ニ ュー ヨ ーク自由銀行制度 ー十九世紀のドル研究の 一 節野

ニ ユ ー
O
ヨー
十 九 世紀 の ド ル研 究 の 一節 一
ク自 由 銀 行 制 度
-
片
貞
行 は、 設 立 の場 合 す べて 州 の 特 許 を 必 要 と し た の であ る がう自 由 銀 行 制 度 の 下 で は、 一定 の法 的 条 件 を満 た し た場 合 、 護
取 ビ ド ル (z・匹塗 。)の敗 北 は他 面 、ニ ュー ヨー グ の新 興 資 本 家 階 級 の フ ィ ラデ ル フ ィア の旧 資 本 家 階 級 に対 す る 勝 利 を意
れ でも 銀 行 業を 自 由 に開 始 で き る 権 利 を も つよう にな った か ち であ る 。
ロ
と ころ で、 別 稿 で論 究 した よう に、 第 二 合 衆 国 銀 行 を めぐ る bd営 犀 毛 母 の結 果 ジ ャク ソ ニア ン Q8認。三讐) の勝 利 、頭
味 し、 こ の特 以 来 ア メリ カ 経済 の 導 指権 は、 フ ィ ラデ ルフ ィア (第二合衆国銀行本店所在地)よ り ニ ュー ヨ ーク へと 移 転 す る
の であ る 。
`従 って、 当 時 の自 由 銀 行 制 度 の代 表 と し て ニ ュー ヨー ク自 由 銀 行 制 度 の検 討 は、 十 九 世 紀 のド ル研究 上重 要 な意 義 を 有
す る であ ろう 。 し か も 、 ニ ュー ヨ ーク の自 由 銀行 制 度 が ア メ リ カ にお い て当 時各 州 によ り 採 用 さ れ た当 制度 の矯 知 で あ る
ゆ え 、 一層 意 義 は 大 で あ る と考 え られ る。
ニュー ヨーク自由銀行制度 .
一
三
P
.
十九 世 紀 に おけ る ア メ リカ の金 融 史 上 、自 由 銀 行 制 度 は大 き な 意 義 を も って い る。 と いう のは そ れ ま で存 在 し た 州 法 銀 .
雄
r
ニ ュ ー ヨ ー ク 自 由 銀 行 制 度 三 二
の背 景 1 ﹂本 誌
硬 水 四 十年 記 念 論 文 集 参 照 。 .
'
(1) 拙稿 ﹁米 国金 融 史 の 一節 一 N ・ビ ド ルの金 融 思 想 と 第 二合 衆 国 銀 行 の政 策 1 ﹂バ ンキ ング 一九 五号 、 ﹁ド ル発 展 史 の 一節 ー パ ンク ・ウ ナ ー とそ
℃ミミ ミ 、 尊 ミミミ︾ ︿or 念 'Zg b⊃婚おω⑦ ﹀冒 一
一
・ロ・一8 h8 ヨ 9 ①・
(2) 後 述 の如 く 、 ニ ュ: ヨー ク の自 由 銀 行法 の制 定 は 一八 三 八年 であ るが 、 ミ シ ガ ン にお い て 一年 発 き の 三 七年 に制 定 さ れ た 。 も っと も 後 者 は 前 者 よ
り そ の考 え を 借 用 し た 。 OP噛切.寓騨3ヨ o民 ℃、
閏冨 ① 切p口犀ω 脚註 Oo6 0﹃餌ユo霧 " ↓﹃0 2①≦ 尾o美 男冨 。 しd9ρ口器 50q >oけ。隔 届ω。。・
.誉 ミ﹃蕊貸N。、
二
.
、
ま ず 、 ニ ュー ヨ ーク自 由 銀 行制 度 の由 来 お よ び そ の 思想 的 淵 源 を たず ね よ う 。
よ つて実 行 さ れ な か ・の 町, F ●・ド リ ・爵
の 言萎
借 用 す れ ば ・ 歴 史 の皮 肉 であ ・た ・ し か し、 ジ
と こ ろ で、 こ の制 度 樹 立 への 運 動 が あら ゆ る独 占 、 特 権 に反 対 し 、特 に第 二合 衆 国 銀 行 を 金 融 的 独 占 体 と し て攻 撃 し た
ジ ヤグゾ ニア 落
ャク ソ ニア ンの理 想 は純 粋 の金 属 本 位 制 度 で あ った な鑓 、 彼 ら によ って自 由 銀行 制 度 が推 進 さ わ な か った の も ま た当 然 で
あろう。
ニ ュー ヨ ー ク自 由 銀 行 制 度 の樹 立 は 口 恥フ オ コス瀬 バ冒 8{
98)と呼 ば れ た民 主 党 の過 激 派 に よ るも の であ った が 、一
一般
.
大 衆 も 一八 三 七年 の 恐慌 に よ る多 く の銀 行 の破産 に対 し、 ま た 州 法 銀 行 の設 立 が特 許 制 度 であ った た め に起 った特 許 に ま
つわ る不 正、、
情 実 等 に対 し て大 き な 不満 を も って いた 。 .
