割り込み検出回路

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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 割り込み要因を示すデータから割り込み
を検出した時、および再起動命令を入力した時、割り込
み信号を発生しCPUに対して送出する割り込み発生部
(200)と、
該割り込み信号により、該割り込み要因を示すデータを
格納するレジスタ部(300)と、
該割り込みを通知された該CPUが出力する読み出し命
令を入力して、該レジスタに格納した割り込み要因を示
すデータを出力し、さらに該CPUが出力する読み出し 10
比較命令を入力することにより、その時点で該レジスタ
部に格納されているデータとその時の割り込み要因を示
すデータとを比較して、両者が不一致のときには該再起
動命令を出力する状態比較部(130) とを有することを特
徴とする割り込み検出回路。
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【請求項2】 前記状態比較部(130)は、該CPUが出
力する読み出し命令を入力して、該レジスタに格納した
割り込み要因を示すデータを出力するとともに、該読み
出し命令により該レジスタ部に格納されているデータと
その直後の割り込み要因を示すデータを比較して、両者
が不一致のときには該再起動命令を出力することを特徴
とする請求項1記載の割り込み検出回路。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は割り込み検出回路に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図10は従来例の割り込み検出回路のブロ
ック図である。図11は従来例の動作を説明するためのフ
ローチャートである。
(2)
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【0003】図10において、ステップ(1) 割り込み要因
データが割り込み要因検出部1に入力され検出される。
(2) 割り込み要因検出部1からの結果により、割り込み
発生部2で割り込み信号を発生する。
【0004】(3) 割り込み発生部2で割り込み信号の発
生と同時に出力される書き込み命令により、入力された
要因データをレジスタ部3に書き込む。
(4) 書き込まれたデータは次の割り込みによる書き込み
命令が入力されるまで保持される。
【0005】(5) 上記割り込み信号はCPU(図示しな
い)に通知されると、CPU(図示しない)はこれを認
識して処理を一時停止し、レジスタ部3のデータの読み
出し命令を出力する。
【0006】(6) 該読み出し命令は読み出し制御部4に
入力される。
(7) 読み出し制御部4は読み出し命令により必要なタイ
ミングでステップ(3)の時点の要因データを読み出しシ
ステムに対して出力する。
【0007】(8) 読み出し制御部4はCPU(図示しな
い)による読み出し命令の終了と同時に割り込みの解除
命令を割り込み要因検出部1に出力して、割り込みを解
除する。これによりレジスタ部3は新たな要因データの
書き込みが可能となり、次の要因データの入力待ち状態
となる。
【0008】したがってステップ(1)で発生した要因デ
ータの変化をステップ(7)で認識するため、例えばステ
ップ(5)の期間中に再び要因データの変化が起こっても
本方式ではこのことをCPU(図示しない)に通知する
ことができない。
【0009】尚、上記動作を図11にフローチャートで示
す。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来
は、割り込みが発生した時点とCPUがそれを認識後読
み出しを行う時点との間に若干の時間差が生じてしまう
ために、読み出し時に既に割り込み要因が変化してしま
っていることがあっても、これを認識することができな
い場合が生じるという問題点があった。
【0011】したがって本発明は、CPUが割り込み要
因の変化を確実に知ることができる割り込み検出回路を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点は図1に示す
回路の構成によって解決される。図1において、
(請求項1) 割り込み要因を示すデータから割り込み
を検出した時、および再起動命令を入力した時、割り込
み信号を発生しCPUに対して送出する割り込み発生部
200 と、該割り込み信号により、該割り込み要因を示す
データを格納するレジスタ部300 と、該割り込みを通知
された該CPUが出力する読み出し命令を入力して、該
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レジスタに格納した割り込み要因を示すデータを出力
し、さらに該CPUが出力する読み出し比較命令を入力
することにより、その時点で該レジスタ部に格納されて
いるデータとその時の割り込み要因を示すデータとを比
較して、両者が不一致のときには該再起動命令を出力す
る状態比較部130とで構成する。
【0013】(請求項2) 前記請求項1に記載の割り
込み検出回路において、状態比較部130 を、該CPUが
出力する読み出し命令を入力して、該レジスタに格納し
た割り込み要因を示すデータを出力するとともに、該読
み出し命令により該レジスタ部に格納されているデータ
とその直後の割り込み要因を示すデータを比較して、両
者が不一致のときには該再起動命令を出力する状態比較
部で置き換える。
【0014】
