学習指導案例

学習指導案例1
構造化理論に基づいた小学校第 1 学年の指導案例
1 主題名 「どうすれば,なかよくなれるかな」 2-(3)友情・信頼
2 資料名 「二わのことり」 学研 みんなのどうとく1年
3 主題設定の理由
ねらい,資料,児童の実態,教師の願い,各教科・特別活動・総合的な学習の時間などとの関連
を記述する。
4 ねらい
相手の気持ちを考えて生活することが互いの喜びに結びつくことに気づく。
5 展開
学習活動と主な発問
指導援助の方法
①みなさんは,どんなとこ ・理由を明確にさせる。
導 ろへ遊びに行きたいですか。
入 それは,なぜですか。
期待する児童の変容
・楽しいことを求める自分に気づ
く。
②みそさざいさんは,どう ・自分の経験と重ねて, ・楽しさを求める心と約束・友情
して迷っているのでしょう。 みそさざいの心の葛藤を の 間 で迷 っ て い る こ と を 確 認 す
実感させる。
る。
③みそさざいさんが,うぐ
展 いすさんの家に行ったのは ・導入と経験の想起
・楽しいほうに引かれる弱さが自
なぜでしょうか。
分にもあることを確認する。
開
④みそさざいさんは,なぜ, ・やまがらの心情に目を ・気になることがあると心から楽
前 やまがらさんのことが気の 向けさせる。
しめないことを実感する。
毒になったのでしょう。
段
⑤みそさざいさんは,どう ・弱さを克服したときの ・やまがらが喜んでくれたことか
してやまがらさんの家に来 喜び,人間としての生き らくる心地よさと友達との約束を
て良かったと思ったのでし 方の問題として考えさせ 優先させた自分自身を肯定する喜
ょう。
る。
びに気づく。
展
開
後
段
⑥みそさざいさんと同じよ ・喜びの感情を共感的に ・友達のことを考えて行動したと
うなことを友達にしてあげ 受け止める。
きの心地よい気分を想起する。
たことがありますか。どん
な気持ちになりましたか。
終 ・友達のことを考えて生活 ・説話
することの難しさと喜びを
末 確認する。
6 評価の観点
・自分のことだけでなく,友達の
ことを考えて生活することの素晴
らしさを確認し,価値への憧れを
もつ。
略
- 31 -
学習指導案例2
構造化理論に基づいた小学校第1学年の指導案例
1 主題名 「どうしたらなかよくなれるかな」
2-(3)友情・信頼
2 資料名 「くりのみ」 学研 みんなのどうとく1年
3 主題設定の理由
ねらい,資料,児童の実態,教員の願い,各教科・特別活動・総合的な学習の時間などとの
関連を記述する。
4 ねらい
相手の気持ちを考えて生活することが互いの喜びにつながり,友情を深めることに気づく。
5 展開
学習活動と主な発問
指導援助の方法
期待する児童の変容
・黒板に掲示したきつねと ・キャラクター絵を掲示 ・仲良しの,きつねとうさぎ
導 うさぎの絵を見て二人の関 し,表情に着目させなが の話であることを知る。
入 係を予想する。
ら二人の関係を確認する。 ・二人にとってうれしい話で
あることに気づく。
・キャラクター絵と教員の ・きつね,うさぎ,どん ・きつねのとった行動を中心
語りによって,二人が再会 ぐり,木の葉を動かしな に状況を理解する。
する場面までを理解する。 がら豊かに語りかける。
展 ①おなかがいっぱいになっ ・経験の想起
たきつねは,どうして残っ
開 たどんぐりを隠したのでし
ょう。
前
・役割演技(動作化)によ ・動作化の補助
段 り,再会した二人のやりと ・演技をした子供へのイ
りを再現する。
ンタビュー
・欲をかいてしまうことが,
自分にもあることを確認する。
・うそをついたきつねの心情,
くりを一つ分けてやった,う
さぎの心情を味わう。
②きつねは,どうして涙を ・きつねのキャラクター ・きつねのことを思ううさぎ
こぼしたのでしょう。
絵を持たせることによっ の優しさによって,二人が一
「きつねさん,あなたはな て自分と重ね合わせて考 層心を通わせていることに気
ぜ泣いているの?」
えさせる。
づく。
・役割演技
展
開
後
段
③うさぎさんと同じように