ロコ フオ コ ス派 は、 独 占 は人 民 の平 等 の権 利 を 侵 害 す るも の であ る か ら、 法 律 によ って庇 護 さ れ 売 濁 ら ゆ る 独占 に 反 対
す ると いう 綱 領 を か か げ、 一八 三 六一 七 年 の ニ ューヨ ーク州 お よ び 同市 の選 挙 に お い て多 数 を 占 めた 。 彼 ら の勝 利 が 一八
う 三 八 年 の自 由 銀 行 法 制 定 に尊 び いた の であ る 。
(
6)
たし か に本 法 制 定 の動 機 は金 融 的 であ るよ り む し ろ 政治 的 であ った が 、 これ は アメ リ カ金 融 史 を ひも とく 場 合 、 屡 々遭
遇 す る 現 象 であ る 。
さ て 、 ア メ リ カ に お い て 自 由 銀 行 制 度 に 関 し 立 ち 入 った 議 論 を 展 開 し 、 ニ ュ ー ヨ ー ク 自 由 銀 行 制 度 の 理 論 的 支 柱 を 与 え
ア た 入 は コ ロ ンビ ア 大 学 教 授 で あ った J ・ マ ッ ク ビ カ ー (ト ζ。≦ 穿霞)と い わ れ て い る 。 そ れ ゆ え 、我 々 も 以 下 彼 の 主 張 の 検
討 に入 ろ う。
彼 は つ ぎ の よ う に 云 う 。 即 ち 一 ﹁銀 行 業 務 の 悪 は す べ て 不 必 要 な 、 ま た は 不 賢 明 な 規 制 か ら 生 ず る の で あ る 。﹂ ﹁他 の 業
務 は 自 由 放 任 政 策 で 繁 栄 し て お り 、 利 己 心 の 誤 り な き 本 能 に よ って も っと も 賢 明 に し て 安 全 な 方 向 へ と も た ら さ れ る ⋮ 。﹂
﹁自 由 な 競 争 に ま か せ ら れ た 利 己 心 は 、 も っと も 賢 明 な 立 法 家 の あ ら ゆ る 知 恵 を 越 え て 正 確 に 公 的 善 の 目 標 を 達 成 す る で
(
8)
あ ろ う 、﹂ ・
と。
特 許 制 度 は 、 特 許 を 銀 行 に 与 え る こ と に よ って 当 国 の 信 用 お よ び 通 貨 を 規 制 す る の で な く 、 値 入 に独 占 権 を 与 え 、 社 会
に属す る権 利 を 銀 行 に与 、
見て い る に す ぎ な い 。 信 用 を 統 制 す る こ と は 銀 行 の 能 力 を 越 え て い る 。 銀 行 が な し う る こ と は 制
限 に よ って 信 用 を 束 縛 し 、独 占 に よ って 信 用 を 小 数 者 の 手 中 に 集 中 し 、商 人 を 投 機 業 者 に 転 じ 、 商 業 を 運 ま か せ の 勝 負 ご と
き ね 、
(αq酬
≡さ 。﹁島 58) た ら し め る こ と で あ る 。 ま た 独 占 価 格 は 自 由 競 争 価 絡 よ り も 高 か く 、 従 っ て (
銀行) 信 用 も そ の 例 外 で
な い 。 銀 行 が 如 何 に 巧 み に 経 営 さ れ て も 、 社 会 が 必 要 と す る 信 用 の 額 と 一致 す る も の で な い 。 さ ら に 特 許 制 度 の 下 で は 買
ほ 収 が行 な わ れ る こ とも 強 調 し た 。
・
一方 、 自 利 の お も む く ま ま 自 由 な 競 争 に ま か せ る 場 合 、 ﹁そ れ が 信 用 で あ れ 、 商 品 で あ れ 、 も う と も 安 価 な 相 場 で 、 レ
ぬ か も 社 会 が 丁 度 必 要 と す る 量 で 供 給 さ れ る で あ ろ う ⋮ ⋮ 、﹂ と 。 そ し て 人 為 的 変 化 は 突 然 起 る も の で あ る が 、自 然 の 変 化 は
(
13)
.
'
徐 々 で あ って 漸 進 的 で あ る と い う 。
む 以上 の引 用 から 明 ら か な よ う に 、
. マ ッ ク ビ カ ー の 自 由 放 任 思 想 は 彼 の世 界 観 に よ る も の と い え よ う 。 ま た 直 ち に 気 付 く
'
ニ ュー ヨー ク自 由銀 行制 度 こご二
よ う に ア ダ ム ・ス ミ ス の 考 え に近 い 。 .
ス ミ スも 小 額 銀 行 券 の 発 行 を 禁 止 す る こ と と ﹂銀 行 券 の 克 換 維 持 を 条 件 と す る 以 外 、
.ニューヨーク自由銀行制度 三四
あ 銀 行 の営 業 は あ らゆ る点 に お い て自 由 にす べき で あ り、 そ の た め に公 安 を 害 す る お そ れ はな い、 と 述 べて い る 。後 述 す る
よ う に 、 マ ヅク ビ カ ーも 右 の二 条 件 に考慮 を払 って おり 、 当 時 国 富 論 は ア メリ カ に お い て広 く 読 ま れ た ので あ る か ら、 ス
.露)
ミ ス に依 拠 し て い る こ と は確 実 であ ろ う 。
り さ て、 マ・
ッグ ピ カ ー は 銀 行 の 貸 付 に 関 し て真 正 手形 説 の立 場 を とる 。 彼 の説 明 を聞 こう 。 彼 は銀 行 の貸 付 を 二種 に
分 類 す る 。 即 ち、 ﹁(銀行)信 用 の貸 付 ﹂ と ﹁ (銀行) 資 本 の貸 付 ﹂(括孤内筆者) で あ る。 前 者 は銀 行 の正 当 な 業 務 で あ る
が 、後 者 はそ う でな い。 即 ち 貨 幣貸 手 の業 務 であ る 。 前 者 は 商 業 手形 の割 引 であ り 、後 者 は融 通 手 形 の割 引 で あ る 。銀 行 が
信 用 の貸 付 だ け を 行 な って い る場 合 には 、 ﹁銀 行 は商 業 の実 際 の必 要 を 越 え て進 み えず 、 そ の進 行 の途 上 にお い て阻 止 さ
