も分野を越えた視野、展開が
必要であることが語られた。
続く「世界YMCA運動の動向」
(長尾ひ
ろみ氏・世界YMCA同盟常務委員)では、
新しい総会期はアメリカの変化のもと世界Y
MCA同盟が強いリーダーシップを発揮し、
ユース育成と組織強化を主眼に、リソースモ
ビリゼーション(資金調達)の実行、各エリ
アとの具体的な共同戦略が遂行されることが
語られた。
全国のYMCAまた同盟ではすでに多岐に
わたる国際協力事業を行っているが、時代の
変化のなかで、他事業との協働、国内の課題
なども視野に入れ、どのように取り組み、ア
ピールしていくのか、多くのヒントと示唆を
与えられた会となった。
<YMCA地球市民育成プロジェクト>
2006年の世界YMCA大会で、全世界に広
がるYMCAのネットワークを活かし、世界
に目を向けた思考力、地域で実践する行動力
を備えた青年を「YMCA地球市民」として
育成していくことが決議され、日本では「地
球市民育成プロジェクト」が昨年から始まっ
た。
このプロジェクトは通年のもので、事前研
今年度で2回目となる地球市民育成プロジェクト
第一期生もリーダーとして3名が参加した
修、合宿研修である日本YMCA地球市民研
修、研修後活動報告を経て、研修生は「日本
YMCA地球市民」として認証される。
今年度で2回目となる日本YMCA地球市
民研修が、8月20日~26日に国際青少年セン
ター東山荘にて行われた。国内8の都市YM
CA、5の大学YMCA、2のミッション系
大学より計25人、海外から19人(韓国、台
湾、香港、マカオ)の学生・青年、講師、リ
ソースパーソン、ゲスト、スタッフ含め合計
62人が集った。アジア・太平洋YMCA同盟
ディレクターMaria Cristina A. Dalope氏よ
り
「YMCA地球市民」
に関するプレゼンテー
ション、
(特活)開発教育協会/DEARによ
る“The New Trading Game”
(新・貿易ゲー
ム)のワークショップ、5グループに分かれ
てのフィールドワーク等が行われ、最後には
それぞれがアクションプランを立案し発表。
アクションプランとして、
「自分のYMCA
に、留学生のためのカウンセリング・ルーム
を作る」
「教会のユースで地元の地場産業に
ついて考えるグループを作る」
「今回の学び
や経験をFace bookなどのウェブ上にアップ
し、グローバルな視点で世界を見ることので
きる仲間を広げていく」などが発表され、今
後は各自のYMCAやコミュニティにて実際
の活動を行う。なお、今年の研修では、地球
市民第一期生より3名のユースがリーダーと
して参加し、第二期生への助言者として良い
役割を担った。
本研修に支援を頂いたYMCAユースファ
ンド、財団法人倶進会に感謝する。
25
<全国YMCA国際研修会>
6月26日、国際分野における人材養成を強
調点として、海外派遣の事前研修をユース、
ゲスト、リソースそのほか合わせて37名で
行った。YMCAと国際事業と題した長尾ひ
ろみ氏、黒澤伸一郎氏、深谷愛氏のセッショ
ンのほか、多文化共生ワークショップ「レヌ
カの学び」を行った。
その後、夏期各種派遣プログラムごとに分か
れて、事前の学び、準備事項の確認など行った。
<YMCA地球市民国際フォトコンテスト>
「YMCA地球市民国際フォトコンテスト」
は全国のYMCAで取組まれている国際交
流・協力の写真を通して、新たな出会いや活
動が生まれることを願って実施し7回目を迎
えた。昨年度に引き続き4つの企業・団体等
の協賛・協力を得て、17のYMCAより100
点を超える応募があった。YMCA賞には東
京YMCAの濱部杏奈氏の「東ティモール・
ユースキャンプ」で撮影された作品が選ばれ
た。この他金賞2点、銀賞3点、特別賞9点、
協賛企業賞に12点が選ばれ、審査員からは貴
重な経験を伝える写真の活用への期待が寄せ
られた。これらの作品はYMCAの国際事業
を伝えるものとして機関紙、ホームページ等
に掲載し、国際協力募金のリーフレットやポ
スターなどのツールに活用する。
多文化共生ワークショップの学び
<国際協力募金> 2010年度に全国のYMCA・ワイズメンズ
クラブ他を通して寄せられた一般の国際協力
募金は、2011年度の国際協力事業のため用い
られた。
募金活動は昨年度に引き続き「子どもが
未来を創る-かけがえのない いのちと平和」
をテーマとし、特に子ども・青年たちの育成
のための青年海外派遣や国内での研修実施の
支援(1,988,714円)
、アジア・太平洋YMC
A同盟の行うアジア地域のYMCAの基盤
強化プロジェクト、自立支援などへの協力
(2,895,894円)等を行った。
この他、主な使途としては東ティモールY
MCA支援
(840,200円)
、東エルサレムYMC
Aによるパレスチナ難民職業支援
(828,300円)
、
在日外国人への支援
(130,985円)
、世界YM
CA同盟によるアフリカYMCA同盟支援
(848,500円)
、海外のYMCAに対しての世界
YMCA大会参加支援
(909,600円)
、災害緊急
支援
(990,940円)
、国際協力募金のツールやパ
ネルの作成
(1,347,227円 )等、 計10,823,642円
の支出となった。
(指定募金については国際
事業および災害支援の関連項目に記載)
26
YMCA賞 濱部杏奈氏(東京YMCA)の作品
研 修 ・研 究
<ステップⅡスタッフ研修>
目 標:YMCA運動の担い手としての自覚
と連帯の形成及び、業務管理・計画
能力の養成
期 間:2010年9月22日~12月4日 74日間
会 場:日本YMCA同盟国際青少年セン
ター東山荘/在日本韓国YMCA
参加者:入職後3年以上の3~4級職員
7YMCAより9名
佐藤雅一(北海道YMCA)
和田賢一(茨城YMCA)
戸坂昇子(東京YMCA)
野澤 展(横浜YMCA)
奥薗一紀(横浜YMCA)
万福寺昭美(名古屋YMCA)
齊藤 靖(神戸YMCA)
家守治司(広島YMCA)
竹井幸義(広島YMCA)
履修学課と講師 ( )内は単位時限数
1.オリエンテーション(10)
開講時:生活、研修全体の理解、研究生
の相互理解他
中間時:前半の評価と後半への方向付け、
及び修了論文指導、中間報告会
閉講時:⑴修了論文発表会
⑵研修全体の評価、帰任に向け
て
2.YMCAの使命とキリスト教基盤(23)
①聖書からのメッセージ(山本俊正氏)
②日本YMCA史(米良重徳氏)
③日韓YMCA史(金秀男氏)
④日本YMCA同盟の働き
(島田 茂・有住 航)
⑤キリスト教概説(関田寛雄氏)
⑥日本キリスト教史(岩野祐介氏)
3.社会の課題と地域ニーズへの対応(22)
①YMCAの現状と課題(神﨑清一氏)
②フィールドスタデイ
(阿部志郎氏、田口努氏、高村文子氏他)
③子ども・青年と社会教育(萩原建次郎氏)
④YMCAと国際/ジェンダー
(武田寿子氏)
⑤開発教育とYMCAの国際協力
(田中治彦氏)
4.プログラム開発と事業計画(10)
①中長期計画(水野雄二氏)
②YMCAプログラム開発(錦織一郎氏)
5.組織の管理と運営(35)
①管理者と人事管理(茂木 雄氏)
②YMCAスタッフの自己革新
(山根誠之氏)
③NPOのマネジメント(島田恒氏)
④YMCAの財務(関山孝雄氏)
⑤YMCAの労務管理とリスクマネジメン
ト
(葛田一雄氏)
⑥YMCAとICT(上田潤一氏)
⑦YMCAと企業との協働
(徳永恵美子氏)
⑧公益法人制度改革(宗行孝之介氏)
⑨行政とYMCAの協働(五十嵐理郎氏)
6.人間関係能力の開発と自己開発(14)
①人間関係トレーニング(荒川純太郎氏)
②TOEIC IPテスト
③英語カウンセリング・スピーチ
(吉岡スーザン氏)
7.自己研修(18)
自己研修/団体訪問研修
8.特別講義(2)
YMCAとワイズメンズクラブ (東西日本区役員)
<その他> 朝のつどい(研究生が交替で担当)
キリスト教会聖日礼拝出席
ステップ2 閉講式にて
<ステップⅢスタッフ研修>
目 標:YMCAミッションに基づく人と組
織の総合的管理運営
27
期 間:2011年1月16日~20日 5日間
会 場:日本YMCA同盟国際青少年セン
ター東山荘/在日本韓国YMCA
参加者:新人事制度6級職員、及び5級の総
主事、もしくはそれに順ずる上級管
理職。但し、経験年数や資格等級に
応じて当然に派遣されるものではな
く、組織の要請により、本人の研修
目的と所属YMCAの組織的課題と
を摺り合わせた上で、所属YMCA
から派遣されるもの。
4YMCAより7名
南宮成一(東京YMCA)
菅谷 淳(東京YMCA)
小林一郎(横浜YMCA)
瀬谷智明(横浜YMCA)
大高 聡(横浜YMCA)
白鳥雅人(岡山YMCA)
依田智義(熊本YMCA)
<1/17公開講座のみの参加者>
太田昌孝(埼玉YMCA)
関 寛之(横浜YMCA)
藤澤幸隆(横浜YMCA)
藤崎 清(広島YMCA)
履修学課と講師 ( )内は単位時限数
1.YMCAの使命とキリスト教基盤(6)
A.YMCAとキリスト教(金明淑氏)
B.聖書黙想・説教演習(関田寛雄氏)
2.社会の変化とYMCA(原田宗彦氏、山
根誠之氏)
(9)
ステップ3 公開講座講師の原田宗彦氏と助手のお2人を囲んで
28
<海外スタッフ研修>
1.米国YMCAスタッフ研修
2000年度から実施されている米国研修は、
2003年度より従来の延長上に「日本YMCA
同盟結成100周年記念リーダーシップ養成事
業」として6年実施され、昨年度からはリー
ダーシップ発展資金のスタッフ海外研修枠よ
り補助が支出されている。
目 標:参加者の経験、専門および関心に
従って研修領域を選択し、米国YM
CAのもつプログラム内容、運営手
法を学ぶ。
受 入:米国YMCA同盟
期間a:2010年7月31日~8月31日
参加者:猪口武志(大阪YMCA)
訪問先:米国同盟、シカゴ・ルイビル・ミネ
アポリスYMCA
期間b:2010年9月21日~10月31日
参加者:吉永貴弘(横浜YMCA)
場 所:米国同盟及びシカゴ・バークレー・
チャネルアイランドYMCA
参加者:北田純一(横浜YMCA)
場 所:米国YMCA同盟、シカゴ、イース
トテネシー、ダラスYMCA等
2.アジア・太平洋YMCA同盟主催 第28
回アドバンスコース
日 程:2010年11月14日~12月12日
場 所:香港(香港中華YMCA ウーカウ
シャ・ユース・ビレッジ)
参加者:金 弘明(在日本韓国YMCA)
資 格
主事資格認定委員会において下記の諸資格
の審査を行い、研究所運営委員会により認定、
認証した。
<主事資格認定>
2010年6月1日付けで9名を、YMCA主
事にふさわしい者として認定した。主事認定
を受けた者及び主事論文タイトルは下記のと
おり。
<2010年6月1日認定者>
小谷 全人(埼玉)
「YMCAが取り組む全人教育
~キリスト教の視点の重要性~」
小野 実(東京)
「東京YMCA国際ホテル専門学校の果た
すべき使命
~学生募集を主眼として考察~」
大高 聡(横浜)
「YMCAブランディングとブルー・オー
シャン戦略~強みを活かして新しい需要を
創出する事業戦略とは~」
佐々木美智(横浜)
「光州YMCAの地域活動」
土肥 和美(富山)
「富山におけるYMCA運動と将来展望
―地球っこスクールの挑戦から―」
上村香野子(富山)
「YMCAにおける子どもと若者の居場所
作り~富山YMCAフリースクールの歩み
と子どもたちの声を通して~」
重信 直人(大阪)
「高齢社会におけるセーフティネットの構
築~行政との人材育成協働事業を通して
~」
佐藤 裕幸(大阪)
「地域におけるYMCA学校事業の役割」
横山由利亜(同盟)
「YMCAにおけるジェンダーの課題と可
能性―女性が生き生きと活躍できるYMC
Aを願って」
29
第7回トップ・リーダーシップ・セミナー
テーマ
「「生きる」こと、そして、今問われる「い
のち」の重み」
阿部志郎氏より基調講演をいただいた
第7回となるトップ・リーダーシップ・セ
ミナーが、同盟委員会開催に合わせ6月18日
~19日に、国際青少年センター東山荘を会場
に開催された。理事・常議員・総主事および
組織運営にかかわるスタッフなど44名が参加
し、講演を受けてのグループでの意見交換や
協議を経て、2日目にグループまた全体での
まとめを行った。
第5回、第6回のセミナーでは、公益法人
制度改革に関連するこれからのYMCA組織
のあり様を学び協議する機会として、実務的
な内容を中心に扱った。今回はYMCAが自
らのミッションを掲げて前進する機会として、
トップ・リーダーシップが新たなビジョンを