友達の気持ちを考えて親切
にしてあげたことがありま
すか。どんな気持ちになり
ましたか。
・心地よい感情を共感的 ・友達のことを考えて行動し
に受け止める。
たときの心地よい気分を想起
・相手のどんな気持ちを する。
察したのかを明確にでき
るように支援する。
終 ・友達のことを考えて生活 ・説話
することの難しさと喜びを
末 確認する。
6 評価の観点
・自分のことだけでなく,友
達のことを考えて生活するこ
との素晴らしさを確認し,価
値への憧れをもつ。
略
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学習指導案例3
構造化理論に基づいた小学校第2学年の指導案例
1 主題名 「いのちはだれのもの」 3-(2)生命尊重
2 資料名 「いのちをあげよう」 学研 みんなのどうとく2年
3 主題設定の理由
ねらい,資料,児童の実態,教師の願い,各教科・特別活動・総合的な学習の時間などとの関連
を記述する。
4 ねらい
美しいもの,気高いものに感動する心を育てると共に,自他の生命を大切にしようとする心情を
育てる。
5 展開
学習活動と主な発問
指導援助の方法
期待する児童の変容
①自分が生きていると感じ ・発言が出ない場合には ・観念的な命ではなく,生きて
導 るのはどんなときですか。 いくつか例を挙げて,考 いるという実感をもたせる。
入
える視点を与える。
・資料の前半を理解する。
・場面絵と教師の語りに
より場面の状況を理解さ
せる。
②お父さんは,どんな気持 ・自分の経験を想起する
展 ちでみちおを見守っている ことにより考えさせる。
でしょうか。
開
・資料の後半を理解する。 ・場面絵と教師の語りに
前
より場面の状況を理解さ
せる。
段 ③お父さんとお母さんは, ・「 ど ち ら か が , い や が
なぜ,どちらのじんぞうを ったのでしょうか?」の
あげるか相談したのでしょ 発問をする。
うか。
・同室で治療を受けている,母
と子,それを見守る父親の状況
を理解する。
・父親の祈るような気持ちに気
付く。
・どちらかがいやがっているわ
けではなく,互いのこと,看病
のこと,家のことなどを気遣っ
ての相談であること気付く。
・自分の命を分け与えることに
④お母さんの目から涙があ ・看病してもらった経験 よって,我が子の命を救えた親
ふれたのは,なぜでしょう をもとに考えさせる。
の喜びに共感する。
か。
⑤みちおは目を覚ましたら, ・役割演技によって実感 ・両親の愛情に支えられている
両親になんと言うでしょう させる。
自分の命を実感する。
か。
展
開
後
段
⑥お父さん,お母さんが自 ・自己の生活を振り返ら ・支えられている命に気付く。
分の命を守ってくれている せる
と感じるのはどんなときで
すか。
終 ・両親の愛情で守られてい
末 る命の大切さを確認する。
6 評価の観点
略
・難病の我が子を介護す ・支えられている命の尊さを実
る母親の手記を紹介する。 感する。
- 33 -
学習指導案例4
構造化理論に基づいた小学校第3学年の指導案例
1 主題名 「命の重さにちがいがあるの」 3-(2)生命尊重
2 資料名 「目の見えない犬」 学研 みんなのどうとく3年
3 主題設定の理由
ねらい,資料,児童の実態,教師の願い,各教科・特別活動・総合的な学習の時間などとの関連
を記述する。
4 ねらい 生命の尊さに気付き,自他の生命を大切にしようとする心情を育てる。
5 展開
学習活動と主な発問
指導援助の方法
期待する児童の変容
①捨てられた犬や猫を見た ・経験の想起
・捨てられた犬の話であることを
導 ことがありますか。その時,
知るとともに,自分が直面したと
入 どんな気持ちになりました
きの心情を思い出す。
か。
展
開
前
段
・拾ってきた犬の目が見え
ないことが分かり抱きしめ
るまでの場面を理解する。
②わたしが,思わず子犬を
抱きしめたのはなぜでしょ
うか。
・団地でかってもらえるよ
うになるまでの場面を理解
する。
③もとの場所にもどしてお
