AVFで波

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1.心臓リハビリテーションの歴史
年
1939
Mallory
6 ~ 8 週間の長期臥床安静の推奨(リハビリテーションの発端)
1944
1949
Harrison
長期安静臥床による弊害を論じる
Taylor
長期安静臥床は身体機能を低下させることを報告
1952
1954
Levine , Lown
梗塞発症 3 日目からアームチェア療法(早期離床)
木村
運動療法開始
1968
Saltin
長期臥床の弊害とトレーニング効果を報告
1970
Wenger
3 ~ 5 日の安静臥床(早期離床・早期退院へ)
1982
1988
4 週間の心リハプログラム作成(厚生省循環器委託研究班)
1990
1996
包括的リハビリテーションが主流となる
2000
2006
心臓リハビリテーション指導士認定制度発足(日本心臓リハビリテーション学会認定)
登
心疾患理学療法料として保険算定開始(AMI のみ,3 ヶ月まで)
2 週間・3 週間プログラム作成(厚生省循環器委託研究班)
心大血管疾患リハビリテーション料算定
3章 心筋梗塞の理学療法
(濱本
鉱,1996)
2.概 念
基本理念(道場信孝,1984)
1) 心筋梗塞急性期
●安全
可能
限 迅速
質 高
社会復帰
①安全
心破裂・再梗塞・心臓過負荷状態(心不全:
病態
的確
把握。安全
。緻密
力低下、狭心症:虚血、不整脈) 防止。
監視下
②迅速
deconditioning、経済的・社会的損失 防止。
早期
。早期退院。
③社会復帰
病態
応
治療・管理、reconditioning。
病態
的確
把握。運動療法。心臓過負荷
予知。
進行。
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<参考>
—米国公衆衛生局による心臓リハビリテーションの定義—
「心臓リハビリテーションは、医学的な評価、運動処方、冠危険因子の是正、教育およびカウンセリングからな
る長期にわたる包括的なプログラムであり、このプログラムは、個々の患者の心疾患に基づく身体的・精神的影
響をできるだけ軽減し、突然死や再梗塞のリスクを是正し、症状を調整し、動脈硬化の過程を抑制あるいは逆転
させ、心理社会的ならびに職業的状況を改善すること。」
—米国心臓協会(American Heart Association : AHA)—
「心臓リハビリテーションは、その目的を運動トレーニングプログラムにとどまらず、修正可能な心血管疾患の
危険因子を減らすことを包括する多面的な戦略も含むものでなければならない」
2) 早期
利点
問題点(道場信孝,1984)
① 利点
a. 身体的 deconditioning
防止
b. 精神的・社会的 deconditioning
c. 血栓・塞栓症 無気肺
防止
臥床
伴
合併症
防止
d. 入院費用 軽減
② 問題点
a. 狭心症、心不全、不整脈
合併症誘発
b. 心破裂、再梗塞、突然死
危険性
致命的合併症惹起
可能性
d. 医師、看護師 負担増加
弊害:deconditioning…脱調節(道場信孝,1984)
3) 安静(長期臥床、長期入院)
① 身体的 deconditioning(廃用症候群:disuse syndrome)
a. 運動能力 低下
b. 心拍数反応 増加
c. 血圧調節 障害
d. 骨格筋量、筋力 低下
e. 呼吸機能 低下
f. 窒素・
負
g. 循環血液量・血清
減少
② 精神的・社会的 deconditioning
a. 情緒不安定、
状態
b. 家庭生活・対人生活 不調
c. 経済的損失
d. 社会復帰 不調
3章 心筋梗塞の理学療法
c. 病態 機能把握 不十分
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3.心筋梗塞巣の修復過程
0〜4日
炎症期
24 〜 36 時間:炎症極期(白血球浸潤、線維断裂、心筋線維変性)
4〜6日
炎症消退、心筋崩壊進行
マクロファージによる壊死心筋の除去
6〜8日
壊死周辺から毛細血管と線維芽細胞の増殖(治癒過程の開始)
心筋の脆弱化最大
3 週目
小梗塞の瘢痕化
6 週目以降
大梗塞の瘢痕化
(道場信孝,1984)
4.. phase
3章 心筋梗塞の理学療法
−虚血性心疾患 対
運動療法 対象・時期
分類−
Ⅰ相(急性期)
心筋梗塞発症直後~ 4 週までの時期で入院患者を対象とするもの
Ⅱ相(回復期)
1 ~ 3 ヵ月間の回復期で外来患者を対象とするもの
Ⅲ相(慢性期)
社会復帰以降の生涯にわたって行われる、運動療法を中心とした包括
的リハビリテーションの時期
5.急性期リハビリテーション
1) 急性期
① deconditioning 予防
② ADL 拡大場面
③ 基本動作、移動
④ 適切
安静
目的
離床計画
心血管反応
関
運動
身体機能
ADL 範囲 設定
主観的疲労度
評価
評価
患者教育
① 情報収集
2) 急性期
① 情報収集
②リスクの層別化
a. 病態 把握
●心電図(図 1、2)
●血液・生化学検査(表 1)
③運動療法の実施
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R
T
P
V5
Q
S
梗塞直後
6〜12時間後
2〜3日後
1〜4週以降
T波増高
ST上昇
異常Q波
T波逆転
冠性T波
図1
急性心筋梗塞
特徴的
波形
1年以降
異常Q波残存
経時的変化
*下線は心筋梗塞の心電図診断基準
前壁中隔
側壁
側壁
図2
梗塞部位
異常 Q 波
前壁中隔
V1 〜 V4
側壁
I、aVL、V5、V6
広範前壁
I、aVL、V1 〜 V6
下壁
II、III、aVF
後壁
異常 Q 波なし
3章 心筋梗塞の理学療法
側壁