得て、共に夢と希望を語る場を設定したいと
の思いが実現した。研究所委員会で確認され、
現代に求められるYMCAの働きを改めて考
えることをねらいとし、
「
「生きる」こと、そ
して、今問われる「いのち」の重み」がテー
マとなった。
基調講演では、阿部志郎氏による専門分野
である社会福祉の視点から、そして「YMC
A」への思いの中から、
「生きる」
、そして今、
問われている「いのち」の重み」について語っ
ていただいた。
その後、鳥取大学YMCAシニアで内科医
の板野靖雄氏から「院内飢餓との闘い」と題
30
して、また富山YMCAフリースクール所長
の上村香野子氏からは、
「若者の“生きるエ
ネルギー”を信じて~YMCAフリースクー
ルの歩みから」をテーマに発題をいただいた。
阿部氏の講演では、
「生きること」また「い
のち」について、社会福祉や緊急救援のほか
さまざまな視点から問題提起をいただき、Y
MCAの運動性、また自らがまず一歩進み出
る存在としてのYMCAへの期待が語られた。
板野氏、上村氏の講演では、それぞれの現場
にあって、弱くされ、苦しむ患者、また若者
たちに寄り添う働きと、そして強い信念が語
られ、参加者に大きな感銘を与えた。
セミナー全体を通して、私たち自身が「生
きる」ことをどう捉え、今問われる「いの
ち」の重みに対するYMCAの関わりについ
て、共に深く考える機会となった。
パネル発題をいただいた板野氏と上村氏
広 報 活 動
全国加盟YMCAの協力を得て、情報の収
集・加工・提供を行い、広報業務を遂行した。
<機関紙の発刊>
1.機関紙「THE YMCA」
(B4版4
ページ、月刊)
機関誌「THE YMCA」
以下の編集方針にしたがって編集・発行し
た。
⑴ 日本YMCA基本原則を基盤としつつ、
地域を見つめ世界に生きる、市民社会の
公益に寄与するYMCAの働きを全国に
伝え、今日的課題を分かち合い、YMC
A間の相互理解と成長を図る。
⑵ YMCAの会員、ユース、参加者、保護
者はもとより、他団体や行政も含め、対
象を幅広く想定し、YMCAの願いと働
きを伝える媒体として読みやすさを心が
け、運動・活動の活性化を促す問題提起
も行う。
主な特集記事:
4月号
「共生を願う営み YMCAの日本語教育」
(和歌山YMCA、姫路YMCA、北九州Y
MCA)
5月号
「ボランティアが中心となって運営するY
MCA」(熱海YMCA、金沢YMCA、松
山YMCA、沖縄YMCA、鳥取YMCA、
福知山YMCA)
6月号
「海外で学び、地域で生かす」
(北米留学、
横浜YMCA-韓国YMCA人事交流、AP
AYアドバンススタディ、海外青年協力隊)
7・8月号
「キャンプ90周年 受け継がれるYMCA
キャンプ」
(東京YMCA、大阪YMCA、
神戸YMCA)
9月号
「YMCA発達障がい支援事業の願いと取
り組み」
(東京YMCA西東京コミュニティー
センター・ASCAトランジッションクラス、
横浜YMCA湘南とつかYMCA・トライア
ングルクラスSTEP、名古屋YMCA)
10月号
「世界に連なるYMCA運動」
(巻頭言・国
連事務総長 潘基文氏、第17回世界YMCA
大会、ミャンマー・サイクロン被災地支援、
YMCA国際協力募金)
11月号
「
『生きる』こと、そして、今問われる『い
のち』の重み」第7回トップ・リーダーシップ・
セミナー(基調講演 阿部志郎氏、パネリス
ト 板野靖雄氏、上村香野子氏)
12月号
「YMCAのユーススポーツ」
(東京YMC
A・スイミング、横浜YMCA・サッカー、
名古屋YMCA・バスケットボール、熊本Y
MCA・体操)
1・2月号
「平和構築とYMCAの使命」
(韓国YMC
A全国連盟事務総長 李擧永氏、世界YMC
A同盟新総主事 ヨハン・ビルヘルム・エル
ツビック氏、台湾YMCA同盟・台北YMC
A総主事 デイビッド・H・リー氏、アジア・
太平洋YMCA同盟総主事 山田公平氏)
3月号
「
『公共』を担うYMCAの働き」
(東京Y
MCA・芝浦アイランド子ども園&児童高齢
者交流プラザ、横浜YMCA・三浦ふれあい
の村、大阪YMCA・里山自然学校 紀泉わ
いわい村、神戸YMCA・神戸市立体育館)
2.インターネットの活用
・電子メールによる情報配信
『YMCAインフォメーション』
31
電子メール版・FAX版 月刊 ス
タッフ・ポリシーボランティア等
『アジア・太平洋YMCA同盟ニュース』
翻訳ボランティア 山崎往夫氏(神戸
YMCA委員)
、伊藤剛士氏(APAY
ユース委員・京都大学YMCA)
、荒木
勇磨(APAYユース委員・学生YMC
Aシニア)
活動を行った。
・
「YMCAオリエンテーションシリーズ
1一粒の種が地にまかれ大きく枝をはる樹
となった」2010年 改訂初版
・
「YMCA運営シリーズ2 組織活性化へ
のアプローチ ~改訂版」2010年9月 改
定初版
・
「YMCAスタディシリーズ23 第7回
トップ・リーダーシップ・セミナー講演録
「生きる」こと、そして、今問われる「い
のち」の重み」
2011年1月 新刊
・
「
「引き算」で生きてみませんか」
2011年
1月 第8版
・世界YMCA/YWCA合同祈祷週パンフ
レット「女性が創りだす安全な世界」新刊
・2011年版YMCA手帳 新刊
電子メールによる情報配信
『YMCAインフォメーション』
・ホームページ
新着情報として募集や活動報告を積極的
に掲載し、国内、国際の活動を全国YMC
A代表の立場から広く社会に紹介するよう
努めた。
YMCA内部向けに出版活動を行った
ホームページを使い積極的な
募集・報告・発信を行った
<内部向け出版活動>
出版活動は引き続き、既刊の出版物の在庫
管理をするとともに、加盟YMCAへの受注
販売、YMCA内部向けのテキスト等の出版
32
史 料 室
内外のYMCA運動に関する先人の貴重な
足跡を体系化して保存する作業が本格化し、
未整理の史資料について分類・整理・データ
ベース登録および保存のプロセスが概ね整備
された。資料数・内容が膨大であるが新しい
ボランティアの加入もあり、作業が漸く軌道
に乗ることとなった。
また、過去にYMCAが実施した事業や人
物についての外部からの問い合わせにも多く
対応した。
史料室ワーキンググループ:齋藤総衛、田
中義宣、毛利俊雄、井口延、市川邦雄
33
YMCAユースファンド YMCA Youth Fund
2010年度ユースファンドは、
「課題を抱え
るユース支援プログラム」
「全国YMCAユー
スボランティアリーダーシップ育成支援プロ
グラム」「YMCA地球市民育成プロジェク
ト」への支援を積極的に行った。
【支援プログラム】
◆課題を抱えるユース支援プログラム
①仙台YMCA
就労支援塾 「チャレンジカフェ」 期間:4月1日~2011年3月31日 場所:仙台YMCA
内容:発達障がい等の理由により就職活動
のサポートを必要とする若者を対象
に、コミュニケーショントレーニン
グやカフェでの実践を通して、就労
支援を行った。
仙台YMCAチャレンジカフェ
②富山YMCA
Y’
sさくらカフェにおける出会いの場作り 期間:4月1日~2011年3月31日 場所:富山YMCAフリースクール、Y’
s
さくらカフェ
内容:課題を抱えた子どもや若者の就労支
援の場として、また不登校児童のフ
リースペースとして、カフェの活動
を行った。
③大阪YMCA
青少年のためのヒップホップダンス教室
期間:7月~2011年2月、年間20回 場所:大阪YMCA
内容:不登校や引きこもり経験のある若者
が、ダンスを通して自己と出会い、
34
仲間を得る中で、自信を回復する場
作りを行った。
④奈良YMCA
不登校・高校中退者サポート オルタナティ
ブスクール
期間:4月1日~2011年3月31日
場所:奈良YMCA
内容:4月に単位制・通信制高校をスター
ト。発達障がいなどの理由により、
従来の学校以外の場を必要とする青
少年を受け入れ、学習と成長のサ
ポートをした。
⑤岡山YMCA
YMCA里親ファミリーホーム開設
期間:4月1日~2011年3月31日
場所:岡山大学YMCA操山寮跡
内容:発達障がい等何らかの課題を持ち、
社会的擁護を必要とする子ども達を、
家庭的な環境の中でケアするための
施設開設に向けて、準備を進めてい
る。
⑥北九州YMCA
きらぴか体操クラス(発達障がい児対象)
期間:4月1日~2011年3月31日
場所:北九州YMCA
内容:発達障がい児を対象に、基礎体力づ
くり、コミュニケーションスキルを
身につけること等を通して成功体験
を積み、自信をもって進級できるよ
うなサポートを行った。
⑦福岡YMCA
不登校・高校中退者サポート オルタナティ
ブスクール開校
期間:4月1日~2011年3月31日
場所:福岡YMCA
内容:発達障がい等の理由により、従来の
学校以外の場を必要とする青少年を
受け入れサポートするため、
単位制・
通信制高校の2011年4月開校に向け
て準備を進めている。
◆全国YMCAユースボランティアリーダー
シップ育成支援プログラム ①前橋YMCA
北関東YMCA 発達障がい児プログラム・
夏期キャンプリーダートレーニング
期間:5月3日~5日
場所:前橋YMCA赤城キャンプ場
内容:発達障がい児を含む青少年を指導で
きるリーダー育成のため、北関東の
5YMCA(千葉・埼玉・茨城・と
ちぎ・前橋)のユースリーダー対象
にトレーニングを実施した。
北関東YMCA夏期リーダートレーニング
内容:ミャンマーのマンダレーYMCAに
て相互理解プログラムを実施した。
また、チャイルドケアセンターに日
本の絵本を持参。日本の文化紹介を
通しての交流を行った。
⑤岡山YMCA
表町大学
期間:4月1日~2011年3月31日 場所:岡山YMCA、表町商店街周辺
内容:若者が減りつつある表町周辺に活気
を取り戻すため、岡山ワイズメンズ
クラブ、岡山県ネイチャーゲーム協
会と協働し、若者向けの生涯学習活
動を展開した。
⑥日本YMCA同盟
第17回世界YMCA大会・ユースフォーラム
期間:7月17日~19日(ユースフォーラ
ム)
、
20日~25日
(世界YMCA大会)
場所:香港 ウーカイシャ研修センター
内容:世界YMCA大会に、日本のユース
16名を派遣。ワークショップや礼拝
における準備と進行、通訳等の様々
な役割を担い、リーダーシップを発
揮した。
②前橋YMCA
北関東YMCA野外教育スタッフトレーニン
グ
期間:第1回 11月30日~12月2日、
◆地球市民育成プロジェクト 第2回 2011年1月22日~24日
2010年度もYMCA地球市民育成プロジェ
場所:スノーパーク尾瀬戸倉スキー場、
クトにて、第2期生24名(ケニヤからの留学
尾瀬パークホテル
生1名、
中国からの留学生1名を含む)並びに、
内 容: 野 外 教 育 リ ー ダ ー 育 成 の た め の
「リーダートレーニング」の指導者
地球市民研修に参加の海外YMCAのユース
19名(韓国・香港・台湾・マカオ)を支援した。
を育てるために、北関東の5YMC
A共催で指導者養成の研修を行った。 <スケジュール>
4月~5月 募集・選考
③横浜YMCA
6月~7月 事前研修
(レポートの提出)
2010年 度 中 高 生 イ ン グ リ ッ シ ュ コ ミ ュ ニ
8月20日~26日
ケーション・プロジェクト
日本YMCA地球市民研修
期間:12月26日~29日
9月~ 研修後活動報告(報告会の
場所:YMCA国際青少年センター東山荘
内容:英語でのコミュニケーションを通し
実施・レポートの提出)
て、中高生がグローバルイシューを
2011年3月 日本YMCA地球市民認証
自分の課題として捉えること、相手
【幹事会】
の意見を聞く姿勢と自分の意見を伝
◆第4回幹事会
えるスキル等を学んだ。
④大阪YMCA
7月6日、
日本工業倶楽部にて
「第4回ユー
ミャンマースタディツアー
スファンド幹事会」を行った。ユース2名を
含む、18名が出席した。
期間:12月24日~31日
ここで、第1期生による「地球市民育成プ
場所:ミャンマー(ヤンゴン・マンダレー)
35
ロジェクト」並びに 「アジア・太平洋YMC
A同盟主催地球市民トレーナーズ・トレーニ
ング」 の参加報告が行われた。また、 課題を
抱えるユース育成支援として行われている、
福岡YMCAの不登校・高校中退者サポート
オルタナティブスクール開校準備の進捗状況
が報告された。
◆第5回幹事会
10月14日、駐日シンガポール共和国大使館
の協力のもと、
「第5回ユースファンド幹事
会」を行った。ユース2名を含む、21名が出
席した。
ここで、参加ユースによる「第17回世界Y
