高校野球特別規則 - 日本高等学校野球連盟

高 校 野 球 特 別 規 則 (2016 年版 )
(文 中お よび 末尾 に主 な関 連 条 文 番号 を記 載 )
1. 高 校野 球で 使 用で きる バッ トは 次の 通り であ る。
(1) 認可 の種 類
① 木 製バ ット
② 木 片の 接合 バ ット
③ 竹 の接 合バ ッ ト
④ 金 属製 バッ ト
▽ 金 属製 バッ ト は、2001 年 秋か ら適 用 され た新 基準
(規則 3.02(a)【注 3】)に よる も のと し、 経 済産 業
省認 可の SG 基準 に適 合し た、 S Gマ ーク (右図 参
照)添 付の 製品 に 限る 。
(2) 色彩
① 使 用で きる 木 製の 着色 バッ トは 以下 の通 りと する 。
ア) 黒 色・ ダー ク ブラ ウン 系・ 赤褐 色 系 およ び淡 黄色 系と する 。
イ) 木 目を 目視 で きる もの とす る。
ウ) 拙 劣な 塗装 術 を用 いて いな いも のと する 。(例 えば ボー ルに 塗装 が付 着
する など )
② 金 属 製 バ ッ ト は 、「 金 属 の 地 金 の 色 ま た は 木 製 バ ッ ト に 近 い 色 、 も し く は 黒
色」 とす る。
③ ま た、 金属 製 バッ トの ツー トン カラ ーの もの は認 めず 、一 色と する 。
(3) その 他の 注意
① 鉄 棒 、バ ット リ ング 、滑り 止め スプ レー など をベ ンチ 内に 持ち 込む こと を 禁
止す る。
② 金属製バットの表面にへこみ、ヒビ割れや、グリップのゴムや皮にゆるみ、
破れ がな いか 注意 する こと 。( 規則 3.02)
2. 大 会試 合毎 の ユニ フォ ーム 変更 につ いて
大会 で使 用す るユ ニフ ォー ムは 、 一大 会一 種 類と する 。
(例 えば校 名表 記が漢 字とローマ字の2種類 保 有しているなどの場 合 ) (規 則 3.03)
3. 打 者 、 走 者 お よ び ベ ー ス コ ー チ 、 バ ッ ト ボ ー イ 、 ボ ー ル ボ ー イ は 、 必 ず 両 耳 付
きヘ ルメ ット(S Gマ ーク つき )を 着用 しな け れば なら ない 。
( 規則 3.08)
4. 規 則 5.10【 原注 】前段のうち「同一イニングでは、投手が一度ある守備位置につ
いたら、再び投手となる以外他の守備位置に移ることはできない」は適用しない。
〔規 則適 用上 の解 釈〕
投手は同一イニングで二度目の投手に戻れば、それ以降は他の守備位置につ
く事 は出 来ま せん 。
高校 野球 特別 規則 で認 める のは 、 投手 →野 手 →さ らに 野手 への 交代 です 。
投手 →野 手→ 投手 ―― ―規 則 5.10【 原注 】適 用
投手 →野 手→ 野手 →投 手― ―― 高 校野 球特 別 規則
投手 →野 手→ 野手 ―― ―高 校野 球 特別 規則
5. 試 合 中 に 交 代 し て 退 い た 選 手 で も 、 ベ ー ス コ ー チ に 出 た り 、 伝 令 と な る こ と が
でき る 。
(規 則 5.10【 注】)
6. 試 合 中 、 攻 撃 側 選 手 に 不 慮 の 事 故 な ど が 起 き 、 一 時 走 者 を 代 え な い と 試 合 の 中
断が 長引 くと 審判 員が 判断 した と きは、相 手 チー ムに 事情 を説 明し 、臨 時の 代走
者を 許可 する こと がで きる 。こ の代 走者 は 試 合に 出場 して いる 選手 に限 られ 、チ
ーム に指 名権 はな い。
・臨時代走はその代走者がアウトになるか、得点するか、またはイニングが終了
するまで継続する。ただし、塁上にいる臨時代走者が次打者となるケースにお