くことができなかったのは
何が心配だったからでしょ
うか。
④目の見えない人は盲導犬
のお世話になるけれど,目
の見えない犬は,どうする
の,とお母さんに聞いたの
は,大人のどんな態度のせ
いでしょうか。
・資料の後半を理解する。
⑤団地の人たちが,子犬を
飼うことを許してくれたの
は,なぜでしょうか。
・紙芝居により資料提示
する
・経験をもとに考えさせ ・目が見えないまま捨てられた子
る
犬の不憫さに対する思いに共感す
る。
・紙芝居により資料提示
する
・発言を共感的に受け止 ・目の見えない犬が放置されたと
める
き,どんなことが起こりうるかに
気付く。
・子供の純粋な考え方や ・犬を平気で捨てたり,命よりも
大人に対する怒りの気持 団地の規則を優先する考え方に疑
ちを受け止める。
問を持ったことを確認する。
・紙芝居により資料提示 ・子犬の命を守ろうとする子供達
する
の行動を見て,命の大切さを再認
識し始めた大人の心の変化に気付
く。
展 ⑥皆さんが生き物の命を大 ・経験の想起
・命を大事にしようとする心が自
開 切にした経験を思い出して ・発表できない子は黙考 分たちにもあることを確認する。
後 発表して下さい。
でもよい
段
終 ・本時に学習した価値を確 ・説話等
末 認する。
6 評価の観点
略
・ か けが え の ない 命を 再認識す
る。
- 34 -
学習指導案例5
構造化理論に基づいた小学校第4学年の指導案例
1 主題名 「本当の友達になるために」2-(3)友情・信頼
2 資料名 「ないた赤おに」 学研 みんなのどうとく4年
3 主題設定の理由
ねらい,資料,児童の実態,教師の願い,各教科・特別活動・総合的な学習の時間などとの関連
を記述する。
4 ねらい
相手の気持ちを考えて生活することが互いの喜びにつながり,友情を深めることに気付く。
5 展開
学習活動と主な発問
指導援助の方法
期待する児童の姿
①親しい友達がいますか。ま ・経験の想起により,価 ・友情に関わる学習であること
導 た,どうやって仲良くなりま 値への方向づけを行う。 を理解する。
入 したか。
・受容と発言の明確化
・心のノート P42
②赤おには,なぜ,立て札を ・必要に応じて役割演技 ・村人と仲良くなりたいと願う
めちゃくちゃにこわしたので を取り入れる。
赤おにの強い気持ちに共感する。
しょう。
展 ③青おには,なぜ,自分が殴 ・自分の大切な友達がこ ・大切な友達の願いをかなえて
られる役になろうと考えたの まっていたらどんな気持 やりたいという青おにの気持ち
開 でしょう。
ちになるか考えさせる。 に共感する。
前 ④青おにをなぐっている赤お ・青おには,なぜ「しっ ・青おにに対して申し訳ないと
には,どんな気持ちだっただ かりぶたなければだめだ」 いう気持ちと共に,この方法へ
段 ろう。
と言ったのだろう。
のためらいがあったことに気付
く。
⑤青おにの手紙を見た赤おに ・意見を聞いた後,二人 ・自分が犠牲になってまでも赤
は,なぜ涙を流したのだろう。 が再会する場面を設定し おにの願いをかなえてやろうと
て役割演技を行う。
した青おにの心情と,青おにこ
そが本当の友達だったと気付い
た赤おにの心情に共感する。
展
開
後
段
⑥今までに友達の気持ちを考 ・心地よい感情を共感的 ・友情を深めるためには,相手
えて行動したことがあります に受け止める。
のことを考えて行動することが
か。その時の気持ちはどうで ・友達のどんな心情を察 大切であることを自覚する。
したか。
したのかが明確になるよ
うに支援する。
終 ・友達の気持ちを考えて生活 ・説話
することの大切さを確認す
末 る。
6 評価の観点
・自分のことばかりでなく,友
達のことも考えながら生活する
ことの素晴らしさ,心地よさを
確認し,価値への憧れをもつ。
略
- 35 -
学習指導案例6
構造化理論に基づいた小学校第5学年の指導案例
1 主題名 「誠実さはだれのため」 1-(4)誠実
2 資料名 「手品師」 学研 みんなのどうとく5年
3 主題設定の理由