MCA大会」報告、
「2010年度地球市民育成
プロジェクト」研修報告が行われた。
【2010年度寄付】
・YMCA地球市民育成プロジェクト指定寄
付
1,955,000円
・指定寄付
3,850,000円
・一般寄付
1,940,150円
合計
7,745,150円
【2010年度プログラム支出】
・YMCA地球市民育成プロジェクト
4,200,527円
・課題を抱えるユース支援
7,230,000円
・ユースボランティアリーダー育成支援
5,092,500円
合計
16,523,027円
<指定寄付>
2010年度は、以下の8YMCAへ指定寄付
が寄せられ、ユース育成のために用いられ
た:北海道、仙台、埼玉、富山、滋賀、和歌
山、姫路、沖縄の各YMCA
<助成金>
ユースファンドを通して、財団法人倶進会
からは「YMCA地球市民育成プロジェクト」
に、東京ロータリークラブからは「全国YM
CA発達障がい児・者支援プログラム」に助
成金を頂き、それぞれのプログラムに用いら
れた。
36
法 人 業 務 General Affairs
<公益法人制度改革>
同盟は公益財団法人への早期移行をめざし
準備を進めてきたが、特別会計の取り扱いお
よび資産区分の変更等が必要となったため
2010年度決算時にて整理し、2011年度の申請
に備えることとなった。
<特定公益増進法人>
「特定公益増進法人(特増)
」認定が8月に
失効し、公益法人移行作業の遅れと相まって
結果的に募金者の皆様に多大な迷惑をおかけ
するに至ったことはまことに遺憾である。早
期に認定を受けるべく申請中である。
<文部科学省実地検査>
特増再申請の要件として2010年9月21日に
実施された主務官庁(同盟は文部科学省ス
ポーツ青少年局青少年課)による実地検査の
結果が12月7日に文書にて示され、概ね良好
であるが1点「改善を要する事項」が示され
たので改善を行い、その結果を文書にて報告
した。
<表彰・感謝>
全国YMCA運動に、様々な形でご奉仕い
ただいた方々に対する表彰・感謝の式が、6
月19日~20日開催の第120回同盟委員会の席
上で行われた。受賞者は、以下の通り。出席
した受賞者からYMCAへの熱い思いが語ら
れた。
25年継続会員賞:130名
50年継続会員賞:  34名
25年勤続者賞 :  19名
青少年奉仕賞 :  41名
感 謝 :  3名
特別功労賞 :  1名
合計:228名
第120回 同盟委員会
37
国際青少年センター東山荘 YMCA International Youth Conference Center
<運営状況>
2010年度の宿泊延べ利用人数は目標36,000
人に対して32,270人 で、89.64 % の 達 成 率 で
あった。不況に伴う企業利用の減少、大学を
中心とした学校利用の人数減が大きな原因
である。3月の東北大震災・計画停電による
キャンセルも大きく響いた。日帰り利用は昨
年に比べると実質増加となったが、近隣の学
校や子供会などを中心とした利用が増加した
結果である。このようなネイチャープログラ
ムを中心としたものに新しいネイチャーセン
ターが有効に使われている。また、クラフト
ルームの利用も活発に行われ、約2,000名近
い参加があった。ステップ研修をはじめとす
る全国規模の研修や集会でのYMCAの利用、
キリスト教関連・青少年育成団体の利用もこ
こ数年定着しており、東山荘本来の使命を果
たして行く上で大変感謝である。秋に初めて
東山荘で実施したチャリティーランも地元ワ
イズの協力により盛会の内に行われた。100
周年記念事業と募金活動によるディーンリー
パーメモリアルロッジも献堂式が行なわれ、
年間1,700名の利用者があった。
る要因になることが大きいことから、全体と
しての東山荘運営には大きく寄与していると
言える。
例年利用の顧客が、年度内に別形態で再度
利用されることも増えてきている。
(春の修
養会+夏の富士登山キャンプ、お泊り保育の
年度内複数利用など)
主催の四季のこどもキャンプは盛況である。
高いリピート率が子どもとその家族からの信
頼の度合いを示している。子どもが宣伝媒体
となる新規のプログラム利用客も増加してお
り、
ワークキャンプ等では、
保護者がメンバー
として加わることも増え、東山荘を核とした
新しいコミュニティーが育ちつつあることが
感じられる。
地域の学校との協働の機会も増えている。
スタッフが出向いてプログラム指導をするこ
とで、YMCAにより身近に親しんでいただ
く機会を設け、将来的に東山荘の利用を促す
機会であると捉えている。
年末年始家族パーティ
千本浜にて
ディーン・リーパー・メモリアルロッジ献堂式
<プログラム>
東山荘利用の主目的としてのプログラム需
要は高まっている。宿泊利用者のみならず、
地域の幼稚園・保育園、小学校、子供会、ス
ポーツ少年団等、日帰り利用団体へのプログ
ラム提供も増加している。プログラム単体と
しての収益が大きくない部分に改善の余地が
あるが、宿泊、食事、主催プログラム参加等
の利用と共に派生し、これがリピーターとな
38
<2010年度主催プログラム>
4/10
デイキャンプ・東山荘・花の集い
26名(新規)
4/24
デイワークキャンプ 春の巻 24名
5/1~3
こどもチャリンコキャンプ
29名(新規)
6/5~6
春のこども自然キャンプ 65名
7/24~25
夏のこども自然キャンプ 55名
8/9~10
こども英語キャンプ
29名(新規)
8/16~18
9/3~5
9/22~23
10/9~11
こども富士登山キャンプ 52名
おとな富士登山キャンプ 18名
こどもお月見キャンプ
35名(新規)
こどもチャリンコキャンプ2
20名
11/13~14 秋のこども自然キャンプ 42名
12/23
クリスマスデイキャンプ 37名
12/30~1/4 第45回年末年始家族パーティー
延747名
2/19~20
冬のこども自然キャンプ 66名
3/20
おやこ自然キャンプ
16名(震災により縮小開催)
早春おやこ自然キャンプ
<施設の整備>
大半の施設が建築後40年以上を経過し、
様々な部分の施設の改修が益々必要となって
いる。
4月の嵐で損壊したフィッシャー館の改修
を始めとして、1号館客室壁張替、高圧電気
ケーブル線張替、食堂製氷機交換、会議室エ
アコン交換、地下水ポンプ交換、立ち枯れ大
木伐採、等、緊急を要する改修が相次いだ年
でもあった。今後も、改修計画をしっかり立
てた上で、より良い東山荘作りを目指してゆ
きたい。
<研修・交流活動>
ここ数年引き続いているロータリー財団の
奨学生研修の受け入れを今年度も行ったが、
会場事務局の御殿場ロータリークラブとも併
せて良好な関係作りを目指してゆきたい。ま
た全国YMCAの職員研修としてのステップ
Ⅱ・Ⅲ、ユースファンドの実際の研修導入と
してのグローバルシチズンシップセミナー、
ワイズメンズクラブのユースコンボケーショ
ン、学Y夏季ゼミナール、YMCA農村青年
塾が実施された。YMCA同盟としての合同
職員研修では、東山荘を元気にするための話
し合いとワークショップを中心とした研修を
実施し、参加者自身の元気を増した。
<将来計画>
2015年の東山荘創立100年にむけての将来
計画は、グランドデザイン第1次計画を今年
度でほぼ終了し、新バーベキュー場の完成で、
いよいよ次の段階に入る。本館耐震・改築な
どを視野に入れた第2次計画の策定に取り掛
かってゆくが、世情を見極めつつ、環境とエ
コに充分配慮した東山荘の姿を現実化して
ゆきたい。100周年募金は募金申し込み総額
3,349万円となっており、大変感謝申し上げ
たい。
<ユースボランティア認証>
全国24のYMCAより735名のユースボラ
ンティア申請があり、東山荘運営委員会にて
認証を行った。1994年度から始まったこの認
証制度により、全国に12,333名の認証者が生
まれた。将来のYMCAのリーダーシップを
育てるひとつの取り組みとして今後も実施し、
有効なものとなるように検討を進めていく。
秋のこども自然キャンプ
39
特別受託事業 日高少年自然の家
日高少年自然の家は、和歌山県立煙樹海岸
自然公園内に位置し、海と山に面しており、
波静かな海でのカヌー、カヤック、海水浴、
豊かな自然の中でのハイキングなどの野外活
動を楽しみながら、豊かな情操と心身の健全
な育成を図る施設である。
特別受託事業として開始した運営(1期
3年)2期目の最終年度目となる2010年度
は、東日本大震災よる主催事業の中止や利用
団体のキャンセルが有り、3月は全く利用が
無かったが、天候に恵まれ、近隣の学校利用
の増加や秋の利用団体の増加があり、賑わい
をみることができた。堺市内外の学校
(団体)
を中心に臨海学校やオリエンテーション合宿
の場として、主催事業や家族利用による家族
の憩いの場としての利用も増えてきている。
1.2010年度利用実績
小中学校
193校
青少年団体他 58団体
家族・グループ利用 4グループ
総利用者
20,793名
延べ宿泊数
45,543名
カヌー、カヤックは子ども達に人気
40
大人数でも心を一つに
キャンドルファイアーのプログラム
2.自主事業プログラム
総参加者
741名
5/3~5
家族のつどい
「ファミリー磯釣り」
134名
7/4~8/29 家族のつどい
「ファミリーアウトドアキャンプ村」
346名
8/13~15 家族のつどい
「夏の日高へ」
160名
8/19~20 こどものつどい
「堺・日高少年交歓会」
40名
9/11~12 こどものつどい
「釣り体験キャンプ」
33名
10/9~10 家族のつどい
「秋のファミリーキャンプ」
18名
11/13~14 こどものつどい
「秋のネイチャーキャンプ」
10名
3/12~13 家族のつどい
「みかん狩りファミリーキャンプ」
震災のため中止
3/25~27 こどものつどい
「エンジョイスプリングキャンプ」
震災のため中止
日本YMCA主事退職金中央基金・職員年金基金
主事退職中央基金・職員年金基金は、YM
CAに働く者を支える大切な役割を担ってい
る。基金は、包括一括信託にて運用している
が、内外の厳しい投資環境にもかかわらず資
金運用委員会の適切な対応により、当初予算
を上回る運用利回りが確保できたことは、 感
謝である。
2010年度新規登録者が増加したが、定年退
職以外の中途退職者も増加し、年度末登録者
数は3年間同数となった。また、両基金およ
び互助会では、本年度規程改定が行われたた
め、これに関する周知徹底を目的とした年金
担当者会も実施され円滑な業務推進が図られ
た。
職員年金基金
2010年度の新規加入者は63名、脱退者は
69名で、期末の加入者総数は838名である。
次年度の新規加入者総数は64名で2011年度
期首の総数は902名となる。正味財産は、△
8,238,853円で減少した。
職員互助会
傷病見舞金・療養給付金は、昨年に比べ増
加傾向にある。また厚生貸付金・住宅貸付金
の貸付も増加した。
主事退職金中央基金
2010年度の新規登録者は16名、脱退者は16
名で、このうち60歳に達した脱退者が4名い
た。年度末の登録者数は170名である。次年
度の登録者申込者は8名で2011年度期首の総
数は178名となった。正味財産は、3,815,910
円増加した。
41
国際賛助会 Foreign Community Support Committee(FCSC)
国際賛助会(Foreign Community Support
Committee)は、日本に住む外国人と大使に
より、YMCAの経済的支援を目的に1958年
に設立されたボランティア組織で、現在は4
名の駐日大使と21名のビジネス・エグゼク
ティブの方々により運営されている。
全国23のYMCAで実施する「肢体・知的・
発達障がい児」のためのプログラムと不登校
の子どもたちを対象とするフリースクール・
プログラムを支援している。
1.イベント
◎チャリティ・コンサート
国際賛助会の名誉会員であるマレー・マク
レーン駐日大使のご好意により、オーストラ
リア大使館において7月8日にチャリティ・
コンサートを実施。
ヴァイオリニスト川畠成道氏、琴奏者の
馬場信子氏の演奏に約130名のゲストが来場、
約70万円の収益となった。
約130名のゲストが来場したチャリティ・コンサート
◎チャリティ・ボール(ダンス&ディナー・
パーティ)
11月6日にフォーシーズンズホテル椿山荘
を会場に、チャリティ・ボールを実施。160
名のご来場者があり、参加費、オークション、
ラッフル抽選会の売上金により約150万円の
収益となった。
◎インターナショナル・チャリティ・ラン
