フォーカス中部 次世代を担う中部圏の航空機産業 −国内生産の維持・拡大と雇用の確保− 中経連は昨年度から、航空宇宙産業の振興に関する調査研究・提言および 推進活動の展開を目的に、 「航空宇宙特別委員会」 を設置し、検討を進めている。 昨年度は、航空機産業について、国および地方自治体で行われている産業振興施策との協力・連携、 企業ヒアリングや意見交換会等を行い、現状と課題を洗い出した。本レポートでは、中部圏の航空機産業 発展に向けての課題と対応方向および取り組み状況について紹介する。 三菱リージョナルジェット (MRJ) 完成イメージ図(三菱航空機㈱提供) ボーイング787 (ドリームライナー) 世界の航空機需要動向 航空機の構成とは? 航空機は大きく 「機体構造」、 「エンジン」、 「装備品」 の 日本航空機開発協会の予測によると、航空機需 3つから成り立っている。 要は右肩上がりで増加してきており、今後20年間 コスト的にも概ね3等分で同レベル。 (2013∼2032年)で、約3万機の新規需要が見 込まれている。 需要が予測されている。 この分野での参入企業は サイズ別にみると、初の国産小型ジェット旅客機 エンブラエル社(ブラジル)、 ボンバルディア社(カナ として開発中のMRJ (三菱リージョナルジェット) ダ)が大きく先行し、 オランダ、中国、 ロシアなどの航 などリージョナルジェット機分野は、20−59席で 空機メーカーも新型機の飛行試験を開始するな 325機、60−99席で3,145機の計3,500機弱の ど、競争の激化が予想される。 広 胴 機の分 野では、日 機数 本の航空機産業はボーイ 40,000 実績 予測 34,359 35,000 今後20年間で29,416機の新規需要 30,000 A380 747 A330 DC10,MD11 L1011 DC8,707 A300 10,234 10,000 A310 A330 A321 需要 767 757 5,000 2007 2012 328JET,ERJ135/145,CRJ200 2017 2通路 787(機体製造の35%を日 細胴機 777等の機体・装備品製 200席以下 造を担っているが、装備品 100席以上 1通路 日本は殆ど参加できていない CS100/300 100-119 席 ERJ170/190, CRJ700/900/1000 BAC111,F28/F70/F100,DC9 2002 120-169 席 ARJ21,SSJ100, MRJ 717,727-100,737-100/200/500,TRIDENT,DC9S 請 けが 主 で、ボー イング 本 が 担う)やボー イング 737 A319/A320 737-700/800 737-600, A318 1997 787 広胴機 200席以上 170-229 席 残存機 A320,MD80/MD90 727-200,737-300/400 1992 737-900 230-309 席 777 A320 747 13,802 15,000 787 ング社やエアバス社の下 400 席以上 310-399 席 777 767 A350 A321 18,590 20,000 0 A340 26,814 25,000 2022 2027 2032 60-99 席 MRJ 20-59 席 リージョナル ジェット機 99席以下 (サイズ) 出所: (一社)日本航空機開発協会「航空機関連データ集(2013年3月版)」 より作成 図−1 民間ジェット旅客機 運行機材需要予測 14 ボーイング747−400LCF (ドリームリフター) 中経連 2013.10 の参 入は航 空 機 用化 粧 室、厨房設備など一部に限 られている。 航 空 機 需 要 全 体の7 0 %近くを占める細 胴 機は ボーイング737とエアバス 中経連 2013.10 15 フォーカス中部 A320シリーズの独壇場であり、 日本は殆ど参加で 産業の25分の1と極めて小さい。 きていない (図−1)。 世界最大の米国航空機産業でも20兆円規模 で、 日本の自動車産業の約半分であり、産業そのも 日本の航空機産業 のの規模が小さいと言える。 