最 優 秀 賞 性別にとらわれず自分らしく生きる 岩瀬中学校 1 年 柳原 いち花 あれは私が小学 5 年生になってすぐのことです。学校の帰り道に、信号 待ちをしていると入学したばかりの女の子の三人組が歩いて来ました。一 見普通の光景ですが、私には気になることがありました。それは、三人の 内の一人の女の子のランドセルの色が黒色だったからです。女の子なのに なぁと不思議に思い、なんとなくその会話を聞いていました。するとやは り他の二人も不思議に思ったのかランドセルの色について聞いていました。 「なんで黒色にしたの?。」 と、すると黒色のランドセルの子は 「黒が一番かっこよかったの。」 とうれしそうに答えました。するともう一人の女の子が 「○○ちゃんの持っている物って男の子と似てるよね。女の子なのに。」 と言いました。信号は青に変わり最後までは聞けなかったけれど、振り向 いてみると黒色のランドセルの子は、またうれしそうな笑顔を見せていま した。きっと、「でも私の好きな物だから。」なんて言っていたのだろうな と思います。 確かに黒いランドセルが男の子の物と決まっているわけでは、ありませ ん。ですがCMでは男の子が背負っていたり店頭では男の子用というよう なあつかいでかざり付けなどがされています。そんな中、黒色のランドセ ルを買うのは、勇気がいると思います。しかし彼女は、しっかりとした自 分の意志をもっていたのでしょう。なぜなら二人の女の子の質問に答える 姿は、迷いがなく、自信に満ちあふれていたからです。 「性別にとらわれず自分らしく生きる。」には、どうすればよいのか。私 は少し見つけられた気がします。それは、自分の意志をしっかりともつこ とです。 そして、 「女の子なのに。」や「男のくせに。」などの差別するような言葉 を使わないようにすること、それが男女平等の世界への第一歩だと思いま した。自分にうそをつかず自分の意志を信じて生きていけたら。きっと後 悔のない、自分らしい人生を送れると確信しました。 優 秀 賞(4 点) 女性に「誇れる仕事」という名の輝きを 大沢野中学校 3 年 大田 孝恵 私のお母さんは小学校の先生をしています。いつも夜遅くまで帰ってこ ないし、毎日とても大変そうにしています。以前私が、 「なぜ、学校の先生になろうと思ったの。」 と聞いたら、 「男女関係なく、責任のある仕事を任せてもらえるからだよ。」 という答えが返ってきました。それを聞いた時、今までは、休日のない、 ただ忙しいだけのイメージしかなかった「教師」という職業が、すばらし いものに思えてきました。男女差別がなくなったとはいえ、今なお職場で の女性の立場は、男性と等しいとはいえないところもあると思います。私 のお母さんはいつも忙しそうで、毎日フラフラになりながら仕事をしてい るけど、 「辞めたい」と思ったことはないそうです。確かに、家で仕事をし ている時のお母さんの表情は真剣そのもので、かつ、少し輝いているよう にも見えます。私は今まで一番近くでお母さんのことを見てきて、学校の 先生にだけはなりたくない、と思っていたけど、とても大変で忙しい分、 やりがいも大きいのだな、と最近思うようになりました。私は、普段から そんなにたくさん勉強しているわけではありません。だけど、お母さんを 見て、自分の仕事に誇りをもって、最後までやり遂げることのすばらしさ を知りました。今では、女性でも責任ある仕事を任せてもらえる「教師」 という職業が、私の夢です。そして、教師だけでなく、他の職業でも、男 女の区別なく平等に仕事を任される社会になっていけば良いと思います。 男女平等について 岩瀬中学校 3 年 布目 遼平 今の日本で男女間の差別はどのくらいあるのだろうか。漠然と母にたず ねてみたところ、会社で母が忙しそうに仕事をしている時、手の空いてい る男性社員がいても「お茶だして」と言われたりしたときにそう感じると いう返事が返ってきた。そういう出来事はほかにもいろんな場面であるら しい。 私自身は毎日生活している中で「不公平だな」と思うことはほとんどな い。それは私が恵まれた環境で過ごしているから、気付かないのだという 事がわかった。 私の家では、祖母と母が家事をする。日中は外で働いて、帰宅してから 夕食の準備をする。その間私は宿題をしていることもあるが、ほとんどの 時間を自分の為だけにつかっている。マンガを読んだり、テレビを見たり。 夕食を食べ終わった後も二人が台所に残り片付けをする。 富山県は全国の中でも共働き率が多い県だ。