2010年5月~12月において、全国16カ所の
YMCAで開催。ランナー・ボランティア・
観客を合わせて12,659名が参加。約2,500万円
の収益となった。
チャリティ・ランは今年度は
全国16のYMCAで開催された
2.コーポレート・スポンサーシップ
三菱商事株式会社/YMCAインターナ
ショナルチャリティラン・全国スポンサー
クレディ・スイス証券株式会社/埼玉YMC
A特別支援プログラム支援
ゴールドマン・サックス証券株式会社/形成
外科的先天異常による障がい児プログラム支
援
ジョンソンコントロールズ株式会社/事業所
近隣の全国14カ所YMCAへの経済的支援
ステートストリート株式会社/フリースクー
ル、フリースペース・プログラム支援
米国商工会議所(ACCJ)/東京YMCA
発達障がい児キャンプ支援
東京アメリカンクラブ婦人グループ/東京Y
MCA知的障がい児キャンプ支援
3.その他の寄付
◎メルセデスベンツ・ジャパン、◎クラフ
ト・ゴルフグループ、
◎デンマーク商工会
議所
チャリティ・ボールは参加費他で
約150万円の収益となった
42
FCSC 2010年度収支
名 目
収 入
主催イベント
支 出
差 額
12,052,473
4,678,138
7,374,335
2010年度チャリティ・ラン
5,967,233
717,326
5,249,907
チャリティ・コンサート
1,170,000
514,668
655,332
チャリティ・ボール
4,915,240
3,446,144
1,469,096
0
0
その他イベント
536,291
121,910
414,381
メルセデスベンツ・ゴルフカップ
117,000
0
117,000
DCCJクリスマスビア・イベント
311,000
0
311,000
その他
108,291
121,910
△ 13,619
0
20,211,291
397,835
19,813,456
クレディ・スイス証券株式会社
3,090,000
0
3,090,000
ACCJ(米国商工会議所)
2,000,000
0
2,000,000
東京アメリカンクラブ女性グループ
663,750
0
663,750
ジョンソンコントロールズ株式会社
1,953,961
0
1,953,961
三菱商事株式会社
4,000,000
0
4,000,000
その他
コーポレート・スポンサー
ゴールドマン・サックス証券株式会社 ※
ステートストリート信託銀行株式会社
983,580
0
983,580
CRAFT
1,020,000
0
1,020,000
その他
6,500,000
397,835
6,102,165
0
0
22,558,860
△ 22,558,860
その他の経費
1,178,762
△ 1,178,762
日本YMCA同盟への10%
3,240,864
△ 3,240,864
0
32,800,055
32,176,369
623,686
全国23YMCA障がい児プログラムへの寄付分配金
合計
※ご希望により金額は掲載せず チャリティ・ラン(横浜YMCA)
43
助 成 ・支 援
(財)日本宝くじ協会
日本各地のYMCAにおいて、地域奉仕活
動や各種イベントの開催を通じた青少年プロ
グラムの円滑実施、地域サービスの充実のた
めの集会用テントに対して財団法人日本宝
くじ協会から総額9,000,000円の助成を受けた。
集会用テントは全国17YMCAの41拠点に2
号型テント3張、4号型テント10張、また、
折りたたみ式集会用テントT-33型11張、T-36
型24張の合計48張が新たに配置された。各Y
MCAの地域センター、野外キャンプ場、保
育園や幼稚園の現場から、テントを活用した
プログラムを通しての、地域社会との連携の
強まり、交流の活性化が報告されている。
日本宝くじ協会から助成を受けたテントで運動会を楽しむ
(北海道YMCA)
44
ワイズメンズクラブ国際協会
YMCAの活動をサポートする目的で設立
されたワイズメンズクラブは、現在、東日本
区・西日本区の2区、16部、157クラブとな
り、
会員総数は2,875名(2011年1月1日現在)
となっている。
今期は、
「全国YMCA国際研修会」
「第16
回学生YMCAインドスタディキャンプ参加
費補助」
「地球市民育成プロジェクト2010東
山荘参加者交通費補助」
「中日本地区グロー
バル研修会参加交通費補助」
「第38回学生Y
MCA夏期ゼミナール」
「第41回全国リーダー
研修会参加旅費補助」として東西日本区から
総額200万円の支援をいただいた。また、8
月に行われた横浜国際大会では、世界各国か
ら1,422名が集まり、参加者、担当主事らが
交流のときを持った。メネット事業の一環と
して、東日本地区YMCAのチャイルドケア
プログラムへの絵本寄贈の支援をいただいた。
また、各地のYMCAのチャリティーラン
はYMCAとワイズメンズクラブの共催で開
催されており、全国16会場で開催された。今
後も価値が共有され、ますます開催地域が拡
大することが望まれている。
YMCAにとってワイズメンズクラブの存
在は非常に重要であり、全国YMCA主事研
修STEPⅡの中で「YMCAとワイズメン
ズクラブ」として双方のパートナーシップに
ついて講義が行われている。これからも相互
の理解を深め、連携を保っていきたい。
関係団体報告
世界YMCA同盟
(World Alliance of YMCAs)
アジア・太平洋YMCA同盟
(Asia and Pacific Alliance of YMCAs)
世界同盟は、1855年パリで各国代表が集ま
アジア・太平洋YMCA同盟は27の国と地
り、パリ基準をその共通の使命として採択し
域から構成されている。アジア・太平洋YM
た。現在は、世界YMCA同盟には125の国
CA同盟には常務委員会及び8つの下部委員
と地域のYMCAで構成され、4,500万人の
会があり、年1回の常務委員会を3月香港で
会員を有している。ジュネーブに本部を置き、 行い、委員会も同時開催されている。常務委
国連の認めるNGOの一つとして登録されて
員は約30名で、役員のほか、各YMCAから
いる。また、YMCAは世界の6大青少年団
1名ずつ選出されている。前総主事イップ・
体(YWCA、スカウト、青少年赤十字など
コック・チュン氏(マレーシア)が2008年10
と共に)としても国連に登録されている。世
月に急逝し、2009年7月より総主事として山
界YMCA同盟総会(World Council)は4
田公平(当時日本YMCA同盟総主事)氏が
年ごとに行われ、常務委員や役員、総主事の
就任。積極的に加盟国のYMCAを訪問して
任期も4年となっている。2010年7月に香港
活動状況を把握し、運動強化の仕組みとして
で行われた第17回世界YMCA同盟総会で新
PSG(Partner’
s Support Group)
、APP
しい体制が選出された。
(APAY Partner’
s Project)がスタートした。
ケン・コロトン会長(米国)
、
フェルナンド・
常務委員会下に8つの委員会が組織されてお
オンダルザ副会長(メキシコ)
、ヘレン・マッ
り、日本からは山本俊正氏(日本YMCA同
クウェン財務(ニュージーランド)が体制と
盟常議員)が「YMCAミッションと現代社
なり、総主事には、バート・シャッハ氏に代
会との関連」
、黒澤伸一郎氏(横浜YMCA)、
わりヨハン・ビルへルム・エルツビック氏
伊藤剛士氏(京都大学YMCA)
、荒木勇磨
(前ヨーロッパ同盟総主事)
が就任した。今後、 氏
(九州大学YMCA)
、
新たに橋崎頼子氏
(神
リソース・モビリゼーションと運動強化、Y
戸YMCA)
を
「ユースの参画とリーダーシッ
MCAブランドの向上などが進められる。
プ開発」
、中村あずさ氏(日本YMCA同盟
世界YMCA同盟の常務委員の一人として、 常議員)を「ジェンダーの公正」に派遣して
同盟常議員の長尾ひろみ氏が再選されアジ
いる。
ア・太平洋地域と日本の声を反映させている。 2010年度アジア・太平洋YMCA同盟負担
2010年度世界YMCA同盟負担金85,000ス
金は46,000USドル(約400万円)
イスフラン(約710万円)
45
社団法人 中央青少年団体連絡協議会
(中青連)
中青連は、1951年に制定された世界人権宣
言の精神に基づき、国内及び国外の青少年団
体相互の連絡と連携を図り、青少年活動の発
展に寄与することを目的として設立された。
その目的のために、全国組織を有し、かつ活
動を展開する主要な青少年団体の連絡調整の
ための機関として設立され、YMCAはこの
発足時に発起人として関わっている。
その後、1990年には、社団法人として認可
されており今日に至っている。現在は、正会
員21団体と協力育成会員団体により構成され
ている。団体相互の連絡協力を図るとともに、
青少年教育に関する情報の収集や提供等を行
い、それらに関する事業を通じて青少年団体
活動の発展を図り、そのことにより生涯学習
の振興に寄与することを目的としている団体
である。YMCAは、発足以来、理事などの
要職を担ってきている。中青連における研修
会や各委員会に参加することにより、行政や
他団体の青少年活動に関しての情報や学びを
得ることが全国のYMCA活動にとって有益
となっている。また同時に、各団体との交流
を通じてネットワークが広がり、新たな協力
関係や協働での事業推進、支援者の獲得など
全国のYMCA運動にも貢献している。
この年度には、以下の諸事業にYMCAと
して参画した。
1.「少年少女自然体験交流―ミクロネシア
諸島自然体験」に1名のスタッが国際交流
委員会委員長として担当した。
2.青少年の国際交流に関する事業として
「日
韓青少年交流事業」の受入を行った。
3.内閣府青年国際交流事業として、青少年
社会活動コアリーダー育成プログラムの受
入を同盟にて行い、ドイツ、ニュージーラ
ンド、英国からの参加者に対して職員がレ
クチャー並びに交流を行った。
4.国際委員会に同盟職員が参加し、国際交
流事業の受入協力や受入プログラムの検討
を行った。
46
世界学生キリスト教連盟(WSCF)
世界学生キリスト教連盟は1895年に世界の
学生キリスト教運動(SCM)によって結成
され、日本の学生YMCAは、日本のエキュ
メニカルな学生・青年キリスト教運動の窓口
となり、WSCFアジア・太平洋地域との連
帯を強め、その活動に参加・協力している。
7月18日~27日、インドネシア・マナドで
行われたアジア・太平洋地域委員会(隔年行
われる意思決定会議)に、日本から佐々木美
都氏(中央大学YMCA・4年)を派遣した。
また、2011年3月5日~10日、地域女性コー
ディネーターのスニータ・スナ氏を日本に招
聘し、
「ジェンダーを考える、ジェンダーの
意識を超える、
変化を求めて行動するために」
をテーとしたワークショップを行い、約25名
の学生・シニア・関係者が参加した。
また、2010年7月に逝去された塩月賢太郎
氏の名前を付した基金が、WSCF世界オ
フィスのファンドレイズタスクで準備された。
SCM協力委員会
日本の学生YMCA、在日本大韓教会、日
本キリスト教団教育委員会、聖公会、神戸・
名古屋学生青年センターなどで構成する。近
年は日本キリスト教協議会(NCC)青年委
員会を中心とする学生・青年によるエキュメ
ニカルな取り組みとも連動し、日本YMCA
同盟学生部委員会も協力団体として「学生青
年エキュメニカル協議会」を行っている。
SCM釜ヶ崎・生野現場研修も33回目を迎
え、学生YMCAのメンバーが参加した。
日本キリスト教協議会(NCC)
NCCは、1923年に「日本基督教連盟」と
して成立した。日本の福音主義と認められる
キリスト教諸団体を以って組織され、日本に
おけるキリスト教運動の親和協同を図り全世
界のキリスト教会と一体した活動を目指した。
国家の宗教政策の下で1941年に日本基督教団
が設立されると共に解散されたが、これが現
在のNCCの前身である。日本基督教連盟は、
戦後、日本基督教団から旧教派の教会が離脱
することによって、再び国内の教会間の連絡
役と海外の教会との窓口が必要となり、1948
年に日本基督教協議会ができた。ここでは、
教会だけの集りではなく、教会(教団)とキ
リスト教関係団体を含んでおり、33の正加盟
と准加盟の教会(教団)
・団体によって構成
されている。NCCは、1948年の設立から数
えて1998年に50年を迎えた。世界の多くのN
CCが「教会協議会」と呼んでいるのに対し
て日本のNCCは「キリスト教協議会」と呼