その中で日本は、民間 −歴史− 機の下請け生産と、防衛機のライセンス生産または 先進諸国は、防需と民需が密接に共存しており、 組み立て生産を、機体5社(三菱重工、川崎重工、 国家戦略のもとに発展してきている。 富士重工、新明和工業、 日本飛行機)が分担し合っ ている (図−3)。 日本の航空機産業も戦前から軍需産業を主体と ︵兆円︶ して、国策により発展してきた。一方、民間部門で は、安全性基準・環境基準への適合を各国政府が 世界の航空機需要動向 厳しく審査・確認する型式証明制度が壁となり、 30 日本企業による開発は限定的であった。 25 開発費が数百億∼数千億円かかる反面、回収期 20 間が10∼15年と長いことにも起因し、 日本独自の開 15 発事業は防衛分野が主となり、民間旅客機開発は、 10 YS-11以来半世紀に亘って行われなかった。国家 5 戦略面でも、狭い国土に適した鉄道などの地上交 0 通システムが優先され、航空機産業を育成・拡大す 生産額 34.4 対GDP比 アメリカの 14分の1 20.1 自動車の 25分の1 1.34 % 4.3 1.74 % 3.1 1.52 % アメリカ フランス イギリス 3.1 0.99 1.8 1.45 1.4 0.29 % % % ドイツ カナダ 日本 自動車(日本) 出所: (一社)日本航空宇宙工業会「平成23年度版日本の航空宇宙工業」 より作成 る姿勢が乏しかった。 日本航空機開発協会の予測によると、航空機需 図−3 主要国の航空宇宙産業生産額と対GDP比率(2009年) 要は右肩上がりで増加してきており、今後20年間 近年の防衛予算縮減により、防衛部門だけでは (2013∼2032年)で、約3万機の新規需要が見 生産基盤の保持が難しくなり、海外企業(特に米国 中部圏の航空機産業 需要が予測されている。 この分野での参入企業は 企業)への下請けで民需の拡大を進め、生産額で サイズ別にみると、初の国産小型ジェット旅客機 エンブラエル社(ブラジル)、 ボンバルディア社(カナ 民需が防需を逆転した (図−2)。 −日本最大規模のサプライヤー集積地− として開発中のMRJ (三菱リージョナルジェット) ダ)が大きく先行し、 オランダ、中国、 ロシアなどの航 などリージョナルジェット機分野は、20−59席で 空機メーカーも新型機の飛行試験を開始するな 325機、60−99席で3,145機の計3,500機弱の ど、競争の激化が予想される。 込まれている。 機体メーカーおよび機体・装備品・エンジン部品メ −産業規模− ーカー(サプライヤー)が集積しているが、いずれも 他国および国内自動車産業と、産業生産額で比 規模が小さい。 較してみると、日本の航空機産業規模は1兆数千 これらの企業の産業振興に向けて、2011年12月 本の航空機産業はボーイ 億円で、米国航空機産業の14分の1、国内自動車 に国際戦略総合特区として愛知・岐阜地域の 「アジ 請 けが 主 で、ボー イング 生産額 (億円) 本 が 担う)やボー イング 777等の機体・装備品製 8,000 の参 入は航 空 機 用化 粧 室、厨房設備など一部に限 られている。 航 空 機 需 要 全 体の7 0 %近くを占める細 胴 機は ボーイング737とエアバス ②国産機開発 アNo.1航空宇宙産業クラスター ③国際共開発 形成特区」が政府の指定を受け 12,000 10,000 造を担っているが、装備品 ①大戦前後 航空禁止期間︵空白の7年間︶ 787(機体製造の35%を日 中経連 2013.10 中部圏には、国内航空機生産の5割が集中し、 広 胴 機の分 野では、日 ング社やエアバス社の下 14 35 6,000 4,000 2,000 0 1945 B767 V2500 B777 B787 C-1 F-1 T-4 構築し、米・シアトル、仏・トゥール F-2 規制・制度の特例措置、税制・財 T-1 2009 年 出所: (一社)日本航空宇宙工業会「平成23年度版日本の航空宇宙工業」 より作成 図−2 日本の航空機開発の歴史と生産額推移 ーズと肩を並べる航空宇宙産業の 世界三大拠点の一つを目指して、 防需 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 特区では、研究開発から設計、 製造、保守管理までの一貫体制を 民需 YS-11 てスタートした。 