れ る で あ ろ う。 即 ち、 信 用 の み に依 存 し て 行な わ れ た過 剰 発 行 は ど の 一ド ルでも 直 ち に銀 行 に復 帰 す る で あ ろう 。 そ し て
銀 行 の流 思 置貨 が創 出 し た資 金 を 引 上 げ る で あ ろう 。 こ のよ う な 原 則 の 下 に お い て は、 銀 行 は安 全 にし て通 貨 は確 実 であ
る 。銀 行家 の利 益 と大 衆 の利 益 は 全く 同 一であ る 。 そ 七 て 、割 引 は ⋮⋮ 取 引 の律 動 と 全 く 一致 し て増 加 .減 少 す る 、﹂ と 。
し か し 、他 方 ﹁資 本 の貸 付 の場 合 は そ う で な い。 こ の場 合 には ⋮ ⋮ 銀 行 と借 手 は異 な った 利 益 を も つ。 そ し て需 要 と供 給
能 力 は も 嫉 や 一致 しな 転調﹁ こ の場 合 には借 手 は長 期 借 入 れ を 期待 し て い る が、 貸 付 は全 く 銀 行 の都 合 に よ って拡 張 され
た り縮 少 さ れ た りす る。 ﹁かく し て銀 行 は 社 会 が需 要す る か ら資 本 の貸 付 を 行 な う ので な く、 銀 行 が余 剰 金 を も つか ら行
な う の で あ る。 そ し て銀 行 は 社 会 か ら資 本 を 回 収 す る が、 そ れ は 社 会 が 返還 を 欲す る か ら でな く 、 そ の時 銀 行 が よ り有 利
の な 用 途 に使 用す る こ と が でき る から であ る 。﹂
彼 の考 え で は、 当 時 銀 行 の資 本 金 は 過 大 にす ぎ 実 際 は そ の四 分 σ 一程 度 で充 分 であ る。 ま た、 健 金 な 銀 行 は 長 期 貸 付
へ
れ (罵塁 弓㊦葦 笛8。ヨ∋。
留け
冨ω
)を 行 な わ ず 、銀 行 の資 本 を 銀 行 信用 の基 礎 とし て の み使 用 す る、 と。
カ マ ック ビ カ ーは ﹁銀 行 が あ る人 に彼 の資 金 を 期待 す る こ と が でき る 時 に、 銀 行 は彼 に信 用 を 貸 付 け て 駆 る 、
﹂と いう 。 商
業 手形 の割 引 の場 合 は そ の手 形 の満 期 後 銀 行 に 返済 す る こと が可 能 であ る か ら 、彼 に信 用 を 貸 付 け た と
.
いう の であ ろう ,
他 方、 彼 の云 う融 通手 形 によ る 貸 付 の 場 合 でも { それ が如 何 に長 期 で あ れ、 返 却 の確 実 な と き は彼 の 云う 信 用 を貸 付 け た
こ と にな るま いか。 も ち ろ ん 両 者 の貸 付 の異 質 性 に注 目 す る こと は 正 し い が 、一方 は 信用 の貸 付 であ り 、他 方 は資 本 の貸 付
で あ る と いう 用 語 を使 用 す る こと は 適 切 で な い。 銀 行 は返 却 の見 込 み の な い貸 付 は行 な わ な いか ら 、融 通 手 形 の割 引 に銀
お 行 信用 を 使 用 し た場 合 でも 、それ は﹁信 用 の貸 付 ﹂であ る 。ま た、彼 の 云う ﹁資 本 の貸 付 ﹂を 銀 行 の資 本 金 の貸 付 と解 釈 し た場
合 、 ﹁資 本 の貸 付 ﹂ は資 本 金 を 営 業 資 金 と し て 使 用 し た こ と にな る から 、 商 業 手 形 の割 引 、融 通 手 形 の割引 いず れ の 場 合
で あ っても ﹁資 本 の貸 付 ﹂ で あ る と い えよ う 。
とこ ろ で、 マ ック ビ カ ー は全 く の自 由 銀 行 制 度 を 主 張す る の で はな い。 彼 の云 う には 、、
銀 行券 は商 人 の取 引 だ け でな く
ぬ 一般人 の間 に流 通 す る の で、 銀 行 券 の価 値 が 低 下 す る の を防 ぐ た め に 一定 の制 限 が 必 要 で あ る 、と。そ の中 も っと も 重 要 で
あ り 、 ま たも っとも 特 異的 な点 は、 銀 行 の資 本 金 は 十 分 の 一を そ の自 由 な投 資 に、 十 分 の九 を 政 府 公債 に投 資 せね ば な ら
な い乏 いう こ と であ る 。 後者 は銀 行券 の見 換 のた め に担 保 と し て 当 局 に 預 託 され ねば な ら な い。発 券 鳳 預託 公債 額 を 越 え
る こと が でき な い。 さ らに 克 換停 止 は破 産 行 為 と看 做 さ れ る 。 五 ド ル以 下 の銀 行券 発 行 の禁 止 。 ま た 担 保 公債 額 は増 加 で
き るが、 反 対 に減 少 でき な い 旨 が条 件 と し て挙 げ ら れ て いる 。
さ て 、既 述 のご とく 、 マ ック ビ カ ー の自 由銀 行論 は スミ スに負 う も ので あ った。 ま た政 府 公債 保 証 の銀 行 券発 行 は リ カ
あ アド が 一八 一六年 に述 べ て いる 。 も っと も リ カ アド は資 本 金 を 公 債 に投 資 し 、 そ れ を担 保 と し て預 託 し 、 銀 行券 の 保 証た
ら しめ る べ き と 主 張す る。 し かし 、 彼 は発 券 額 を 預 託額 に限 定 す べぎ と述 べる ので な く て 、発 券額 の 一定 割 合 を カバ ーす
る 手持 公 債 を 担 保 と し て提 供 す べき であ る と云 う だ け であ る 。
め 資 本 金 を 政 府 公債 で払 込 む制 度 (資本金 を公債に投資する ことと結果的に同じ) は ハミ ルト ンも 述 べた と ころ であ るし 、 第 `
ニュー ヨーク自由銀行制度 三五
●
ニ ュー ヨーク自 由銀 行 制 度 .