いては、その臨時代走者に代えて打撃を完了した直後の者を新たな臨時代走者
とす る。
・臨時代走者に替えて別の代走を送ることはできる。この場合、負傷した選手に
代走 が起 用さ れた こと にな り 、 負 傷選 手は 以 後出 場で きな い。
(1) 打者 が死 球な どで 負傷 した 場 合
投手 を除 いた 選手 のう ち、 打撃 を 完了 した 直 後の 者と する 。
(2) 塁上 の走 者が 負傷 した 場合
投手 を除 いた 選手 のう ち、その 時の 打者 を除 く打 撃を 完了 した 直後 の者 とす る 。
(参考 ) 臨 時代 走 者の 記録 上の 取り 扱い は、盗塁、得 点、残塁 など すべ ても との 走
者の 記録 と扱 われ る。
(規 則 5.10(e)【 原注】)
7. 規 則 5.10(i)の取 り 扱い につ いて は、高校 野球 の実 態か ら鑑 みて 試合 中に 混 乱を
招く 可能 性が ある こと から 、規 則 適用 除外 と する 。
8. 負 傷選 手の ベ ンチ 入り の取 り扱 いに つい て
大会前または大会中の負傷で試合出場が不可能となった選手(例えば手足の骨
折な ど)の ベン チ入 りに つい て、「医 師 の診 断書 で試 合出 場が 不可 能と なっ た 選手
でも、試合には出場しない条件でベンチ入りは認めることとするが、試合前後の
あいさつをはじめ、伝令、ベースコーチなど試合にどの程度参画させるかは、当
該選 手の 負傷 の程 度を 勘案 して 大 会本 部が 決 定す る」とす る 。
(規則 5.10(k))
9. オ ーダ ー用 紙 の取 り扱 いに つい て
オー ダー 用紙 の誤 記に 関す る事 例 の取 り扱 い を次 の通 りと する 。
(注) 登録 選手 と は、 当該 大会 に選 手登 録さ れた 選手 をい う。
オー ダー 用紙 とは 、当 日ベ ンチ 入 りす る選 手 すべ てを 記載 した もの 。
ケース1;試合前のオーダー用紙交換時点で大会本部の登録原簿照合により誤記
に気 付い た場 合。
(処置 ) 出 場選 手 、控 え選 手を 問わ ず 、氏 名 、背 番号 の誤 記を 発 見し た場 合、注意
を与えて書き改めさせ、罰則は適用しない。登録原簿以外の選手が記載さ
れて いて も同 様の 取り 扱い とす る 。
ケー ス2 ;オ ーダ ー用 紙交 換終 了 後、 試合 開 始ま でに 誤記 が判 明し た場 合。
(処置 ) 誤 記に 関 する 訂正 は認 めら れな い 。登録 原簿 通り 記載 され た選 手し か 出場
資格 はな いが 、チ ーム 全体 の没 収 試合 とは し ない 。
ケー ス3 ;試 合中 に誤 記が 判明 し た場 合。
(処 置 1 ) 登 録 選 手 間 の 背 番 号 の 付 け 間 違 い は 、 判 明 し た 時 点 で 正 し く 改 め さ せ 、
罰則 は適 用し ない 。
(処置 2) 登録 外 選手 が判 明し たと きは 、実 際に 試合 に出 場す る前 であ れば 、その
選手 の出 場を 差し 止め 、チー ム自 体の 没 収試 合と はし ない。( 代打 な どの
通告 を本 部で 原簿 照合 して 判明 し たと きな ど )
(処置 3) 登録 外 選手 が試 合に 出場 、これ が プレ イ後 判明 した とき は 、大 会規 定に
より試合中であれば没収試合とし、試合後であればそのチームの勝利を
取り 消し 、相 手チ ーム に勝 利を 与え る。
( 規則 4.03)
10. 試合 到着 遅れ の選 手の 取り 扱 い
何かの事情で当該選手だけが試合会場に遅れてきた場合、あくまでプレイがか
かるまでに会場に到着しなければ出場資格がないとし、その取り扱いを次の通り