【作用】図1において、状態比較部130で、CPUから
の読み出し命令を入力後、レジスタ部に格納されている
データとその時の割り込み要因を示すデータとを比較し
て、両者が不一致のときには再起動命令を出力して、割
り込み発生部200からCPUに対して新たに割り込み信
号を発生する構成とすることにより、最初の割り込み信
号を発生後読み出し命令を入力するまでの間に割り込み
要因を示すデータが変化した場合にも、CPUで該割り
込み要因の変化を確実に知ることができる。
【0015】
【実施例】図2は本発明の第1の実施例の割り込み検出
回路の構成図である。図3は第1の実施例の動作を説明
するためのタイムチャートである。
【0016】図4は第1の実施例の動作を説明するため
のフローチャートである。図5は本発明の第2の実施例
の割り込み検出回路の構成図である。図6は第2の実施
例の動作を説明するためのタイムチャートである。
【0017】図7は第2の実施例の動作を説明するため
のフローチャートである。図8は本発明の第3の実施例
の割り込み検出回路の構成図である。図9は第3の実施
例の動作を説明するためのタイムチャートである。
【0018】まず本発明の第1の実施例について図2∼
図4を用いて説明する。尚、図2における各回路の入出
力信号を表す符号a∼jは図3における符号a∼jに対
応するものとする。
【0019】図2において、ステップ(1) 割り込み要因
データaとして"1" 又は"0" (今の場合"1")が入力した
時(図3のタイミングt1 )、該データは割り込み要因検
出部1を構成するフリップフロップ回路(以下FFと称
する)5、及びインバータ7を介してFF6の各クロッ
ク端子(CK)に加えられ、D端子に入力されている"
1"(+5V)を各Q端子からb1又はb2として出力す
る(図3のタイミングt2 )。
【0020】(2) b1は割り込み発生部2を構成するO
R回路8およびOR回路9を介して割り込み信号cを出
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力する(図3のタイミングt3 )。
(3) 該割り込み信号cがレジスタ部3を構成するFF11
のCK端子に加えられ、D端子に加えられている割り込
み要因データ"1" がQ端子から出力される(図3のタイ
ミングt4 )。
【0021】(4) レジスタ部3のFF11では、読み出し
時までこれを保持する(図3のタイミングt4 )。
(5) 上記割り込み信号がCPU(図示しない)に通知さ
れると、CPU(図示しない)はこれを認識してCPU
(図示しない)の処理を停止し、読み出し命令eを出力
する(図3のタイミングt6 )。
【0022】(6) 該読み出し命令eが読み出し制御部4
に入力される。
(7) 読み出し制御部4では、読み出し命令eによりゲー
ト12をオンして前記レジスタ部3のFF11に保持される
割り込み要因データdをgとしてシステムに対して出力
する。(図3のタイミングt7 )
(8) 同時に該読み出し命令eがリセット信号fとして、
割り込み検出部1のFF5とFF6、及び割り込み発生
部2のFF10をリセットする。この結果、FF5とFF
6の出力b1、b2は"0" に戻り、割り込み出力cは解
除される(図3のタイミングt7 )。
【0023】(9)CPU(図示しない)からの読み出し
比較命令hを状態比較部13のNAND回路15に加える。状態
比較部13では、排他的論理和回路(以下EX-OR 回路と称
する)14でレジスタ部3のFF11の出力dと現時点の割
り込み要因データaとを比較し、割り込み要因データの
変化の有無を調べる。両者が一致しているときは"0"を
出力して、次の割り込み要因データの入力待ちとなる。
【0024】(10)両者が不一致の時はEX-OR 回路14か
ら"1" を出力する。例えば図3のタイミングt5 で割り
込み要因データaが"1" から"0" に変化した場合、EX-O
R 回路14は"1" を出力し、上述した読み出し比較命令h
によりNAND回路15から割り込み発生部2に対して割り込
み発生命令パルス(負パルス)iを出力する(図3のタ
イミングt10 )。
【0025】(11) 割り込み発生部2では、割り込み発
生命令パルスiがFF10のCK端子に加えられ、その立
ち上がり部分のタイミング(図4のt11 )でQ端子か
ら"1"(図3のj)を出力し、OR回路9を介して割り
込み信号cとして出力してCPU(図示しない)に通知
する(図3のタイミングt11 、t12 )。
【0026】(12)、(13)上記割り込み信号cはレジスタ
部3のFF11に加えられ、Q端子から新たな割り込み要
因データ"0" が出力され保持される(図3のタイミング
t13 )。
【0027】以後前述したステップ(5) 以降と同様の動
作を行う。最終的に状態比較が一致するまでこの動作は
繰り返される。尚、上述した動作を図4にフローチャー
トで示す。
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【0028】次に本発明の第2の実施例について図5∼
図7を用いて説明する。図7に示すフローチャートのス
テップ(1) ∼(8) は前述した第1の実施例の図4(1) ∼
(8)と同様のため、その説明を省略する。本第2の実施
例では、ステップ(9) で、CPU(図示しない)からの
読み出し命令eにより、読み出し制御部4でインバータ
16を介して符号を反転した読み出し比較命令hを状態比
較部13に出力する(図6のタイミングt6 )。状態比較
部13では、EX-OR 回路14でレジスタ部3のFF11の出力