ばれる。キリスト教(者)が少数者である社
会の中で、教会・キリスト教関係団体が共に
宣教の課題を担っていくことを目ざしている。
NCCは、日本国家によるアジア・太平洋地
域への侵略戦争に協力した日本基督教連盟か
ら続く過去の歴史を自らのものとして受け止
め、神とアジア・太平洋地域の人々になした
罪責を告白し、正義と信頼に基づいた平和な
関係を築く努力を続けている。また、弱くさ
れた人々、苦しみにある人々との「いのちの
痛みに」共感する生き方を求めていく。NC
Cの活動は、
「一致」
「平和」
「人権」
「国際関係・
国際協力」「諸宗教との対話協力」などによ
り進められる。NCCの組織には、複数の委
員会が運営されており、日本YMCA同盟か
ら複数の委員会に職員が委員として参加して
いる。また、常任常議員、常議員としても参
加し、外へ向けた活動の推進に寄与している。
47
委 員 会 報 告
財団理事会・同盟常議員会・同盟委員会
■財団理事会
開催日:2010年5月22日(土)
・6月20日(日)
・7月31日(土)
・11月6日(土)
11月26日(土)
・2011年1月29日(土)
・3月5日(土)
主な報告・議題:
<第284回> ①2009年度日本YMCA同盟事業報告の件
②2009年度日本YMCA同盟決算の件
③同盟次期役員候補者及び任期に関する停止条件の件
④モデル会則および同盟規則の件
⑤同盟委員変更の件
⑥表彰・感謝確定の件
⑦第120回同盟委員会の件
⑧第121回同盟委員会・第1回同盟協議会の件
⑨同盟機能・機構負担金検討委員会の件
⑩その他
<第285回> ①連絡YMCA認証の件
②同盟委員承認の件
③推薦同盟委員選任の件
④財団法人日本YMCA同盟常議委員選任の件
⑤公益財団法人移行申請の件
<第286回> ①理事長、副理事長及び常務理事選任の件
②運営委員・常置委員ならびに特別委員選出の件
③振興資金貸付および返済に係る件
④その他
<臨 時> ①神戸YMCA振興資金貸付の件
②緊急協力資金規定変更の件
③神戸YMCA緊急貸付の件
④その他
<第287回> ①早稲田会館登記の一部変更の件
②振興資金の件
③公益法人移行申請に係る件
④研究所委員追加選任の件
⑤その他
<第282回> ①2011年度日本YMCA同盟事業方針・計画案の件
②2011年度日本YMCA同盟予算案の件
③文部科学省実地検査指摘事項改善報告の件
④日本YMCA同盟公益法人移行計画の件
⑤振興資金申請の件
⑥ユースファンドの報告および感謝会の件
⑦加盟退除・組織検討委員の件
⑧その他
<第289回> ①特別事業資金規程の廃止の件 ②2010年度決算見通しと予算補正の件
48
③振興資金供与申請の件
④特定公益増進法人再申請に伴う手続きの件
⑤2011年度日本YMCA同盟事業方針・計画案の件
⑥2011年度日本YMCA同盟予算案の件
⑦次年度人事の件
⑧公益法人移行計画の件
⑨大学YMCA加盟の件
⑩第121回同盟委員会の件
⑪日本YMCA大会運営委員会の件
⑫その他
■同盟常議員会
開催日:2010月5月22日(土)
・6月20日(日)
・7月31日(土)
2010年11月26日(土)
・2011年3月5日(土)
主な報告・議題:
<第316回> ①2009年度日本YMCA同盟事業報告の件
②2009年度日本YMCA同盟決算の件
③同盟次期役員候補者及び任期に関する停止条件の件
④モデル会則および同盟規則の件
⑤同盟委員変更の件
⑥表彰・感謝確定の件
⑦第120回同盟委員会の件
⑧第121回同盟委員会・第1回同盟協議会の件
⑨同盟機能・機構負担金検討委員会の件
⑩その他
<第317回> ①連絡YMCA認証の件
②同盟委員承認の件
③推薦同盟委員選任の件
④財団法人日本YMCA同盟役員選任の件
⑤公益財団法人移行申請の件
<第318回> ①常議員会議会、副議長選任の件
②運営委員・常置委員ならびに特別委員選出の件
③振興資金貸付および返済に係る件
④その他
<第319回> ①早稲田会館登記の一部変更の件
②振興資金の件
③神戸YMCA緊急支援の件
④公益法人移行申請に係る件
⑤研究所委員追加選任の件
⑥その他
<第320回> ①特別事業資金規程の廃止の件
②2010年度決算見通しと予算補正の件
③振興資金供与申請の件
④特定公益増進法人再申請に伴う手続きの件
⑤2011年度日本YMCA同盟事業方針・計画案の件
⑥2011年度日本YMCA同盟予算案の件
49
⑦次年度人事の件
⑧公益法人移行計画の件
⑨大学YMCA加盟の件
⑩第121回同盟委員会の件
⑪日本YMCA大会運営委員会の件
⑫その他
■同盟委員会
開催日:2010年6月19日(土)~20日(日)
主な報告・議題:
①2009年度同盟事業報告および決算報告の件
②2010年度同盟事業方針・計画および予算の件
③次期同盟役員・常議員候補者推薦の件
④第121回同盟委員会(第1回同盟協議会)日程の件
⑤その他
運営委員会
■東山荘運営委員会
開催日:2010年7月24日(土)
・12月17日(金)
主な報告・議題
<第1回> ①東山荘運営状況報告
②100周年記念事業第1次計画進捗状況について
<第2回> ①東山荘運営状況報告
②東山荘次年度計画について
③ユースボランティア認証について
主事退職金中央基金・職員年金基金運営委員会・審査委員会・資金運用委員会
■運営委員会
開催日:2010年5月19日(水)
・9月30日(木)
・2011年1月12日(水)
・3月2日(水)
主な報告・議題:
<第1回> ①2009年度事業・決算報告の件
②2009年度監事報告
<第2回> ①2010年4月~8月事業・決算報告の件
②2010年10月職員年金基金新規加入の件
<第3回> ①2010年4月~12月事業・決算報告の件
②2011年度予算の件
③制度検討委員の件
<第4回> ①2010年4月~2011年1月事業・決算報告の件
②2011年4月主事退職金中央基金・職員年金基金新規加入の件
■資金運用委員会
開催日:2010年4月19日(月)
・5月19日(水)
・6月25日(金)
・7月26日(月)
9月22日(水)
・10月29日(金)
・11月22日(月)
・12月27日(月)
2011年1月24日(月)
・2月24日(木)
・3月18日(金)
50
主な報告・議題:包括信託資金運用報告確認
常置委員会
■国内協力委員会
開催日:2010年7月3日(土)
・9月11日(土)
・12月4日(土)
・2011年2月19日(土)
主な報告・議題:
<第30回> ①加盟YMCA現況報告と支援策の協議
②日本YMCA振興資金 現状報告と申請の件
③リーダーシップ発展資金 報告と申請の件
<第31回> ①加盟YMCA現況報告と支援策の協議
②日本YMCA振興資金 現状報告と申請の件
<第32回> ①加盟YMCA現況報告と支援策の協議
②日本YMCA振興資金 現状報告と申請及び規程見直しの件
③リーダーシップ発展資金 報告と申請の件
<第33回> ①加盟YMCA現況報告と支援策の協議
②日本YMCA振興資金 現状報告と申請の件
■国際協力委員会
開催日:2011年1月25日(火)
主な報告・議題:
<第23回> ①日本YMCA同盟全般報告
②2010年度YMCA国際協力募金報告
③YMCA国際協力資金の件
④アジア・太平洋YMCA同盟報告等
⑤世界YMCA同盟報告等
⑥YMCA地球市民育成プロジェクト
⑦2011年度日本YMCA同盟国際事業の件
⑧YMCA地球市民国際フォトコンテスト
⑨二国間関連他
■学生部委員会
開催日:2010年7月3日(土)
・2011年2月6日(土)
主な報告・議題:
<第101回> ①学生YMCAの伝えるキリスト教とネットワーク
②全国学生YMCA夏期ゼミナール
③学生YMCA寮運営関連
<第102回> ①新設・再興学生YMCA継続支援と今後の展開
②九州ルーテル学院大学加盟の件
③学生YMCA寮運営関連
④2011年度方針・計画について
■加盟退除・組織検討委員会
開催日:2011年2月9日(水)
主な報告・議題:
<第1回> ①委員長選任
51
②鹿児島YMCA加盟申請の件
③モデル会則について意見交換
■研究所委員会
開催日:2010月6月4日(金)
・11月15日(月)
・2011年2月7日(月)
主な報告・議題:
<第23回> ①トップ・リーダーシップセミナー開催について
②ジェンダー委員会報告
③2010年度主事資格認定委員会報告
④日本YMCA同盟スタッフ研修について
⑤『オリエンテーションシリーズⅠ』改訂版発行
<第24回> ①職員研修システムについて
②プログラム統計調査の実施について
③研究所派遣の海外スタッフ研修について
④2010年度研修実施状況
⑤『組織活性化へのアプローチ~改訂版』発行の報告
<第25回> ①研究所委員会の位置づけと役割について
②2011年度ステップⅡカリキュラムの件
③ステップⅢについて
④2011年度研修計画(案)の件
⑤2011年度研究所年間予定(案)の件
⑥トップ・リーダーシップ・セミナー講演録 発刊について
⑦それぞれの日本YMCA運動史PartⅡ 発刊について
日本YMCA主事資格認定委員会
開催日:2010年5月14日(金)
主な報告・議題:
2009年度申請の主事資格審査
他の委員会
■東山荘創立100周年記念募金委員会
開催日:2010年7月24日(土)
・12月17日(金)
<第5回> ①100周年募金進捗状況について
②100周年募金今後の進め方について
<第6回> ①100周年募金進捗状況について
②100周年募金今後の進め方について
■ジェンダー委員会
開催日:2010年5月8日(金)
主な報告・議題:
<第1回> ①セクシャル・ハラスメント相談窓口研修会評価
②ジェンダー委員会ふりかえり
③第2回YMCA女性スタッフ対象研修
52
■同盟機能機構・負担金検討委員会
開催日:2011年2月28日(月)
主な報告・議題
<第1回> ①委員長選任
②同盟負担金の件
③同盟機能についての意見交換
■表彰委員会
開催日:2010年5月22日(土)
主な報告・議題:
<第1回> ①受賞者選考の件
②表彰授与式の進め方について ■寮関係者協議会
開催日:2010年5月22日(土)~23日(日)
主な報告・議題:
<第1回> ①各学生YMCA寮の現況
②公益法人制度改革に関する状況報告
③学生YMCA寮の将来像についての意見交換
④学生YMCA寮運営事例の学び(京都大学YMCA)他
53
日本のYMCA現勢
2010年6月1日
世界の国・地域YMCA 125
日本加盟・登録YMCA 35(同盟含む)
上記YMCAが運営している法人・団体
・財団法人
27
・学校法人
14
・社会福祉法人
10
・NPO法人
4
・任意団体
6
学生YMCA
37
プログラム会員数(野外活動、教育事業の年間登録会員)
賛助会員〔個人〕
(YMCAの目的に賛同し、会費を支払い支えて下さった方)
賛助会員〔法人〕
140,269名
9,983名
699法人
職員・教員(常勤)
職員・教員(非常勤)
ポリシーボランティア(方針決定に関わるボランティア)
ユースボランティア(野外活動、青少年活動、障がい児、国際などのプログラムで
子どもたちを指導するボランティア)
予備校
197
3
学習クラス
16
日本語学校・教室
26
語学学校・外国語教室
66
5,229名
老人ホーム・グループホーム
6
デイサービスセンター
在宅介護支援センター
(相談業務)
在宅介護・看護センター
11
29
8
4
チ ャ イ ル ド オルタナテ
ケア ィブ教育
福祉系学科
8
医療系学科
4
社会体育系学科
9
介護予防プログラム
軽度発達障がい児対応
(LD児他)
障がい児プログラム
(野外・プール・アート)
ウエルネスセンター
語学・ビジネス系学科
8
キャンプ・野外活動
ホテル・観光系学科
7
キャンプ場・キャンプ施設
24
その他の学科
7
研修センター
12
発達支援
専 門 学 校
54
高 齢 者 ケ ア
YMCA地域活動センター等
2,540名
3,862名
1,775名
58
46
62
103
幼稚園
14
ホテル・貸会議室・ユースホステル
15
認可保育園
28
国際活動
66
チャイルドケア
45
賛助会
17
アフタースクール
41
地域活動・ボランティアセンター
フリースペース・スクール
単位制高校・技能連携校
インターナショナルスクール等
7
10
4
101
生涯学習・文化教室・聖書研究
89
その他
17
(同盟含む)
2011年度日本YMCA同盟方針・計画
ざかり、倫理観・学習意欲を持てず、無気力
に育っていることが問題になっている。また、
2011年度方針
「無縁社会」という言葉で現代の社会が描か
