DQPSK衛星システムの RFICトップダウン・デザイン手法

DQPSK衛星システムの
RFICトップダウン・デザイン手法
Frank Ditore、シニア・アプリケーション・
スペシャリスト
Kal Kalbasi、通信アプリケーション・
スペシャリスト
Agilent EEsof EDA
概要
通信用RFICデザインについて
RFICエンジニアは、チップとシステ
ムの両方のレベルで、デザインの急
速な複雑化に直面しています。個々
のブロックごとにデザインされる従
来のデザイン・フローは、小規模で
あまり複雑でないデザインには有効
ですが、多くの機能をより小型のサ
イズに搭載する近年のデザインには、
もっと異なる統一された手法が必要
になります。このような手法として、
ボトムアップ検証にも対応したトッ
プダウン・デザインやトレード・オ
フ解析があります。RFICデザイナは、
各ステップでのボトムアップ検証は
もちろん、システム・アーキテクチ
ャ、RFシステム・デザイン、ICデザ
イン、ベースバンド(ディジタル)デ
ザインなどの主要プロセスを処理で
きる統合型のプラットフォームを必
要としています。
アーキテクチャ・レベルでのデザイ
ンでは、BERとEVMが主要なシステ
ム指標となります。BERについては、
デザイナが上位レベルの仕様を決定
して、与えられたSNR(Eb/N0)に対し
て一定のBERを維持する必要があり
ます。このレベルで、デザインがレ
シーバ内に存在するベースバンド(デ
ィジタル/アルゴリズミック)ブロッ
クやRF/アナログ・ブロックに分割さ
れます。詳細なブロックが利用可能
であれば使用されます。トップレベ
ルの仕様がデザインの最適化によっ
て得られると、RFシステム・デザイ
ナに伝え、さらに詳細な設計作業が
行われます。
この記事では、衛星システムの設計
フローについて、特に汎用レシーバ
のデザインに重点を置いて、この手
法のアプリケーションへの適用性を、
一般的なRF/ミックスド信号に焦点を
絞って説明します。最初に、極めて
高い抽象レベルでのトランシーバの
ビヘイビア・パーティション・シミ
ュレーションを行い、続いてより下
位レベルのレシーバ・デザインの一
部の仕様を最適化します。RFフロン
トエンドや復調器を含むDQPSKレシ
ーバのデザインについては、RFフロ
ントエンドの雑音指数やBERを使用
したベースバンド復調器の最適化を
通して詳細に検討します。さ ら に 、
RF/ベースバンド・デザインのこう
した仕様をどのようにして現実的な
RF/固定小数点デザインへ転換させ
るのか、またどのようにしてトップ
レベルのシステム・デザインに組み
込み直して第1段階の検証を行うのか
を説明します。
2
RFシステム・デザイナは、さまざま
なレシーバ/トランスミッタ・シス
テムや信号/雑音バジェットのトレ
ード・オフに関心を持っています。
この段階での典型的な測定としては、
スペクトラム、ACPR、EVMがあり
ます。
RFシステムのデザイン後、ミキサや
パワーアンプなどの特定のサブシス
テムがICデザイナに渡され、トラン
ジスタ・レベルのデザインや集中定
数/分布定数素子によるデザインに
用いられます。寄生成分のカップリ
ングを調べる場合には、電磁界レベ
ルまで掘り下げ、近接結合や電磁界
結合に起因する物理的な効果を解析
します。
トップダウン・フローは、各ステッ
プで、ボトムアップ・フローによっ
て補完され、検証されます。
衛星ディジタル通信システムの例
典型的な衛星通信システムでは、レ
シーバの雑音指数、DQPSKデコーデ
ィング・アルゴリズムのデザイン、
デコーダの固定小数点デザインに対
して、基本的なシステム・レベルで
の解析を行います。さらに、スーパ
ーヘテロダイン・レシーバの実際の
回路レベルでのシミュレーションな
ど、デザインの最終解析も行います。
DQPSK変調器
システムの設計者は、システムの上
位レベルの記述から始めます。この
図1
段階で、物理層から見た既知の量は、