dと現時点の割り込み要因データaとを比較し、割り込
み要因データの変化の有無を調べる。両者が一致してい
るときは"0" を出力して、次の割り込み要因データの入
力待ちとなる。
【0029】(10)両者が不一致の時はEX-OR 回路14か
ら"1" を出力する。例えば図6のタイミングt5 で割り
込み要因データaが"1" から"0" に変化した場合、EX-O
R 回路14は"1" を出力し、上述した読み出し比較命令h
によりNAND回路15から割り込み発生部2に対して割り込
み発生命令パルス(負パルス)iを出力する(図6のタ
イミングt7 )。
【0030】(11) 割り込み発生部2では、割り込み発
生命令パルスiがFF10のCK端子に加えられ、その立
ち上がり部分のタイミング(図6のt9 )でQ端子から"
1" (図6のj)を出力し、OR回路9を介して割り込
み信号cとして出力してCPU(図示しない)に通知す
る(図6のタイミングt9 、t10 )。
【0031】(12)、(13)上記割り込み信号cはレジスタ
部3のFF11に加えられ、Q端子から新たな割り込み要
因データ"0" が出力され保持される(図6のタイミング
t11 )。
【0032】以後前述したステップ(5) 以降と同様の動
作を行い、最終的に状態比較が一致するまでこの動作は
繰り返される。尚、上述した動作を図7にフローチャー
トで示す。
【0033】上述した第2の実施例においては、通常は
正常に動作するが、使用するFFのデバイス(例えばT
TLかCMOS Dなど)によっては動作が正常でなくなって
しまう。即ち、図5において、読み出し命令eがリセッ
ト信号fとして、割り込み検出部1のFF5とFF6、
及び割り込み発生部2のFF10をリセットするが、この
際、図6に示すfの斜線部の"L" の区間でリセットされ
る。
【0034】一方、読み出し比較命令hからインバータ
16およびNAND回路15による遅延で割り込み発生命令パル
スiが作られる。負パルスiの立ち上がり部分によりF
F10が動作するため、リセット解除後t9 −t8 の時間
(=インバータ16およびNAND回路15による遅延時間)し
か余裕がない。この結果、FF10の動作が不安定になる
こともある。
【0035】これを解決してどんなデバイスを使用して
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も確実に動作を保障するために、本発明の第3の実施例
* 【図面の簡単な説明】
を提案する。本第3の実施例の各回路動作は前述した第
【図1】は本発明の原理図、
2の実施例のそれと同じであるが、図8に示すように状
【図2】は本発明の第1の実施例の割り込み検出回路の
態比較部13の出力と割り込み発生部2のFF10の入力の
構成図、
間に遅延部17を設け、回路動作をより安定としたもので
【図3】は第1の実施例の動作を説明するためのタイム
ある。
チャート、
【0036】即ち、第2の実施例では負パルスiの"L"
【図4】は第1の実施例の動作を説明するためのフロー
の部分が図6のタイミングt7 ∼t9 であったものが、
チャート、
遅延部17を構成するFF18、FF19を通すことにより、
【図5】は本発明の第2の実施例の割り込み検出回路の
図9のタイミングt8 ∼t11 に遅延され、この負パルス 10 構成図、
iの立ち上がり部分によりFF10が動作するため、時間
【図6】は第2の実施例の動作を説明するためのタイム
的余裕は図9のt11 −t9 まで増加される。この結果、
チャート、
FF10は使用するデバイスの如何によらず確実に動作す
【図7】は第2の実施例の動作を説明するためのフロー
ることができる。
チャート、
【0037】
【図8】は本発明の第3の実施例の割り込み検出回路の
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、状
構成図、
態比較部130で、CPUからの読み出し命令を入力後、
【図9】は第3の実施例の動作を説明するためのタイム
レジスタ部に格納されているデータとその時の割り込み
チャート、
要因を示すデータとを比較して、両者が不一致のときに
【図10】は従来例の割り込み検出回路のブロック図、
は再起動命令を出力して、割り込み発生部200からCP 20 【図11】は従来例の動作を説明するためのフローチャー
Uに対して新たに割り込み信号を発生する構成とするこ
トである。
とにより、最初の割り込み信号を発生後読み出し命令を
【符号の説明】
入力するまでの間に割り込み要因を示すデータが変化し
130 は状態比較部、
た場合にも、CPUで該割り込み要因の変化を確実に知
200 は割り込み発生部、
ることができる。
*
300 はレジスタ部を示す。
【図1】
【図4】
(5)
【図2】
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【図5】
【図7】
【図3】
(6)
【図6】
【図9】
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【図8】
【図11】
(7)
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【図10】
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フロントページの続き
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(58)調査した分野(Int.Cl. ,DB名)
G06F 9/46
G06F 11/30
G06F 13/24