とす る。
▽ 出場選手は大会規則で定められた時刻までに球場に到着しなければならない。
何かの理由で遅れてきた場合、大会本部がやむを得ないと認めた理由がない限
り、試合開始の挨拶で両チームが整列するまでに到着しなければ試合に出場す
ることができない。ただし、試合出場が認められない選手であってもベンチに
入る こと は許 され る 。
( 規則 4.03)
11. 試合 開始 前の 負傷 によ る選 手 変更 の特 例
メンバー交換の後、試合開始前の両チー ム整 列までの間に、メン バー表に記載さ
れた選手が突発事故の発生 により止むを得ず 先発出場が不能となった場 合、控え選
手を交代出場させることが できる。そ の場合 、出場不能となった 交代選手は試合 に
出場しなかったことになり 、回復すれば以後 の試合に出場することがで きる。
(規則 4.03)
12. 審 判 員 が 試 合 の 途 中 で 打 ち 切 り を 命 じ た と き に 正 式 試 合 と な る 回 数 の 規 則
7.01(c)に つい て は、 高校 野球 では 5回 とあ るの を7 回と 読み 替え て適 用す る 。
13. 得点 差コ ール ドゲ ーム につ い て
正式 試合 とな るコ ール ドゲ ーム を 採用 する 場 合は 、5 回 10 点 、7回 7点 と統 一
する。ただし、選抜高等学校野球大会ならびに全国高等学校野球選手権大会では
適用 しな い。
(規則 7.01)
14. 延長 回数 の制 限
選手 の健 康管 理を 考え 、延 長戦 は 15 回 で 打 ち 切 り 、 後 日 改 め て 再 試 合 を 行 う 。
15. タイ ブレ ーク 制度 の採 用に つ いて
~ 硬
式 ~
平成 28 年 度の 春 季地 区大 会で は、 タイ ブレ ーク 制度 を採 用す る。
その他、春季都道府県大会と秋季地区大会および同都道府県大会では、主催連盟
が各大会前に参加校に周知したうえで、タイブレーク制度を採用することができる。
ただし、選抜高等学校野球大会ならびに全国高等学校野球選手権大会および同
地方 大会 では タイ ブレ ーク 制度 は 採用 しな い 。
~ 軟
式 ~
春秋地区大会および同都道府県大会ならびに全国高等学校軟式野球選手権地方
大会( 都道 府県 大会 含む )では 、主催 連 盟が 各大 会 前 に参 加校 に周 知し たう え で、
タイ ブレ ーク 制度 を採 用す るこ と がで きる 。
ただし、全国高等学校軟式野球選手権大会ではタイブレーク制度を採用するこ
とと し、12 回終了時に同点の場合 13 回からタイブレークを開始する。
「タ イブ レー ク
導入 開始 回」 以外 につ いて は次 の 「タ イブ レ ーク 規定 」に 準ず る。
タイ ブレ ーク 制度 の運 用は 以下 の 規定 通り と する 。
(規 則 7.01)
▽ 「 タイ ブレ ー ク規 定」
(1) タイ ブレ ーク 導入 開始 回に つ いて
(A) 9回 終了 時に 同点 の場 合 、 10 回 から タイ ブレ ーク を開 始す る。
(B) 12 回終 了時 に 同点 の場 合、 13 回か らタ イブ レー クを 開始 する 。
主催 連盟 が(A)、(B)の いず れで 実施 する かを 選択 する もの とす る。
(2) 無死 、走 者1 、2 塁の 状態 から 行う もの とす る。
(3) チ ー ム は 、 タ イ ブ レ ー ク 初 回 の 攻 撃 を 開 始 す る に あ た り 打 順 を 選 択 す る こ と
がで きる もの とす る。(次 回以 降は 前イ ニン グ終 了後 から の継 続打 順)
① 両 チー ム は事 前に 配布 する「 選択 打 順申 告用 紙 」に タイ ブレ ーク 初回 とな る