信号の帯域幅、変調方式、データ・
レート、EIRP(等方性放射を基準にし
た実効放射電力)、距離、必要なBER
です。
図1は、オンボード・ダウンコンバー
タと、アップリンク部分のシステ
ム・レベルのスケマティック・デザ
インを示したものです。使用されて
いる変調方式はDQPSKで、測定値は
BERとSER(シンボル・エラー・レー
ト)です。SER測定の場合、信号のI成
分用とQ成分用の2つの基準経路があ
ります。
アップリンク・チャネル
パラメータ
RXダウンコンバータ
DQPSK復調器
仕様
入力信号の帯域
変調方式
Eb/NO、1e-4に必要な
必要なU/L EIRP
IF帯域
レシーバの雑音指数
データ・レート
表1
この段階で上位レベルのビヘイビ
ア・モデルを使って、システムのRF
部分をモデリングします。シミュレ
ーションは離散時間で行われ、信号
はバンドパス(複素エンベロープ)と
ベースバンドの両方でモデリングさ
れます。LNB(ローノイズブロック)
のモデルは、続くLNAのNF解析のプ
レースホルダに含められます。
RF/IF周波数、EbN0、ターゲット・ビ
ット・エラー・レート、シンボル・
エラー・レートなどの仕様の概要に
ついては、表1を参照してください。
表に示されているように、レシーバの
雑音指数(NF)の制限値は分かりませ
ん。どの程度のNFであれば、信号品
質(BER)を劣化させることなく、ま
た電力要件を変更することなく、許容
することができるのでしょうか?
3
DQPSK変調のBERシミュレーション
のセットアップを図2に示します。
DQPSK検波はコヒーレントではない
ため、復調器でのキャリア・リカバ
リは不要です。これは、DQPSK変調
器と復調器の詳細を示したものです。
重要なパラメータは、アンテナ利得
(EIRPおよびRX利得を設定するた
め)、経路損失(衛星の高度)です。
Eb/Noは、経路損失からRXアンテナ
の雑音生成コンポーネントまでの信
号の減衰量(利得)を変えることによ
り、これらのパラメータとは独立に
制御できます。このコンポーネント
は、レシーバのアンテナの雑音温度
をモデル化したもので、シミュレー
ションのノイズ・フロアを決定しま
図2
す。他のコンポーネントは雑音を発
生しません。
PtolemyのDQPSK変復調ブロック
BER測定コンポーネントは、前述の
雑音源を唯一のランダム変数として、
モンテカルロ・シミュレーションを
実行します。シミュレーション時間
は、これらのBERコンポーネントに
よって制御され、一定の統計的な分
散が満たされるまでシミュレーショ
ンが続けられます。経験則として、
シミュレーションの長さ
(ビット単位)
は、以下の式によって決定されます。
ビット数=1/( ビット・エラーの確
率×分散)
理想
基本的なリンク式を使って、リンク
境界条件とリンク・マージンを決定
します。
図3
RXのNFを求めるには、選択した特定
の変調方式で必要なEb/Noの他に、
TX EIRP(TXパワー+アンテナ利得)
、
経路損失、受信アンテナ利得、雑音
温度が既知である必要があります。
DQPSK(1e-4のBER)の場合、必要な
Eb/Noは11 dBです。
図3は、リンク・マージンの計算を検
証するために、シミュレーションで
掃引されたレシーバの4 dB前後のNF
を示したものです。
理想的なケースは、雑音指数がゼロ
のレシーバです。他の3本の曲線は、
NF=2、4、6 dBの場合のBER曲線の
EIRP=40.5 dBW、Gain_Rx=37.5 dBi、 変化をそれぞれ示したものです。
ビット・レート=64 kbps、雑音温度
290 Kが与えられていると、必要なNF 衛星通信システムでは、非常に長い
距離のために、弱い信号を扱います。
を計算することができます。
リンク・マージンを10 dBにするため したがって、最良の搬送波対雑音比
を維持するために雑音を減らして、
にNF=4 dBにします。
感度を最大限に高める必要がありま