三 六 '
(
27)
一、 第 二 合 衆 国 銀 行 は 資 本 金 の 四 分 の 三 を 公 債 で 払 込 み 、 イ ング ラ ンド 銀 行 は 全 額 を 政 府 貸 上 げ 金 と し た 。
へ
2
8)
マ ック ビ カ ー は リ カ ア ド よ り 示 唆 を え た か も 知 れ な い が 、 彼 に 全 く 依 存 し た と は 云 え な い で あ ろ う 。 両 者 と も 公 債 保 証
の 銀 行 券 発 行 制 度 で あ る こ と に は 変 り な い が 、 マ ック ビ カ ー の 考 え 方 の 方 が 、 よ り リ ジ ッド で あ 惹 。
さ て 、 マ ック ビ カ ー の 所 論 は 混 乱 し た 箇 所 も あ る が 、 こ れ を ま と め て み れ ば つ ぎ の よ う に な ろ う 。 銀 行 活 動 の 理 想 は 短
期 の 商 業 手 形 の割 引 に 限 定 す る こ と で あ り 、 銀 行 の 資 本 金 は 営 業 資 金 と し て 使 用 せ ず 、 こ れ を 政 府 公 債 に 投 資 し 、 担 保 と
し で 預 託 し 、 銀 行 券 の 保 証 た ら し め 、 し か も 発 券 額 を 右 預 託 額 に 限 定 す る こ と で あ る 。 さ ら に 、自 由 銀 行 制 度 を と る 場 合 、
特 許 制 度 の 下 に お け る よ う に 過 剰 な 資 本 金 が 銀 行 経 営 に 使 用 さ れ ず 、 自 由 競 争 に よ って 割 引 率 も 下 落 し 、 銀 行 信 用 は も っ
と も 安 価 に 供 給 さ れ る と い う の で あ る 。 彼 に と って は 、 ﹁信 用 の 貸 付 ﹂ と 自 由 銀 行 制 度 は 銀 行 券 の 見 換 維 持 の た め の 必 要
条 件 で あ って も 、
.充 分 条 件 で は な か った 。
し かし 、資 本 金 を政 府 公債 に投資 し 、 銀 行券 の保 証 たら しめ る こと は 、 最 終 の保 証 とな っても 、 即 座 の見 換 を 保 証 す る ・
も の で は な い 。 さ ら に 発 券 額 を 政 府 公 債 の担 保 額 に 限 定 す る こ と は 、 マ ック ビ カ ー の 意 図 に 反 し て 、 取 引 の 必 要 に 応 じ た
弾 力的 通 貨 の供 給 は 不 可能 で あ ろう 。
(
1)
前掲拙稿 ﹁ド ル発 展史の 一節ーパ ソク ・ウオーとそ の背景﹂参 照。
(
2)
閃・閑巴 鵠o﹃ § Qさ ミミ恥 o
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ミ 蕊 切翁竜神ミ吋 "さ 蕊Q遣概 ミ § 孕 一霧r りp再 r℃幽一
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(
3)
前掲拙稿 参 照。
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(
4)
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とも よばれ たQ レド リッヒ氏によれぽ 、彼ら は最初 は金銀 のみが唯 一の安全な通貨であ るというジ ャク ソ.
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考えであ ったが、後程、自 由銀行賛成 へと変化し だ。Oh二閏●菊&ぎ ﹃ 一
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悼も 唱・§ ← 。。・彼 の経 歴 に つ いて は つぎ のも の を参 照 。 ①α・国・≦
㌧o鴇 、ご 蕊 o、 §
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O鳶 ミ 、 負篭氏 、、苛 鳴孕
一㊤ω一・ <oピ N讐ロ'Nお
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oog oけo を 参 照 。
(
ooコ8 ﹃口) よ り多 く の費 用 を要 す る。 独 占 と い う要 素 と共 に これ が 銀 行 信 用 の 価 格 を 引 上 げ て
ミ 艶
一¢じ 出 ● ≦ 窪 8 "一三ロニ℃・ ω一b。●同 様 な 考 え が 他 の 人 々 に よ っ て も 述 べ
ぎ
景
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守 。§ § 苛 § 。誌 ミ 噂一〇〇9 署 .①切1①旨旨 O。脱ぎ 章
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§ 鳴 ミ 鍵 。、 ﹄ §町 苛§
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≦o<岡o評母 ﹁ま 三二 ℃●ωN一畳.
ら れ て い た こと に つ いて は
(9) 匂●と o≦ 6冨 ﹃二 三α二 署 ・ωNNlω・
(-o) 彼 は会 社 組 織 の企 業 (oo6 0H碧 δロ) は 個 人 企業
い る と い う。 匂・記 O≦ O評母 二 三ユニ ℃・ωN繕.
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(
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(22)
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(23 ) 9 二 = .国・護 ≡ oさ 切亀暮 馬
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ニ ュー ヨー ク自 由 銀 行 制 度
(割引 率 の変 化 を 通 じ て) は小 で あ る と
ロ。= 刈"喝﹂ 謹 卸 h
8 ヨ 。帥ρ r ≦ ・ζ ぎβ
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巴 こ 一㊤b。N (ω﹁
α ①α・
).
<o一
●ど 戸 ω一N●大 内 訳 ﹃国富 論﹄ ⇔ 一〇 三 - 四 ペ ージ 。
6
三七
(25)
∪ .家 o碧 畠9 ㌔、魯 o器 謝 誉 、 貸蕊 穿 暑 o§ 苛ミ 亀嵩儀 句ミ ミ 鳴 Oミ 鳶 、
畑違 嚇一。。一9 小 畑 訳 ﹃リ カ ア ド貨 幣 銀 行 論 集 ﹄ 二八 八- 九 ぺ : ジ。 ア メ リ カ に
(24) 旨・竃 o<寄評弩 曽岡
三ユニ ℃℃・ωミ ーo。・
る。 H ・E : ミラ ー教 授 も そ の よう に解 釈 し て いる 。 鵠.国・竃 竃①臆L げ箆二 で.