れ、児童虐待や家族間の絆の崩壊など、人と
「目を覚ましていなさい、
信仰に基づいてしっ
人との繋がりが希薄となった日本社会の問題
かり立ちなさい。雄々しく強く生きなさい。
がクローズアップされてきた。
何事も愛をもって行いなさい。
」
こうした中で、全人的な成長を目指すYM
(コリントの信徒への手紙一 16:14)
CAとしては、子どもたちが自然の中で遊び
育つ「時間と空間」を取り戻し、家族の絆と
【方針】
地域社会の人と人との繋がりを支援し、環境
2011年度は同盟4カ年中期計画の最終年度
や平和など地球規模の課題から社会を変革す
にあたる。同盟中期計画は、
「青年のために、
る地球市民の育成に、総力で取り組んで行か
青年と共に」をテーマにユースリーダシップ
なければならない。そのために、全国YMC
の育成を最重点課題に掲げ、公益法人改革へ
A戦略会議・総主事会議等で、YMCAが取
の移行、任意(ボランティア)組織によるキ
り組むべき日本社会の課題と目標・役割を明
リスト教青年運動の一致、加盟YMCAの強
確にし、行政・企業・NPO等とも協働して
化等を目標に取り組んできた。
青少年への取り組みを推進して行きたいと考
中期計画を3年経過した中で、YMCAに
えている。
関わる最も大きな出来事は、言うまでも無く
中期計画では、日本YMCA同盟が、全国
2008年12月に施行された公益法人改革とリー
加盟YMCAに先駆け公益法人への移行を計
マンショック後の長期化する円高とデフレに
画してきたが、加盟YMCAとは事業形態が
よる不況である。全加盟YMCAの財政状況
異なり、特定資産の会計処理方法など幾つか
は、財団法人で収入が減少し、収支差はマイ
解決しなければならない課題があり、申請予
ナスとなっている。学校法人でも、収入が減
定がずれ込んでいる。同盟としては、2010年
少し、収支差はマイナス傾向が続いている。
度決算を新法人の会計方式に変更し、決算手
加盟YMCAの財政や事業の状況は、少子高
続き等の終了後に申請し、2012年4月には公
齢化による社会・経済の環境変化、柱となる
益法人として移行出来るよう計画を修正する。
事業の不安定性、公益法人移行問題等が加わ
従って、2011年度中の公益法人の移行申請を
り、大変厳しい現状にある。
確実に行っていきたい。
全国YMCA総主事会議は、このような状
全国のYMCAでは、2010年末に大阪YM
況に対して、2011年度から3カ年かけて集中
CAが公益法人認可を得ることができ、4月
的に対応して行くため、緊急3カ年戦略計画
には、YMCAとして始めての公益認定法人
を策定することを決断した。
がスタートする。また、神戸・東京・熊本・
社会では今日、経済の先行き不安な中で大
京都などのYMCAが引き続いて認可を得る
学卒業者の就職率は、2010年末時点でも60%
ことになる見込みである。しかしながら、法
台と低い水準で、前年度と比較すると過去最
人移行をひかえ、中小YMCAにとっては、
大の下げ幅となり、若者の将来に対する不安
組織整備、財務体質や事業基盤の強化等の課
感は増大している。一方で就職した若者に対
題を始め、移行準備等の作業が十分進んでい
して、企業は、コミュニケーション力の低下
ない状況もうかがわれる。先行YMCAの事
に問題がある等の指摘があり、人との交わり
が苦手な、孤立した若者の姿が浮かんでくる。 例を踏まえ、緊急3カ年計画等により、相互
の協力・支援によって対応を急ぎたい。
昨年末、全国の成人を対象とした調査で、
公益法人移行に伴い、加盟YMCAの機関
幼少期に自然の中で遊んだ経験とその後の学
設計及び会則・規則等が変更される。公益法
歴・年収には相関関係が見られるという調査
人制度改革に伴い、全てのYMCAが移行す
結果が発表された。子どもたちが自然から遠
55
る2013年までの3年間は、公益又は一般財団
法人として認可を得たYMCAと特例民法法
人のままでのYMCAが混在する。したがっ
て、同盟には、法人移行を済ませ新たに任意
組織としての会則・規則を整備したYMCA
と特例民法法人として従来どおりの寄付行為
施行細則による会則で規定されたYMCAと
が混在して加盟する形になる。
さらに従来、同盟では、それぞれのYMC
Aが「任意団体」であるキリスト教青年会と
して加盟していくという方針であったが、各
YMCAの歴史・組織作りの経緯、適用法制
度等によって、法人と運動の関係を規定する
あり様が異なってきている。代表理事を総主
事とするか否かという機関設計に対する、考
え方も一律ではない。こうした組織が多様化
する中で、同盟としては、この3年間をYM
CA運動の一致を目指しつつ、それぞれの機
関設計、会則・規則に対する加盟のための基
準や条件を整備して行く必要がある。
2013年には、各YMCAの移行申請が終了
し、全国YMCAが新たな法人格として足並
みを揃えて再スタートすることになるが、こ
の2013年は、同盟にとっても、結成110周年
と重なる年でもある。
2011・2012年の両年度は、全国の加盟YM
CAの新法人移行期間として、また同盟110
周年に向けての準備期間として位置づけし、
YMCAのミッションを再確認しつつ、日本
YMCAの新たなブランド戦略の策定を目指
しつつ、2013年度からスタートする新たな中
期4カ年計画の策定作業に着手して行きたい。
【重点目標】
Ⅰ.全国加盟YMCA運動強化のための緊急
3カ年計画の策定と推進
1)振興資金供与による財政支援
2)公益法人移行支援と人事交流の促進
3)共同プロジェクトの実施支援
Ⅱ.YMCA運動としての組織整備
1)YMCAミッションの共有化-日本Y
MCA大会の実施
2)モデル会則・規則及び加盟基準の整備
3)全国加盟YMCA新規則・会則の確認
56
Ⅲ.ユース支援の継続強化
1)地球市民育成プロジェクト3年目の実
施と評価
2)ユースファンドの推進
3)学生YMCA支援の継続
Ⅳ.同盟公益財団法人移行申請の確実な実行
Ⅴ.国際青少年センター東山荘経営強化と環
境に配慮したグランドデザインの見直し
2011年度日本YMCA同盟事業計画(案)
A.全国YMCA運動の連絡・調整/
助言・指導
A-1.加盟YMCAの健全な運営のための
協力
①日頃より問題となり得る状況について把
握し、対応できるシステムを作る。
②同盟及び近隣地域のYMCAが分担、協
力して支援できる体制を作る。
1.加盟YMCA支援
1)日本における青少年の社会的な課題に対
して、全国YMCAで共同プロジェクトを
推進できるよう調査研究し、行政・企業
CSR、新しい公共等NPOネットワークか
らの情報収集と連携に努め、全国総主事会
議・全国戦略会議で成案化する。
2)年3回程度全国戦略会議を実施し、YM
CA運動の推進と事業実施の迅速化を図る。
①緊急3ヵ年戦略計画の策定と推進支援-
全国共同プロジェクトの実施
②人材養成・人事交流を具体的に進めてい
く。
③情報の開示を進めるとともに、課題のあ
るYMCAの早期把握と効果的な支援策
の検討。
④新公益法人への移行を支援・促進する。
⑤共同プロジェクトの推進を通し全国運動
を展開する。
(地球市民育成・キャンプ90周年・子育
て支援)
3)新公益法人移行申請期間に限定し、振興
資金新制度(供与)の効果的な支援を実施
する。 ①対象YMCAのコンサルテーションの実
施と評価。
②次年度継続支援の選定検討
4)課題のあるYMCAに対してコンサル
テーションを行い、具体的な支援を行う。
①人材交流を推進し各YMCA運動・事業
の活性化を図る。
②共同事業を推進し全国運動の向上と活性
化を目指す。
③新公益法人会計の導入支援及び会計諸表
の基準化を進める。
2.その他
①全国YMCA戦略会議の下に、従来の事
業推進会議を事業担当者会としてプログ
ラムの共同化を推進し、各事業のブラン
ドマネージメントを行い、スケールメ
リットを生かした全国事業展開を支援す
る。
②今日的なユースの課題に応えるために、
ユースファンド・FCSCなどファンド
レイジングと呼応して、全国YMCA戦
略会議を通して、全国共同事業の推進を
支援する。
3.新しいYMCA運動の種を植える。
①加盟退除・組織検討委員会において加盟
退除規程の改正を行う。
②新しいYMCA作りのためのYMCA運
動紹介ツールを作成する。
A-2.公益法人制度改革とYMCAの組織
の再検討
①新法の研究を充分に行い、効果的な対応
を進める。
②同盟が公益認定情報を収集整理し、加盟
YMCAの新法人移行について助言指導
を行なう。
③公益認定が困難なYMCAや法人格をも
たないYMCAの在り方について検討す
る。
1.中小規模YMCA・学生YMCAに対し
新公益法人移行支援コンサルテーションの
実施
①新法に移行が困難なYMCAへの新たな
在り方等の支援を行う。
②既に認定されたYMCAスタッフ及び公
認会計士及び行政書士等の専門家でタス
クチームをつくり、新法移行支援を行な
う。
③モデル会則・規則に添った形で、加盟Y
MCAの会則・規則等への助言や指導を
行っていく。
④加盟・退除規程を新同盟規則に沿って改
訂する。
57
2.共同事務センター
ICT推進会議が進めているクラウドコ
ンピューティング・グーグルアップスを活
用し、情報を共有化し、広報、受付業務な
どを推進する。
3.同盟公益法人移行申請
①移行申請のため未収金・特別基金等を整
理し、新会計での財務処理を進める。
②同盟諸規則の改訂及び作成整備
②将来を見据えた同盟組織・機能機構の検
討を進める。
A-3.学生YMCAの働きの強化と将来像
の共有
①学生YMCA120年を機に、運動を評価
し、今後の展望を見出す。
②クリスチャン・リーダーシップ養成の意
味づけを再確認し、強化する。
③地域での都市YMCA、学生YMCAの
交流を促進し支援する。
1.運動・活動の見直し
①各学生YMCAの運動強化の支援、紹介
ツール(広報)を強化し、新設再興事例
等から新しい方向性の開拓と大学教員
ネットワークを形成する。
②YMCA出身の牧師のリストを活用し、
「学生YMCAの神学/キリスト教」を発
信する。新たに設置されるミッション委
員会や、YMCAキリスト教基盤強化の
ための活動に協力する。
③学生YMCAと都市YMCAが互いに理
解を深めるために、双方へ働きかけを行
う。夏期ゼミナールへの若手スタッフの
研修参加や学生YMCA出身のOB・O
Gの都市YMCA紹介などを行う。
2.組織整備
①学生YMCA寮の新公益法人への対応を
検討し、財団法人格を有する早稲田大学、
東京大学等の対応と任意団体の9寮へは
個別に対応する。理事会の運営強化と情
報交換のために、理事長・代表者会議を
全国及び各地区で実施する。
②新設・再興学生YMCAのための学生Y
58
MCA運営マニュアルの作成や、夏期ゼ
ミナール招待など工夫を計り、学生YM
CA新設・再興の可能性があるミッショ
ン系大学等へ働きを強める。
(上智大学、
岡山清心、四国学院等)
B.人材養成
B-1.スタッフ養成
①YMCAの使命実現に責任と必要なスキ
ルをもつスタッフを養成する。
②ステップⅡの対象、位置づけを検討する。
③スタッフ発掘、養成について多様なあり
方、可能性を検討する。
1.ステップ研修制度
①ステップⅡ参加第1次申込を早めるなど
参加促進のための環境整備と方策を講ず
る。
②全国スタッフリストに基づき、各YMC
AのステップⅡ派遣計画の作成を依頼す
る。
③聞き取り調査に基づいた研修方針を実施
する。
④調査内容に基づき研修内容を見直し、研
修体系の改訂案を作成する。
⑤中小YMCAスタッフの研修機会を確保
するため、既存の制度や新たな仕組みを
検討する。 2.スタッフ発掘
①新インターンの採用のシステムを整備す
る。
②全国採用共同広報を継続的に実施する。
(WEB上)
3.スタッフ養成
①大規模YMCAのステップⅠ研修を地区
別総主事会にてシェアーして、近隣YM
CAへの研修参加を促す。
②インドスタディコースを見直し、
アジア・
太平洋同盟を通して貧困にある国のYM
CAスタディコースへの改編を検討する。
③アメリカ・スタッフ研修の継続実施、ア
ドバンス・スタディコース参加を促す。
④リーダーシップ発展資金を活用し、中小
Yスタッフの海外研修を推進支援する。
4.人事制度・その他
加盟YMCAの職員構成及び人事・研修
制度の実態を調査する。
B-2.ユース育成
①ユースのリーダーシップ養成、担い手会
員育成の働きを支援する。
②意思決定過程へ参画するための課題を調
査し、支援の仕組みを整備する。
1.意思決定過程へのユース参画促進