ねらい,資料,児童の実態,教師の願い,各教科・特別活動・総合的な学習の時間などとの関連
を記述する。
4 ねらい
人間は,自分の楽しみや利害を優先しがちな側面があることを確認すると共に,誠実に行動する
ことの大切さ難しさを理解し,誠実に行動しようとする心情を育てる。
5 展開
学習活動と主な発問
指導援助の方法
期待する児童の変容
①手品をしたり,見たりし ・資料への方向付け
・手品に関する資料であることを
導 たことがありますか。
知るとともに,資料への関心をも
入
つ。
・資料の前半を理解する
②手品師が,男の子にあし
たもきっと来ると約束した
のはどんな気持ちからだろ
展 う。
③少年は,その夜,どんな
開 気持ちで夜を過ごしただろ
うか。
前
・資料の後半を理解する
段 ④手品師は,友人の電話に
なぜ,そんなに迷っている
のだろう。
・場面絵と教師の語り
・少年の境遇から考えさ ・少年の喜ぶ顔を見て,明日も手
せる。
品で励まそうとする手品師の心情
に共感する。
・自分の経験から考えさ ・手品師との約束を心待ちにして
せる。
いる少年の気持ちを理解する。
・場面絵と教師の語り
・綱引きの絵を示し,ど
んな気持ちが引き合って
いるのかを視覚的に表現
する。
⑤手品師は,なぜ,少年と 補助発問
の約束を選んだのだろう。 ・少年との約束を選んだ
手品師のことをどう思う
か。
⑥たった一人のお客を前に ・全ての状況を知った少
手品をしている手品師は何 年と手品師が語り合う場
を考えているだろう。
面を設定し,役割演技を
行う。
・自分の夢と少年との約束に迷う
手品師の葛藤に共感する
・少年との約束を破ったら後々ま
で悔いを残すと判断した手品師の
心情に共感する。
・約束を優先した自分の判断に満
足しているであろう手品師の心に
気付く。
展 ⑦誠実に行動してよかった ・発言しにくい子は黙考 ・誠実に生きることの心地よさに
開 という経験を思い出してみ でもよい
目を向けさせる。
後 よう。
段
終 ・学習した価値について確
末 認する。
6 評価の観点
略
・説話等
・誠実に生きたいという気持ちを
高める。
- 36 -
学習指導案例7
構造化理論に基づいた小学校第5学年の指導案例
1 主題名 「支え合う命とは」
3-(2)生命尊重,3-(3)強さ・気高さ
2 資料名 「あの子があぶない」 大阪書籍 生きる力5年
3 主題設定の理由
ねらい,資料,児童の実態,教師の願い,各教科・特別活動・総合的な学習の時間などとの関連
を記述する。
4 ねらい
自分の中にも気高い心があることを確認すると共に,自他の生命を大切にしようとする心情を育
てる。
5 展開
学習活動と主な発問
指導援助の方法
期待する児童の変容
・新大久保駅の事故を振り ・新聞記事により概要を ・支え合う命について考えること
導 返り,感想を述べ合う。
紹介する。
に気づく。
入
・心のノートP62~P63を
読み聞かせる。
・資料1の内容を把握する。
①岡本さんは,どんな気持
ちから飛び込んだのだろう。
・資料2の内容を把握する。
展 ②一般の市民も葬式に集ま
ってきたのは,どんな気持
開 ちからだろう。
・黒板に一枚絵を提示し, ・とっさの判断で,何も考えずに
教師が読み聞かせる。
飛 び 込ん だ こ とに 気づ かせたい
が,この段階では,助けたい,何
・読み聞かせ,または, とかしてやりたいなども可。
指名読み。
・岡本さんの勇気ある行動に共感
したこと,自分もできることをし
たいという気持ち,家族を思う気
持ちなどに気づく。
前 ③岡本さんの写真に向かっ ・小学生になったつもり ・お詫びや感謝の気持ち,これか
て頭を下げた小学生は,心 で役割演技をさせる。
らの生き方についての決意などに
段 の中で何と言っていただろ
共感する。
う。
・資料3の内容を把握する。 ・教師が読み聞かせる。
④奥さんの胸につかえてい
・立派ではあるが,あなたでなく
たのは,どんな気持ちだっ
てもよかったのではないかという
たのだろう。
・必要に応じて役割演 気持ちに共感する。
⑤奥さんが,はじめて明る