注記:パラメータは、典型的なKaバ す。通常これは、雑音パワーを最低
ンドVSATアプリケーションに基づい 限の値に維持しながら、信号が十分
に通過できるだけの大きさに、IFス
て設定されています。
テージのレシーバの帯域幅を設定す
ることによって行います。衛星中継
4
器のダウンコンバータでは、さらに、
信号チャネルのローカル発振器の雑
音を変換するミキサやLNAからの雑
音が付加されます。
シミュレーションの結果、11 dBの
Eb/Noで1.0E-4のBERが得られました。
これは、−115 dBmの受信信号パワー
と等価です。ダウンコンバージョン
のNFが4 dBの場合、−111 dBmの受
信信号パワーにすれば、4 dBのEbNo
の増加で、同じBERが得られます。1
シミュレーション結果から、4 dBの
雑音指数が許容可能な上限であり、
このとき10 dBのリンク・マージンを
維持できると推測しました。このマ
ージンは、温度変動、大気による減
衰、NFの変動を見込んでいます。
RFサブシステム・デザイナが使用す
る他のダウンコンバージョンの値と
この値を使用します。この他の最も
重要な仕様は、RF-IF間の利得です。
これにA/Dと復調器のダイナミック・
レンジを加えて、システム全体のダ
イナミック・レンジが決定されます。
ただし、RXアンテナの配置または場
所が原因で、入力信号パワーの変動
が予測される場合には、AGCが必要
になることもあるので注意してくだ
さい。
変調器のコンスタレーション
シンボルのPSK変調への差分エンコ
ードは、受信機の復調器に求められ
る複雑さを大幅に軽減する新しい方
式です。情報がシンボル・ポイント
間の位相変化に符号化されるため、
実際の搬送波の位相の復元は不要で 図4
す。周波数は位相変化の速度である
ため、DPSKは実際には、実装が極め
て簡単なFMリミッタ/ディスクリミ
ネータ・タイプのレシーバを使って ライス」する必要があります。ここ
復調することができます。ここでは、 では、Grayデコードも実行されます。
ディジタルで実装されています。
差分復調では、位相変化はI/Qシーケ
DPSKの1つの重大な欠点は性能です。 ンスに変換されます。
DPSKは通常、コヒーレント復調機能
を備えたPSKシステムに比べて、2∼ 算出された式を使用すると、アルゴ
3 dB性能が低下します。2
リズムの浮動小数点シミュレーショ
ンが実現します。デコーダの性能が
PSK変調の差分エンコードはわかり 数値的にチェックされ、その結果が
やすい方法です。ビットまたはビッ シンボル・スライサの実装に用いら
ト・シーケンスによって状態が変化 れます。スライサは、デコーダから
する度に、状態変化が変調搬送波の 出力されるI/Qシーケンスをビットに
位相変化として符号化されます。ビ 変換する際に使用されます。
ット・シーケンスが変化しない場合
は、位相は変わりません。Grayコー デ コ ー ダ か ら の コ ン ス タ レ ー シ ョ
ディングなどの追加のエンコードは、 ン・ポイントは、軸上のI/Q平面に存
与えられたビット・シーケンスの変化 在します。これらのポイントの振幅
に対応する位相変化を正しく選択する は、復調器への入力信号の振幅の関
ことによって実現できます。90度の位 数になります。
相変化では、2ビット(M=2)シーケ
ンスのうちの1ビットに変化が生じる シンボル・スライサの目的は、差分
だけです。このため、ある程度エラ デコードされた波形から伝送ビット
ーを防ぐことができます。
を回復することです。デコードされ
たシンボル・ポイントは軸上にある
DPSKのコヒーレンスでない復調で ため、スライサは、そのポイントが
は、位相の変化を正確に測定するた 存在する象限を特定してから、Gray
めに、現在および過去のシンボル・ デコーディングを実行して、ビット
ポイントを知っておく必要がありま を抽出する必要があります。
す。これは、簡単な三角法によって