政・金融上の支援措置など優 遇 策を設けている。 しかし、支援措 置を活用できる企業は、指定地域 中経連 2013.10 15 フォーカス中部 47地域へ拡大申請中)内に立地 のコストや、ハードに対する 『責任リスク』 を低減する する指定企業(現在6企業)に限られ、中小企業に ため、部品メーカーを 「Tier1、Tier2 (完成機体メ はあまり恩恵がない (図−4、 5)。 ーカーとの関係を基準にした、 1次請、 2次請の呼 (現在10地域 び方)」 などに再編し、 比較的まとまった規模の仕事 −サプライチェーン構造変化− を、高性能・高品質・低価格で要求してきている。 こ れにより、完成機体メーカーにぶら下がっていた中 航空機産業のサプライチェーンは、 インテグレー 小部品メーカーの数は大幅に減らされることになる。 ター(海外完成機体メーカー)を頂点としたピラミ 中部圏では、現在ボーイングとの共同開発・製造 ッド構造となっている。 (ボーイング777、787など) を手掛けており、 その分 近年、完成機体メーカーは自らの一般管理費など 担割合は増加しつつあるものの、 (※特区指定企業 2013年7月現在) ○多くの航空機体メーカー、素材・部品メーカーが集積。 ○高い航空機・部品の生産額シェア (中部/全国=約50%)。 ○得に機体部品では70%超。地方、 エンジン、装備品関係の集積は薄い。 機体部品 川崎重工 明石工場 川崎重工 西神工場 新明和工業 甲南工場 エンジン 装備品 多摩川精機㈱ ナブテスコ㈱岐阜工場 (角度検出センサー) (飛行制御システム) 三菱重工 江波工場 IHI 呉工場 新明和工業 徳島工場 その他 ※川崎重工業㈱岐阜工場 (自衛隊機、B767・777・787前部胴体) ※川崎岐阜協同組合、 ※天龍エアロコンポーネント㈱ (B777・787部品) IHI 相馬工場 富士重工 宇都宮工場 IHI 瑞穂工場 日本飛行機 ※三菱重工業㈱ 名古屋誘導推進システム製作所 (ロケットH2A用エンジン、航空機エンジン) ※川崎重工業㈱名古屋第一工場 (B777胴体パネル、B787前部胴体) ※三菱重工業㈱小牧南工場 (自衛隊機、MRJ最終組立) ※川崎重工業㈱名古屋第二工場 (B767胴体パネル) ※三菱重工業㈱大江工場 (B787主翼、MRJ部品) ※東レ㈱名古屋事業場 (複合材料) ※三菱重工業㈱飛島工場 (ロケットH2A組立、MRJ構造組立、 B767・777胴体パネル) シンフォニアテクノロジー㈱ 伊勢製作所(電源システム) ※富士重工業㈱半田・半田西工場 (B777・787中央翼) 出所:中部経済産業局資料「中部航空宇宙産業の現状と課題」 より作成 図−4 日本最大規模のサプライヤー集積地 総合特区制度 新成長戦略を実現するための政策課題解決の突破口 先駆的取組を行う実現可能性の高い区域に国と地域の政策資源を集中 ○地域の包括的・戦略的なチャレンジを、 オーダーメードで総合的(規制・制度の特例、税制・財政・金融措置)に支援 ○総合特区ごとに設置される 「国と地方の協議会」 で国と地域の協働プロジェクトとして推進 2つのパターンの「総合特区」 ①国際戦略総合特区 我が国の経済成長のエンジンとなる産業・ 機能の集積拠点の形成 特例措置・支援措置 ②地域活性化総合特区 地域資源を最大限活用した地域活性化の 取組による地域力の向上 ※特例措置・支援措置は、 「国と地方の協議会」 の協議を踏まえ、累次追加 (1)規制・制度の特例措置 ○全国的な展開に踏み切れない規制の特例も、 自己責任の下、区域限定で実施 ライフイノベーション、グリーンイノベーション等 の本格展開の突破口 (2)税制上の支援措置 ①国際戦略総合特区 ○国際競争力強化のための法人税の軽減 (投資税額控除、特別償却、所得控除より選択) 国際競争力ある産業・機能集積拠点整備 ○個別の法令等の特例措置に加え、地方公共団体 の事務に関し、政省令で定めている事項を条例で 定められることとする 地域主権改革を加速する突破口 ②地域活性化総合特区 ○地域戦略を担う事業者に対する個人出資に係る 所得控除 地域の志のある資金を 「新しい公共」へ結集 (3)財政上の支援措置:関係府省の予算を重点的に活用。