『板橋地区 大山駅周辺 いきいき学びのエリア』 板橋区立板橋第六小学校 5月号 平成26年5月1日 英知を磨くは 何のため 校 長 南 輝 明 新入生の入学と在校生の進級を祝福するかのように、葉桜の緑が日に日に濃さを増して、美しい 新緑の世界へと私たちをいざなってくれています。校庭の藤やハナミズキ、創立80周年記念植樹の べにばな とき わ まん さく 紅花常磐万作の花が咲き誇る美しさに、春の喜びを感じ、希望と意欲がふつふつとわいてきます。 明るくやわらかな春の光の中で、入学と進級の喜びに満ちた子供たちの顔は、新学期の学校を輝か せてくれています。 さて、『ハナミズキ』の歌詞にある「母の日」を5月11日に、翌6月15日には「父の日」を迎え ます。この機会に、子供たちに親への感謝の気持ちを高めていきたいと考えております。そして、 親孝行のできる人に育ってほしいと願っております。 私は、親孝行には三種類あると思っています。一つ目は、親に生 活に役立つ物を差し上げたり、経済的支援をしたり、旅行に連れて 行ったりすることです。親を想う気持ちが、具体的に目に見える形 となってあらわれてくると思います。 二つ目は、親に心配をかけないことです。ともかく、「健康で元気 で生きていてくれれば、もう何もいらない」というのが、親心という ものです。ですから、生涯健康で、世間に迷惑をかけずに平穏無事に生きていくことで、親に安ら ぎの心を与えていくことができます。また、親の生活のお世話をしたり、親切にしたりすることも 大切な親孝行です。親を想う気持ちが、具体的な行動となってあらわれてくると思います。 三つ目は、私たちが夢や希望に向かって、はつらつと生き生きと幸せな人生を送っていくことで す。親に心配をかけないだけでなく、社会貢献などを通してまずは自分自身が幸せな人生を歩み、 周りにいる人たちをも幸せにしていける生き方をしていくことだと思います。私は、これが最高の 親孝行だと思います。 六年生の国語の教科書に、「いのちの授業」を続けた、日野原重明医師の手紙があります。その 中に、「心で見なくちゃ、物事はよく見えない。肝心な事は、目に見えないんだよ。そう、いのち は目には見えない物。だからこそ、大切な物なのです。もちろん心臓も大切な物ですが、心臓はい のちその物ではありません。いのちとは、 『 きみたちのもっている時間』、 『 きみたちが使える時間』 のことです。そのいのちを、きみたちはどう使っていますか。今はきみたちは、きみたちのいのち を自分のためだけに使っているかもしれません。でも、大きくなったら、どうか自分以外のだれか のためにも、きみたちのいのちを使ってください 。」とあります。 私も、まったく同感です。自分のかけがえのない、いのちを、すなわち時間を、知識を、技能を、 才能を、社会のため、困っている人たちのために使ってほしいと思います。そのために、小学校で の六年間は、一生懸命に勉強をして、体力と気力も身につけて、力をたくわえてほしいと思います。 命を使うと書いて「使命」と呼びます。板橋第六小学校に入学した子供たちは、大きな志を果た す『使命の人』であってほしいと願っております 。「英知を磨くは何のため」、常にそのことを忘 れずに、子供たちの教育にあたっていきたいと思います。
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