PARENT NEWSLETTER

PARENT
NEWSLETTER
岡山県立岡山操山高等学校
第1学年 学年通信
第4号
平成 18 年 5 月 8 日
GWあれこれ
今年のGWは前半天候にも恵まれ,ご家族で遠出をされた方も多かったのではないかと思います。
この時季は日本では春の行楽シーズンとされ,今年も初夏を思わせるような日差しのもと民族大移
動が起こっていました。海外にもこのような時季にお休みが連続してあるのでしょうか?
私は10年ほど前,文部省
により,南オーストラリア州アデレード市で18ヶ月間現地の公立校で日本語教師をした
経験があります。現地校で日本語を教えた経験は教員として大きな財産となったわけですが,また,
オーストラリアについてガイドブックに紹介されているような少々誇張された
等身大の
達ではなく,
達に触れられたのも単なる旅行ではできなかったことです。
さて,オーストラリアの4月,5月というのは秋です。このころの行事としては,当然
「復
活祭」があげられます。このあたりのことは辞書では次のように説明しています。
Easter Day [Sunday]
復活祭の祝日《3 月 21 日以降の満月の日のあとにくる最初の日曜日;米英の学校ではこ
の前後 1-3 週間の休日(∼ holidays [vacation])がある》
Easter Egg
〔復活祭の前日にウサギ(bunny)が卵をもってくるという言い伝えから〕復活祭の卵《生
命の象徴 とし て贈り 物や飾 りにする 彩色 したニ ワトリ の卵また はチ ョコレ ートで 作っ
た卵》
Good Friday
(復活祭の前の)聖金曜日,キリストの受難記念日
[ジーニアス英和・和英辞典 株式会社大修館書店]
Easter はクリスマスに比べて日本人にはなじみが薄いのではないでしょうか。Easter は「3月
21日以降の満月の日のあとにくる最初の日曜日」と辞書に記載されていますが,何故「春分の日
(“the Vernal Equinox Day”)以降」としないのでしょう。おそらく,3月21日は北半球では春分
の日であっても,オーストラリア等の南半球では「秋分の日(“the Autumn Equinox Day”)」にな
るので,そのあたりへの配慮ではないでしょうか。ともあれ,このように毎年 Easter が移動して
は,毎日「なんとかの日」と命名するのが好きな国民柄からすると,毎年祝日が移動するのは覚え
にくいし,日本人にとって宗教色の褪せていない祝日というのは受け入れにくいのでしょう。
さて,オーストラリアでは3月になると,スーパーに Easter Egg, Easter Bunny のコーナーが
お目見えします。卵の形やウサギの形をしたチョコレートです。復活祭の前日にウサギが卵を持っ
てくるという言い伝えがあるのですが,オーストラリアには元々ウサギは生息していませんでした。
オーストラリアのウサギはいわゆる移入動物で,1859年にわずか数頭のアナウサギをある農
民が放したのが始まりで,その後天敵も少なく,乾燥に耐えられ,強大な繁殖力によって増え続け
ました。牧草の根までも食い尽くしてしまうので,牧羊にとっては脅威であったのです。また,草
食生の有袋類をも脅かしました。
どうもオーストラリアでは Easter Bunny は分が悪いようです。そこ
で,オーストラリアではウサギの代役を務める動物が登場しました。
Bilby(ビルビー)です。Rabbit-eared Bandicoot(ミミナガバンディク
ート)という名でも呼ばれることからも分かるとおり,耳の長い,細長
い顔をした青灰色のウサギ似の有袋類です。現在オーストラリアではこのような絶滅が心配される
動物に関心を持ってもらう目的もあり,Easter Bilby なるものを登場させました。
実際の Bilby はペットにしたい程にはかわいくないのですが,Easter 前になると
キャラクター化されたチョコ Bilby がチョコ Bunny とガチンコ勝負をします。
Aussie がどちらを選んで買ったのかは出口調査をしていないので分かりません
が,少なくとも勤務校の同僚からは Bilby 支持の声を多く聞いたような気がしま
す。
オーストラリアの学校は4学期制です。10週間授業をした後,2週間の school holiday があり,
夏はクリスマス前から1月下旬までが夏休みとなります。Easter の時季はちょうど1学期が終わっ
て2週間の休みに入る頃なのですが,Easter が school holiday と重なることもあります。ただ,注
意が必要なのは,Good Friday と Easter Monday は祝日となり,お店や銀行が閉まってしまうこ
とです。私も旅行中うっかりしていて,思わぬ苦労を味わいました。
Easter の日に,同僚から家に招待されたことがあります。庭の植え込みなどにチョコレートの
Easter Egg を隠しておいて,子供に籠を持たせて探させるのです。庭の芝生には,ビルビーが歩
いたと思わせるように小麦粉で足跡の形をつけておくといった懲りようでした。その足跡をたどっ
て行くとチョコレートにあずかれるというわけです。文化というものは,宗教の違いこそあれ,そ
の季節の色も匂いも何もかも全てを取り込んで,幼い子供達の肌にしみ通るように受け継がれてい
くものなのだなということを知ったひとときでした。
講演会があります。
○学校設定教科「コミュニケーション」
講師:RSK山陽放送アナウンサー,河原
5月10日(水)14:15∼16:05
祥子さん
演題:「コミュニケーションを円滑に図るための方策」
○総合的な学習の時間「未来航路プロジェクト」
5月24日(水)14:15∼16:05
講師:JICA(Japan International Cooperation Agency)
ボランティア経験者
演題:「国際協力とは…青年海外協力隊に参加して得たもの」(仮題)
お願いがあります。
「未来航路プロジェクト」では1学期に職業領域の研究をします。そこで,本日お子様を通じて,
保護者の方にアンケートをお願いしたところです。回答していただいたものは冊子にまとめます。
お子様が職業領域の研究をする際の参考資料として大活躍するはずです。よろしくご協力をお願い
いたします。詳細は配布したプリントをご覧ください。
※次回は教育環境における Podcast( iTunes の一機能)が持つ可能性について考察してみます。
(学年主任
小橋
雅彦)