ア ジ ア・ 太 平 洋 Y M C A 大 会 ユ ー ス
フォーラムにユースを派遣し、日本のユー
スの意識・意見を反映できるよう参画を促
す。
2.ユース参画のための仕組み
①ユースプロジェクトに関連する担当者が
事業分野を超えて、情報の交換や成功事
例の共有、YMCA地球市民育成プロ
ジェクトの促進などを行えるしかけを作
る。
②YMCA地球市民育成プロジェクトの第
3期研修を行い、評価した上で今後のア
ジアの国際プロジェクトとしての開催の
方向性を決定する。今回は特に若いス
タッフの参加を促し、全国YMCAのプ
ロジェクトとしての認識を拡げる。
③国際分野におけるユースインターンの可
能性をアジア・太平洋YMCA同盟と連
携して、欧州YMCAへの派遣も含めて
効果的に派遣できるよう計画立案する。
C.情報発信 広報及び寄付文化の推
進
C-1.広報
①YMCA運動強化のための成功事例を共
有しイメージアップを図る。
②公益性が問われる中、ミッションとアク
ションの一致を明確化する。
1.広報
①ホームページの刷新にともない、ボラン
ティアを活用し動画情報発信・フェース
ブック・ツイッターなど多角的な広報を
進める。
②同盟が行う各種ファンドレイジングに対
応する広報策を総合的に検討し進める。
③ICT担当者会議を通して情報発信力の
強化策を遂行する。
2.出版他
①「それぞれのYMCA運動史」Ⅱ及びⅢ
を発行する。
②「それぞれのYMCA運動史」を増刷し
活用を進める。
C-2.YMCAユースファンド
①寄付文化を高め、加盟YMCAにおける
寄付収入の割合を高めるよう支援する。
②YMCAの働きを、寄付者・企業に理解
を求め、協力を得る仕組みを作る。
③特定公益増進法人枠にユースファンド、
東山荘、FCSCを組み入れ、募金を強化
する。
1.ファンドレイジング
①ユースファンド・FCSCをまとめ、全国
戦略会議のタスクチームとともにファン
ドレイジング部門を統括して、国内協力
事業のもとに再編する。同盟の総力を挙
げて取り組む課題と位置付ける。
②東山荘募金を強化する。
③CSR・コーズ・リレーティットマーケ
ティングなど企業のファンド戦略を取り
入れる。
④WEBでの募金を可能にする。
⑤遺贈制度を施行する。
⑥ファンド戦略を策定し、総主事・役員
トップリーダーシップへの学習を行い、
CSR及びファンドに対する理念・戦
略・戦術を継続的に確立し、
「新しい公
共」としてのYMCAを打ち出す。
⑦総務担当者へのファンドレイジング研修
会を実施し、将来的には加盟YMCA担
当者の組織化を検討する。
⑧同盟の財務基盤を強化するため、
負担金・
自主財源の確保、ファンド等の活用化等
多角的に検討する。
2.社会貢献
①加盟YMCAに於いて、若者の課題に取
59
り組んでいる特徴ある事業(プロジェク
ト)を収集・分析・紹介等を組織的に進
める。
②全国のYMCAで行われるプロジェクト
を的確にHPなどで情報発信していく。
③企業の社会貢献とファンドレイジングを
確立し、企業人が参加できるプロジェク
トを提案する。
D.代表機能(国際窓口・他団体・加
盟YMCAの第3者機関として)
D-1.アジア・世界のYMCA運動への協力
①世界YMCA同盟、アジア・太平洋YM
CA同盟への協力を継続する。
②加盟YMCAの国際協力活動を支援する。
1.国際協力
①世界YMCA同盟、アジア・太平洋YM
CA同盟の働きに連なる。特にアジア・
太平洋YMCA大会への参画や、アジア
規模の課題である地球市民育成、平和構
築や気候変動、ジェンダーや高齢社会に
対して日本の経験や人的資源等による貢
献・協力・支援等の働きを推進する。
②アジア・太平洋YMCA同盟の働きを
支援し、特に課題を抱える国を複数国
で 支 援 す る P S G(Partner’
s Support
Group)に積極的に参画する。
(東ティ
モール、インドネシア、カンボジア、ベ
トナム等)
③頻発する災害に迅速に情報収集と発信に
務め、被災地支援を呼びかけると共に、
特に子どもと青年に関わる中長期支援を
立案していく。
④YMCA国際協力募金を強化すべく、使
途の適正化と開示等の透明化に向けて分
析や研修の機会を持ち、加盟YMCAに
も理解と協力を呼びかける。フォトコン
テストの継続強化などイメージ向上も図
る。
⑤国際協力資金を用いて在日外国人のため
の支援や核廃絶のためのキャンペーンな
ど、他団体とも協働し、
取り組みを進める。
2.平和教育の実現
①日中韓での平和のための協同プロジェク
60
トを推進する。
②オータナティブツーリズムの紹介と開発
への協力。
③Yes キャンペーンの次に企画されてい
る新キャンペーンへの協力。
3.その他
①The YMCA、APAY等のニュース
レターの受信・翻訳発信等を継続して行
う。
②発信先の拡大(世界YMCA同盟、関連
他団体等)のためにデータや方法につい
て整備する。
D-2.ワイズメンズクラブとの協働
①ワイズメンズクラブとYMCAの協働を
推進する。
②東西理事、事務局と連携し、相互の協力
を強化する仕組みを作る。
1.相互理解・協力
①ワイズメンズクラブ担当者会を継続的に
実施する。
②新設クラブや新人ワイズへのYMCA理
解のために研修派遣を行う。
③ワイズメンズクラブにユースファンド協
力依頼を積極的に推進する。
D-3.行政、他団体、教会等との協力
①全国YMCA運動の代表として、全国団
体や組織と連携し、情報交換、協力を行
なう。
②加盟YMCAに有効な情報を発信する。
1.行政
①文部科学省、厚生労働省、外務省、国会
議員等へ活動情報を提供し政策提言を行
う。
②YMCA事例を情報発信する。
(記者ク
ラブの活用)
2.他団体等
①中青連、NCC等と連携し、新たにNG
O・NPOとの連携を検討する。
②継続的に情報受発信力を強化していく。
D-4.主事退職中央基金・職員年金基金
①主事退職中央基金・職員年金基金につい
ての改革を検討し、2010年以降の制度を
提案する。
1.主事退職中央基金
加入者の拡大を図るとともに、
シミュレー
ション等を行い将来の在り方を検討する。
2.職員年金基金
健全な年金運営を図るとともに、シミュ
レーション等を行い将来の在り方を検討する。
E.調査・研究及びプログラム開発
E-1.調査・研究とプログラム開発
①社会動向を見据え、将来にわたるYMC
Aのあり方(YMCA像)を調査・研究
する。
②加盟YMCAが推進できるプログラム開
発の材料を提供する。
1.調査・研究
①平和教育を継続的に実施する。
②他団体との協働を計画的に進めていく。
③大学と協働調査を行い事業開発に活用す
る。
2.プログラム開発支援
①ミッション委員会を開始し、日本YMC
A基本原則に基き今日の社会的な課題に
ついてYMCAが取り組むべき使命を検
討する。
②キャンプ90周年キャンペーンの一環とし
てキャンプシンポジウムを他団体と共同
して開催し、今後の協働プロジェクトを
検討する。
③子育て支援事業を通して新たな展開を探る。
④不登校・ひきこもり等課題のあるユース
プログラムの取り組みを支援する。
3.その他
①受託事業の事例研究を実施(年1回)し、
評価・課題のまとめを行う。
②同盟史料室の働きを維持し、全国運動の
歴史を将来に残し、伝える仕組みを支え
ていく。
F.国際青少年センター東山荘
F-1.プログラムの強化とグランドデザイ
ンの検討
①100周年(2015年)に向けてグランドデ
ザインの再検討と修正計画をつくり、ソ
フト・ハード面での充実を図る。
②100周年記念募金の手法を見直し、新し
い東山荘をアピールする方向での積極的
な営業展開ととらえて、これを実施する。
③青少年の環境、野外、国際教育など、学
びの場としてのプログラムと施設の更な
る充実を図る。
1.施設
①グランドデザイン方針を再度検討し、よ
り社会状況・環境に適したものにしてい
く。このための修正計画を作成する。
②ディーン・リーパーメモリアルロッジ、
ネイチャーセンター、新バーベキュー場
などの新施設を生かした新たな形態のプ
ログラム発信をおこない、これによる利
用者増を図る。
③中期的な施設修繕計画を作成し、計画的
な修繕の実施を図っていく。
④より快適な施設を創り出すための職員意
識の改革と、この実施のための具体策を
創り出す。
2.プログラム
①環境問題に取り組む施設としての具体的
な改善と、これにふさわしいプログラム
を実行する。
②地域のリソース(自然、人材等)を更に
活用し、より地域に密着した活動を推進
していく。
③御殿場・小山を中心とした地元の青少
年・人々により親しまれるプログラムを
計画・実施する。
④FCSC・ユースファンドの支援、チャ
リティーランの実施などにより、障がい
児対象のプログラムを実施する。
⑤施設の安定的な運営が図れるよう、営業
活動を強化し利用団体・利用者の増加を
図る。
61
2010年度諸委員名簿
◎は長を示します
1.理事ならびに監事、常議員
理事(6名)
◎中川善博、武田寿子、野村秋博、吉本貞一郎、笈川光郎、島田 茂(常務理事)
監事(2名)
郡山千里、進 宏一
常議員(17名)
◎勝田正佳、桑田隆明、瀬口昌久、大森佐和、黒澤伸一郎、清水弘一、正野隆士、長尾ひろみ、
中道基夫、中村あずさ、橋爪良和、南出和余、山本俊正、黄 崇子、神﨑清一、田口 努、
宗行孝之介
2.運営委員会
A.東山荘運営委員会(6名)
◎桑田隆明、青鹿博明、池谷洋子、野田 徹、青野 武、長谷川等
B.主事退職金中央基金・職員年金基金運営委員会(5名)
◎勝田正佳、徳久俊彦、諏訪治男、末岡祥弘、本田真也
3.常置委員会
A.学生部委員会(5名)
◎瀬口昌久、黄 崇子、今村建二、新免 貢、小川健一郎
B.国内協力委員会(5名)
◎橋爪良和、笈川光郎、堤 弘雄、末岡祥弘、田口 努
C.国際協力委員会(5名)
◎長尾ひろみ、大森佐和、大江 浩、橋崎頼子、加藤明宏
D.加盟退除・組織検討委員会(6名)
◎野村秋博、郡山千里、齊藤皓彦、茂木 雄、金 秀男、本田真也
E.研究所委員会(5名)
◎山本俊正、上條直美、神﨑清一、廣田光司、上久保昭二、
4.特別委員ならびにその他の委員
A.主事退職金中央基金・職員年金基金審査委員(3名)
◎石原福造、本田真也、堀尾 仁
B.主事退職金中央基金・職員年金基金資金運用委員(4名)
◎勝田正佳、徳久俊彦、藪田安晴、久保田貞視
C.東山荘創立100周年記念募金委員会(6名)
◎野村秋博、桑田隆明、樫村好夫、井口 延、渡辺 巌、大野嘉弘
D.主事資格認定委員会(5名)
◎水野雄二、祝部康二、桒原道子、金 秀男、井之上芳雄
E.主事論文審査委員(6名)
宮崎善昭、田中治彦、棟方信彦、沖 利柯、松岡信之、八杉光春
F.同盟機能機構・負担金検討委員会(5名)
桑田隆明、正野隆士、廣田光司、吉本貞一郎、佐竹 博
5.準備委員会(※新法人移行後は任意団体傘下の定例委員会となる予定)
A.ジェンダー委員会(5名)
武田寿子、鍛冶田千文、真崎克彦、千代木ひかる、露木淳司
B.ユース委員会(5名)
黒沢伸一郎、藤井辰男、田中治彦、秋田正人、橋崎頼子
C.ミッション委員会(5名)
中道基夫、宮崎善昭、板崎淑子、太田春夫、板野靖雄
62
国際賛助会(FCSC)メンバー2010
名誉役員:
オーストラリア大使
カナダ大使
ニュージーランド大使
イギリス大使
H. E. Mr. Murray McLean, OAM – Ambassador of Australia
H.E. Mr. Jonathan T. Fried – Ambassador of Canada
H.E. Mr. Ian Kennedy - Ambassador of New Zealand
H.E. Mr. David Warren – Ambassador of the United Kingdom
委員長:Mr. Nick Masee
副委員長:Mr. Mark Cutler
Mr. Lance E. Lee
Mr. Brian Nelson
Mr. Roland C.F. Thompson
Mr. Charles K. Wilson
Mr. Toby Bartlett
会員:Ms. Barbara Allen
Mr. Thierry Cohen
Mr. Paul S. Goldsmith
Ms. Amand Fulton
Mr. Tony Grundy
Ms. Judith Herd
Mr. Greg Irwin
Mr. Toshiaki Yokozawa
Mr. Richard E. Cropp
Ms. Midori Kaneko
Mr. APS Mani
Dr. Manny Sultan