一ミ も ﹂謬 ●
理解 し 難 い説 明 であ る が、 彼 の文 献 全 体 を検 討 し た 場合 、 ﹁資 本 の貸 付 ﹂ を 銀 行 の資 本 金 を 貸 付 に使 用 す る こ と を意 味 す る よう に使 って いる と 思 、
凡
行 は 彼 に資 本 を 貸 付 け る と 云 い、 そ の 場合 に は、 銀 行 は資 金 を 移 転 し た ので あ り 、 手 形 と交 換 に資 本 を被 し たと 云 う 。 一・竃 。≦ o界母 L 三二こ Ψ ω銘 .
、ミ 棲 o、 し
U§ ミ 、
蒔 § S 壁 画起 O鳶 ミ 切ミ 騎§ 負篭" き 鴨 q菩凡
書蹴 勲 ミ 題 .一〇↑㎝矯℃.旨 b。● マ ックビ カ ー は、 銀 行 が 借 手 に資 金 を創 造 す る 時 に 、銀
9 ミ ミ 巽 ミ 軸物 富 智 慧 Nc
。偶9 一㊤撃
(
10) O隔二 閏●閃①巳 一
9ご 幽
玄3 讐7 一㊤一.
.
'
(
15) ﹀・ω目算﹃ § 恥 唄蕎 ミ 罫 o、 ≧ ヒ馬§ 孕 一語 9 国・O雪 コ舞
(
14) Oh・
飴﹁●閃巴 =o﹃ ま5 嚇℃●一Φ一・
い う (一
)oこ ℃ワ ω匿 ﹁伊) 。 し か し積 極 的 な金 属 本 位 制 度 賛 成 論 はな さ れ て いな い 。
0冨 び 薫 α二 Ψ 器 N.
) ま た金 銀 は唯 一の価 値 の規 準 と か (
Uoこ ℃.ωNb。●
) 、 金 属 本 位 国 で は 貨 幣 市 場 の変 動
彼 は金 属 本 位 制 度 に 好意 的 であ る。 た とえ ば 、 ナ ラ ンダ の各 都 市 では 、富 は 銀 行 なく し て増 加 し、 信 用 は極 めて 強 固 であ ったと いう 。 O.ζ o<7
(
13) "﹂ ≦o<闘o押母 ℃一
げ三こ 喝●ω謡 ●
.
(12) 旨﹂ ≦o<一〇岸母 燭一
σ冠二 Ψ ωNω.
,
,
(11) 旨。∼甘く}
o搾胃 噂一
げ達 二 7 ωbδ戯.
一 「
、
○
ニ ュ﹂ ヨーク 自由 銀 行 制 度 .
,
三八
おけ る当時 の同様な見解に ついては、閃・閃o
亀即
oぎ 一
三二二℃Ψ 目
¢ω
1凸噂国・国・竃已⑦ひ 一
玄ユニ UO・=ジ h
P を参照。
(
26)
拙稿 ﹁ハミルトンの金融思想 ﹂本誌 開学十 周年記念論文集参照。
、
(
27)
﹀・﹀巳 鼠巴窃噛ミ 。
。
、
ミ馳o
、き 恥切貸遷神 駄 野 鴨ミ篭轟 一
⑩N
軽鴨箸 ●。
。
群
-伊 町田訳 ﹃
英蘭銀行史論﹄ 一一一∼ 二ページ参照。
(
28)
レド リッヒ氏は この点を強調す る。閃・開①
臼一
6
﹃ 薫 O二〇.一
〇一・筆者 は、 マックビ カーが スミスより 受け た示唆 よりかなり小さ いと思う。
三
ざ て 、 一八 三 八 年 四 月 に 制 定 さ れ た ニ ュ ー ヨ ー ク 自 由 銚律 法 の 主 要 点 を 列 記 す れ ば つ ぎ の 如 く で あ る 。
本 法 の 条 文 の 中 に は 改 め て ﹁自 由 ﹂ と い う 言 葉 は 使 用 さ れ て い な い が 、 銀 行 業 務 を 営 む た め に は 、 左 の 四 種 の 担 保 物 件
を 通 貨 監 督 官 に 預 託 す れ ば 、何 時 で も 彼 か ら 担 保 物 件 と 同 額 の 銀 行 券 を 受 取 る 権 利 を 有 す る 旨 が 規 定 さ れ て い 惹 (
第 二条 )
。
.
