サインペンの色を分けてみよう

サインペンの色を分けてみよう
1. 体 験 実 験 の 目 的
みなさんが使っている赤や黒のサインペンの色は、1 つの色ではなく
複 数 の 色 か ら で き て い ま す 。サ イ ン ペ ン に は 油 性 と 水 性 の 2 種 類 が あ り
ますが、今回は学校にあるチョークを使って水性サインペンの色が何種
類の、どんな色からできているかを確かめてみましょう。
2. 実 験 器 具
サ ン ド ペ ー パ ー 、 チ ョ ー ク (2 本 )、 水 性 サ イ ン ペ ン 、 シ ャ ー レ (1 個 )
ビ ー カ ー (1 個 )、 水 、 定 規 、 テ ィ ッ シ ュ ペ ー パ ー
3. 実 験 操 作
1)サ ン ド ペ ー パ ー で チ ョ ー ク の 表 面 の 黄 色 い と こ ろ (側 面 )を 、 か る く
こさぎとる。
2)赤 、黒 、緑 、青 色 の サ イ ン ペ ン で 、1 本 目 の チ ョ ー ク の 下 端 か ら 1cm
の と こ ろ に 間 隔 を あ け て 印 を つ け る (少 し 強 く 押 し 付 け る )。・・・図 の 1 左
3)2 本 目 の チ ョ ー ク の 下 端 か ら 1cm の と こ ろ に 、好 き な 色 の サ イ ン ペ
ン で 円 を 書 く (少 し 強 く 押 し な が ら )。
・・・図 の 1 右
4)水 の 入 っ た シ ャ ー レ に 、 サ イ ン ペ ン で 印 を つ け た チ ョ ー ク と 、 円 を
書 い た チ ョ ー ク を ゆ っ く り 立 て る (こ の と き 、水 を は っ た シ ャ ー レ の 水 位
は 7mm 位 )。
・・・図 の 2
5)10 分 間 待 つ 。
6)シ ャ ー レ の 中 の 水 が 減 っ て き た ら 、 ビ ー カ ー で 水 を 加 え る 。
・・・図 の 3
7)チ ョ ー ク を シ ャ ー レ か ら 取 り 出 し 、 テ ィ ッ シ ュ ペ ー パ ー の 上 で 乾 か
す。
・・・図 の 4
カラフルチョークのできあがり
1
1
3
2
10 分 後
水が足りなくなったら補う
図
水をはる
4
乾 か し て 「カ ラ フ ル チ ョ ー ク 」で き あ が り
カラフルチョークのできるまで
2
4. 解 説
−どうして色が現れるのでしょうか−
私達の身のまわりにある物質はそれぞれ固有の色をもっており、生活
を豊かにしています。それでは、その色はどんなことで現れるのでしょ
うか。
色を見るためには光は必要です。色として見えるのは、光源からでた
光が物質によって吸収、透過または反射され、その光の波が目に入り、
はじめて色として感じられることになります。しかし、光の波はすべて
見えるのではなく、目に見える光の波を可視光線といいます。
物質が光を吸収する能力によってその物質の色が決まります。有機化
合物のなかには二重結合を多くもつ物質もあり、二重結合が多いほど可
視光線をよく吸収し、色をもつようになります。これは二重結合にある
電子が動きやすいからです。たとえば、テレビのコマーシャルにもでて
くるベーターカロテンは、ニンジンの赤色色素であり、下の式のように
二 重 結 合 が 一 つ お き に 長 く つ な が っ て い る の で 色 が 現 れ ま す 。と こ ろ が 、
その結合が半分に切れた化合物のビタミン A は可視光線の吸収が少ない
ので、吸収されなかった多くの光が混ざり白色になります。
色素材料を、より動きやすい電子をもつように分子設計すると、色を
黄→橙→紫→青→緑と変えることができます。
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−サインペンの色がチョークによって分かれるしくみ−
学 校 で 使 わ れ て い る チ ョ ー ク は 、 硫 酸 カ ル シ ウ ム (CaSO 4 )や 炭 酸 カ ル
シ ウ ム (CaCO 3 )の 粉 末 を 水 で こ ね 、 型 に 入 れ て 棒 状 に 固 め た も の で す 。
チ ョ ー ク (固 定 相 )の な か を 水 (移 動 相 )が あ が っ て ゆ き 、そ の と き 水 性 サ イ
ン ペ ン の 色 (色 素 の 混 合 物 )が チ ョ ー ク の 表 面 に 吸 着 さ れ る 強 さ に 違 い が
あるために、サインペンの色を分けることができます。このように混合
物のなかの成分をそれぞれの成分に分ける方法をクロマトグラフィーと
いいます。
油 性 サ イ ン ペ ン の 色 を 分 け る に は 、水 の 代 わ り に 有 機 溶 媒 (ク ロ ロ ホ ル
ム )で 上 げ な け れ ば な り ま せ ん 。
水 性 サ イ ン ペ ン の 赤 、青 、黒 、緑 は 、お も に 次 の 色 か ら で き て い ま す 。
赤色:ピンク+オレンジ+黄
青色:紫+青
黒色:赤紫+青+黄
緑色:黄+青
赤 、青 、黄 色 は 色 の 三 原 色 と い わ れ て い ま す 。色 の 三 原 色 を 混 ぜ る (減 算
混 合 )組 合 せ に よ っ て 、 た と え ば 、 絵 の 具 や 印 刷 イ ン キ な ど の 黒 (赤 + 青
+ 黄 )や 緑 (黄 + 青 )の 色 を 作 る こ と が で き ま す 。
一 方 、 光 の 三 原 色 は 赤 、 青 、 緑 で あ り 、 こ の 三 つ が 混 ざ る (加 算 混 合 )
と白色となります。
5.参 考
−物質と化学結合について−
私 達 の 身 の ま わ り に あ る 次 の よ う な 物 質 は 、以 下 の よ う な 化 学 式 で 表 す こ と
ができます。
塩 化 ナ ト リ ウ ム (食 塩 )-----NaCl
二 酸 化 炭 素 -----CO 2
水 -----H 2 O
プ ロ パ ン (ガ ス )-----CH 3 CH 2 CH 3
エ タ ノ ー ル -----CH 3 CH 2 OH
ポ リ エ チ レ ン -----
酢 酸 -----CH 3 COOH
− (-CH 2 − CH 2 -) n −
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