とき の「 先頭 打者 氏名 」「 1塁 走者 氏名 」「 2 塁走 者氏 名」 を記 入す る。
② こ の場 合 の2 人の 走者 は 、前 項 の 先 頭打 者の 前の もの が1 塁走 者 、1 塁走 者
の前 の打 順の もの が2 塁走 者と な る。
(4) タ イ ブ レ ー ク 開 始 前 に 両 チ ー ム の 主 将 は 本 塁 上 に 集 合 し 、 記 入 済 み の 「 選 択
打順 申告 用紙 」を 球審 に提 出し 、 審判 委員 と 両チ ーム 主将 が確 認す る。
これ以降で、守備側の選手交代およびポジション変更、攻撃側の代打および
代走 は認 めら れる 。
(5) 延 長 回 に 入 り 、 降 雨 等 で や む な く 試 合 続 行 が 不 可 能 に な っ た 場 合 は 引 き 分 け
再試 合と する 。
(6) タ イブ レー ク開 始後 、15 回を 終 了し 決着 して いな い場 合は その まま 試 合を 続
行す る。た だし 、一 人の 投 手が 登板 でき るイ ニン グ数 につ いては 15 イ ニン グ
以内 を限 度と する 。
(7) 決勝 戦は 、原 則と して タイ ブ レー ク制 度 は適 用し ない 。
※ 「 明治 神 宮 野球 大 会」 と 「 国民 体 育 大会 (硬 式 ・ 軟式 と も)」 では 、 両 大会 の
タイ ブレ ーク 規定 を適 用す る。
▽ 公 式記 録の 取 り扱 い
(1) チ ー ム お よ び 個 人 の 記 録 は 、 す べ て 公 式 記 録 と す る が 次 項 以 下 に 掲 げ る こ と
には 留意 する 。
(2) 投 手成 績
① 規 定に よ り出 塁し た2 走者 は、 投手 の自 責点 とし ない 。
② 完 全試 合 は認 めな い。
③ 無 安打 無 失点 試合 は認 める 。
(3) 打 撃成 績
① 規 定に よ り出 塁し た2 走者 の出 塁記 録は ない もの とす る 。た だし 、
「 盗 塁」
「盗
塁刺」「得 点」「残 塁」 等は 記録 す る。
② 規定により出塁した2走者を 絡め た 「打 点 」「 併殺 打 」等 は す べて 記 録す る 。
16. 引き 分け 抽選 制度 の採 用に つ いて
春秋地区大会ならびに同都道府県大会では、主催連盟が各大会前に参加校に周
知し たう えで 、引 き分 け抽 選制 度 を採 用す る こと がで きる 。
引き分け抽選制度は、選抜高等学校野球大会ならびに全国高等学校野球選手権
大会、同地方大会および全国高等学校軟式野球選手権大会、同地方大会(都道府
県大 会含 む) では 適用 しな い。
また 、引 き分 け抽 選制 度と 前項 の タイ ブレ ー ク制 度の 併用 はで きな い。
引き 分け 抽選 制度 の運 用は 以下 の 規定 通り と する 。
(規 則 7.01)
▽ 「 引き 分け 抽 選規 定」
(1) 最終 回終 了時 に同 点の 場合 、 引き 分け 抽 選制 度を 適用 する 。
(2) 採用 する 場合 の実 施方 法
① あ らか じめ 18 通の 封筒 (中 に 二つ 折り した 用紙 を入 れる )を 用意 し 、そ の
中の 1通 に○ 印を 記載 した 用紙 を 入れ てお く 。
② 最終回終了後、両チームの選手は試合開始前同様にホームプレートを挟み整列
する。
③ 最 終回 終 了時 に出 場し てい た9 人( 両 チー ムの 18 人 )全 員が 一歩 前に 出 て、
球審 から あら かじ め用 意さ れた 封 筒を 引く 。
④ 全 員が 引 き終 わり 、審 判委 員は 両チ ーム の封 筒を 回収 。