でも私の家と同じように女 性がほとんどの家事を担う家庭は少なくないだろう。改めて自分の行動を 恥ずかしく思った。疲れている母を思うと進んで手伝うべきなのだ。 「男だから」 「女だから」というよりも、自分の周りの人に対する思いやり が男女共同参画につながるのではないだろうか。 相手の環境や立場を考え、一人ひとりが自分にできることを嫌がらずに すべきなのだ。 古い習慣やしきたりの中にも残していくべきことは数多くあると思うが、 誰かが傷ついたり悩まなければならない考え方は改めるべきだ。 近年男女間における雇用は見直されているが、未だ現状は出産や子育て をめぐり、女性の企業内での立場は軽視されているとニュースで耳にする。 家庭だけに留まらず、社会全体が思いやりを持って想像力を働かせ、皆 が笑顔で暮らせるようになるよう、まずは自分に出来ることを少しずつで も実践していきたい。 女性管理職から考えたこと 片山学園中学校 1 年 平瀬 美翔 先日、安倍首相が 2020 年に女性管理職を 30%にしたいと目標に掲げま した。ところが、最近の調査で、企業の管理職における女性の割合は平均 6.4%であると分かりました。私はそれを知り、目標を達成することは無理 なのではないかと思いました。確かに、男女共同参画社会を実現させるた めには、女性管理職が増えることが望ましいのかもしれません。しかし実 際は、女性には管理職のなり手が不足していると書いてありました。 そもそも、男女共同参画社会とは何なのでしょうか。男女が平等に、社 会の様々な分野への参画が確保され、共にあらゆる意見や意思を持ち、共 に利益を享受することができる社会です。そこに、女性が管理職になるこ とにこだわる必要があるのか、私は疑問に思いました。 確かに、多くの女性が仕事をしています。私の母も働いています。仕事 だけではなく、私の子育て、家事もしています。その間に、地域と学校の 行事などの役割もありました。その度に、仕事を調整し大変だと言ってい ました。私の家だけではなく、ほとんどの家で、お母さんである女性がこ れらの役割を果たしていました。男性が子育てや家事、地域や学校の行事 に参加するには、仕事を調整する必要があります。仕事を調整して参加で きる状況を作っていかねばなりません。新聞に、ある掃除の会社で男性が 参加する「掃除教室」を開くという記事がありました。このような企画は、 素晴らしいと思います。まずは、男性が子育てや家事に参加しやすい社会 への取り組みが必要です。 社会の様々な分野は身近にあります。女性が、管理職になることを目指 す前に、女性の様々な役割を社会の様々な人々が分担することを考えるこ とが先決だと思います。 一人一人の特性を生かした社会 呉羽中学校 3 年 三日市 芽衣 私は、職業体験で、病院に行きました。 以前は、「看護婦」という職業名で、女性の仕事だと言われていたそうで すが、今は、「看護師」となり、男性の看護師も増えてきています。確かに、 私が行った病院でも男性の看護師をよく見かけました。 私がそこで松葉杖体験をしたときのことです。松葉杖の高さを調節する とき、かたくて困っていると、男性の看護師の方が調節してくださいまし た。男性は力があって、こんなときに、力のある男性の看護師がいると助 かると思いました。医療の現場では、体が不自由な患者さんを車いすに移 動させたり、着替えを手伝ったりするなど、力を使う仕事が多くあります。 男性の看護師は大活躍です。 また、女性の看護師は、悩みや相談がしやすく、話しやすいという良い 点があると思います。男性も女性も、またいろいろな性格の看護師がいる からこそ、患者さんは安心して治療をうけられるのではないかと思います。 しかし、男性全員が力があり、力仕事が得意だというわけではありませ ん。 男性は、力仕事とよく言われますが、男性にも、力仕事が苦手な人、逆 に細かいことが得意で好きな人もいます。女性にも、力仕事が得意な人、 好きな人がいます。だから、「男だから」「女だから」といって、仕事の内 容や、役割を決めつけるのではなく、その人その人の特性を生かした役割 分担をするべきだと思います。 これからの社会が、男女の枠をこえて、本当の意味での男女平等になっ てほしいです。そのためには、男女で区別するのではなく、個々のちがい を互いに認め合い、尊重し合うことが、大切だと考えます。
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