計算できます。DQPSKデコーダから スライサは、各象限に+/−45度のし
出力されるI/Qシーケンスは、実際に きい値を設定し、シンボルを正規化
伝送されたシンボルではなく、波形 してから、シンボルが存在している
から位相変化の符号化を除去するた 場所に関する決定を行うように設定
めの中間結果です。その結果として されています。この計算は、コンパ
表示される4レベル・コンスタレーシ レータの機能に加えて、簡単なアー
ョンは、伝送されたシンボルに対応 クコサイン/アークサイン関数を使
する位相変化を検出するために、「ス って行われます。また、信号のサン
復調器のコンスタレーション
プリング・レートが極めて低速であ
るため、この計算はソフトウェアで
行われます。
差分デコーダやシンボル・スライサ
の機能の検証は、基本的な数値シミ
ュレーションを用いて行われます。
この検証用の数値バージョンの
DQPSK変調器もあります。
図4に示されているように、デコー
ダに送られるコンスタレーション
は、4レベルQAM波形のように見え
ます。このレベルでは、QPSK、
DPSK、4-QAMを区別することは困
難です。
また、デコーダからの出力は4レベ
ル・コンスタレーションを45度回転
したものです。実際には、デコーダ
のアルゴリズムのために、入力位相
を任意にとることが可能で、出力ポ
イントはやはり軸上に存在します。
ここで注意すべき点は、入力コンス
タレーションが位相変化で符号化し
たシンボル・ビットを持つのに対し
て、出力コンスタレーションは絶対
コンスタレーション・ポイントで符
号化したシンボル・ビットを持つと
いうことです。
図4の最後のグラフは、変調器への入
力ビットと復調器の後のリカバリ・
ビットを比較したものです。
5
RF I/Q変調器を追加することにより、
I/Qベースバンド・シーケンスを変調
RF搬送波に変換します。このシミュ
レーションのベースバンド・シーケ
ンスは、タイム・ドメインではなく、
サンプル・シーケンスが進化したも
のです。簡単なD/A変換は、FIRフィ
ルタリングと共に、変調器の内部で
行われます。
信号が変調RFドメインに入ったら、
Eb/No比を必要な値に設定できるよう
に、制御された方法でノイズを信号
に付加することができます。
I/Q復調器は、ノイズを含むRF波形を
取り出して、ベースバンドI/Qの数値
シーケンスに変換します。FIRフィル
タリング、デシメーション、サンプ
ルの位相設定は、すべてI/Q復調器の
内部で行われます。
前のテスト・ベンチを使用した場合
は、I/Q復調器入力での信号のEb/No
は、4 dBから12 dBの間で変動します。
結果は、前のスライドと同じ理論曲
線と比較されます。
両者の間にはわずかなオフセット
(約0.5 dB)が見られますが、結果は
理論データと非常によく一致してい
ます。これにより、選択したデコー
ダ・アルゴリズムが効果的であるこ
とがわかります。
小数部のビット幅
図5
回路に置き換えられるという点を除
いて、前の浮動小数点デザイン用の
テスト・ベンチとまったく同じです。
ビット幅は、性能の検証用に非常に
大きく設定されています。次のステ
ップでは、実装規模と性能とのトレ
ードオフを考えるために、ビット幅
を変更します。
受信信号レベルをダイナミック・レ
ンジの中央にする必要があります。
これは、復調用の信号レベルが十分
であることを保証しながら、デコー
ダのオーバフローを防ぐために行い
ます。
上述の場合に必要なレシーバの利得
は110 dBです。シミュレータの場合
は問題ありませんが、この利得では
変数を掃引して、EbNoの範囲で小数 単一のダウンコンバージョンを実装
部の幅を変更します。これにより、 することは難しいかもしれません。
ビット幅ドメインにおけるBER性能 したがって、最終デザインは、おそ
らくデュアル・ダウンコンバージョ
次の作業は、このデザインを現実的 を解析できます。
ン・アーキテクチャにする必要があ
な固定小数点回路にすることです!