馳
こ こ で注 意 す べき は 、
.各 銀 行 が 銀 行 券 を 発 行 す る の で な く 、 通 貨 監 督 官 に よ って 印 刷 さ れ た 統 一的 銀 行 券 を 使 用 す る (第
一条 ) と い う こ と で あ る 。 ﹂
担 保 物 件 と は 、 e 合 衆 国 国 債 ロ ニ ュー ヨ ー ク 州 州 貴 ㊨ 通 貨 監 督 官 の 認 め た 他 州 州 債 (以 上 第 二条 ) ㈲ 六 パ ー セ ン ト
り であ 禽 また公債担保 による銀行券 の発行は国法銀行制度 に受継がれたと いう歴史 的意
以 上 の 利 付 き 不 動 産 低 当 証 葡 鱒 た だ し 、 ㈲ は 担 保 総 額 の 半 額 に つい て 認 め ら れ る (第 七 条 )。
㈲は咀ち か量 地銀行 の姦
るぜ
義 をも って いる 。 、
銀 行 券 の発 行 のた め に は 、 以上 の担 保 物 件 の預 託 に加 え て、 正 貨 準 備 は 発 券 額 に対 し 二 五 パ ー セ ント を 下 るべ き で な い
(三三条 )と さ れ たゆ
一方 、 銀 行 が 兌 換 に応 じな い場 合 に は、 通貨 監督 官 は、 十 日 の予 告 後 、右 担 保 物 件 を 売却 し 、そ の代 金 でも って銀 行 券 所
う 有 者 に支 払 わ な け れ ばな ら な い (十 一条 )と規 定 さ れ て いる 。し かし 、第 三 十 三 条 の規 定 は 後年 (一八四〇年 )に廃 止 さ れ た。
,
そ の理 由 は 明確 でな いが 、 ハ モ ンド氏 は つぎ のよ う に推 測 し て い る。 銀 行 券 が担 保 公債 によ って全 額 カ バ ーさ れ 、 預 託 さ
れ て いた な ら ば 、正 貨 準 備 の 必 要 性 は な い と当 時 考 え ら れ て い た か ら であ ろ う 。 ま た 一般 に自 由 放 任 主義 に対 す る 強 き 選
好 が存 在 し 、ま た こ のよ う な 正貨 準 備 の要 求 に対 し 不 平 を の べ 惹銀 行 家 も あ った か ら であ る、 と。 確 か に そ の通 り で あ ろ
う 。 し か し 、銀 行 券 の究 極 の保 証 と 即座 の保 証 と は異 な る も ので あ る か ら、 当 時 の 一般 的 見解 は両 者 を 混 同 し て い た こと
に なる 。
な お 、預 金 に対す る支 払準 備 規 定 はみ ら れ な い が 、当 時 米 国 に お い て は銀 行 券 に対 す る 法的 規 制 は必 要 であ る も 、 預 金 に
対 す るそ れ は 必 要 で な い と いう 見 解 が 一般的 で あ っ(
姐。 し か し、 そ の理 由 は 遮貨 主義 的 に銀 行 券 ま でを 通 貨 と 看 做 し、 そ
の規 制 で足 り る と いう の では な か った 。 と い う の は、 当 時 の代 表 的 論者 で あ った ギ ャラ テ ィ ン、 ラ ゲ ットは 預 金 の通 貨 た .
る 機能 を 認 め て いた か ら であ る。 彼 ら の説 明 は次 の通 り で あ った。 即 ち 、 銀 行券 は迅 速 にま た 広範 に流 通す る の で あ る か
バ ら 、受 領 者 はそ の銀 行券 を発 行 し た銀 行 に ついて 厳 密 に 吟 味 し えな い が、 預 金 は 自発 的行 為 で あり 、 吟 味 が可 能 で み る か
ら 、 と。 こ のよ う な 見解 は米 国特 有 のも の であ ろ う 。
が挙 げ ら れ る 。前 者 の規 定 は マ ックビ カ ー案 にみ ら れ な か った し 、 小 額 銀 行 券
れ そ の 他 の 規 定 で 注 目 す べ き も の と し て 、 銀 行 の 資 本 金 は 一〇 万 ド ルを 下 る こ と を え な い (第 十 五条 )、
一〇 〇 〇 ド ル 以 下
の 銀行 券 を 発 行 でぎ な い (第三十 一条 )i
発 行 禁 止 に つ い て も 彼 で は 五 ド ル 以 下 で あ り 、 スミ ス で は 五 ポ ン ド 以 下 で あ った 。
次 第 で述 べ る よ う に 、 ニ ュ ー ヨ ー ク 自 由 銀 行 法 制 定 の 結 果 、 設 立 銀 行 数 も 増 加 し 、 ま た 破 産 銀 行 数 も 増 加 す る ゆ え 、 た
し か に 特 許 制 度 に 比 べ 銀 行 設 立 規 準 は 緩 和 さ れ た と い っ て よ い で あ ろ う が 、 ヌ ス バ ウ ム教 授 が ﹁ ﹃自 由 銀 行 ﹄ の 超 自 由 原
.ニ ュー ヨー ク自 由 銀 行 制 度 .
三九
ね コ
理 (三ぎ 与 馨 言 号 9 一
Φ) は 新 立 法 の 一特 色 に す ぎ な い 、﹂ と い う 如 ぐ 、 自 由 銀 行 法 は 比 較 的 厳 し い も の で あ る と い って よ か
ろう。
・
ニ ュー ヨ ーク自 由 銀 行 制 度
四〇
公 債 保 証 によ る銀 行 券 発 行制 度 の主 要 な 欠 点 は非 弾 力 的 な 通貨 供 給 制 度 であ る こと と 、 担 保物 件 の迅 速 に し て有 利 な 価
参照 )は避 け ら れ た であ ろう 。 ﹂
-
格 で の 売 却 の困 難性 と で あ る と考 え ら れ る が 、自 由 銀 行 法 の規 定 が厳 格 に遵 守 さ れ た な ら ば 、実 際 起 った よ うな 銀 行 の破
産 (次節
局●閑a 一
一
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O§ ミ ミ 切職蕊神嘱鳶頭 卜亀ミ噛﹀ロ >9 8 讐 夢 〇二No 穿 Φ し口話 一
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三 巴 ぎ O・閑9。レ .
ま た ニ ュー ヨ ーク 自 由 銀行 法 は、 マ ック ビ カ ー の考 え と ほ ぼ 同 一であ る が、 よ り厳 格 で あ る ど いえ よう 。
(一) § 恥 ミ ミ ぎ 幕
撃 ①﹃ 缶 昇 騰ミ 、
怨 o㌶ Gミ 、ミ&ヒ 織鳶職 切ミ ミ ミ㍗ 一。
。心9 ℃℃・笛お i 盟 'ωに一i ω●自 由銀 行 法 制 定 ま で の経 緯 に つい て は
(2) こ の よ う な不 動 産 抵 当 証 書 は 、 改 善 さ れ た ・生 産 的 な ・抵 当 権 未 設 定 の(口三 口2 目ぴ。﹁。Ω)土 地 に対 す る も ので あ って 、 少 く と も 担保 額 の二 倍 の価
㊤①一 酌2 を 参 照 。
(3) ﹀.Z島 ωげ窪 目 .︾ ミ 設 ミヒ o、 、譜 bo鳶ミ 殖 一⑩㎝評 "●。。。。齢
値 をも つも の であ る こと を 要 す。 た だ し建 物 拡含 ま れ な い (第 八 条)。 ↓ゴ⑦ Zo≦ 嶋o美 Ooコo冨 一し6餌薬 ぎαq ピm≦"一
三二.