総合特区推進調整費により機動的に補完(H24予算:138.4億円) 5年間) の創設(H24予算:1.6億円) (4)金融上の支援措置:利子補給制度(0.7%以内、 出所:愛知県ホームページ「国際戦略特区」 より作成 図−5 「総合特区制度」 の概要 16 中経連 2013.10 三菱重工や川崎重工といった、 日 本のTier1機体メーカーも、 トー タルコストの観点から、海外生産 や部品の海外調達へ切り替えを 進めている (図−6)。 また、MRJでは、国産部品の比 率は約30% (大半は機体) と低い。 課題と対応方向 −高度化・拡大による競争力強化− 中部圏の航空機部品メーカー (中小企業)が生き残るためには、 三菱重工や川崎重工などの国内 メーカーだけでなく、 ボーイング社 やエアバス社など完成機体メーカ ー、装備品・エンジンの開発を手 掛けるような海外有力メーカーに も認められるよう技術力を高め、 規模の大きな海外市場に積極的 に打って出ることが欠かせない。 そのためには、設計開発から部 品の一貫生産に至るまでのノウハ ウを身につける必要があり、短期 的な利害にとらわれない連携体制 も構築するべきであろう。 また、中 小企業が求める特区優遇策の拡 充も、平行して進めるべきである。 製造コストの低減努力も必要と なる。 自動車産業の手法の応用も 試みられているが、航空機の部品 中経連 2013.10 17 フォーカス中部 47地域へ拡大申請中)内に立地 のコストや、ハードに対する 『責任リスク』 を低減する する指定企業(現在6企業)に限られ、中小企業に ため、部品メーカーを 「Tier1、Tier2 (完成機体メ (現在10地域 はあまり恩恵がない (図−4、 5)。 から地域を挙げて取り組むことが、極めて重要とな 三菱航空機 ーカーとの関係を基準にした、 1次請、 2次請の呼 海外機体 メーカー び方)」 などに再編し、 比較的まとまった規模の仕事 −サプライチェーン構造変化− 航空機産業のサプライチェーンは、 インテグレー ター(海外完成機体メーカー)を頂点としたピラミ ッド構造となっている。 近年、完成機体メーカーは自らの一般管理費など 【Tier1】 三菱重工業 川崎重工業 富士重工業 を、高性能・高品質・低価格で要求してきている。 こ 中部圏では、現在ボーイングとの共同開発・製造 (ボーイング777、787など) を手掛けており、 その分 担割合は増加しつつあるものの、 三菱重工や川崎重工といった、 日 本のTier1機体メーカーも、 トー △Tier1 メーカーから インテグレーターへ 拡大 【Tier2】 れにより、完成機体メーカーにぶら下がっていた中 小部品メーカーの数は大幅に減らされることになる。 ると考えられる。 【インテグレーター】 拡大 今井航空機器工業、旭金属工業 和田製作所、三光製作所 等の 中小企業サプライヤー 【材料・工作機械メーカー、他産業】 東レ、東邦テナックス、三菱レイヨン ヤマザキマザック、オークマ、森精機 等 ナショナル コンポジットセンター JAXA 飛行研究拠点 産総研 大学 −技術認証能力の向上− △サプライヤーのレベルアップ、 Tier1 化を目指す MRO (整備、補修サービス等) ※MRO: Maintenance, 拡大 Repair,Overhaul 産業支援機関 (試験認証 2011 年開設) 出所:愛知県ホームページ「国際戦略特区」 より作成 図−6 航空機産業構造と高度化/拡大のイメージ 点数は自動車の100倍ある反面、完成品の生産量 や部品の海外調達へ切り替えを は1万分の1なので、部品一つ当たりの生産割りか 進めている (図−6)。 けは、 自動車の100万倍にもなるため、独自の工夫 が不可欠である。 