技を取り入れる。
・夫の考え方を理解し,それを支
くなれたのは,考え方がど
えに誇りをもって生きようとする
のように変わったからだろ
考え方に気づく。
う。
展
開
後
段
⑥困っている人や生き物を ・共感的,受容的に発言 ・ 自 分に も あ る 気 高 い 心 に 気 づ
見た時,岡本さんのように を受け止める。
く。
何とかしてやりたいという
気持ちになった経験を思い
出してみよう。
終 ・学習した価値について確
末 認する。
6 評価の観点
略
・心のノートP64~P65を ・支えられている命を輝かせよう
紹介する。
とする意欲をもつ。
- 37 -
学習指導案例8
構造化理論に基づいた小学校第4学年~中学校3学年の指導案例
1 主題名 「友だちの命,大事にしていますか」 3-(2)生命尊重,4-(3)公正・公平
2 資料名 「わたしのいもうと」
学研 みんなのどうとく小学校4年
松谷みよ子(偕成社)
東京書籍 明日をひらく中学2年
3 主題設定の理由
略
教育出版 心つないで中学3年
4 ねらい
差別や偏見に対して目をそらしてしまいがちな人間の弱さを乗り越え,勇気をもって公平・公正
にふるまうことの大切さを自覚するとともに,自他の生命を大切にしようとする 心情を育てる。
5 展開
学習活動と主な発問
指導援助の方法
期待する児童の変容
①「あるアンケート調査の回 ・東京都いじめ問題緊急 ・いじめ問題についての学習で
導 答の上位3つは次のとおりで 対策本部調査データの提 あることを知る。
ある。どんな質問に対する答 示(平成7年)
えであると思うか。」
「なぜ,いじめを黙認す
るか」
・まず,自分の身を守ろうとす
①関わりをもちたくない 77 %
入 ②自分がいじめられたくない 70 %
・自分の経験と重ねなが る人間の弱さを確認する。
③いじめているグループが怖い 64 %
ら考えさせる。
・資料の全体を理解する。
・挿し絵を黒板に提示し ・いじめがもとで命を失ったい
ながら配付した資料を教 もうとの状況を知り,問題意識
・各場面ごとに登場人物の判 師が読み聞かせる。
をもつ。
展 断や心情について話し合う。
②この姉妹はどんな気持ちで ・自分の立場に置きかえ ・不安とともに,夢や希望をも
転校してきただろうか。
ながら考えさせる。
って転校してきた姉妹の心情に
開
共感する。
③お母さんは,どんな気持ち ・家族に愛される自分の ・母親の悲しみ,やりようのな
で女の子を抱きしめ,子守歌 経験と重ねて考えさせる。 い怒り,そうすることしかでき
前 を歌ったのだろう。
ない切なさに共感する。
④ 妹 を い じ め た 仲 間 が 中 学 ・ ロ ー ル プ レ イ ( 役 割 演 ・最悪の結果を想定できずにい
生,高校生となり楽しんでい 技)により自分と異なる他 じめていた子,自分の身を守る
段 るのをみて私はどんな気持ち 者の考え方や心情を探る。 ために見て見ぬふりをしていた
だっただろう。
(いじめた子,見て見ぬ 子,最愛の妹を奪われた私の心
ふりをしていた子,私) 情などを間接体験することによ
り問題の所在を明らかにする。
⑤ ひ っ そ り と 死 ん だ 女 の 子 ・児童それぞれが女の子 ・学習をとおして気付いたこと
は,何を言いたかっただろう。 の役になり,一番言いた をせりふとして表現することに
・いじめた人に対して
い相手を決めてロールプ より,自己の変容や成長を自覚
・見て見ぬふりをした人に
レイふうにせりふを言う。 する。
・母親に対して
・私(姉)に対して
展 ⑥自分や友だちの命を大切に ・日常生活の具体的な場 ・自己の生活を振り返り,課題
開 するために,あなたにできる 面を思い浮かべさせる。 に気付かせるとともに目標をも
後 ことは何ですか。
たせる。
段
終 ・学習した価値を確認する。 ・心のノートP83ページ, ・本時の価値を確認し,価値実
末
「心の窓をくもらせない」 現への憧れをもつ。
を読む。
6 評価の観点
略
- 38 -
学習指導案例9
構造化理論に基づいた中学校第1学年の指導案例