⑤ 審 判委 員 が開 封し、○印 の入 っ た封 筒を 引い たチ ーム を上 位進 出校 と して 球
審が コー ルす る。
17. 変則 ダブ ルヘ ッダ ーの 規制
公式戦で、いわゆる準決勝と決勝を同日に行う変則ダブルヘッダーは原則とし
て開 催で きな い 。た だし 、天候 など に よる 順 延で やむ を得 ない 場合 は除 く 。な お 、
やむを得ず実施する場合は、投手が登板できるイニング数は両試合を通じて合計
15 イ ニン グ以 内と する 。2 試合 目も 登 板が 予定 され る投 手は 第1 試合 後の ア イシ
ング はし ない こと 。
( 規則 4.08)
18. チ ー ム ま た は 選 手 が 大 会 参 加 者 資 格 規 定 に 触 れ た と き は 、 そ れ が 分 か っ た 時 点
で相 手校 に勝 利を 与え る。
なお、責任教師、監督が、大会参加中の試合に関する不正行為をしたときは、
同様 に相 手校 に勝 利を 与え る。
(1) 大 会 参 加 者 資 格 規 定 に 触 れ た チ ー ム が 大 会 組 み 合 わ せ 抽 選 会 後 に 判 明 し た 場
合、 失格 とし て相 手校 を不 戦勝 に する 。
(2) 大 会 参 加 者 資 格 規 定 に 触 れ た チ ー ム が 試 合 中 に 発 見 さ れ た と き は 、 た だ ち に
試合 を没 収し て相 手校 に勝 利を 与 える 。
(3) 大 会 参 加 者 資 格 規 定 に 触 れ た チ ー ム が 試 合 後 に 判 明 し た と き は 、 そ の チ ー ム
の勝利を取り消し、最後に試合を行ったチームに勝利を与え、それ以前にさ
かの ぼっ て再 試合 は行 わな い 。
( 規則 7.03)
19. バ ン ト と は 、 バ ッ ト を ス イ ン グ し な い で 、 内 野 を ゆ る く 転 が る よ う に 意 識 的 に
ミートした打球である。自分の好む投球を待つために、打者が意識的にファウルに
するような、いわゆる“カット打法”は、そのときの打者の動作(バットをスイング
したか否か)により、審判員がバントと判断する場合もある。 ( 規則 5.09(a)(2))
20. 規則 6.03(a)(3)走 者が 盗塁 を企 て たと き、 捕手 の送 球を 打者 が妨 害し た かど う
かの 判断 は、打 者が 現 実に 捕手 の守 備行 為を 妨げ たか どう かに よる こと を原 則 と
する が、 高校 野球 では 紛ら わし い 動作 をし た とき にも 適用 する こと があ る。
21. 規則 6.01(h)【付 記】
( 捕手 のブ ロッ ク )の適 用に つい て 、高 校野 球で は 捕手 は、
『ボ ール を保 持し てい ると きし か 塁線 上に 位 置す るこ とは でき ない』こ とと する。
〔規 則適 用上 の解 釈〕
(1) 走塁 妨害 を適 用す るの は、
『 あく ま で捕 手の その 行為 がな けれ ば当 然本 塁 に到
達で きた 』と 判断 でき る場 合で あ る。
(2) 捕 手 の そ の 行 為 が 走 塁 妨 害 に も か か わ ら ず 、 瞬 間 的 に 「 ア ウ ト 」 の コ ー ル を
した 場合 でも 、改 めて 「オ ブス ト ラク ショ ン 」の 宣告 をし なお す。
(3) 走 塁 妨 害 適 用 外 で あ っ て も そ の よ う な 行 為 が あ っ た 場 合 は 、 試 合 を 停 止 し た
うえ で、 捕手 に対 して 厳重 に注 意 する こと 。
(4) ボー ルを 保持 する 前の 捕手 の 立つ 位置 は 次の 通り とす る。