Mr. Hiroyuki Usui
Mr. James R. Weeks
63
2010年日本YMCA同盟組織
日本YMCA同盟組織図
(2011年3月31日現在)
盟
委
員
会
運営委員会
同
東山荘運営委員会
資金運用委員会
退職金年金基金運営委員会
審査委員会
学生部委員会
事
会
常置委員会
理
国内協力委員会
国際協力委員会
加盟退除・組織検討委員会
研究所委員会
他の委員会
表彰委員会
同盟機能機構・負担金検討委員会
東山荘創立100周年記念募金委員会
64
主事資格認定委員会
主事論文審査委員
特別委員会
常 議 員 会
ジェンダー委員会
* 同盟業務組織 *
国際青少年センター
東山荘
予約・フロント
プログラム
営業
施設・客室・管理
庶務・会計
総 主 事
全
国
協
力
法 人 業 務
総主事室・総務・財務
IT推進室
退職金・年金基金
ユースファンド
国際協力
国内協力
研修・調査
学生YMCA
広報・史資料
FCSC
ワイズ東・西日本区連絡
堺市立日高少年自然の家
* 2010年度日本YMCA同盟職員配置表 *
部 門
全 般
全国協力
全 般
研 究 所
学生YMCA
広 報
国際協力
国内協力
FCSC
法人業務
全 般
総主事室
総 務
財務全般
退職金・年金・
互助会事務局
人事・労務
IT推進室
庶 務
ユースファンド
国際青少年 全 般
センター
フロント
東山荘
ナイトフロント
予 約
営業企画
プログラム
メンテナンス
客 室
日高少年
自然の家
庶 務
会 計
100周年
全 般
2010年7月1日現在
氏 名
主 務 者
職 員
嘱託・パート
総主事
島田 茂
主任主事
光永尚生
主任主事
大和田浩二 小橋香子
横山明子
有住 航
主任主事補佐 横山由利亜 小橋香子
市来小百合
榎田真季
市来小百合 杉野歌子
主任主事補佐 小野 実
徳永恵美子 パート1名
統括
宗行孝之介
山田紀久美
濱口妙子
波多尚子
村上直子
波多尚子
主任主事
主任主事補佐
所
長
波多尚子
村上直子
白鳥美貴
滝口敦子
横山明子
長田智美
遠藤 舞
佐久間眞人
鈴木貴子
勝俣多賀子
眞田真由美
野木千賀世
野木千賀世
山本拓磨
光永尚生
真鍋 泉
大和田浩二
主任主事補佐
所長
主任主事
主任主事補佐
濱口妙子
山田紀久美
山田紀久美
濱口妙子
神前順次
葛島紀生
寺岡 進
白鳥裕之
山本五寿
横山征士 宮澤晃司 桑原八郎
藤田英一
阪田朋紀 パート1名
吹田哲雄
齋藤和子 勝又由佳里
他パート8名
岡村 貢
石田 恩
麻生克巳 出口 正
他パート10名
65
The National Council of YMCAs of Japan
2010 Annual Report
By Shigeru Shimada, National General Secretary
The big earthquake which hit northern Japan on March 11 caused the most severe and
horrendous multiple disasters in a decade. Huge tsunamis devoured coastal cities, towns
and villages along the Pacific Ocean and damaged nuclear power plants whose situations
worsen daily. We can not predict when this ongoing disaster will end.
In the year of 2010, we need to apologize for preparation on transferring to“Public Interest
Incorporated Foundation”
: we were not able to apply for“Special Public Interest Promoting
Corporation”, the 2-year license expired on August 17, 2010. After expiry, we were not able
to be approved in the same fiscal year and we troubled those who raised funds. We deeply
apologize to those who support YMCA movements.
After the earthquake, the National Council created a National Special Task Force. We
are supporting the volunteer activities of Sendai YMCA which provided shelter and food
supplies right after the earthquake, and Morioka YMCA which started a support group for
victims based at the Miyako Church of the United Church of Christ in Japan. YMCA , with
the help and support of YMCAs around the world, is providing a ray of hope for the victims
at this very difficult time.
Highlights of 2010, the third year of the Four-Year Plan, are as follows:
1.Preparation to Apply to the Public Interest Incorporated Foundations
The National Council has prepared to apply to the Public Interest Incorporated Foundations
forerunning all local YMCA. However, because of different characteristics of projects and
financial affairs between the National Council and local YMCAs, we need to arrange these
characteristics, adjust and settle the accounts of 2010. We expect applying for it as soon as
we settle the account of 2010.
2.Relationship between characteristic of membership and establishment
We have discussed roles and characteristics of the National Council and we have made
effort for agreement as a membership association and other foundations. However, each
Local YMCA has various thoughts and plans about institutional design. In addition, local
YMCAs applied for the Public Interest Incorporated Foundations earlier than the National
Council did. As a result, we need to develop constructing model regulations immediately.
3.Proactive Youth Participation
From July 19 to 25, the 17th World Council of YMCAs was held at YMCA Wu Kwai Sha
Youth Village in Hong Kong. Youth Forum took place from July 17 to 19 just before the
World Council and 16 youths from Japan participated.
The theme of the council was “Striving for Global Citizenship”
. There were 1,134
participants from 85 countries/regions including 49 participants; from 11 local YMCAs, 3
Student YMCAs, the National Council and Taishoku-shuzi kai (JYRF). Participants from
66
Japan actively played roles as facilitators and presenters. Also they drew up the Action
Plan for the next four years with youths from other countries. In August, the 2nd YMCA
Global Citizenship Training was held in Tozanso, International Youth Center, and 45 youths
participated from both inside and outside of Japan.
4.Strengthening Local YMCA Movements to cherish grass-roots spirit
As a collective entity of local YMCAs in Japan, we have been strengthening and supporting
our local YMCA movements. We had“the Japan YMCA Strategy Meeting”and reviewed
contact, adjustment and advice in order to motivate YMCA movements much more. We
moved functions and system of Institution to Tozanso so that we would be able to scheme
to make human resource development and present STEP training enrichment.
We improved our website to promote quick disclosure of information and used the network
with related organizations more. We promoted various fundraising campaigns, including
the Youth Fund, International Cooperation Fund, YMCA Foreign Community Support
Committee and Tozanso 100th Anniversary Fund, to improve our public awareness. We also
support related organizations, government, administrations and YMCA.
Tozanso, International Youth Center, will celebrate its 100th Anniversary in 2015. Using the
Tozanso 100th Anniversary Fund based on Six-Year Plan, we were able to renovate some
parts of the facilities of Tozanso.
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