1
2
3
4
5
導
入
展
開
前
段
展
開
後
段
終
末
6
主題名 「大震災が奪ったもの」
3 -(2) 生命の尊重
資料名 「語りかける目」 暁教育図書 中学生の道徳1年
主題設定の理由
省略
ねらい
生命の尊さについて理解を深める。母を助けたくてもどうすることもできない少女の心情を察
することができる。少女の目は何を語りかけようとしていたのか考えることができる。
展開
学習活動と主な発問
指導援助の方法
期待する児童生徒の変容
・阪神淡路大震災の写真
・大震災で多くの命が奪われた
を提示する。
ことについて気づく。
①この写真は何の写真か ・平成7年1月17日午前5
死者数:6,433 人
知っていますか。
時46分に阪神大震災が起 ・生命に関わる学習であること
・主題の確認をする。
こる。
に気づく。
・資料を読み,少女の心 ・資料を語りかけるように読
情について理解する。
む。
②助けを求め叫び続ける ・その状況におかれた人の立 ・自分のことで精一杯で,とて
少女の声を聞いたまわ
場で考えさせる。
も他人のことまで面倒みれな
りの大人は,どうして
いことが自分にもあることに
助けてくれなかったの
気づく。
か。
③「ありがとう。もう逃 ・握っている手を放した母の ・母を見捨てなければならない
げなさい」と母に言わ
思い,手を放して逃げる少
少女の気持ちに気づく。
れた少女は,どんな思
女の気持ちを考えさせる。
いで手を放して逃げた
のだろうか。
・少女はどんな思いで母 ・動作化の補助
・守り続ける少女の気持ちに気
を「ナベ」に入れ,守
場の設定,役割の確認
づく。
り続けているのだろう
「ナベ」をもって立って
か。
いる少女に,警察官が
少女と警察官との会話
「どうしたの」と話しか
を役割演技で再現する。
ける場面から始める。
・どんな気持ちか聞く。
④少女の目は,私たちに ・自分のこれからの生き方と ・親から授かった命を大切に
どんなことを語りかけ
重ねて考えさせる。
し,力強く生きていこうとす
ているのだろうか。
る少女の気持ちを理解する。
・これまでの生活を振り
返る。
⑤生命の尊さを実感した ・発言を共感的に受け止める。 ・生命の尊さについて自覚を深
り,生命を大切にして
める。
あげたことはないだろ
うか。
・詩の朗読を聞き,生命の ・相田みつをの詩「自分の番」 ・自他の生命の尊さについて確
尊さについての理解を深 を朗読する。
認し,価値へのあこがれをも
める。
つ。
評価の観点 略
- 39 -
学習指導案例10
構造化理論に基づいた中学校第2学年の指導案例
1 主題名 「人間のすばらしさとは何か」
3-(3)人間の強さ・気高さ
2 資料名 「足袋の季節」 学研 かけがえのないきみだから2年
3 主題設定の理由
ねらい,資料,生徒の実態,教員の願い,各教科・特別活動・総合的な学習の時間などとの関連
を記述する。
4 ねらい
人間には,弱さ醜さばかりでなく,それを克服し,人間としての誇りをもって生きようとする気
高さが誰にでもあることを確認すると共に,誇りある生き方をしようとする意欲や態度を育てる。
5 展開
学習活動と主な発問
指導援助の方法
期待する生徒の変容
①「人間の心って弱いなあ」 ・発言がない場合は,例 ・人間の弱さ,醜さの面に目
導 と感じたことはありません を示す。
を向ける。
入 か。
・主題の確認をする。
○「人間は,弱く,醜い ・人間の弱さと気高さに関わ
だけの存在なのでしょう る学習であることに気づく。
か。」
・資料の前半(おつりを受 ・場面絵と教員の語り
け取った場面まで)を理解
する。
展 ②「思わず ,『うん』とう ・自分の経験や少年の境 ・自分と少年を重ね合わせな
なずいてしまった少年のこ 遇から考えさせる。
がら,誰もがもっている人間
開 とをどう思いますか。」
の弱さを確認する。
・その場を離れた後の少年 ・自分の経験と重ねて考 ・後ろめたさや自責の念を共
前 の心情を想像する。
えさせる。
感的に感じ取る。
・資料の後半を理解する。 ・場面絵と教員の語り