Zo冨 )も 残 さ れ た が、 同 制 度 で は、 主 と し て商 業 手 形 を 担保 とす る弾 力 的 通 貨 、 連 邦 進 備 券
(閃。αo鎚 一男ωω①﹁<①.
(4) Oh; ﹀・Z臣 。。げm口∋・ま一
ユこ P O9 伺 教 授 は 、自 由 銀行 制 度 が 連 邦 準 備 制 度 にさ え 影 響 を与 え た と いう (uo・
)。 た し か に 公 債保 証 発 行 の連 邦 準備
銀 行 券 (男①αo鑓 一男$ 窪 く。 じロ四夷
29 0)の発 行 が 企 てら れ た (も っと も 後年 、 緊 急 時 には 公 債 保 証 発 行 が 認 め ら れ る) の であ る から 、 同 教 授 の説 明 ば 必 ず し も 正 確 で な か ろ う (Oh←
・↓幕 切8 巳 ohOo<oヨ o盆 oh 閃'即.6リニ § 鳴 き 蹴ミ ミ 肉食 ミ 思 出ミ "一〇〇一葡℃ロ●㎝Φ一 8 8- O )。
国 法 銀 行 法 に よれ ば つぎ の如 く であ る 。e 三 万 ド ルを 下 ら な い額 、 ま た ば払 込 資 本 の三 分 の 一を 下 らな い額 の政 府 公 債 を 財 務 省 に預 託 す べし (第 十
六条 )。 ⇔ 右 の条 件 を 満 た す 場 合 、 通 貨 監督 官 よ り銀 行 券 を 受 取 る が 、 そ の額 は預 託公 債 の市 場 価 格 の九 〇 % に等 し い額 で な け れぽ な ら な い。 ただ
し そ の場 合 、額 面 の九 〇 % お よ び 払 込 資 本額 を 越 え て はな ら な い (第 二十 一条)。 Ohレ ↓﹃① Z鎚ユoロ﹄ じロρ鼻 ぎαq >9 0隔甘 口o ρ δ ①恥鳩器 ℃﹁ぎ 欝血
(5) Oh二 男 幻①象 6﹃ 剛
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(6) 筆 者 に対 す る B ・ ハモソ ド氏 の私 信 によ る 。 ま た 即●炉 O冨 & ooぎ § 鳴 物Q誉 電 -聖 篭儀 切"蕊ミ鳶頭 臼 無 恥ミ ミ き ミ ざ 、神 恥、ミ 題 り NQ
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(10) 一〇 〇 〇 ド ル は高 す ぎ る と 思 わ れ る の で再 検 討 の予 定 。
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四
九 二 ベー ジ 。 ロ ソド ソで は 一〇 ホ ソド 以 下 の銀 行券 発 禁 止 。
以 上 の如 く 、 ニ ュー ヨー ク自 由 銀 行 制 度 は そ の名 は自 由 銀 行 制 度 で あ った が、 設 立 の条 件 は寛 大 でな か った 。 し かし ︽
実 際 は 相 当 数 の自 由銀 行 が ニ ュー ヨ ーク 州 で設 立 され 、 初 期 には 粗 雑 な経 営 のた め、相 当 数 が破 産 し た の が実 状 で あ った 。
(
1)
法 律 の網 の目 を く ぐ り、 基 礎 の健 全 な ら ざ る自 由 銀 行 が多 く 設 立 さ れ た か ら であ る。
(
2)
筆者 は ニ ュー ヨ ーク自 由 銀 行 に関 す る 統 計 を 入 手 で き な か ったが 、 間 接 の資 料 に よれ ば つぎ の如 く で あ る。 即ち 、本 法
き 制 定 によ ってた だ ち に設 立 され た銀 行 数 は = 二四 行 で あ り 、 そ の中 七 六 行 が 一八 三 九年 内 に営 業 を 開 始 し た。 し か し 、 一
八 三九 - 五〇 年 の期 間 に 三 二 行 が破 産 し、 一八 五 一一 六 一年 に は 二 五行 の破 産 を み.
た 。前 者 の期 間 に当 銀 行 に よ って発 行
る さ れ た銀 行券 は約 一四 六 万 八 千 ド ルで あ り、 そ の中 破 産 ・解散 によ って受 け た 損 失 額 は 約 三 二 万 五千 ド ル であ り 、 約 二 二
パ ー セ ント に あ た る。 後 者 の期 間 の そ れ は約 一六四 万 八 千 ド ル であ り、 そ の中 約 七 万 三 千 ド ルの損 失 であ った 。 約 四 パ ー
セ ント に あ た る。 し か し 、 一八 六 一年 以後 に は破 産 せ る 自 由 銀 行 は存 在 しな か った 。
ヨ そ の理 由 と し て、馳一八 三 八 年 の原 法 に 対 し て種 々 の修 正 条 項 が 加 え ら れ た から であ る。 た と え ば 、 一八四 〇 年 に は、 見
換 を停 止 し た 銀 行 は そ の銀 行 所 有 者 に対 し 、 二〇 パ ーセ ント の利 払 いを 行 な う規 定 、 ま た不 換 銀 行 券 の発 行 は原 法 でも 禁
止 さ れ た が 、 そ れ に違 反 した 場 合 処 罰 を 受 け る規 定 が追 加 され た。 さ ら に預 託 公債 が 一〇 万ド ルの 額 にな る ま で 営業 を開 ・
始 しえ な い と いう規 定も 設 け られ た。
ソ
一方 、 銀 行券 の見 換請 求 を 避 け るた め に、 奥 地 で 名 目 的 に銀 行業 務 を 行 な う者 が多 数 存 在 す る こ と が 判 明 し た 。 この
ニュー ヨーク自由銀行制度 `
.