率は約30% (大半は機体) と低い。 課題と対応方向 16 中経連 2013.10 −人材育成− 中部圏では、ボーイング社からの受注作業の増 −高度化・拡大による競争力強化− 大により、組立工など現場技能者の育成が急務と 中部圏の航空機部品メーカー なっている。機体メーカーは、従来から社内教育で (中小企業)が生き残るためには、 育成しているが、 自社内で余力のない中小企業は、 三菱重工や川崎重工などの国内 大手企業の社内教育への参加や、外部の教育機 メーカーだけでなく、 ボーイング社 関への委託で対応しており、教育費用補助などの やエアバス社など完成機体メーカ 人材育成支援策も検討が必要といえる。 ー、装備品・エンジンの開発を手 また、教育現場でも、航空機の開発∼製造形態 掛けるような海外有力メーカーに の変化(手作業 機械加工、 2次元図面 3次元 も認められるよう技術力を高め、 DATA)や、国内外の人材の発掘・活用、 グローバ 規模の大きな海外市場に積極的 ルに通用する人材育成など、時代の要請への対応 に打って出ることが欠かせない。 が急がれ、何時(入社前・入社後か)、誰に対して、 そのためには、設計開発から部 境性能について、地上試験や解析および実機飛行 試験を含めた審査を受け、適合証明である型式証 明(TC)および耐空証明を取得しなければならな い。その審査基準となる 「設計製造基準」は、欧米 公設試験 研究機関 タルコストの観点から、海外生産 また、MRJでは、国産部品の比 民間航空機の開発では、航空局から安全性・環 諸国が多くの経験から作ってきたため、他国が簡単 に真似できるものではなく、欧米基準が国際スタンダ ードであり、 内容も極めて厳しい。 日本は航空機開発の経験不足から、 「 設計製造 基準」をまだ十分に理解できていない。航空局も 経験の少なさから審査能力が未熟であり、MRJの 型式審査を通じて、米連邦航空局の協力のもとで、 基本の習得に努めているところである。 航空機産業発展のために 日本の航空機産業発展のためには、 日本の航空 機製品が海外から望まれて調達されるようになるこ と、世界に向かって「輸出」できる力を持つ企業を 増やすことが必要である。 そのためには、 日本の航空機産業、特に装備品の 規模は極めて小さく課題も多いので、現在開発中 のMRJで確実に実績を積み、自動車産業のよう に、国内に限らず世界に向けて部品供給できるよう な航空機装備品企業を育成したい。 そして中部圏 が世界の「ものづくり」拠点となるよう、中経連は 航空機産業の発展に向けて、支援して行きたい。 (産業振興部 加藤 信彦) 誰が何を教育し、現場人材の育成をするか、仕組 品の一貫生産に至るまでのノウハ みづくりが急がれる。先進の欧米(オランダなど) ウを身につける必要があり、短期 や、欧米を猛追する中国はじめ新興諸国などの教 的な利害にとらわれない連携体制 育方法に学ぶところは多い。 【取材協力】 三菱重工業㈱、三菱航空機㈱、川崎重工業㈱、 多摩川精機㈱、㈱放電精密加工研究所、双日エアロスペース㈱、 ㈱和田製作所、石原達也(航空ジャーナリスト)他 【参考文献】(一財)日本航空機開発協会資料、 (一社)日本航空宇宙 も構築するべきであろう。 また、中 欧米はじめ諸外国では、 日常生活に航空機が根 小企業が求める特区優遇策の拡 づいており、理屈を超えて直感的に 「航空機という 機構(JAXA)資料、経産省「航空機 充も、平行して進めるべきである。 システム」 を理解できる人間形成を支えている。戦 製造コストの低減努力も必要と 後日本の自動車産業の発展を振り返れば、 こうし 術委員会」資料、防衛省「技術研究 なる。 自動車産業の手法の応用も た 「飛行機のある暮らし (アメリカ人みたいな!)」 に 試みられているが、航空機の部品 あこがれる新世代の子供達の育成に、長期的視点 工業会資料、 (独)宇宙航空研究開発 委員会」資料、文科省「航空科学技 本部航空装備研究所」資料、他資 料・著書多数 中経連 2013.10 17
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