病理学

授業科目
開講年次
形態
病理学
3年前期
講義
単位 時間数 必/選
2
30
必修
科目責任教員
伊藤 裕司
授業の概要
生体に起こる疾病及び病的な状態の変化をとらえ、病気の原因(病因)を追究する病理学は、基礎医学の分
野において非常に大きな役割を果たすと共に、病因の究明のため、病理形態学、組織病理学に重点が置かれて
いる。そこで、本講義では、序論として、病理学の歴史、退行・進行性病変、代謝異常、循環障害、炎症、腫
瘍について解説する。その後、各器官の病理について概説し、診断の確定、治療効果の判定等に用いられる検
査法の種類とその方法について教授する。
到達目標(GIO)
病因を究明のための病理形態学、組織病理学について理解することを目的とする。そこで、退行・進行性病
変、代謝異常、循環障害、炎症、腫瘍、各器官の病理、診断の確定、治療効果の判定等に用いられる検査法の
種類とその方法について理解することをも目標とする。
授業計画
1
総論:病理学の輪郭・歴史
2
退行・進行性病変:萎縮、変性、壊死、肥大、再生、石灰変性等の細胞の病的変化と代謝障害
3
代謝異常:蛋白・糖・脂質等の物質代謝異常
4
炎症、新生物(1):炎症の定義と概念、炎症の基本病変、炎症の原因・分類、炎症と生体防御・修復
5
炎症、新生物(2):腫瘍の総論、腫瘍の名称と形態、発生と発育、宿主との関係、統計、原因及び、分類
6
循環障害:充血、出血、血栓症、体液・電解質の異常、高血圧などの局所循環障害・全身循環障害
7
呼吸器系障害:肺・気管・気管支の形成異常・疾患・炎症・腫瘍
8
消化器系障害:口腔・唾液腺の炎症と腫瘍、食道・胃・腸の炎症と腫瘍
9
内分泌系障害:下垂体・甲状腺の発育異常と機能異常、膵島・副腎の機能低下と腫瘍
10 泌尿器・生殖器系障害:泌尿器系の構造と機能と障害、泌尿器系の腫瘍、生殖器の障害
11 造血器系障害:骨髄の構造と造血及びその異常
12 神経・感覚器系障害:神経系の基本的病変と腫瘍、神経系の外傷、その他の障害
13 運動器系・皮膚:骨・骨格筋の発育と炎症及び腫瘍、皮膚の炎症及び腫瘍
14 病理組織と細胞組織検査(1):病理標本の作製と観察、各種生化学的検査、各種疾患と病理像
15 病理組織と細胞組織検査(2):血清学的検査、細菌学的検査、生理学的検査
受講上の注意
今までに学んできた生物学や、解剖学、生理学等を基礎として病理
学を理解し、医療人としての基礎知識を学ぶ。予習をしておくこと。
成績評価の方法
定期試験(100%)
教科書・参考書・その他の教材
教科書: わかりやすい病理学 南江堂
参考書: 臨床病態学 (南江堂)
その他: 組織病理アトラス (文光堂)
担当教員
伊藤 裕司