図5に示されている結果からは、4 dB るでしょう。
DQPSKデコーダの浮動小数点デザイ のEb/Noでも、BERを悪化させること
ンは、現在、シミュレーション環境 なくDQPSK信号をデコードするのに、 最終システムは、一定の雑音指数を
で固定小数点エレメントを用いて実 11ビットで十分であることが分かり 持つレシーバ/ダウンコンバータ機
装されています。これらのブロック ます。12ビットであれば、さらにマ 能が含まれているので、理想復調器
よりも高いEb/Noで動作しています。
を用いることにより、2∼256ビット ージンが得られます。
動作時のEb/Noは15 dBに設定され、仕
の固定小数点をシミュレーションし、
飽和、切捨て、丸めなどの効果を捕 解析の初期に、LNBのNFは4 dBに設 様に適合した距離性能が実現できま
定していました。次に、デコーダを す。また、リンク・マージンは10 dB
捉することができます。
用いてDQPSKデコーダ/シンボル・ になります。
デコーダに加えて、I/Q復調器からデ スライサ・アルゴリズムが調べて、最
シミュレートした性能と直接比較で
コーダまでの信号経路全体も固定小 終的に固定小数点デザインにします。
きるように、理論曲線は4 dBシフト
数点回路にします。これには、FIRフ
ィルタや利得調整ブロックが含まれ 簡 単 な 単 一 の ダ ウ ン コ ン バ ー ジ ョ されています。
ます。信号の振幅を量子化するため ン・レシーバ・アーキテクチャを用
に、簡単なA/D変換をモデル化します。 いてこれらを統合して、シミュレー
ションによりデザインを検証します。
固定小数点デザインを検証するため
のテスト・ベンチは、FIRフィルタと 最終的なシミュレーションを実行す
DQPSKデコーダが等価な固定小数点 る前に、レシーバの利得を解析して、
6
ここで、RFシステム・デザイン・ガ
イドを用いて、ダウンコンバータの
詳細を指定します。このガイドを用
いることにより、スーパーへロダイ
ンから直接変換まで、多数のトラン
スミッタ/レシーバRFアーキテクチ
ャを検討することができます。選択
度や出力スプリアスの測定に加えて、
NF、利得、TOIのバジェット解析も
迅速に実行できます。
ダブルステージ・ダウンコンバータ
ここではダブルステージ・ダウンコン
バータ・レシーバが選択され、コンポ
ーネント仕様が変更されています。こ
れは、100 dBを超える利得のため、こ
のアーキテクチャを選択しています。
ダウンコンバータが実現したので、
ダブルステージ・サブシステム・ダ
ウンコンバータ、トランジスタ・レ
ベルの増幅器、分布定数整合回路な
どの回路レベルでのデザインが、ト
ップレベル・デザインで動作するこ
とを確認します。
次に、詳細なダウンコンバータを階
層デザインに接続し、回路エンベロ
ープを使ってシミュレートします。
図6は、最終的なシミュレーション結
果を示したものです。
結果からは、実際の回路デザインが
BERに関しては正常に機能している
こと、仕様のBER値を満たしている
ことが分かります。
さらにシミュレーションを実行して、 図6
C/I、選択度、その他の非線形特性を
求めることも可能です。
7
まとめ
この記事では、RFミックスド・シグナル・デザインにトップダウン・システ
ム/回路デザインを用いることの意義を紹介しました。
この例は、Agilent EEsof EDAのAdvanced Design Systemを使用して作成されま
した。ADSの詳細については、www.agilent.co.jp/find/eesofをご覧ください。
参考文献
1. Digital Communications、Joh n G. Proakis
McGraw Hill、1995 3rd edition、Page 276ページ(eq 5-2-70)
2. Reference:Digital Communications、John G. Proaki
McGraw Hill、1995 3rd edition、Page 276
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July 29, 2003
5988-9902JA
0000-08DEP