四 一
ρ
・ .
ニ ュー ヨー ク自 由 銀 行制 度 ,
.
冊ニ
よ う な 慣 行 を 停 止 さ た め に 、 一八 四 四 年 、 実 際 に 居 住 し て い る 場 所 を 除 き 銀 行 業 務 を 営 み え な い こ と が 規 定 さ れ た 。 ま た
ー
ま た 恐 慌 に 際 し て、 不 動 産 担 保 は 安 全 でな いこ とが 判 明 し 、 そ れ は銀 行 券 の担 保 物 件 か ら はず され た。 また 他 州 の州
当 時 、 銀 行 業 務 は 発 券 と 同 一視 さ れ た が 、 法 文 に て 発 券 と 同 時 に 預 金 ・割 引 業 務 を 営 な む べ き こ と を 明 記 し た 。 し か し 、
、
(
7)
ホ ワイ ト に よ れ ば 、 こ れ ら の 二 つ の規 定 は 回 避 さ れ た 。
以 上 の よ う な 法 律 の 改 訂 は 、 直 ち に ニ ュー ヨ ー ク 自 由 銀 行 の 健 全 化 ・強 化 を も た ら す 効 果 を 生 ま な か った が 、 序 々 に そ
債 も 除 外 さ れ 、 合衆 国国 債 お よ び 、 ニ ュー ヨ ーク州 債 に限 ら れ た 。
の.
実 を 挙 げ て い った こ と は 否 定 で ぎ な い 。
さ ら に 、,一八 五 三 年 ニ ュ ー ヨ ー ク に 設 立 さ れ た 手 形 交 換 所 は 、 加 盟 各 銀 行 の 銀 行 券 の 克 換 を 行 な う 中 央 機 関 た る 役 割 を
(
8)
東 し 、 そ の 加 盟 銀 行 は 銀 行 券 お よ び 預 金 に 対 し 二 〇 % の 正 貨 支 払 準 備 を 要 求 さ れ た の で あ る (
前 節 で述 べた よ うに 、 最 初自
由 銀 行法 には 発券 に対 す る 二 五 パ ー セ ント の正 賞 準備 が要 求 さ れ た が、 そ の規 定 は後 年 廃止 され た ) 。
ニ ュ ー ヨ ー ク 自 由 銀 行 は 当 時 の 自 由 放 任 思 想 に マ ッチ し た た め に 各 州 に よ って 模 倣 さ れ た 。ニ ュ ー ヨ ー ク 州 自 身 を 算 入 す
れ ば 十 八 州 に も 及 ん だ 。 し か し 、西 部 に お い て は 山 猫 銀 行 (≦ ま o暮 げ8認 ) の 名 称 を 生 ん だ ほ ど 不 健 全 な 銀 行 が 乱 立 し た 。
(
1)
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・司・幻①
已胃﹃ ぎ一
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(
2) 出●≦ 玉什
ρ ま芦 .ロ●ω一
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︽
3)
国●≦ 三e
①二 三島こ ℃・ω一
ω では = 一
=二行。
閃●幻Φα一
一
〇﹃ 凶
三二.
鳩, 悼
8 では 一三四行。切'出国
ヨヨo只r切m鼻 ωき ロ℃o一
三8二 窪α二 , 沼O では 一
三四行 とな っている。多数意見 の 一三四行をとる。
- (
4)
ホワイトは詳 しい数値 を示し ているが、そ の信頼性は疑わしい。=・≦露け
ρ一
三α二℃●ω一
切●
(
5)
以下、 ホワイ トによる。出・≦ 三8二 玄匹己 Ψ 。。旨・
(
6) =●≦ 耳 ρ 聲 αこ 唱 ●ω罠1 劇 (7) =・≦ 三5 ま α・
りO・ω写 、
(
8) 臼・い・冨 ロα
q7ぎ ・ 卜 ≧ミ 津 警 防ミ§ 。
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(9 )
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讐や
五
蛇 。。。
、
以上 、 ニ ュー ヨーク 自 由 銀 行 制 度 設 立 の 思想 的 背 景 、 そ の立 法 に大 な る影 響 を 与 え た マ ック ビ カ ー の所論 、同 法 の条 文
お よび 自 由 銀 行制 度 制 定 の 結 果 に つい て考 察 し てき た。
ニ ュー ヨ ーク自 由 銀 行 制 度 は 銀 行 の 全く 自 由 な 設 立 を 許 可 し た ので はな く 、 設 立 の条 件も 比較 的 厳 し いも の で あ った 。
し かし 最 初 は非 合 法 的 な 行 動 に よ って不 健 全 な 銀 行 が設 立 さ れ た が、 除 々 に改 善 さ れ て い った。
自 由 銀 行制 度 は非 弾 力 的 通 貨 供 給 お よ び銀 行 券 の即座 の保 証 を 行 な って いな いと いう欠 点 をも った が、 公 債 保 証 によ る
質
四三
銀 行 券 の発行 は後 年 の国 法 銀 行 の発 券 制度 に採 用 さ れ た と いう歴 史 的 意義 をも って いる 。 ま た 後者 の欠 点 は、 手 形 交 換 所
の 二〇 パ ーゼ ント正 貨支 払準 備 の規 定 によ って匡 正 さ れ て い る。
9
(
1)
改善の過程については資料入手の上、再検討の予定である。
ニ ュー ヨー ク自 由 銀 行制 度