① ホ ーム ベー ス の中 央線 より 右側 に立 ち、ベー スの 左半 分を 走者 に見 える よ う
にす るこ と。
② また、捕手がホームベースより後方に位置するときでも、ホームベースと
三・ 本間 のラ イン が重 なる 三塁 よ りの 接点 ( 別図 b 点 ―b’) から 前方 に出
ては いけ ない 。
【別 図】
ボール を持 たな い
b
捕手が 立て ない 範囲
b´
(5) 捕球 して から の動 き
ボー ルを 保持 して いる とき は、 塁 線上 に移 動 して タッ グを して もよ い。
(ア マチ ュア 野球 内規 ⑩参 照)
22. 投手 が投 球す る方 の手 を口 ま たは 唇に つ けた 場合 、審判 員は ただ ちに「 タイ ム」
をか け警 告す ると とも に、 その ボ ール を交 換 する こと とす る。
また、投手が投げ手をロジンに触れた後、粉を掃うために息を吹きかけること
は認 めな い。
なお、寒い日などの試合では、試合開始前あるいは試合途中からでも、申し出
があれば両チームの同意により、審判員は投手が手に息を吹きかけることを認め
るこ とが ある 。
( 規則 6.02(c)ア マチ ュア 野球 内規 ⑫)
23. 高 校 野 球 で は 、 負 傷 等 の 応 急 処 置 と し て 、 テ ー プ な ど の 使 用 を 認 め る こ と が あ
る。この 場合 、担当 審判 員の 許可 を 得た うえ 、肌 の色 に近 い目 立 たな いも のを 使
用し、特に 投手 は、投 球 に影 響を 与え るも のは 使用 でき ない。 (規 則 6.02(c)(7))
24. 規則 6.02(a)ペナルティの死球の取り扱いについては、臨時代走者(高校野球特
別規則6)に鑑み、次のとおりとする。
走者2塁、3塁、2・3塁、1・3塁時に投手がボークをして、投球が打者の
頭部に当たった場合、高校野球ではボークがなかったものとし、打者(臨時代走
者) を一 塁へ 進め 、走 者は 元の 塁 で試 合を 再 開す るこ とと する 。
ただし、正式試合の最終回の裏、または延長回の裏で試合を決するような場合
(走 者3 塁、 2・ 3塁 、1 ・3 塁 )は 、投 手 のボ ーク を適 用す る。
25. 監 督 ま た は コ ー チ が 、 マ ウ ン ド 上 の 投 手 の も と へ 行 く 回 数 を 規 制 し た 規 則
5.10(l)は 、 高 校 野 球 で は 、 試 合 中 監 督 は グ ラ ウ ン ド へ 出 る こ と が で き な い と 定
めら れて いる ので 適用 しな い。
26. 試合 の進 行を スム ーズ にす る ため に、 下 記の 規則 を採 用す る。
(1) 守備 側の 伝令 によ るタ イム の 制限
① 監督の指示を伝える伝令は、マウンドにいける回数を一試合に3回までとする。
注) 回数 は球 審と 控え 審判 で確 認 し、球 審は 伝令 のた びに ベン チの 監督 とタ イ
ムの 回数 を指 差し 確認 する 。都 道府 県大 会や 地区 大会 で控 え審 判が いな い
場合 は、 球審 と守 備に つい てい る側 の 塁審 ( 一塁 側が 守備 につ いて いる 場
合は 一塁 塁審 、三 塁 側 が 守 備 に つ い て い る 場 合 は 三 塁 塁 審 ) が 確 認 す る 。
② 延 長回 に入 っ た場 合は 、それ 以前 の回 数 に関 係な く 、1 イニ ング につ き1 回
だけ マウ ンド に行 くこ とが 許さ れ る。
③ こ の場 合の 伝 令が マウ ンド に行 くと は、ファ ウル ライ ンを 越え たか どう か を
基準 とす る。
④ 伝 令は 、審 判 員が “タ イム ”を 宣告 して から 30 秒 以内 と する 。