段 ③「その後,おばあさんの ・自分の経験と重ねて考 ・少年の苦悩と後悔の念に共
前に立てなくなってしまっ えさせる。
感する。
たのはなぜだろう。」
④「無性に自分に腹が立ち, ・生徒の発言を共感的に ・自分の弱さを克服できなか
泣けて泣けてどうしようも 受け止める。
った時の自責の念の重さに共
なかった,とあるが自分の ・人間としての誇りとい 感する。
何に腹が立ったのだろう。」 う視点から考えさせる。
展 ⑤「少年と同じように,自 ・発言があれば共感的に ・弱さに負けたときの自責の
開 分の弱さに負けて人間とし 受け止めるが,黙考でも 念と,それを克服したときの
後 ての誇りを失いかけたこと よい。
快い感情を自覚する。
段 はないだろうか。」
・「 人間の素晴らしさ」と
・弱さ,醜さをもちながらも,
は何かについてグループで
それを克服し人間としての誇
シェアリングを行う。
りを持ち続けたいという人間
の本性に気づく。
終 ・人間には弱さ,醜さと同 ・説話
・本時の価値を確認し,価値
時に,それを克服しようと
実現への憧れをもつ。
末 する気高さがあることを確
認する。
6 評価の観点
略
- 40 -
学習指導案例11
構造化理論に基づいた中学校第3学年の指導案例
1 主題名 「命をどう輝かせるか」 3-(2)生命尊重,3-(3)強さ・気高さ
2 資料名 「塩狩峠」 中学校 文部省読みもの資料5
学研 かけがえのないきみだから3年
3 主題設定の理由
ねらい,資料,児童の実態,教師の願い,各教科・特別活動・総合的な学習の時間などとの関連
を記述する。
4 ねらい
自分の中にも気高い心があることを確認し,自分の生き方に自信がもてるようにするすると共に,
自他の生命を大切にしようとする心情を育てる。
5 展開
学習活動と主な発問
指導援助の方法
期待する生徒の変容
・心のノート67ページ,吉川 ・生徒それぞれの受け止 ・生と死についての学習である
導 英治の言葉を読み,感想を述 め方,考え方を尊重する。 ことを確認する。
入 べ合う。
・資料の背景を知る。
・実話であること,信夫 ・信夫とふじ子の関係と,その
は体に障害をもつふじ子 日が結納の日であることを確認
と婚約して,結納を行う する。
日のことであることを知
展
らせる。
・事故の発生から,信夫の犠 ・教師が読み聞かせる。
牲により列車が停止した場面
開 までを把握する。
①「大変だ。転覆するぞ 。」 ・自分の立場に置き換え ・死への恐怖,生への叫び,何
の声を聞いたとき,乗客たち て考えさせる。
かにすがる思いなどを確認する。
前 の心には,どんな感情が起こ
っただろうか。
板書
・人間としての誇り,気高さ,
②自らの命を犠牲にする決
ふ
ふじ子への一途な愛情などに共
段 断をした時,信夫にとって,
じ
感する。
ふじ子との幸せな生活より大
子
切なものとは何だったのだろ
と
う。
の
・資料の後半を把握する。
・教師の読み聞かせ。
・信夫の誠実さ,思いやり,人
③吉川が,信夫のこんな死に ・考える時間を十分に与 間愛と共に周囲の人々に与えて
方を予測していたのは,信夫 え,必要に応じて小グル いた影響を推測する。
がどんな生き方をしてきたか ープで意見交換をさせる。
らだろうか。
・生徒の発言を共感的に
受け止める。
・そうしないではいられなかっ
④数年後,信夫とふじ子が夢 ・役割演技
た信夫の心情,信夫を誇りに思
の中で再会したら,二人はど
いながらも,あきらめきれない
んな会話を交わすだろうか。
ふじ子の心情に共感する。
展 ⑤信夫と同じように,何とか ・経験を想起させ,共感 ・自分の中にも,信夫と同じ気
開 しないではいられない気持ち 的に受け止める。
高い心があることを確認する。
後 になったことはないだろう
段 か。
終 ・学習した価値を確認する。 ・心のノートP66へ書き込 ・自分に対する自信と,将来へ
末
む。
の夢をもつ。
6 評価の観点
略
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