注) 計時 は控 え審 判が 行い 、球 審 に知 らせ る こと とす る。
都道 府 県大 会 や地 区 大会 で 控え 審 判が い ない 場合 は 、守 備 につ い てい る側
の塁 審が 計時 する 。
⑤ 内野手(捕手を含む)が2人以上マウンドに行った場合は、1回にカウントする。
注) 野手 がマ ウン ドに 集ま るこ と につ いて は 、各塁 と投 手板 の 間の 中間 距離 を
目安とし、それを越えた場合は、1回としてカウントする。この場合も、
球審 は守 備側 のベ ンチ に向 かっ て 指で その 伝 令回 数を 知ら せる 。
⑥ 投 手交 代の 際 に野 手が マウ ンド へ集 まる こと や、この 時に 伝令 がマ ウン ドに
行っ ても タイ ムの 回数 にカ ウン ト しな い。た だし、 野手 が定 位置 に戻 り、 投
球練 習が 終了 しよ うと する 時に 伝 令が マウ ン ドに 行っ た場 合は 、回 数と して
カウ ント する 。
⑦ 投 手が 塁や 本 塁の カバ ーリ ング をし た後 、内野 手 のう ち2 人が 投手 に近 寄り
マウ ンド 周辺 まで つい て行 く場 合、よど み な く自 然の 流れ の中 での 動き と審
判員 が認 めた とき は、タ イ ムの 回数 とは 数え ない。 しか し、立 ち 止ま って 作
戦の 打ち 合わ せを して いる と見 な され ると き は、タ イム と して カウ ント する 。
(2) 攻撃 側の 伝令 によ るタ イム の 制限
① 打 者お よび 走 者に 対す る伝 令は 、 一 試 合 に つ き 3 回 を 限 度 と し て 許 さ れ る 。
② 延 長に 入っ た 場合 は 、そ れ以 前の 回数 に 関係 なく 、1イ ニン グに つき 1回 だ
け伝 令を 使う こと が許 され る。
③ 攻 撃側 に責 任 なく 試合 が中 断(例 えば 選 手の 怪我 や選 手の 交代 な ど )した 際
の伝 令は 、回 数と して カウ ント し ない 。
④ 伝 令は 、審 判 員が “タ イム ”を 宣告 して から 30 秒 以内 と する 。
⑤ 回 数の 確認 は 、守 備側 の伝 令と 同じ 方法 で行 う。
(3) 相 手 側 の タ イ ム 中 に 伝 令 を 出 す こ と は 認 め ら れ る が 、 相 手 側 の タ イ ム が 終 了
して もな お継 続す る場 合は その チ ーム のタ イ ムと して カウ ント する 。
また 、打 者を ベン チに 呼び 戻す こ とは 禁止 す る。
( 規則 5.10(l))
27. 規則 8.02(c)【 原 注】 では、〈打 者 がハ ーフ スイ ング をし 、球 審が スト ラ イク の
宣告 をし なか った とき に、守備 側か ら塁 審の アド バ イ スを 求め るよ う要 請す る こ
とが でき る〉 とな って いる 。
ハー フス イン グを リク エス トす る 捕手 は、打 者を 指差 し、口 頭で「 スイ ン グ」
「振
った」と球審に要請することとする。したがって、捕手が一塁や三塁の塁審に対
して直接指差してリクエストすることはできない。ただし、監督は、打者が振っ
たか否かについて、ベンチ内から捕手に指示することはできるが、伝令を使うこ
とは 禁止 する 。
バントは定義上スイングではない、となっているが、高校野球では、バントの
ときでもハーフスイングのときと同じく、球審は塁審にアドバイスを求めること
がで きる こと とす る。
28. 審 判 員 に 対 し て 規 則 適 用 上 の 疑 義 を 申 し 出 る 場 合 は 、 主 将 、 伝 令 ま た は 当 該 選
手に 限る 。
(規則 8.02(b))